こんにちは。坂本です。最近クライアントの方から、こんな相談を頂くことが増えています。
「うちも会社の理念を作ろうと思うんです。でも、作っても、効果や意味があるのか疑問で‥」
当社は、中小ネットショップの経営を支援するコンサルティング会社として、販促のみならず、売上が伸びる組織運営や業務改善などのサポートもしています。その立場から申しますと、「理念よりも先に取り組むべきこと」は色々とあります。
なので、誰しもが「真っ先に理念を作りましょう」とは思いません。しかし、組織の成長段階に従い、どこかのタイミングやフェーズで、必ず必要になるものではあります。
手前味噌ですが、当社でも2021年に「心底、自分がそうだと思えるもの」を理念として定義しました。導入から1年半以上が経過し、すっかり社内に定着しています。社員のみなさんからは、
「理念の内容や当社が大事にすべき価値観が、とてもわかりやすい」「日頃の業務の参考にしている」
「仕事がしやすくなった」「人付き合いがしやすくなった」「自分自身とつきあいやすくなった」
といった声があがっていて、絵に描いたモチにならず、効果を体感できている理念は珍しいのではと思います。そこで、「実践的な仕事に役立つ企業理念の作り方」について、私自身と当社の経験を通してご紹介します。
- 目次 -
はじめに
実は、当社には、3~4年前ぐらいに作った、初期バージョンの企業理念がありました。
ですが、この理念は全く意味がなかったんです。僕自身も覚えてなかったくらいなので、失敗したなと‥。
そこで、新しい企業理念を1年半前に作りました。
そして、社員のみんなに理念を理解してもらうために、理念発表会や理念研修を開催。常日頃から仕事の中で引用することで社内に定着し、「だいぶ会社がよくなった」という実感があります。
つまり、私は失敗バージョンと成功バージョン、両方の企業理念を経験しています。
そこで、「どういう理念は意味がないのか」「どういう理念はうまくいくか」について、私なりに実践を通して得た知見をご紹介します。
そもそも理念の効果って?導入して、どうなった?
新しい理念を導入し、社内に浸透させるために理念研修を行い、1年半たってどうなったか?
社員のみなさんによれば、働いていて、安心感があるんだそうです。
これは、理念の中身も大きく影響しています。当社の場合、安心感が増すような理念という特徴があり、
- 「新人さんも早く、理念の研修を受けた方がいいですよね」
- 「一緒に働いている在宅スタッフの方も、理念研修を受けてくれるといいなあ」
という言葉が、社員から自然に出るぐらいに浸透しています。「理念がある方が仕事しやすい」と、皆さんが思っている状態です。そして、理念を導入する前に比べて、明らかにチームの連携がよくなったと思います。
チームの連携がよくなったのは、組織の改変や定例会議の設計、役割分担の工夫、経営方針の発表など、様々な要素があってのことではあります。‥ですが、やはり、その中で「理念は中心的な役割を果たした」と感じています。
ということで、ここからは、まず「企業理念の考え方」をお伝えし、次に実践編として、弊社で「どんな理念があり、どのように使われてるか」についてご紹介します。
弊社でやってることをそのままやって頂ければいいと全く思わないのですが、何かしらの参考になると思います。
企業理念の考え方
まずは、理念の考え方をお話します。多くの会社にとって理念とは、
- 具体的な効果や意味があると思えないが、作らなければいけないもの
- 「必要」と思い、理念を定義してみたが、抽象論やポエムのようになっている
- 作ってはみたものの、実際には使われていない
- 「売上につながる」と思えないから、普段の仕事で理念について考えていない
という、よく分からない状態になっているケースが多い気がします。
私自身コンサルティングをしていて、クライアントの方から「うちも理念を作った方がいいんだけど、どう思われます?」とよく聞かれます。
本当に必要なんだろうか、作った所で意味や効果はあるだろうか‥。皆さん不安や疑問を感じているんですよね。
その気持ち、よく分かります。何しろ、私は一回失敗しています。
そこで、「実践的な理念とそうでない理念は、なにが違うのか?」を考えてみました。
自らが必要性を感じない状態で、ムリに作っても意味がない
まずは、うまくいかなかった理念のパターン、失敗事例からご紹介します。
当社の場合、「失敗バージョンの理念は、どういう経緯で作り始めたか」と言うと、外部アドバイザーの方に「とにかく必要で重要だから、企業理念を作りましょう」と言われて作りました。
とにかく無理やり作ったので、長いし理屈っぽいし、そもそも僕自身が覚えられないし‥。
個人的な独り言のようなもので、社員みんなが共感できるものではなかったんですね。発表会を開催して説明しましたが、当然、社員のみなさんにも浸透しませんでした。今のように、みんなが日頃から口にするような理念にはならなかったんです。
ここから何が言えるかと言うと、理念は無理やり作っても意味がない、ということです。
まず「価値観」が先。それを「言語化」したものが理念
では、現在の当社の新しい理念は、どのように生まれたのか?
実は、他社の理念をいろいろ見たりしているうちに、僕自身が作りたくなったんです。
うまくいく理念の第一の条件は、「理念を作りたい」という自らの熱意だと思います。やらされて作った理念は、あまり意味がありません。
「必要らしいからとにかく作る」のではなく、「こういう価値観を大切に仕事していきたい」と心から思っていること。
そして、他社の理念などを色々見ているうちに、段々と「うちにも必要だな」「伝えたい」と思えるようになること。
現時点で「自分にはそういう価値観はない‥」という人は、ここで読むのを止めてもいいかもしれません。
「今は必要ないけれど、この先、考えることがあるかもしれない」という方は、今後の参考にお読み頂ければと思います。
実践的な企業理念に必要な3つの要素
効果の出る理念には、「自分から作りたい」という意志のほかにも、2つの要素があります。
上記の失敗事例と成功事例から、「企業理念に必要な3つの要素」をご紹介します。
1:心から「大切だ」と思う価値観があり、「伝えたい」と思うこと
第一に、自ら「作りたい」「伝えたい」と思って、理念を作り始めることが大事です。
そして、心から「大切だ」と思う価値観をベースにすること。
熱意や情熱は、自分の内側から湧き出るものであって、人から与えられるものではありません。
「理念を作ろうとして中身を埋める」のではなく、自分の中に、仕事に対してある種の価値観が育まれ、「その価値観を伝えたい」と思い、理念という形をとる。先程ご紹介した失敗例のように、
- 「とにかく理念というものが必要らしい」
- 「でも、もっともらしい価値観がないぞ」
- 「だから、理念のために会社の価値観を作らなければ!」
という流れで理念を作っても、私自身の経験から言っても、うまくいかないと思います。
うまくいくパターンは、価値観がまず先で、「それを伝えたい」と思った時、理念として言語化するという流れです。
理念を作るために価値観を作るのではなく、「届けたい」「伝えたい」価値観があって理念が生まれる。
この価値観の育みが、まず先にあるということです。
2:「多くの人に共通する普遍性」のある価値観であること
個人の価値観や信念は、内面的で個人的なものですが、こういう言葉があります。
「最も個人的なことは、最も普遍的である」
(カール・ロジャーズ ※アメリカの心理学者。「カウンセリングの父」と呼ばれています)
例えば、誰しも「親の価値観に、反発を覚える時期」がありますよね。これは個人的なことですが、普遍的なことです。
このように、自分の個人的な価値観の中で、「多くの人に共通する普遍性」を見つけて頂きたいと思います。
皆さんの仕事の中にも、普遍的な価値のある要素があるはずです。
具体例 |
- 「◯◯◯で困っている人を助けたい」
- 「こどもの人生の選択肢や可能性を広げたい」
- 「年をとっても、誰しもがいきいきと過ごせる世界にしたい」
- 「食の安全を守りたい」
多くの人が「そうだね」と思うようなことを探してください。
何度も考えたり話したりしていくうちに、ブラッシュアップされ、共感される「ちょうどいい言い方」「角度」「抽象度」が見つかるはずです。
「当社の理念と私の価値観の場合、どうだったか」については、あとで紹介しますね。
3:「仕事がうまくいくこと」につながること
3つめの要素は、「理念に沿って働くと、仕事がうまくいく」というものです。
会社の理念ですから、仕事がうまくいく要素が必要です。「うまくいく」とはどういうことかと言うと、「仕事に活かせる」ということです。
理念に沿って考えたり行動したりすることで、仕事や会社がうまくいくか?
商品開発でもカスタマーサービスでも、お客さんの喜ばせ方など、色々な業務や部署に影響しますよね。
具体例 |
- 「理念にそった行動をすることで、お客さんが喜ぶ」
- 「商品やサービスの企画や制作を、気持ちよくすることができる」
- 「迷った時の判断・実行の参考になる」
これら3つの要素を踏まえると、実践的な仕事に活きる理念になると思います。
「ミッション」「ビジョン」「バリュー」を定義しよう
企業理念は、「ミッション」「ビジョン」「バリュー」の3つの要素で書かれることが多いです。
「ミッション」は、名前の通り、組織が担ってる社会的な役割や存在意義のこと。
「ビジョン」は、仕事として存在意義を発揮し、「どういうことを実現するのか」ということ。
「バリュー」は、ビジョンを実現していくために、みんなで意識して実践したいこと。
「働き方」「大事にする価値観」「行動指針」といった言葉が、あてはまるかと思います。
ということで、組織の社会的な役割がミッション。「自らの役割を果たし、どんなことを実現するか」を、状況として想像するのがビジョン。ビジョンを実現するための行動指針が、バリューです。
クライアントのみなさんに企業理念を説明する時、具体例として、デジタル庁の理念をよくご紹介しています。
珍しく民間企業ではなく官庁なんですが、ミッション・ビジョン・バリューがとてもよくまとまっているので、ご覧下さい。
また、デジタル庁の理念が「どのように作られたか」「どういう構造になっているか」を説明した、こちらの記事もわかりやすいです。あわせて参考にどうぞご覧ください。
コマースデザインの企業理念の紹介
ここからは、「コマースデザインの企業理念がどのようなものか」について、ご紹介します。
当社の企業理念は、私の価値観と、当社のメンバーとこれまでやってきた仕事から、生まれたものです。これをそのままマネするのは、オススメしません。なにか1つの正解があるものではないですし、それぞれの会社によって、多種多様な仕事と価値観がありますから。
ただ、実際の事例がある方が参考になると思いますので、当社の理念をお伝えします。
最初に注意点をお伝えしますと、理念は明文化するだけではダメなんです。「とにかく作る」「言葉にしたら完成」ではなく、「仏像作って魂入れず」にならないよう、理念は使い続けないと浸透していきません。
「実践が大事」ということを意識しながら、お読み下さい。
当社の理念は、デジタル庁と同じく、「ミッション・ビジョン・バリュ-」という構成です。順番にご説明します。
ミッション:「自分らしさで、誰かのために」
まず、ミッションについて。私達コマースデザインのミッションは、このような言葉で表現しています。
一般的には「~のために、◯◯◯」と言う風に文章が続きますが、「誰かのために」で切り、「具体的に何をするか」はぼやかしておきました。
「自分らしさ」を大切にすること
誰しもに備わっている個性、自分らしさがあると思います。
例えば、わたし坂本のように文章が得意で、「人に何かを説明するのが得意な人」もいます。
- 文章や説明は苦手だけれど、しゃべって人を喜ばせることが得意
- 黙々とキッチリと仕事していくことが得意
- 最新の道具や情報に触れて、楽しく活発に動いていくことが得意
などなど、人それぞれ、様々な自分らしさ・個性や強みがありますよね。
その自分らしさを、誰かにあわせるために捨てたりせず、「自分に与えられたギフト」として大切にする。
「自分で自分を大切にすること」はもちろん大事ですが、自分らしさを誰かのために活かして使っていくと、その誰かは感謝してくれるはずです。そして感謝されることを通し、自己肯定感が高まります。
人は、社会の中で生きています。お互いに相手に貢献し、誰かに感謝し、誰かに感謝される。
「あなたがいて良かった」と思える状況の中で、人は自分を肯定できるし、気持ちよく生きていけると思います。
組織の中で、お互いの「自分らしさ」を活かすこと
お互いの「自分らしさ」を知り、尊重して、お互いに活かしていくこと。
これは個人として、「自分を、他者のために活かす」という意味です。
そして組織として、「コマースデザインらしさを、社会のために活かす」という意味でもあります。
私達は、ネットショップを運営しているEC事業者の皆さんを支援しています。
ですから、コンサルティング会社として、「EC事業者のみなさんが、お店らしさ・店長らしさを、お客さんのために活かす」ことを支援するという意味もあります。
「どの会社が一番売れているか」「どの会社が一番コスパがいいか」といった、一つの物差しによる競争ではなく。それぞれのお店のかけがえのない自分らしさが、それぞれの客層のお客さんに対し、誰かのために活かされることを目指したい、と考えています。
だから、みんながそれぞれの形で活躍し、それぞれの形で感謝されている状態、そんな世の中を作りたいと思いますし、我々自身そういう組織でありたいと思ってます。
以上が私達の考えるミッション、私達の存在意義です。
ビジョン:「顧客の理想を、共に実現する」
次に、ビジョンを説明します。「顧客の理想を、共に実現する」ことが、私達の掲げるビジョンです。
私達は、コンサルティングを中心としたサービスを提供しています。そして、「BtoBで商売をしている人を支援すること」が我々の仕事です。お客さんは、個人であったり組織・お店であったり、それぞれに理想があります。
「売上がいくら」とか「利益がいくら」という数値目標は、それはそれで目指す所だとは思います。
しかし、「売上を達成すれば何でもいい」「仕事がつまらなかろうが激務だろうが構わない」「社員が泣いていようがどうでもいい」とは思いませんよね。
売上や収益は、あくまで理想の一部です。理想に含まれる要素は、売上や収益以外にもいろいろあります。
顧客の理想を理解し、パートナーとして理想実現を支援
顧客の理想をかなえるために、私達は、売上収益の貢献はもちろんのこと、「店長さんや社長さんの価値観」や「会社の理念」「会社の魅力」が発揮された状態を実現していきたい、と考えています。
- 業績が非常にいい。業務の効率もいい。
- でも、誰も犠牲にならず、お客さんが喜んでいる。
- それは、このような形で実現され、自分がこのようなことを感じている。
- 「やってよかった」と思えて、お客さんからこんな声をかけられる。
こういった顧客の理想は、私達が決めるのではなく、支援先のクライアントさん自身が持っていることです。
それは、聞かないと分かりません。だから、私達はクライアントのみなさんに、
- 「何を大切にしていますか?」
- 「あなたにとっての理想は何ですか?」
というふうに、「売上や収益以外に、あなたが大切にしていること」をお聞きします。
それは、業務効率だったり、社会的な価値だったり、楽しさだったり、いろいろあります。人によって「どんな状態が幸せか」が異なるように、理想とする姿も人それぞれ違い、理想とする姿は多種多様です。
私達は、そんな相手の理想を実現するために支援していく。それが「顧客の理想を共に実現する」ということです。
「私達が実現してあげる」でもないし、「自分で実現してもらう」のでもありません。
顧客の理想を理解し、言葉にすることで、その進捗を常に振り返り、「今こんな状況ですね」と話し合う中で、理想の実現を支援していきたいと考えています。
以上が、私達のビジョンです。
バリュー:「内省」「自立」「協調」
最後に「バリュー」について、ご紹介します。
バリューとは、ミッションを果たし、ビジョンを実現する為に「どのような働き方や行動をするか」という、具体的な行動指針のことです。私達のバリューは、3つの単語からなります。「内省」「自立」「協調」です。
1:内省
1つ目は、「内省」です。内省とは、自分の内面を洞察し、理解をすること。
なぜ内省を最初に定義しているかと言うと、自分の気持ちの揺らぎ、自分の喜びや悲しみを理解することを重視しているからです。
- 「自分は、今こういう理由で嬉しいんだな」
- 「自分は、今こういう理由でショックを受けている」
- 「自分は、今ちょっと思い込んで間違えたな」とか
- 「自分は、他者に対して今失礼があったな」
このように、自分の心がどんな状態なのか、どんな動きをしているかを観察します。
そして、そういった感情や心理を否定やコントロールせず、ありのまま認知します。
このようなことを通し、自分の感情や至らなさ・自分が大切していることを理解します。
すると、他者の痛みや他者が大切にしていることも、段々と実感を持って共感したり、許せたりすることができるようになります。
- 「ままならない自分」を理解すると、「ままならない他者」を認められるようになる。
- 自分の喜びを理解すれば、他者の喜びも理解し、尊重することができるようになる。
- 人のことを分かるようになるためには、まず自分を分からなければいけない。
私達はこのように考えており、内省を重視しています。
2:自立
バリューの2つ目は、「自立」です。
私たちは、自分の感じている感情や考えを、他者に説明することを大切にしています。
お互いに意見は言うけれど、傷つけあわない、過剰に否定しあわないようにしながら、対話していきます。
自分の思ったことを相手にキチンと伝えていく。意見が違っていたとしても、相手の話を聞くことができる。
意見の違いは対立ではなく単なる違いであり、「お互いの立場の違いから、認識の違いが生じてるのかもしれない」という風にとらえて調整していく。
お互いの事情を鑑みて、交渉したり両立したり、説明して自分の意見を通したり。あるいは、相手を理解し相手に合わせたり。このように健全な対話ができる状態を、私達は「自立」と呼んでいます。「人のせいにしない態度」とも言えます。
この「自立」ができる状態になると、誰かがやってくれることを期待せず、誰かがうまく動けていなくても、その人がうまく動きやすくなるよう、自責でもって相手に関わっていくことができます。
3:協調
最後が、「協調」です。
自分を理解し、他者を否定せずに肯定し、お互いに話しあって調整できるようになったとしても、それで仕事の業績が上がるほど、世の中は甘いものではありません。
お客さんの都合もあります。世の中の動向もあります。
そのような、ままならない状況を踏まえて、チームで状況を観察して理解し、お互いに見えていることを述べ合って、知恵を出し合い、みんなで成果を出すことを、当社では「協調」と呼んでいます。
チームワークとも言いますが、チームワークを果たすためには、まず自分が個人として確立されていなければなりません。それは内省を通してなされます。内省を通し、他者を理解する。そして自立し、他社と対話ができるようになる。
私達は、自立した個人の集合体でなければ、本当の協調はできないと考えています。
「一人で何でも分かって、誰かの命令に従い素早く動いて成果を出す」というスタイルは、成果は出るでしょうが、それでは自立していないと捉えます。
誰も犠牲にせず、成果を出し続けるために。
自分が豊かな人生を生き、家族や取引先ともうまくやっていくために。
そのためには、「自分と他者を理解し、お互いに自立した関係」になった上で、誰かが提示してくれる正解でなく、お互いに考えて知恵を出し合って成果を出すこと。
それは、「単に業績を上げることよりも、重要なこと」だと、私達は思っています。
以上が「協調」の考え方です。
そして、長くなりましたが、私達の目指すバリュー「内省」「自立」「協調」の実践についてのご紹介でした。
長くなった理由は、私がこのような価値観を心底大事にし、みんなにも実践してほしいから、「世の中に向けて発信していきたい」と思う考え方だからです。
まとめ:企業理念の作り方
最後に、企業理念の作り方について、まとめます。
まずは「作りたい」という熱意が大事
理念は、組織に必要なものだと言われています。
ですが、一回作って失敗した私としては、「とにかく必要」という観点から始まる理念は、嘘になりやすい・失敗しやすいと思います。なので、以下のような流れで作ることが重要です。
- 1:まず、自分の中で「仕事や人生についての価値観」が育まれていること
- 2:価値観が熟成され、「チームのみんなと共有したい」と思うようになること
- 3:理念についてアンテナが立ち、他社の理念に触れる機会が増えること
そうすると、だんだん自然と「理念を作りたい」「伝えたい」と思えるようになります。
3つの要素を含むことで、実践的な企業理念になる
第一章で、「理念に大事な要素は3つある」と言いました。この3つを備えると、実践的な理念になると思います。
- 1:心からの信念や価値観があり、自分から「伝えたい」と思うこと
- 2:多くの人が共感できる普遍性を持った、価値観であること
- 3:理念に沿うことで、仕事がうまくいくこと
ミッション・ビジョン・バリューを定義する
理念は、「ミッション」「ビジョン」「バリュー」の3要素からなります。
- ミッション:会社や組織の社会的な存在意義
- ビジョン :自らの存在意義を発揮し、実現したいこと
- バリュー :ビジョンを実現するために実践したいこと(行動指針・大事にしたい価値観)
実際に理念を作る際は、お手本としてご紹介した、デジタル庁の記事を見ながら、検討頂くといいでしょう。
とは言え、無理に作っても意味がありません。頭の片隅に「こういう考え方もあるんだな」と置いておき、時期が来るまでは、自分の中で価値観を練っていくのがいいのではないかと思います。
P.S.
コマースデザインは、このような思い・価値観で、ネットショップを支援しているコンサルティング会社です。
「自分らしさ」を誰かのために活かして、人に感謝されながら自己肯定感を高めたい方には、ぴったりな職場です。
こういった方向性に共感できる・ご興味ある方は、現在コンサルタントを募集中ですので、ぜひ応募ください。
カテゴリー: EC事業の組織論