ネットショップの価格競争対策!「値下げせずに売る」ために「絶対必要」な考え方とは

こんにちは、坂本です。今回は、ネットショップの「価格競争対策」についてお話しします。

売上を伸ばすために、セールをやって「売上の山」を作る。セール勢いをつけると店全体にお客さんが回遊して売上が伸びる。本当でしょうか。セールをやめたら売上下がりませんか?ポイントでもクーポンでも同じです。

じゃあどうすればいいの?セールしないと売上が伸びないんだけど。。という方に向けて、考え方と対策を説明します。私としては、むしろ「売上の山を作らない」「セールより値上げ」を勧めたいんです。

※この記事は、本ブログの過去の記事から抜粋・再編集しています。

安売りしないためにはどうするか

セールして、ポイントつけて、それを露出しないと「売れない」と思い込んでいる人が多いように思います。まずは、客観的に状況を観察してみましょう。すると「セールせずに売れる」ためのヒントが見つかります。

セールで売れても続かない

まず、良くない例についてお話します。

昔々、こういうクライアントさんがいました。

  • 上司から昨年対比で◯%にしろと言われている
  • 手段は問わない、絶対にやれ!とプレッシャーが凄い
  • だから儲からなくていいから目標売上を達成したい

それホントに?と何度か確認しましたが、意志は固く。そういうケースもあるんだなーと思って、お手伝いをしました(※ちなみに本店での話です)。以下はその手順です。

  • 1:まず、売上の「商品別内訳」を分析する
  • 2:「売れていて、伸びしろもある商品」を見つける
  • 3:競合を見ながら価格を調整する
  • 4:利幅を意識しながら、コストを掛けて集客する

特に2が大事ですね。「力を入れてなくても売れている商品」は「伸びしろのある商品」という理屈です。あとは市場を観察して関連商品を開拓し、商品数を増やしました。もちろん既存の競合より安くします。何しろ儲けがいらないので、価格競争歓迎です。

まー簡単な仕事でした。売上は調子よく伸びて目標達成。どうなったか?・・「儲けが出てない」ということで全く評価されませんでした。その後、担当の方は結局退職されたようです。。

何が言いたいか?
「むやみなセールによる売上増は、継続的な成果には結びつかない(そして上司から評価されない)」です。

なぜセールすると売上が伸びるのか

そもそも「セールや値下げをすると売れる」のはなぜでしょうか。どんな問題でも構造を理解すれば、打ち手が見つかるはずです。

セールで売れるのは、「値頃感が伝わるから売れる」です。

「値頃感」というキーワード、覚えて下さい。
値頃感を伝えるには「何かと比べる」ことです。

例えばセールイベントの表現は、「いつもと同じ商品」が「今日なら半額」という感じですよね。
つまり、比べ方としては「普段のウチと違って今日はお得」

そうやって冷静にみると、セールイベントは、「自店舗の通常価格」を犠牲にして「今日はお得」とアピールしているという構造なのがわかりますよね。当然、セールが終わると「普段の売上」が減ります。

「値下げせずに売る」ためにはどうするか

では、「値下げせずに売る」ためにはどうするか。

「価値・価格・原価」のバランスを見る

この図を見て下さい。

儲けるためには、「価値・価格・原価」のバランスを取ることが必要です。

儲けるためには、当然原価よりもある程度価格を上げなければいけません。
しかしお客さんだって「良い買物」をしたい。だから買うなりの価値が必要です。

つまり、儲けるためには価格を下げずに売る・上げて売る必要がある
そして高価格で売るには、「その価格以上に価値を感じて貰う」必要があるわけです。

価値を高める表現

となると、「高い価値を感じてもらう」必要がありますね。
以下、いくつか例を上げてみます。

他社製品と比べる

自分の商品ではなく「他社商品と比べる」方法。ケルヒャーの高圧洗浄機なら◯円だけど、この類似品ならたったの◯円、みたいな。お得さが伝わります。実際には表現に要注意ですけど。

下図はイメージです。

※このレイアウトは楽天規約上NGなので、実際にやったらダメですよ

実績を伝える

商品に込められたエピソードなどでも、体感価値を高めることが出来ます。

実績を伝えないと、価値が伝わらないものです。たとえばテレビのバラエティ番組で、3000円のワインと3万円のワインとを目隠して比べさせるコーナーがありますよね。あれ結構間違えます。そんなものなんです。

下図もイメージです。実績を少し載せると値頃感が伝わります。

※本ブログの昔の記事も、参考になります。

リスクを伝える

「水に浮く防水スマホカバー」があったとします。ほしいですか?多分いらないですね。

でも、「リスクを伝える表現」があると話が変わってきます。「楽しいマリンレジャー。でも、もしスマホを海に落としてしまったらどうしよう・・。大丈夫!そうならないために『水に浮く!防水スマホカバー』」

つまり、レジャーの楽しさとスマホを守る「保険」という定義になります。ずっと高いお金を払えそうなイメージになりませんか。

ヒントは「お客さんの言動」と「想像力」

どうすれば、体感価値を高める表現を見つけられるか。お客さんにヒントがあります。
たとえば「もっと◯◯な商品ないんでしょうか?」「○○で困っているんですけど・・」そんな問合せが届いていたら、そこに「モノの価値を高く感じて貰えるチャンス」があるかもしれません。

今回はぜひ、安売りしなくても色々やれる、という点を覚えてください。そして自店舗のお客さんをもっと観察するようにして下さい。

あと、金額だけで値頃感を出しちゃうと「安かろう悪かろう」という勘ぐりの心理も刺激してしまいますからね。安物商品のほうが大事にされない傾向があります。

商品を大切にしてほしいなら、安売りは程々に。色々逆風もありますが、知恵を尽くしてがんばりましょう。

PS
値下げをせずに、利益を減らさずに、「値頃感」が伝わるような表現について興味がある方は、弊社のコンサルティングまでお声掛けください。

カテゴリー: 売上アップのヒント

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