こんにちは、坂本です。自店舗の「客層」について考えたことはありますか?
「ありますよ。ウチの客層は30代から50代の女性です」って言う人が多いんですけど、その情報は何のヒントにもなりません。 客層とは「年齢と性別」のこと・・ではありません。今日はそんな話です。
きちんとお客さんを理解することを、顧客理解といいます。お客さんを理解すると、キャッチコピーも商品選定もやりやすくなります。そこで今日は、少年マンガ雑誌を使って、顧客理解について考えてみます。まあ雑談だと思って、気軽に読んで下さい^^
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客層って何だろう
前述のように、きちんとお客さんを理解すれば、相手がどんな人が分かった状態でコミュニケーションするので、どんな言葉をかけた方が良いか、品揃えをどうすればいいかがやりやすくなりますよね。
もちろん、地元密着の老舗八百屋さんみたいな感じで、お客さん一人一人を深く理解して接客出来るに越したことはないんですが、お客さんは人数が多いですから、ある程度「束」で捉えないと大変です。そこで、顧客理解です。
ただ、「30代から50代女性」みたいな大きすぎる分類では何の意味も無い。年齢や性別は、あてになりません。たとえば同じ30代女性でも、母親とキャリア女性ではかなり生活スタイルが違いますよね。全く参考にならないわけです。
生活事情や価値観で「客層」を分類する
で、実際のところ買い物に影響を及ぼすのは、年齢や性別ではなく、生活事情や価値観です。だから、「客層」は「こういう事情の中で生活していて、こういう価値観を持っていて、〇〇したい人」などと定義した方がいいです。
例えば「年を取った犬を飼っていて、飼い犬の健康を気遣ってる人が、長生きして欲しいなーと思って」、オーガニックペットフード店に来るとか。「アウトドア大好きで、かつ新しもの好きな客層が、どうせキャンプ行くなら新しい道具色々試してみたいなーと思って」、尖ったアウトドアショップで買い物するとか。
まず来店する前に、価値観や生活事情からある「意思」が生まれ、その意思を持って来店するわけですね。その意思や、意思の発生経緯を理解することが、顧客理解だと思います。
マンガで客層分類してみる
今日は、そこから更に踏み込みます。顧客理解において、生活事情(小さい子供がいるとか)は理解しやすいですが、価値観って言語化しづらいですよね。。
で、その人の根底に近い価値観を理解するにはどうすればいいか・・と考えて、「マンガで分類してみる」という無茶なことをしてみます。
子供のころどんな漫画雑誌を読んでいたか、を定義することで、客層がちょっと見えるかもしれない。いや、見えないかもしれません。雑談なので、あまり真に受けないで下さい。
日本人男性の行動パターン3分類
日本人男性の行動パターン(趣味嗜好)を、マンガ雑誌で分類します。ちょっと話題が偏ってますので、対象年齢は40才±10才くらいですかね。極端にデフォルメして語ります。
3分類できると考えました。「ジャンプ派」「マガジン派」「サンデー派」です。自分が読んでた頃の話なので、内容が古いのはご容赦下さい。
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マガジン:ヤンキーとスポーツマンガが多い。あしたのジョー、特攻の拓、GTO。
マガジン型人間は、
行動基準は:先輩や仲間
地元では:だいたい友達
居場所:地元と家庭
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サンデー:ラブコメとファンタジーが多い。タッチ、うる星やつら、名探偵コナン。
サンデー型人間は、
行動基準は:自分の好み
地元では:浮いている
居場所:価値観の合致する同志
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ジャンプ:かつては「熱血男の子」。キン肉マン、スラムダンク、ワンピース。
※最近の若者に「草食系男子」が増えているそうですが、ジャンプの「草食化」も進んでいる印象。
ジャンプ型人間は、
行動基準は:普通
地元で:普通
居場所:普通
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行動パターンと消費の思考は、タイプ毎に異なる
あくまで「客層」について考える材料です。気分を害した方、すいません。人間は全員違うので、タイプですっぱり分けるなんて不可能なんですが、ざっくりしたイメージを持つことは判断の効率化になるかなと(これによる悪影響を「偏見」と呼びます)
この構図では、両極にマガジンとサンデーがいて、中間にジャンプがいますよね。お伝えしたいのは、タイプによって行動パターンと消費の志向が随分違うという点です。
マガジン派とサンデー派の対比にご注目ください。地元の仲間・先輩後輩とつながり、伝統的(一般的)な価値観を持つ人々と、場所に関係なく自分の好きな世界に遊び、独自の価値観を持つ人々。
前者は「地域の仲間」と繋がり、後者は「同じ志向を持つ仲間」と繋がる傾向にあります。
後者・・つまりサンデー派は、志向が同じであれば距離が遠くても緊密な関係を築くので、オンラインコミュニティと非常に相性が良いわけです。つまり口コミもそこで発生するので、オンラインの口コミ施策が効きやすい相手です。
一方、前者・・マガジン派は、むしろリアルな口コミやマスコミ露出の方に強く影響され、特に仲間内で与え合う影響が大きいはずです。
※2017年10月追記:この記事は結構古いです。いまならマガジン層にもSNSは普及しましたから、ここで書いているよりネットの影響は受けやすいです。ただそれも、地縁のある人の経由の影響かなと。マガジン層はfacebook、サンデー層はX(旧Twitter)のイメージです。
ネットショップの客層の変化
黎明期のネットショッピングの客層
かつて、インターネットはオタクの国でした。一方、かつてのmixiの躍進は、マガジン派・・というかリアルな地域に生きる人々すらも取り込めた点かなと。それまでのオンラインコミュニティは、ネットで人と仲良くなることが平気な、世間一般の感覚からするとちょっと特殊な人々が主体でしたから(私、ECやる前はコミュニティ運営会社にいました)。
さて、古くからネットショップを運営する皆さん、「昔の常連さんたち」のことを思い出してください。その人たち、サンデー派(常識に左右されない若干オタク寄りの人々)じゃないですか?ECがまだ一般的じゃなかった時代、ネットショップ店長に対して、ネット上だけのつながりなのに、店長に対して好感を持って積極的にメールのやり取りをしてくるお客達。
現在のネットショッピングの客層
そして時代が変わるにつれ、マガジン派もネットショッピングをするようになりました。どうなるか?流行に左右され、暖かいレビュー記事とかは余り書かない、ECにコミュニケーション性を余り求めない「一見ドライ」なお客さんが増えます。※実際は、単にネット上で安易に馴れ馴れしくする習慣がないだけなんです。
別に、EC業界に心の冷たいお客が増えたわけではなく、人によって趣味志向は違うよねっていう当たり前の話。お客さんによって「購入動機」や「判断基準」は色々違うわけです。自分の物差しだけでお客さんを考えてはいけません。
自分の店はどんな客層か、まず想像で分類してみる
まあウチの店はオタク専門!という店はごく一部で、実際にはいろんなタイプの人々が混在しているわけですが、このようにお客さんに対して妄想を膨らませることは、顧客リストを単なる「数」「ひとカタマリ」として見ないために重要なプロセスだと私は思っています。でも、「お客さんは1人1人違う」と考えちゃうと、販促施策には生かせません。
だから、どんなキャラクター(=客層)の人が多いかな~と、まずは想像で分類してみるのがいいと思うんです。「自分のお客さんが好きなマンガ・ベスト3」なんて想像してみるといいかも・・笑。映画でも音楽でもいいんですけどね。「自分はコレが好き」というのは、誰にでも出来る自己表現。好きな物は、結構その人を表します。
ちなみに、あなたの顧客リストは、あなた自身とその商材によって、既にある程度選別されています。あなたの顧客は、店舗運営スタンスの映し鏡であるとも言えますね。
取りとめもない話でしたが、まあ、一種の思考実験と思って下さい。これでもう「客層=年齢・性別」とは思いませんよね。大切なお客様について思いを馳せる、1つのとっかかりにして頂ければ幸いです。
PS
昔お世話になったある上司が、漫画サンデー(少年サンデーとは無関係)を定期的に買ってまして、かなり彼のキャラクターを表現したチョイスでした。
PPS
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