セミナーのオンライン化から1年。坂本の近況と次回開催セミナーについて

こんにちは、坂本です。最近、実は結構忙しくセミナーをやってます。この記事は、私のセミナー開催レポートを含む近況報告と、次回セミナーの開催予告です。

最近は自治体からのセミナー依頼が多くて「○○県の事業者さん限定」というクローズド開催が中心なんですね。一応、開催レポートで、実施実績はご報告していますが、具体的な内容にはあまり触れていません。
そこでこの記事では、セミナーレポートとして、各地のクローズドセミナーでどんな内容を話しているかざっくりご紹介します。

加えて、久々にクローズドではない、どなたでも参加頂けるセミナーがあります(しかも無料&オンライン)。4月23日、futureshop(フューチャーショップ)さん主催です。都合の合う方、是非どうぞ!この記事の末尾で案内します。

近況とリモート開催について

冒頭書いたように、最近はクローズド&リモートのセミナーをひっそりとやっています。この3か月で6件のセミナーをやってまして、現時点であと8件が控えています。

2020年2月に富山で開催したのが最後のリアルセミナーで、それ以降はコロナの影響で、オンラインセミナーになりました。一年以上リモートでやり続けているので、やってみた感触について振り返ってまとめてみます。

リモート開催の残念なポイント

懇親会がない

これは完全に講師側の都合ですが、セミナー後の懇親会がないのが一番残念な所ですw

終了後、参加者の皆さんや、主催自治体の職員の方と膝を交えて、各地の観光地とか食べ物とかお酒の説明をしてもらったり、地元で起こってる出来事とかを聞きながら美味しい物を解説付きで食べられるというのは、日頃引きこもりである自分にとっては大変価値のある経験でしたが、そういったキッカケがすっかり無くなってしまいました。残念!

初対面でも飲みながら話すことで、皆さんのお悩みやがんばりの話もたくさん聞けたんですよね。。

ドーミーインがない

出張先では、よくドーミーインというビジネスホテルに泊まるようにしていました。個人的にファンです。このホテルでは、お風呂が温泉だったり、湯上りビールがなんと無料だったり!・・・と、ひそかにうれしいサービスがあります。立ちっぱなしでしゃべり倒した疲れをいやしてくれるサウナと、湯上りのビールがないのが、リモート開催の大変残念なポイントです・・その分、家で休めっていう話ですが。。これも完全に講師都合ですね。

参加者全員の顔が見えない(ことが多い)

私は、皆さんの反応を見ながら話すんですが、笑顔やうなづきなど私の呼びかけに反応してくれると、とても話しやすくなるんですね。ですが、リモートの場合は、講師しか映らないモードになっていて、自分のスライドしか見られなかったり、参加者の方がビデオオフにされていることがあります。
この場合、皆さんの顔、反応を見ながら話せないので、なんだか落ち着かないんですよね。なので、顔出ししてくれている方につい肩入れして話しちゃう、みたいな心理もあります。

もちろん、視聴場所やツールの機能や状況でオンにできない都合がある方もいらっしゃるのですが、話し手としては寂しい。。。

・・・と、書いてみると私都合の残念ばかりで、参加者の皆さんや主催者の方にとっては、リモート開催は良いことが多いような気がしています。

リモートの良いポイント

リアルセミナーは移動が大変、リモートなら移動不要

特に地方開催のセミナーで以前から気になっていたのは、各地域の参加者の皆さんが「県内のいろんなエリアから県庁所在地まで移動してくる」というケースが多いこと。私の移動も大変ですが、それ以上に、参加者の時間的コストが大きかった!

例えば、広い県内の端っこの方に住んでいる人は、セミナーの会場まで車で片道2時間掛かるとかもよく聞きます。例えば福島では、「会津から2時間掛けて来ました。今日は泊まります」など。東京から来てる講師と移動時間が変わらないという状態です。大変。

しかし、リモート開催になったことで自宅や事務所からセミナーを受講できるので、これは凄く効率が良い!

考えてみると、セミナーを受講した後にお酒を飲んで一泊してそのあと2時間掛けて移動して、その最中に仕事の電話が色々かかってきたりすると、勉強したことを忘れて実行しそびれる恐れがあります。

が、リモート開催であれば、ZOOMを切った後にすぐさま自分の店舗ページをいじったり、社内で打ち合わせをしたりといった「即着手」ができる。これが凄く重要なポイントで、もしかしたら、リモートの方が成果には繋がるんじゃないかなあ・・という感じがします。

懇親会での交流も大切ですし、楽しいですけどね。

リモートなら複数人での参加がしやすい

あとは拘束時間が短い分、社内の誰かと一緒にリモートセミナーを視聴しているというケースも以前より多く見るようになりました。これも「受講後の即着手」に一役買うのではないでしょうか。

担当の人が「セミナーで学んだことをまとめて社内に伝え直して理解度を合わせてから着手」って中々大変ですが、同じセミナーを受講していれば、その後が早いですよね。

「リモートでも内容が伝わるのか」については、これはアンケートを見たりしての私の肌感覚ですが、納得度とか理解度はリアルもリモートもあんまり変わらないので、差し引き「リモートの方が成果に繋がる」んじゃないかなあという印象を持っています。

リモートなら依頼しやすい

あと、主催者にとっても依頼しやすいのではないかなあと思います。

私が地方で講演をする際は、わざわざ空港や駅まで車を用意してくれたり、懇親会とかホテルまで案内してくれる地域の方や自治体の方、団体の方がいらっしゃるんですけど(ありがとうございます)、その辺の調整や拘束も不要になりますね。会場の手配や、受付周りも簡略化できますし。

加えて、リモート開催は人数が集まりやすい。前述の通り、参加者にとっては移動時間がなくスケジュール調整のしやすさがあるので、参加人数が集まりやすい。特に公共のお金を使って開催する場合、やっぱり参加者数の多寡が投資として妥当であったかの判断基準になるので、集まりやすさは重要なポイントかなあと思います。

今後の予想

以上を踏まえると、私の個人的事情を差し引くと、リモート開催の方がいいかな。。というのが、この1年間オンラインやってみた上での所感です。
コロナは早く収束して欲しいのですが、今後もセミナーのリモート開催は続くんではないかなと思います。

まあ、ワークショップなどの「実際その場で手を動かす」形式と、「濃いめのリアル交流」を中心とする企画についてはリアル開催の方がいいかもしれませんが、学習がメインで、参加者間の交流をあまり行わない場合は、今後はリモート開催が主流になるように思います。言い換えると、セミナー企画の「オン・オフライン使い分け」が進んでいくだろうなー。と思いました。

開催したセミナーの紹介

次に、各地で開催したセミナー内容を少し紹介します。

2種類のセミナー

最近の傾向としては、対象者に合わせて大きく2種類のセミナーがあります。

両方ともに共通する特徴が、私達はEC販売のコンサルタントではなく、「EC事業」のコンサルタントであるという点です。なので、WEBでの販売だけではなく、組織運営など経営全般をテーマとしてお話をしています。

内容としては、販売手法だけでなく、「後発参入で、いかにポジションを築くか」とか「人材確保がしづらい中で、いかに業務負荷を下げていくか」といった、小さなチームや小企業の経営に寄り添ったテーマが多いと思います。

初級・中級者向け

コロナ以降、販路拡大のニーズが増え、各地方のEC事業者や参入希望者に対して、多くのセミナーを開催するようになりました。

これからECに新規参入する初級の方、既にある程度EC事業を営んでる中級の方が対象。新規参入する人が増えてくるかな・・と思いましたが、私のセミナーの場合は、比較的「EC事業に取り組み中の方が、更に本腰を入れる」という問題意識で参加されるケースが多かったですね。

このテーマでは、自治体からの依頼が中心です。楽天グループ株式会社と自治体が包括連携協定をしていて、その流れで楽天を介して弊社にお声がけいただいています。同時に、自治体から直接ご相談いただくケースも増えてきました。各地域の店舗さんが、私たちコマースデザインのことを知っていて、自治体に紹介頂いて、そこからお声がかかって登壇するというケースが何回かありました。

私達は、コロナで困っている方へのEC強化・参入支援や自治体案件は「公共性のある仕事」なので、大切にしています。今後もこういったご縁があるかと思いますが、頑張っていくつもりです。気軽にお声がけください。

最近開催した地域は、以下の通りです。

上級者向け

コロナ前からですが、ECの業界団体などの依頼での講演もやっています。

業界団体というよりは「地域ごとの大きな勉強会」というイメージですね。歴史のある団体が多くて、EC草創期からのメンバーも多く、参加者はベテランの事業者が中心です。いろんな所から講師を呼んで話を聞いて勉強し、懇親会で交流するという集まりです。

私がこういう場所に呼ばれる時は「業界の長期展望を語ってください」という依頼が中心です。

「年に1回は坂本の長期展望の話を聞いておきたい」という感じで、しいたけ占いのようなものでしょうかね、そんなにすごいものではありませんが、なんだか占い師的なご支持を頂いております。長期展望が当たっているかどうかよくわかりませんが、参加するEC事業者の皆さんにとっては「今後の方針を考える機会」になっているようです。

今年は、関西を基盤とするEC団体(EBS)で開催しました。200人以上の申し込みがあったと思います。

今回はリモート開催だったので、近畿圏の方だけでなく、全国から沢山の方が参加されていました。

基本的にはブログに書いてある話が中心なので、そんなに新しい情報はないんですけど、改めてお話することで、話を聞きながら「自分の頭でも考える時間」として使って頂いたケースが多いような気がします。

セミナーの内容

では、これらのセミナーの内容はどうなっているのか。

以下は、セミナーでよく話している内容を紹介します。前述の通り我々の特徴は、EC「事業」のコンサルタントなので、販売以外のテーマが多い傾向ですね。

競争回避について

如何にして、後発参入で、競争回避して、利益を出すか。

後発・小規模で利益を上げるポイントは「競争回避」です。競争を回避して、なおかつお客さんから支持されたい。どうするか。

ECに限らない経営の原則として「利益率とマーケットシェアは比例する」というものがあります。つまりシェア=市場占有率が高いほど利益率が上がる。でも、後発の事業者がいかにしてシェアを上げるか・・が難題ですよね。

その答えは「後発でも目立てるようなニッチ市場を見つける」のが基本です。ECにおいても大きな市場に強いライバルに挑むよりは、ライバルのいないニッチ市場を狙っていった方が、特に後発参入においては立ち上がりがスムーズになり、利益がとれやすくなります。

とは言え、需要がないニッチは狙っても仕方がないですから、その辺の市場選びやポジショニングの勘所が大切ですね。「小さな市場を狙っても売上は小さいのでは」という懸念があろうかと思いますが、実はそんなことはありません。そのへんのロジックも紹介してます。

抽象的な戦略論だけでなく、特にECに新規参入する人が多い会場、特にオリジナル商品を販売する地方メーカーが多いようなセミナーでは、「商品企画の例」について解説することが多くありました。売れる商品企画を発見する考え方から、パッケージや荷姿をどうするかなど。
例えば「少しでも小さい荷姿に収まるような設計」は、送料の観点から見て大変重要ですが、EC新規参入の方は全然知らない話ですよね。商品設計よりは製品(物それ自体)に拘りを持ってしまいがちなので、そのあたりの解説もしました。

販売戦術について

参加者の皆さんが、EC事業を既に営んでいる場合は、競争回避や商品企画だけでなく、コテコテのモール販売施術についても紹介してます。中級者向けですね。「競争回避についてもちゃんと考えている」前提で、如何に売上を最大化するかという観点で販売施策を紹介しています。

これがですね、月商4桁の方でも、結構漏れがあるんですよね。仕様も色々変わってますが、老朽化して直してない方が多い。そして新規参入組が食い込んできます。事例になるような有名店舗でも漏れがあるので、実は「初歩の徹底」で売上が伸びたりするんですね。

本店の話もしますけど、全体としてはモールECの方が多いようなので、モール内検索対策やコピーライティング、回遊性の向上施策を中心にお話をしています。

業務効率化

あとは、業務効率の問題が結構重要です

規模が小さい場合、ECを伸ばしたいけど他の仕事が多すぎてECだけに専念できていない状態が結構多いんですねー。これは時間が足りなかったり、業務が煩雑になったり。かといって本業をやめるわけにもいかないし。

つまり、本業がある中で、如何にECに参入して強化していくか・・というのが論点です。

業務の整理。何でもかんでも着手して散らかってしまう問題への対策。採用が困難で、良い人材が確保できないという問題に対しての対策等もお伝えしております。

EC業界の長期展望

これは、EC団体から依頼されて話す類のテーマです。先程書いたように今年も開催しました。

内容としては、私が年初に書いたブログのシリーズ全4回を解説する講演です。冒頭書いたように、今月もオープン開催(誰でも参加可能)で実施する予定です(後述)。

テーマ的には、ベテラン向けなので、すぐに目先の売上に貢献するような内容ではないんですけど、中長期的に考えて、EC事業者は何を目指すべきかについての私なりの情報提供というか、私の見方をお伝えするという主旨になっています。

たとえば、昨今課題になっている「モールと本店の使い分け」の考え方や、いかにして競争を回避し、平和で幸せに商売をしていくか。幸せって結構大事です。

我々は楽天やヤフーのような上場企業ではないので、彼らのように、戦争だから競合を打ち負かさなければ!とにかく成長しなければ!という争いをしなくていいんですね。つまり、好きに運営できるという特権があり、我々には、上場企業にはない「争わない特権」がある。

なのに、知人の経営者とかライバル店舗とかが気になって、本当は競争を回避したいのに、防衛心から競争に勝とうとしてしまう、あるいは、自分が本当はどんな商売が好きか・得意かを忘れてしまって、「置いていかれないように頑張る」ために「なんかそれっぽくて新しいっぽいことを頑張る」ところがあります。手段が目的化しがち。

そもそも単に儲けたいだけだったら、もっと違ういろんな商売があるわけですが、我々は好き好んで今の商売をしているわけです。そもそもが効率的に生きたければこんな商売をしていないw 好きでやってるわけです。それを思い出す。

そんなノリの、やりがいがあって平和でいい感じな商売をしたいよね、というお花畑気味なセミナーではありますが、「戦わない工夫」は、「戦って勝つ工夫」よりも大変っちゃ大変です。「戦う」なんて簡単なのです。戦わないための戦い。そのへんに踏み込んでいきます。

次回開催予定

ということで、坂本のオンラインセミナーの次回開催予定です。

日時:4/23(金)15:00~17:15
国産のEC本店カートとして有名な、futureshopさんが主催です。

既に案内が始まっていますので、「もう申し込んだよ」という方もいらっしゃるかもしれません(ありがとうございます)。

▼詳細・申し込みは、以下からできます。

前述の通り、初級中級というよりは上級者向けです。今年2月のEBSセミナーに参加された方にとってはほぼ同じ内容になるかなと思いますが、主旨としては「自分の頭で考えてみる」ですから、重複して参加されるのもいんじゃないかなと思います。

私達のコンサルティングのクライアントさんでも、モールに限らず本店のみ、という方も随分多くなりました。そういった事からも、futureshopさんとの接点も増えてきていて、私達が支援するお店もfutureshopを使っているケースが結構あります。

同時に、Shopifyの構築をする会社さんとかEC向けSEOコンサルの方とか、勉強になる方々と同席する機会も増えてきててありがたいことです。いまやEC事業は複雑化しており、1つの会社、1人のコンサルではカバーできないトピックがたくさんありますね。他社とも連携しながら、今後も皆さんに良い知見を提供していければと思っております。

最近はそんな感じでやっております。
色々ありますが、新年度、知恵を使って頑張っていきましょうー。

カテゴリー: ECの未来, ECセミナー・講演, EC戦略論, EC業務の効率化, 売上アップのヒント

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