こんにちは、坂本です。
先日、日本電子商取引事業振興財団(J-FEC)の曽根原さんにお呼ばれして、1時間ほどセミナーしてきました。30人くらい集まって、懇親会→二次会まで行きまして、飲みすぎました。。
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ECの未来について、セミナーをしてきました
※写真取るの忘れたので映像をキャプチャ
これまでのお客さんのEC購買行動
セミナーのテーマはズバリ、ECの未来。にも関わらず、結論は「facebookやる前に色々やることあるだろう」って話w
有料セミナーだったので一部だけ内容をご紹介します。
下記がこれまでの、「お客さんの購買行動パターン@大手ECサイト」です。
スライドの下に並んだアイコンの意味について、ちょっと補足します。
ネット上の買い物客の行動には、「何か見る→欲しいと思う→検索する→買う→人に言う(レビュー)」という流れがありまして、これをAISASモデル(Attention-Interest-Search-Action-Shareの頭文字)と言います。
上記の図ではちょっと簡略化して、AttentionとInterestを勝手にまとめて4ステップにしてます。お客さんの買い物行動を4ステップにまとめたわけです。ちなみにAISASモデルは電通の人が提唱したそうです。
で、この図では、AISAS=4ステップの買い物行動が、ほぼ大手ECサイト(楽天やamazon)内で完結しているわけです。
これは強いっ!単なる売り場じゃない。楽天やアマゾンは、もはや「ECメディア」と呼んで良いと思います。すごいすごい。自分で全てまかなっている=儲かる。利益率も高いわけです。
ソーシャル浸透後、これからのEC購買行動
でも、今後はこうなっていくんじゃないか・・という図が下記です。
ソーシャルメディアが伸びるに従って、お客さんの購買行動の流れが、ECメディアの外にはみ出ていくことが考えられます。つまり、「買う」瞬間以外の購買行動が、大手ECの支配圏の外でなされる。こうなると、ECメディアは「『単なる売り場』に落ちぶれる」ことになります。せっかく儲かってたのに。。
これは、ある意味主導権をソーシャルメディアに取られている状態。
「単なるモノ売り」になったら色々振り回されて大変。利益率も下がります。
さらに、例えばfacebookが浸透しきった未来において、彼らがヤフーショッピングを優遇したらどうなるか?楽天のエラい人は、想像するだけで気分が悪くなるんじゃないでしょうかねー。
まあ、上記は極端な絵で、ソーシャルが浸透すると検索エンジンが使われなくなるってことはありませんから。お客さんが「ソーシャルと接触せずに自発的に検索してECサイトに来る」ことだって多いでしょう。ただまあ、ヤフーもGoogleも自前のECをやっていて、楽天とamazonはサーチエンジン持ってないですからね(まあ厳密には持ってますが余り使われてないし・・)。食い扶持の供給源=集客元を絶たれるのはホントに怖いはず。
ソーシャルメディアとECのこれからを考える
中小ネットショップにとってのSNSの位置付け
そんなわけで、ECメディア側としては、ソーシャルはすぐにでも対処・適応しないといけない「黒船」だと言えます。が、一般の中小ネットショップにとっては、必ずしもそうじゃないんじゃないかなー。
楽天市場は、多くの出店店舗を巻き込んで「facebook上での『楽天市場の存在感』を高めようとしている」ように見えますね。去年、X(旧Twitter)で同じようなことがありました。まあ、(楽天は)お金かからないし妥当な施策だと思いますが、それに乗っかるべきかどうかは店舗さん個々の判断ですよ。どっちかっつうと、普通の店は「基本の徹底」が先なんじゃないですかねぇ。と個人的には思います。
価値提案型の店、とか、コミュニティとか、コンシェルジュとか、まあカッコいい理想だけなら色々思い付けるわけですが、でも、だからといって「モノ売りだけじゃない店になるためにfacebookページを作る」っていう結論は余りに早計でしょう。。facebookやらX(旧Twitter)やらを一旦頭から外して、ゼロベースで考えるべきです。
自店舗にとって、今重要なことに取り組もう
facebookページがダメってわけじゃないんですよ。でも、道具は使い方です。普段どれだけお客さんを巻き込んで店舗運営していますか。腕立て伏せしない人が立派なバーベルセットを買っても仕方ないわけです。確かに、ソーシャルメディア(特にfacebook)がECに与える影響のは上記のとおり非常に大きい・・可能性がありますが、だからといって自店舗にとって「今重要」かどうかは分かりません。
「基本を済ませてない段階の店」がああいうのに取り組むのは、百害あって一利なし、なんじゃないですかねー。思い当たる節がある人は、胸に手を当ててゆっくり考えてみてください。
そんな感じで、今回のセミナーでは他にもいろいろ未来の話をしましたが、また別の機会に。結構ウケたので、またどこかで講演しようかなー。ネットショップ団体の方、雑誌社の方、寄稿・セミナー可能ですのでご依頼お待ちしております。
PS
「基本の徹底」したい方は、弊社のコンサルティングがお勧めです。興味のある方は、以下からお声かけください。
カテゴリー: ECセミナー・講演