こんにちは、坂本です。
前回の記事では、個人的にやっているToDo管理(やるべき仕事の管理)の方法と考え方について書きました。
要約すると、
「先のことまでイメージして大量に書き出し、分類しつつリスト管理」
「そのストックの中から、『今日やることだけ』を切り出して目の前に置く」
自分で言うのもなんですが、これ、表層的なようで結構本質的な話だと思ってます。というのも、いわゆる「拡散と収束」を体現しているから。
- 目次 -
社会人の基本スキル「拡散と収束」とは?
「拡散と収束」とは、
・まずは沢山洗い出す
・その次に絞る
・すると良い結果が出る
という考え方です。色んな場所で使えます。超重要。もはや社会人の基本と言っていいと思います。
議論における「拡散と収束」
例えば店内イベント(バーゲン福袋とか)のアイデア出しをするときに・・
拡散&収束ができてない例
スタッフ 「コレどうですか」
社長 「現実的じゃないから却下」
スタッフ 「アレはどうですか」
社長 「予算足りないから却下」
スタッフ 「ソレどうですか」
社長 「先月やったから却下」
拡散&収束ができている例
こういう人がいる一方で、以下のようなやり方もあります。
スタッフ 「これどうですか」
社長 「なるほど、コレ系だと他に何がある?」
スタッフ 「コレとかコレとか・・」
社長 「大体出たね。じゃあアレ系だと他に何がある?」
スタッフ 「アレとかアレとか・・」
社長 「じゃあ、ここに並んだ案を見ながら、計画を詰めていこう」
リサーチも議論も熟考も、まず広げてから絞る
というように、どんどんイメージを広げてから(拡散)、その後で具体的・現実的に話を詰めていきます(収束)。どうやら、一旦話を広げてから絞る方が、良いアイデアが出やすいようです。
ネットショップ運営におけるマーケティングリサーチでも同様です。お客さんからの話をとにかく大量に聞いて、すぐに結論を出さずに色んな情報に触れて、そこからパターンを見極めて結論へと進んでいく。
そんなわけで、議論の進め方の記事なんかだと、この「拡散と収束」という言い回しは本当によく現れます。
例えばこの記事なんか典型です。
会議は「ゆるめて締めて」を繰り返せ!(オールアバウトジャパン)
議論の基本は、拡散と収束だと言えそうです。でも、大勢での議論じゃなく、一人で考えるときも、拡散と収束は必要です。
戦略・戦術における「拡散と収束」
戦略・戦術を考える際にも、「拡散と収束」が使えます。
以前、マーケティング戦術の取捨選択について 「『やるか・やらないかの二択』というのは間違った考え方」 という記事を書きました。パン屋さんの売上アップ方法についての話。
要約すると、「店にお客さんが入ってこない」「外にワゴン置いてパン置けば?」「湿気るからダメ」 → 一つのアイデアだけ見て話をせずに、「店にお客さんが入ってこない」点自体について色んな角度から考えましょうよ、という話。「拡散と収束」ですよね。
マーケティングにおける「選択と集中」
戦術ではなく戦略でも同じ。マーケティングの奥義?の一つに、「選択と集中」という考え方があります。簡単に言うと、ちゃんと周りを見た上で、自分にとって本当に大事かつ得意な分野だけに集中しようぜという考え方。アメリカのGE社が実践して有名になりました。
まず、マーケット全体(競合やお客さんの動向)を見て、自分の強みを把握。まず視界を広く取るわけです。ここまでは「拡散」。そして、広い視界の中から、狙いを定めるべき場所を選択して、そこに経営資源を集中する。だから選択と集中。このへんは「収束」と似てますよね。
周りを見極めた上で、何をやるかを決める
まあ、敢えて乱暴に言うと、「専門店は強い」っていう話ですw
新宿いかセンターという居酒屋(写真はこちら)がありまして、個人的に何回か行ってます。イカ専門店。流行ってますねー。まさに「選択と集中」・・でも、実は、イカだけでなく他の料理も色々ありますw
でも、店名が「海産物センター」だったらこうは流行ってないんじゃないかなあと思います。敢えての「いかセンター」。重要。
そういえば、楽天店舗の間でも最近「一つの店を大きくするより、『専門店』を複数作る」という運営スタイルをちらほら見かけますね(安易にマネすると危険ですが)
周りを見極めた上で(=ひとりよがりで決めるのはダメ)、店として「すること」と「しないこと」を決める。すると強くなる。それが選択と集中。
この方法論も、やはり「拡散と収束」という大原則の上に成り立っています。
業務における「拡散と収束」
日常業務でも「拡散と収束」は大事。前回書いたToDo管理はまさにコレです。
「先のことまでイメージして大量に書き出し、分類しつつリスト管理」
「そのストックの中から、『今日やることだけ』を切り出して目の前に置く」
上が拡散、下が収束です。
良かったらもう一度読んでみて下さい。
整理整頓における「拡散と収束」
たとえば、整理整頓するときは、引き出しの中に入っているモノを、全部引っ張り出してぶちまけてから、あるべき場所にモノを納めていく方が早いですよね。その過程では散らかった風に見えますけど。
だから、「拡散と収束」は仕事の現場だけでなく、生活の場にも表れているわけです。
まとめ
上記の4つは、分野で言うと・・ファシリテーション(議論の仕切り)、マーケティング論、ToDo管理、家事のコツ、という全然別ジャンルの話です。でも、そこで使われている考え方は全て「拡散と収束」なんですよねー
拡散で「地図」を広げ、収束で「道」を選ぶ
話を広げたり、色々ぶちまけたりする(拡散)と、一瞬混乱します。短気な人はイライラするでしょう。拡散させずに、早く収束させたくなる。
でも、拡散された混乱の中に道が見えるものじゃないかと思います。無数にぶちまけられた情報は、ある意味「地図」。
「地図を広げれば道が見える」のが世の常なんじゃないでしょうか。
焦ると、地図も見ないで走り回っちゃうものですが、お茶を一杯飲みつつ地図を広げる余裕を大切にしたいと思ってます。
PS
「拡散と収束」にも大小があります。毎回全力で話を広げているといつまで経っても話が終わりませんので、全体的な時間配分は気をつけましょう!バランスは大事。徹底的に話題を広げるときは・・例えば長期の戦略を検討するときなどは、合宿を開催してまで徹底議論する会社も多いみたいですね。
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カテゴリー: 判断力と実行力