まず、この3点に注目してください。
- 日本の小売業は右肩下がりです。
- でも小売の中でも通信販売は、比較的好調です。
- でも通信販売の中でも、ネット通販(Eコマース)はもっと好調です。
なぜか?
- 目次 -
ネット通販が売れやすく、好調な理由
私が考えますに、通販が売れやすい要因は4つ。
- 商圏に制限されず、1対多の接客が出来る
- 購入客へのアフターセールス(フォロー)により、継続購入を促進できる
- 広告は必須だが運営費用は安く、仕組みがシンプルで、規模が拡大し易い
- 接客力や費用対効果を計測し、色々試しながら「継続的に改善」できる
特に4の「継続的改善」。どの店員が一番売上に貢献しているかの判断は難しいですが、どのDMが一番売上に貢献しているかの判断(&改善)は、ずっとカンタン。
リアル通販・・・カタログ通販も、TV通販も、チラシ通販も、ラジオ通販も全て1~3「効率的に接客できる」という強みは、4「継続的な改善がしやすい」という特徴の上に成り立っています。
Eコマースが成長業種となった理由
そして、Eコマースは、通信販売の歴史の延長線上に存在しています。突然発生した画期的なビジネスではないのです。歴史を踏まえてECを見ると、なぜ成長業種たりえたのかを再認識することが出来ます。
- 1対多の接客が出来る。しかも安上がりでカンタン
- アフターセールスにより、継続購入を促進できる。しかも安上がりで正確
- 仕組みがシンプルで、規模が拡大し易い。しかも安上がりで正確
- 費用対効果を計測し、試しながら「継続的に改善」できる。しかも安上がりで正確
つまり、通販業のあらゆる強みに、ITの力が乗っかって、さらに強くなったのがEコマースです。
ECは「利益率が低い業種」も参入しやすい
一方で、通販&ITという特長によって、Eコマース独特の市場環境も形成されています。
まず、利益率が低い業種でも参入できる。あらゆるリアル通販は広告費が必須ですが、ネット通販は、検索エンジンに掲載されるのは一応タダだからです。
参入しやすい反面、競争が激しい
次に、競争が激しい。理由は2つ。
- 低コストなので競合が参入し易い
- 検索結果や比較サイトにより、簡単に商品を見比べられる
結果、競争が激しいので、これまでは参入できていた利益率の低い業種は、今後は段々苦しくなっていくと思います。
これからのEコマース
「コンテンツ性」でリアル通販を上回るように
一方、いろいろ遊べる。
- リアル通販で同封される「読み物」の類は費用もバカにならないが、ネットなら激安で提供できる
- ページだけでなく、メールやflashや動画やCGMや各種プログラムなど、リッチ&インタラクティブな仕組みも安く使える
- ネット上は口コミが伝わるのが早い(工夫は要りますが)ので「無料でおもろい=最強」
本業をしっかりやるのが大前提ですが、今後、ネット通販はリアル通販より、コンテンツ性(楽しさ)においても上回っていく可能性が高いと思います。
ネット通販は「非効率な接客」で差がつくように
これまでEコマースが伸びてきたのは通販の効率性&ITのパワー、だったのですが、今後は、もっと非効率性?というか、商売に本来直結しないような部分で差がついてくるのかもしれません。
効率的だからこそ、非効率な接客が出来ます。
あなたが実店舗でお客さんと交わす雑談が、重要な価値を持つときが必ず来るはずです。何気ないことの「本来の価値」を引き出す力を、Eコマースは持ってる気がするんですよね。
ECがこれからも成長業種たりえるには、このへんのことが大事な気がします。
PS
弊社のコンサルタントなら、いまの時代に沿った戦略や将来像を提案できますよ。ウェブ会議を使って「考えをまとめるお手伝い」もできます。興味のある方は、以下をご覧ください。
カテゴリー: EC戦略論