こんにちは、坂本です。
仕事をしていて、「大切な仕事なんだけど、ついつい後回し」「色んなことに手を出して、全部終わってない」という状態になっていませんか。今日はそういう方(と自分)に向けたお話です。
長年このテーマに悩んできた私ですが、最近ちょっとマシになったのです!その経験を踏まえ、原因と対策について思うところを書いてみます。
- 目次 -
起こっている問題
永遠の「作業中」
こんなことが、よくあります。
- やらなければいけない仕事がある
- どんどん仕事が入ってきて、後回しになる
- 時間がないから進められない
- 時間が経つ
- 思い出せない
- そのうちやろう
- 記憶の彼方へ
でも、「永久に終わらない仕事」というものはなかなかありません。サグラダファミリアとスラムダンクくらいですよね。(追記:バガボンドも終わらないかも)
実際のところ、いつまでも終わらないのは、「その作業に時間がかかっている」のではなく、違う作業に時間を使っているからです。だって、その仕事を終える前に、別の仕事を始めていますよね。だから終わらない。
新しい仕事が手前に来ることで、本来一番だったはずの仕事がどんどん後倒しになっているわけです。これが原因です。
言い換えると、時間がないから進まないのではなく、「無制限に割り込みを許している」から進まないんです。
「割り込み優先」状態
さらに観察してみます。
現実問題、作業をしている途中で、まだ完成してない状態で、緊急のことで、別の作業に着手する(脱線する)ことはあります。これは仕方ないことです。
最初は、「やむなく割り込み」です。ほんとはこっちが優先だけど、緊急だからこっちを優先する。「救急車が通ります」状態。
が、しかし。
最初は「やむなく」だった割り込みが、次第に「割り込みに慣れる」ことで、遅れが常態化していきます。
次第に、割り込みタスクのほうが優先になる。後続タスクに「道を譲る」どころか、追い抜かれ続けている状態になります。
随分立ってから再開しようとすると、どこまでやったか・どうやるのかを思い出せない・・ので、化石になります。
結果、重要だったはずの仕事が、完成しないまま風化します。
ええ、私の話です。
会社員なら上司からツッコミが入るでしょうが、社長は・・あまり突っ込まれんですよねえ(言い訳)。
※「緊急と重要」の区分で言うと「緊急ではないが重要(いわゆる第二領域)」の仕事ほど、化石になりやすいですね。
頑張りと成果は比例しない
この図、意味わかりますか。
昔のあの浪費や、あの無駄遣い。
積み上げると、結構な金額だよなあ。あー勿体ない。
時間も同じです。「思いついた瞬間はすごかったけど実際微妙なアイデアを実現する作業」や、「行きがかり上なぜかこだわってしまった仕様」。うっかり浪費してしまった時間の数々。もしそれらの時間を、「1つの重要事項」に投入していたら、あなたの売上は、今より遥かに大きかったかもしれません。
もう、あれこれ手を出して、頑張りを分散させるのはやめませんか。
なぜ起こるのか
なぜ、こんなことが起こるのでしょうか?
やりかけの仕事を残したまま、他の仕事に手を出したらいけない。大人ならわかりそうなものですが、なぜか手を出してしまうのです。なぜでしょうか。<私
サボっているわけではありません。仕事を一生懸命やっていて、勉強熱心な故に、こうなってしまうのです!(必死)
その理由を説明します。
時間を節約しようとして、無駄遣い
隙間なく仕事をしていれば、仕事は進むはず。無駄な時間がないほうが効率的。・・その思い込みが危険です。
重要な仕事を進めていたとして、誰かの確認待ちなどで、ちょっと待ち時間が生じたとします。待っている時間がもったいない。
待ち時間が勿体無いから着手しよう・・と、半端に着手した仕事が案外大変で、結果、逆にメインの仕事が待ち時間以上に遅れたりします。貧乏性が災いしてますねー
本当の収納名人は「隙間なくモノを上手に詰め込む」のではなく、「使いやすさを考慮して適度に空きスペースを作る」「それ以前にモノの数を絞る」んだそうです。
仕事も同じですよねえ。「隙間なく常に仕事に取り組んでいる」のが良いかというと、必ずしもそうでは無いわけです。
「同時並行案件数」が多いと「バリバリやってる気分」になりますが、それよりも「仕上げた数」を大事にしましょうね。<自分
同時並行が多くて有名なアノ人も、本当に凄いのは「仕上げた数の多さ」です。並行数を競わないで、まずは地道に1つでも多く完了させましょうね<自分
脳内麻薬で道を誤る
日々、色んな仕事が飛び込んできますよね。その中で、「この仕事は優先すべき」と考える、その判断基準は何ですか?
費用対効果とかリスクレベルなどで判断する・・のが教科書的ですが、実際は、スピーディーに「感覚的」にやっていませんか。
日々高速で仕事を回している中でのことですから、じっくり比較して選ぶというよりは、直感的にぱっぱと選んで、優先度を決めているはずです。
そして、その「感覚的判断」が落とし穴かもしれません。
仕事は、完了させないと成果が得られませんよね。完了して成果が出ると、脳内麻薬が出ます。やったー。気持ちいい。
ところが人間は、仕事が済んでなくても「これが完成したら儲かるぞ」と言う気持ちだけでも、脳内麻薬が出ます。 ある意味、その作業をしているだけで、儲かったような気持ちになります。
仕事というものは、完成させる手前が一番辛いものです。ツラいし、脳内麻薬があまり分泌されなくなります。最初と比べて減速気味。
そんなときに、面白くて新しいアイデアが現れると「儲かりそう」と脳内麻薬が分泌されるので、気持ちいい。ふらふらそっちに流れます。つまり、理性を強く持たないと、自然と「脳内麻薬が出る方の仕事」に流れてしまう。怖い。
しかも、「着手したら気持ちいい」わけですから、お猿さんのように着手しまくるわけです。ウッキー!
厄介なことに、この際、「自分は冷静に判断している」と思っていますw が、実際は、酔っぱらって判断が効かなくなって飲みすぎるようなものですねえ。自戒です。。
「新しい仕事」は魅力的に見える
あと、そもそも「新しい仕事の方が魅力的(あるいは重要)」に見えているはずです。
人間(を含む動物)は、本能として「動いてるもの・新しいものに目を向けてしまう」習性があるのだそうです。動物が生き残るためには、何かが現れたらすばやくチェックして動く必要があります。本能です。
一方、今の仕事には飽きています。頑張って進めてますし、理性では大事だとわかってますが、感情としては「飽き飽き」です。
その飽き飽き状態で、新しい情報が飛び込んできたら・・絶対に目が行くわけです。例えばSNSのコメント、新着のメール、チャットのメッセージなどです。刺激を受けます。つまらない仕事やっている時よりも、脳が活性化されます。刺激により、アイディアらしきものも出るでしょう。
そうすると、(冷静な判断の結果ではなく)反射的に新しい仕事や、「これ調べてみよう」を生み出して、それに飛びついてしまうのです。<私が
でも、それは所詮逃避行動なので、大したアイデアではないはずです。
対策
一言で言うと「人間は弱い」って感じですね。
というか、私が弱い(;_;)
だから、後回し対策とは「弱い自分への対策」です。
以下、対策のアイデアです。
優先事項を書き出しておく
日中、仕事をガンガンやっている瞬間は、市場のセリ市のようなスピード感が求められます。瞬間的な判断の連続・・・の中で、脳内麻薬や新着情報で道を誤ってしまうわけです。
なので、道を間違えないように、優先事項はちゃんと文字にして、目立つようにしましょう。短期、中期、長期で、何を優先するかを書いておくべきです。
これ当たり前のようですが、人間の心理をふまえて考え直すと、やっぱり有効な施策だと思いませんか。自分が脳内麻薬で酩酊しても、書いてある文字を見て、我に返るわけです。
こうやって優先事項や計画を決めても、世の中いろいろあるので、計画通り行くわけではありません。でもね。脳内麻薬などの「自爆で脱線」することは減ります!
優先事項を書き出しましょう。
ちょっと待つ
「後回し祭り」に陥りやすい人は、創造性豊かなタイプが多いように感じます。何かを見かけたり、人から話を聞いたりすると、色々なアイデアが浮かんでくる。
で、「既に思いついた他のアイデアやToDo」がたくさんあるんですけど、それと比較せずに、「ひらめいた事を瞬時にやる」あるいは「調べ始める」ことで、「大事なことが後回し」となってしまうようですね。私もですけど。気持ちはわかります。
ただ、突発的に動きたくなるあれは、「鼻の頭がちょっと痒い」ようなもので、しばらく待てば消えます。動いちゃダメ。ストップ!そして、ブッダもしくは耳なし芳一になったつもりで、じーっと魔が去るのを待ちましょう。脳の興奮が落ち着いて、作業に戻れます。これマジです。
※ちなみに「邪魔」の語源は「ブッダの瞑想を遮ろうとした悪魔」です。知ってました?だから瞑想で撃退するのが正解。
相談相手を見つける
誘惑が多い中で意思を強く持つためには、一人で黙々と進めるよりも、他人に相談しながら進めるほうが、確実に実行しやすい。
誰かに宣言して約束すると、やらなきゃという決意が固くなるからです。また、違う方向に行きそうな時は、軌道修正をしてくれることもありますね。
あなたの状況を把握し、定期的にやり取りして、一緒に走ってくれる相手を探してみましょう。
まとめ
まとめます。
- スキマ時間でのタスク着手は危険
- 「着手しまくる社長」は猿と同じ ← 自虐です
- 衝動的に動きたくなったら、興奮が収まるまで我慢する
- 直観は間違えるので、優先事項を書き出しておく
今回は、えらく反省が多かったな。。
なんというか、「外部刺激に反応する」のって本当にラクなんですよね。一方、「刺激のないところで、自分の決めたスケジュールに従って黙々やる」のは、なかなか辛いものです。誰かに急かされない仕事は特に。
しかし、本当の大仕事はそんな風にして成し遂げられると思うのです。黙々とやってる皆さん、一緒に頑張りましょう。
PS
もし、相談相手が身近にいない、という方は、弊社コンサルタントがお役に立てるかもしれません。
前述のように「何を優先するかの判断」が大事なので、御社のプロフィールやデータを見て提案をしたり、話し合いをして調整したりします。御社のパートナーになりますよー!
PPS
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カテゴリー: 判断力と実行力