(実話)4年かけて、月商を「50倍」にした話

こんにちは、坂本です。

自慢。4年前の11月からコンサルティングをはじめたお店が、この11月で、当時から比べて月商50倍くらいになりました。

安売りしてないし、広告もあまりやってないし、メディアにも露出してるから、まだいけそう。(たぶん)店長の給与も余り出ないような状態から、あちこちからお声がかかるようなお店になりました。

私自身は、店長さんの捻り出す色々な施策を見て「すごいっすね」「おもしろいっすね」とか言ってただけです。それでも嬉しいです。

まあ、コンサルタントが「当社コンサル先が、たった○ヶ月でなんと月商○○倍に!」なんていうアピールをするのは良くある話なんですが・・・・が、しかし!

個人的には、短期間の売上UPではなく、4年掛けて着実に伸びてきた点こそをアピールしたい!

以下、理由を述べます。

 

「すぐ伸びた売上」は、すぐに落ちる

短期間で売上が伸びるケースは、結構パターンが限られています。

  • 仕入れ力のある店が、ある程度名の知られたメーカー品を値下げしてガツンと広告
  • 在庫を持たずにメーカーと受注発注をして、一気に大量商品登録
  • テレビで紹介されてバカ売れ、周囲は品薄だが自分には在庫がある

とかとか・・他にもありますけど・・分かる人は色々思い浮かびますよねw

で、短期間での成功は、短期間で終わりがちだと思います。
精神論じゃないですよ。

短期間ですぐ結果の出る施策は、マネされやすい

短期間で手堅く伸びる施策は、「再現性が高い施策」。つまり、違うシチュエーションで違う人がやっても結果が出やすい施策。

いい施策ですよね。成功例多数。あなたにも出来ます。
よくできたフランチャイズみたいなものです。

でも、「短期間で、あなたにも出来る成功法」は、「あなたじゃなくても短期間で出来る成功法」

だから、後発参入もバンバン来ます。
ライバル増えっぱなし。どんどん厳しい市場になります。

ここに、「テクニックのジレンマ」があります。
良いテクニックほど、このジレンマがあります。

というか、2000年代中盤のネット通販そのものに、こういう風潮(お手軽&参入バンバン→競争激化)があったように思います。

「良い施策」ほど、頼ると痛い目を見る

私を含むコンサルタントという生き物は、「売れました」「家族で喜んでます」みたいな報告をもらうのが本当に嬉しいものです。

だから、コンサルは、どんなクライアントでも上手くいくような、分かりやすい提案、手堅い施策・・つまり「良い施策」を提案したい。 毎日考え、毎日提案し、その結果を見て毎日改善しています。どんなお店にも役立てるように。

けど、そういう「初心者でも出来る上に、費用対効果が高い施策」というのは、陳腐化も早いわけですね。

寿命の短い施策に頼るのは「リスク大」

まあ良い道具は使えば良いんですが、陳腐化が早い施策は「頼ると危ない」ですね。施策にかぎらず、商品でも集客手段でもなんでも。

たとえば、「ネット卸で急いで仕入れた、TVで話題の商品」が売上の中心になってるとマズいわけです。他店も同じことをしますから。

結果、競争が激化し、売上が急減します。焦ったところで、まあ何かしら打ち手はあるものですが、前と同じ状態に「戻る」ことはありません。

競争を避けるための「参入障壁の作り方」

商売をしながら平和に生きていくためには「参入障壁」を作るのが大事。つまり「ライバルが入ってきにくい状態」を構築するのが、本当に大事です。来月の売上が読めない会社と、来年の売上を読んでる会社。安眠できるのは後者です。

では、参入障壁とは何か。
ある意味、「再現性の『低さ』」ではないでしょうか。

自分にしかできない「独自性」のある強みを持とう

つまり、「私(当社)には出来る成功法」を持っていて、「その方法は、アイツ/他社は知っていてもマネできない」。これが高いレベルで確立されるほど、そのお店は盤石になっていきます。

たとえば、さっきの「ネット卸で急いで仕入れた、TVで話題の商品」が売上の中心になってるとマズいわけですが、しかし、「ネット卸で話題の商品を仕入れて売る力が、誰にもマネできないほど異常に高い会社」なら、良い感じですね。

そういった「再現性の低さ=独自性」の源は、社長のセンスだったり、会社の歴史だったり、複数の才能からなるチームの生み出す何かだったり、お役所の許認可だったり、ニッチに魂を懸ける専門性だったりします。そうそう真似られません。

冒頭、例に挙げたお店は、まさにこの独自性を存分に伸ばしていて、あまり競争に巻き込まれていない状態ですね。地味でも、自分/自社だけの強みを地道に長年磨き続けることこそが、本当の近道だと思ってます。

なので、こういう強みは、DIY的に磨くものであって、コンサルティングや勉強会で「もらえる」ものじゃないわけですね(私もコンサルなんですけどw)。そもそも簡単に教えられるものであれば競争力にならないわけです。

「短期で出来る美味しい施策」は、「種芋」!

しかし!
ここで一気に話をひっくり返します。

「誰にでも出来る施策は独自性にならない」からといって、「自分だけにしか出来ない必殺技」をいきなり編み出そうとする空手白帯は、相当イタいわけです(遠い目)。基本も大事。

あとは、まあ先行するライバルが強い場合は、やっぱり弱小店舗でも食い込める何かを見つけ、短期で売上を伸ばして原資を得て、それを独自性に関連する分野に投資(お金に限らず時間も)して、あぶく銭を本当の資産に替えていくのが、現実的かと思います。その意味では、短期的なテクニックも重要です。

タネイモ施策で産まれた利益は、投資に回す

短期施策で生み出される利益は、いわゆるタネ芋です。食べるためじゃなく、植えて、大きく育てるための原資です。なので、「あたらしい方法/商材をみつけてウハウハです!」みたいなことを言ってる人がいたとしたら、「タネ芋まじウマイ」って言ってるのと同じなわけですね。冬を越せないはず。

私は、この点に、コンサルタントの存在意義を感じます。まず、タネ芋的な施策の提供(ひとつじゃ足りないので複数)。そして、店長が、自分/自店舗/自社の持つ固有の強みに対して、開眼するためのお手伝い、です。一旦タネ芋を得て、強みに開眼し、伸ばしはじめれば、あとは「おもしろいっすねー」とか「らしくないっすよ」とか言いながら脇で見ている感じ(ほんとに言うわけじゃなくて気分的に)。

冒頭のお店に対して、私は、最近はもうホントに単に感心してるだけで、孫を見ているお年寄り状態なんですが、昔はそんな感じでお手伝いを少しがんばりました。はい。

 
 

まとめ:まず稼ごう → 次に、独自の強みを追求しよう

稼ごう、ってあんまり響きよくないかもですが、稼いでないニートが世の中を語るほうがもっと響きが良くないですよね。稼ぐのは大事!

  • まず、基本を身につけ、他店からも技を盗んで、原資を稼ぐ
  • その過程で、自店舗の独自性・強みについて掘り下げる
  • 見つけた強みを、時間とお金をかけ、丁寧に磨き続ける

そんな感じです。

「基本」を身につけてから「応用」(独自施策)に

1つめは「本質」じゃないけど、大事。

以上、もっと具体的な事例を載せろ、って言われそうな記事でしたが、それも例に挙げたお店の独自性を守りたいからです(元々当社はクライアント事例を公開しない主義です)。

そんな感じで、私は、トンがってるお店が増えるお手伝いをしたいなーと思っております。がんばります。

 

PS
一方で、「かなり再現性の低い強み」は往々にして「属人的」なので、これが会社の成長を阻害することもまあよくありますから、世の中難しいものですねぇ。。

PPS
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カテゴリー: 売上アップのヒント

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