【動画つき】楽天市場のSKUプロジェクトをざっくり解説!「楽天SKUプロジェクトの意味」#1

こんにちは。坂本です。
今回は「楽天のSKUプロジェクト」についてザックリ解説します。

「楽天SKUって要は何なの?」「出店者は何をしなきゃいけないの?」という疑問が、多くの方にあるんじゃないでしょうか。そんな楽天出店者とそのサポートをしている方に向けて、分かりやすくお伝えします。

今回、楽天さんはかなりがんばって詳しく説明してくれています。…が、公式の説明は正確性が大事だったり、いろんなパターンを網羅するために細かく書かなきゃいけなかったりするので、やっぱり分かりづらいんですよね。
なので、多少説明が乱暴でもわかりやすさ優先で解説するので、今後の店舗運営の参考にしていただきたいです。
全体感がわかれば、楽天公式の案内もわかりやすくなりますので、そんなつもりでご覧ください。

はじめに

全部で5本の記事です

1~5までのシリーズ記事です。今回は1本目です。

  • 1:SKUプロジェクトの意味
    • SKUプロジェクトがなんなのか、大体皆さんご存知だと思います
    • 「出店者にとってどんな意味があるの?」「要は何をしなきゃいけないの?」という概要を説明します
  • 2:守り:オペレーション変更点を確認しよう
    • SKUプロジェクトは上手に実行すると、売上が伸びるチャンスがあります
    • そのメリットを得るためには、楽天の「店舗運営システムの仕組み変更」を乗り越えなくてはいけません
    • そのため、まず「オペレーションの変更点」を確認しましょう
  • 3:攻め:商品統合の判断と手順について
    • SKU統合することで、売上を伸びるチャンスになります
    • 「どの商品とどの商品を統合するか」「具体的にどう判断するのか」などの実行の手順やルールを説明します
  • 4:計画:作業項目の洗い出し・分担・スケジュール化
    • 受注のやり方も変わりますし、商品の一括更新のCSV項目も、注文情報のCSV項目もいろいろ変わります
    • EC事業に関わる全担当者が、変更内容を把握する必要があります
    • チーム全員でTODOを洗い出し、「いつまでに誰が何をするか」スケジュールを立て、計画的な対応をしましょう
  • 5:よくある質問と「今後の業界展望」
    • 最後に、よくある質問への答えと、今後の業界展望について
    • SKUは「楽天内でやらないといけない面倒くさい仕事」というふうに思われるかもしれません
    • 私の推測ですが、Amazon・楽天がこうなるということは、多分Yahoo!も楽天にあわせていくはず
    • もしかしたら、少なくとも国内のECモールは「マルチSKUな商品ページが今後のスタンダードになる」可能性あり

これらを順番に説明します。

※状況が流動的なので、情報が後から追加されたり変わったりすることがあると思います。その場合、説明を補足しますので、あわせてご覧ください。くれぐれも正確な情報は、楽天公式にお問い合わせください。

動画で見る

動画でみたい方はこちらからご覧ください。
(忙しい方は、歯車アイコンから速度を調整してご覧ください)

楽天SKUプロジェクトとは?

SKUプロジェクトが何なのか。大体皆さん知ってると思いますが、念のためおさらいしますね。

例えば、ベッドを購入するとします。

シングル4万9000円、セミダブル5万9000円、ダブル7万9000円など、サイズや価格の違う複数の商品が1つのページにまとまっています。
どこかで見たことがありますよね。そう、Amazonです。お客さんからすると要はAmazonみたいになるということです。

SKUプロジェクトによって楽天がAmazonみたいに変わるので、「切り替えが結構大変」と話題になってるわけですね。
「それは分かるけど、だから何なんですか」という声が聞こえたので、「店にとってどういう意味があるか」「なにがどう大変か」を詳しく説明します。

SKUにより「商品」の意味が変わります

ここから本題です。
「複数の商品(SKU)が1つの商品ページに統合される」ため、商品の意味が変わります。店構えも変わります。

ちょっと汚い手書きの図で恐縮ですが、左のbeforeがこれまでの楽天です。右のAfterが今後の楽天、SKUプロジェクト後の楽天です。

Before:商品単位のページで買いづらい

どういうことかといいますと、現在の楽天は上のBeforeの図のように、まずトップページがあって、カテゴリページがあります。その下に小さいカテゴリのページがあり、更にその下に複数の商品ページがぶら下がっています。

例えば、まんじゅうのカテゴリページがあるとします。
カテゴリページの下にまんじゅうの大中小が、それぞれ別の商品ページとしてぶら下がっています。

楽天サーチで検索すると、「まんじゅうの小」が引っかかったり「まんじゅうの中」が引っかかったり、「まんじゅうの大」が引っかかったりするわけですね。

たまたま「まんじゅうの中」がレビューが多かったり、売上の実績が多く検索上位に表示されたので、お客さんは「まんじゅうの中」の商品ページを見に行きます。
「まんじゅう中か…もっとたくさん食べたいんだよね。」とページから出ていってしまうと。お店の中にはまんじゅうの大も小などもあるにも関わらず、中だけ見て「違うな」と思い、ページを離脱してしまう。

このようなことが起こりがちだったのが、従来の楽天の課題です。

お店としては離脱されならないよう、

  • 「まんじゅうの中」のページに、「小も大もあるよ」とリンクを貼る
  • 「まんじゅうの小」のページに、「中も大もあるよ」とリンクを貼る
  • 「まんじゅう以外にもいろんな和菓子があるよ」と導線を張る

というように一生懸命リンクを張って、いろんな所に回遊導線を作るわけです(私たちはこれを「引き込み動線」と呼んでいます)。
このようにお店の奥の方にお客さんを引き込んでいくことが、今の楽天の仕様だと売上アップ上とても大事なんです。

でも、お客さんにとっては「同じような商品ページが複数あってわかりづらい・買いづらい」という問題があります。
また、お店側も「他のバリエーションの商品もあるのに、どうもお客さんに見せづらい」という課題がありました。

Afiter:カテゴリページのような商品ページになる

ところが、SKUプロジェクト後の新しい楽天では、Afterの図のように一つの商品ページに複数のSKUがぶらさがります

つまり、一つのまんじゅうの商品ページに、複数のまんじゅうの大と中がぶら下がります。

お客さんは「まんじゅう」で検索すると、まんじゅうの商品ページにたどり着きます。
大中小があって、「うん、中だ、いや大だ」というふうに買うことができるようになります。

商品ページを見るだけで、主要な商品のバリエーションがわかり、買いもれもなくなります。
一生懸命リンクを張らなくてよくなりますし、「あるはずの商品に気づかれない」なんていう悲しい事態もなくなります。より小さい商品を扱うことで、「購入率が下がらない」「離脱されない」という効果もあるかもしれません。
もしかしたら、「たくさんまとまっている商品の方がお得だよ」と見せることで、コストパフォーマンスの高いまとめ買いに誘導し、「客単価が上がる」こともあるかもしれません。

つまり、店舗運営上、マーケティング上の大きな違いは、以下のように商品ページが以下のように変わることだと言えます。

Beforeカテゴリページの下にぶら下がる「個別のクローンみたいな商品ページ」
After複数の商品を持つ「まるでカテゴリページのような商品ページ」

用語の補足:マルチSKU・シングルSKU

ちょっと脱線ですが、楽天用語なので説明します。SKUは「stock Keeing unit」の略です。

複数種類のSKUを束ねた商品ページを、「マルチSKU」といいます。
1商品ページに1SKUしか入っていない場合は、「シングルSKU」といいます。

例えば、2色のカラーバリエーションがあるTシャツがあります。

ホワイトとネイビー、サイズはSとMという種類がありますね。「1商品ページで1SKU」というのは、この1枚のTシャツ、例えば「ホワイトのSサイズ」が1SKUがになるわけです。

新しい楽天では、複数のSKUが1商品ページ中にぶら下がります(上の図だと、4つのTシャツが1つの商品ページにまとまる)。

現在の楽天でも、「項目別選択肢在庫機能」を使えば、商品ページに複数のSKUをぶら下げることはできます。
ただ、この機能は価格が同じでないとならず、「SとMで値段が違う」というような調整ができませんでした。
また、少し買いづらかったので、今回のSKUプロジェクトで「Amazonみたいな見た目に切り替えていこう」ということです。

SKU統合による影響

SKUはかなりいろいろ統合できます。最大で400SKUが一つの商品ページに入るんだそうです。

カテゴリページや特集ページが、一つの商品ページに統合されるようなものです。
ただ結構ルールが厳しいですし、おそらく楽天の目視チェックも入るので悪いことはできません。
「なにか抜け道とか上手な裏技ないかな」と考えるのは、商売人としては正しい習性だと思いますが、悪いことはできない仕組みになっています。

このように、いろんな商品の選択肢があり、商品のオプションのような感じで、いろんなことを選んだり、別々の商品が一つのカートで買えるようになっていきます。

「商品検索」が変わります

商品検索も変わります。商品検索がリッチになり、検索結果にいろんな情報が表示されるようになります。

商品検索は、モールでECをやる上でとても重要です。
ECをやる以上は検索は大事なんですけど、特にモールの場合は、商品検索対策が大事ですよね。
今後、「複数のSKUを持つ商品ページ」は、検索結果に様々な情報が表示されるようになります

例えば、「Tシャツ 黄色」で検索すると、黄色いSKUの画像が優先して表示されます。

これもAmazonと同じですが、「1コあたり〇円」という単価が表示されます。

価格帯が複数ある場合は、「150円~600円」というように表示されます。
このように、選びやすくわかりやすい商品検索画面になるようです。

マルチSKUになると、検索結果にも商品情報が

さきほど紹介したものと同じ図解ですけれど、ポイントはこういうことです。

シングルSKUの場合(つまり従来型の楽天と同じ商品ページの状態。Beforeの図)、商品検索にヒットしてお客さんが商品ページを見に来ても、1個しか商品が表示されません。

SKUプロジェクト後の楽天の場合は(Afterの図)、商品ページの中に複数のSKUが入っていて、中に入っているSKUの様々な商品情報が、ちょっと見える感じのリッチな検索結果になります。

検索結果画面で目立つので商品ページをたくさん見に来るし、商品ページの中に複数のSKUが入っているので、「大がいいかな、小がいいかな」とか「赤がいいかな、青がいいかな」というようにスムーズに商品を選べるので、断然買いやすくなります
いいことばかりのようですけど、いいことばかりではありません。この話は後でします。

「回遊性」が変わります

まんじゅうを例にした説明で、引き込み動線・回遊性の話をしましたよね。この回遊性も変わります。
「回遊導線を引きましょう。回遊性を上げましょう」という提案を我々もよくしていますが、マルチSKUな商品ページの登場によって、回遊性はずいぶん変わると思います。

  • 類似商品が1カートにまとまるので、サイト内で回遊導線を設置する必要なし
  • 「見つけてもらえずに機会ロス」が起こらない!

この画像を見てください。サイズ違いのナビゲーションの典型例です。

「松阪牛500グラム」で検索して商品ページを見に来て、1kgでいくら、500g・200gだといくらという価格表が出てますね。

これを見て「1キロだとそんなにお得なんだ」「まとめ買いの方がお得だから、1キロにしよう」と思って、お客さんは1キロの方を買ってくれるわけです。こういった回遊動線を、我々は鉄板の施策として、コンサルティングの現場でよくご提案していたんです。

「1000円コミコミの商品ですよ」と見せて、お客さんが「それはいいね」と商品ページに来るわけです。その商品ページの中で、「実は5000円のまとめ買いすると、こんなにお得なんですよ」と言う紹介を載せ、その商品ページのリンクを貼っておく。

すると、見に来たのは「1000円コミコミの商品ページ」だけど、5000円の方がお得だからそちらの商品を買ってくれるわけです。
昔ながらの楽天の商品ページでは、こういう売り方をよくしていて、PCの時代なんかテーブルタグを書いて一生懸命リンクを貼っていたんですよ。

ですが、「SKUプロジェクト後のマルチSKUの商品ページ」では、一生懸命リンクが貼らなくても、自動的にカラバリやサイズ違いが1商品ページにまとまって表示されます。なので、お客さんはスムーズに商品を見比べることができるようになります。
「見比べることができるとどうなるか」というと、わざわざ回遊動線を設置しなくても、サイズ違いやカラバリとかすぐわかるので、「見つけてもらえずに機会ロスが起こる」という残念な事態を防げます。

つまり、「最強の回遊動線はマルチSKU」なんだろうと思います。

「検索順位の基準」が変わります

もしかしたらこれが一番大事かもしれません。

「検索順位の基準は何で決まるか」というと、まず「検索キーワードが商品ページに書いてあるか」ですが、それ以上に「商品の売上実績」に左右されますよね。
ご存知ない方いるかもしれませんけど、実は「一定期間内でどれくらい売れたか」という売上実績が、検索上位に大きく影響しています

検索順位と売上の好循環
  • 売上が伸びると、検索順位が上がる。
  • 検索順位が上がると、売上が伸びる。
  • 売上が伸びると、検索順位が上がる。
検索順位と売上の悪循環
  • 売上が落ちると、検索順位が落ちる。
  • 検索順位が落ちると、売上が落ちる。
  • 売上が落ちて、検索順位が落ちる。

このように「検索順位が売上で決まる」「売上で検索順位が決まる」という仕様によって、好循環に入ったり悪循環になったりするのが、現在の楽天の仕組みです。Amazonもそうなんですけどね。

このルールが、マルチSKU化によって変わります。
売上実績で検索順位が決まることは同じなんですけど、従来は「シングルSKUな1商品ページ1SKUの売上」で検索順位が決まっていたのが、これからは「マルチSKUで統合された各SKUの売上の合計」で検索順位が決まります。

検索順位のロジック
これまで「商品1つの売上実績」で決まる
これから商品ページに統合された各SKUの売上実績合計」で決まる

つまり、商品ページに3つのSKUが入っていたら、そのページの売上実績は3倍になるかも。
1個だけのSKUの商品ページと比べて、有利不利はどうでしょうか。有利になりますね。非常に有利になります。

つまり、一つの商品ページにたくさんのSKUをぶら下げた方が、「1商品ページあたりのを売上」で検索順位が決まりますから、SKU統合した方が検索順位は上がりやすいわけです。
理屈の上ではそうです。今あえてわかりやすく簡単に言っていますけど、本当はここまで簡単な話ではなくいろいろルールもありますが、理屈の上では統合した方が売れやすくなります。

「ランキングの基準」も変わります

これに加えて、ランキングの動線も、結構売上にいい影響があるんですよね。

「〇〇ランキング1位!」「ランキング上位に入りました」といった、「ランキングに入ったことを見たお客さんが更に買いに来る」みたいなブーストの効果があるわけです。

つまり、ランキング上位になると、さらに売れるチャンスが生まれるわけです。

「ランキングがどういう基準で決まるのか」というと、当然「商品ページの売上実績」で決まります。
複数のSKUが1商品ページにぶら下がっている場合は、さきほどの検索順位と同じ話ですね。

「商品ページ単位の売上実績」でランキングが決まりますので、ランキングも俄然上がりやすくなるということです、ということで、がんばってSKU統合しましょう。…というだけでは終わらないです。いろいろやっていただきたいことがあります。

店舗は何をすればいいの?

ここまで、SKUプロジェクトは何なのかをご説明しました。ここからは、みなさんにやってほしいことをお伝えします。

まず前提として、SKUプロジェクトに乗らないと、売上ロスする恐れがあるんです
なので、前の章で「乗った方がよさそう」というふうに漂わせましたが、ここからは「SKU統合するにはいろいろ大変なことがある」という話をしていきます。

二つの観点があります。何かといいますと、守りと攻めですね。まず守って次に攻める、という順番です。

守りの観点:「新しい業務手順」に適応しましょう

どういうことかというと、SKUプロジェクトによって、楽天の店舗運営システムの仕組みが色々変わります。

受注処理の手順も変わりますし、注文データのCSVの項目も変わりますし、一括更新のCSVの項目も変わります。
商品ページの編集画面なんかは大きく変わりますね。

楽天の店舗運営のシステムがいろいろ変わるので、ちゃんと対応しないとお店が運営できなくなります。
これは、SKU統合するしないに関わらず、必須対応です。

後で詳しく説明しますが、ネクストエンジンやCROSS MALLなど、いろんな店舗運営システムがありますよね。
楽天本体以外に、そういった外部システムも大きく影響を受けるわけです。なのでこれらにちゃんと適用していかないと、お店が運営できません。しかも影響範囲がとても広い。

受注担当、制作担当、商品登録や情報更新している人、つまりECのチームの中のあらゆる担当者がみんなこの新しい楽天のシステムを理解し、対応していく必要があります

システムを独自にカスタマイズしている方や、自社開発システムを使っている方は、特に注意!「具体的にどのように注意したらいいか」は後ほどご紹介します。

攻めの観点:体制を作って、面倒な「商品統合」を実行しましょう

次に、攻めの話です。

このように守りの仕事、すなわち、新しい楽天の店舗運営システムにちゃんと適用した後、「SKU統合による売上アップのチャンス」を目指して商品統合していきましょう。

商品を統合した方が、検索順位も上がりやすいし、ランキングも上がりやすい。転換率も客単価も上がります
いろんな商品が載ってるから「これじゃないな」と思うと「小さいやつがいいな」みたいな残念な離脱が減って、どれかしら商品を買ってくれるので購入率が上がります。

上手に商品を統合して、恩恵にあずかりましょう。売上が伸びるチャンスです。

商品を統合する基準があります

ただ、「どの商品とどの商品を、どう統合するか」は悩ましいところすよね。

商品を統合していい基準というものがあります。ガイドラインもあるので、なんでもかんでも統合できるわけではないです。できることできないことがあります。

「レビューはどうするの?」と言う質問については、レビューの統合はできます。
複数の商品ページにちらばっているお客さんの声を統合できるんですけど、このレビュー統合に関しても、いろいろ注意が必要です。詳しくは、別の記事でご案内します。

いろいろ、任意対応はやってもやらなくてもいいものもあります。
「これやると売れる」という新しい項目「商品属性項目」などの話もあります。

ただ、作業ボリュームがえらいことになっていて大変です。がんばってやれば売れるんでしょうけれど、余裕がないと無理。組織の実行力が問われます。皆さん多くの方が、中小企業だったり1人運営の方も多いと思います。

「1人運営でどうしろと言うんだ」という声も聞こえます。とにかくやると売れるチャンスはいろいろあるんですが、作業ボリュームがものすごいので、ちゃんと計画を立ててやることが大事だし、組織の実行力が問われます

これからやること

以上を踏まえ、「店舗は何したらいいか」について「守りと攻め」があります。
この守りと攻めの話は、詳しくは次回以降の記事で詳しくご案内しますので、ここではざっと説明します。

  • まず「自店舗の状況」を把握
    • SKUの移行時期とシステム対応状況を確認します
  • 守り:「オペレーション変更点」を確認
    • システムや業務の流れが変わるので、「新システムで自分の店が運営が続けられるか」をちゃんと確認しましょう
  • 攻め:「SKU統合」を検討
    • 確認が取れたら、がんばって商品統合していきましょう
    • SKU統合の候補を洗い出して、統合対象を確定し、順次統合していきます
  • 計画:作業内容の洗い出し、分担、スケジュール化
    • 以上のように、たくさん検討事項や作業項目があります。やることが多いので、計画性や実行力が問われます
    • 長期戦かつECメンバー総力戦になるので、マネジメントをがんばりましょう

1.移行スケジュールを確認する

まず自分のお店の現状状況を確認しましょう。店ごとに移行スケジュールが違います。
これは、楽天が公開しているスケジュールです。「2023年4月から順次、新システムに移行します」という案内が出ています。

出店されている皆さんのお手元には、既に楽天さんから「移行日時はいつですよ」といいう連絡が来ているかと思います。

我々はコンサル会社ですが、当社の支援先ですと、7月~8月くらいの移行時期の方が多いです。
ちなみに、当社の支援先で、スケジュールが一番遅い人は2024年2月でした(利用しているシステム会社の関係のこと)。

2.システムの対応状況を確認する(重要)

当たり前に知っている人は知っていることですが、知らない人は要注意です。
自分の使っているツールが、「SKU対応をいつ完了するか」を確認しましょう。

楽天・Yahoo!・Amazonなどの複数モールを、運営しやすくするシステムなどがありますよね。

  • ネクストエンジン
  • CROSS MALLと
  • 店舗アップ など

その複数店舗の運営システムが、「楽天SKUにいつ対応するか」はそれぞれサービスにより異なります。
いかに自分が「よし最短でやるぞ」「4月だ6月だ」と言っても、システム側が「すいません、うちがSKU対応するのは8月以降です」というケースがあるわけです。使っているシステムがSKU対応する前に、自店舗のSKU対応をやるのは無理ですよね。
なので、「自分が使っているシステムがいつSKU対応するのか」をちゃんと確認しましょう。

楽天のRMSサービススクエアに登録している製品なら、既に対応時期は決まっているはず。
※RMSサービススクエアに登録されている開発会社は、楽天と色々やりとりしています。

有名なツールやシステムは既に「いつSKU対応するか」を公表しているはずなので、システム屋さんに問い合わせてください。

自社開発している場合

「自社でシステムを組みました」という自社開発の場合、自分で対応しないといけないので要注意!

例えば、自前でダウンロードしたCSVデータを使い、エクセルで関数を使って、伝票を印刷する仕組みを作っている場合。
楽天のCSVの項目が変わるので、なにもしないままだと「伝票の印刷内容が変な状態になる」という可能性が高いです。

カスタマイズしている場合

「いろいろカスタマイズしまくっています」という方も要注意です。

「ファイルメーカーを利用」など、細かくカスタマイズするタイプのシステムを使っている場合。
現在システムを提供している会社は、いろんな所から問い合わせがたくさんきて対応に追われ、大変な状態になっていると思います。
なので、カスタマイズ型ツールをお使いの方は、なおさら早くシステム会社に連絡することをおすすめします。

3.間に合わなそうな場合、楽天に申請する

間に合わなそうな場合は、楽天に申請して移行時期を遅らせてもらうことができるはずです。

  • 「その時期は、まだシステムがSKUに対応していないので間に合わないんです」
  • 「自社開発システムの対応に時間かかるので、この時期だと間に合わないかもしれないです」
  • 「なので、移行時期をもう少し後ろにさせてください」

ということを早めに伝え、スケジュールを調整するといいでしょう。

まとめ

長くなりましたので、最後おさらいをします。

今回は、楽天SKUプロジェクトはどういうものか、出店者は何をしたらいいか、どういう意味があるのか、ザックリ解説しました。
要はAmazonみたいになるのですが、今回のポイントはココ。以下のように、SKU統合で商品ページが大きく変わります。

Before一つの商品ページの中に、1商品が入っている状態
After一つの商品ページの中に、複数商品がぶら下がった状態

あたかもカテゴリページが商品ページになったかのような、存在感とパワーの強い商品ページになっていく。
それがSKU統合だと言っていいのではないかと思います。

なのでがんばって対応すると、売れるチャンスは広がります。回遊性・検索順位・購入率、いずれの観点でもメリットは大きいわけです。
ただ、SKU統合により色々とシステムが変わるので、「まずシステムがどう変わるのか」「うちの会社は対応できるのか」を確認しましょう。
受注担当も制作担当も商品登録する人にも影響します。みんなで確認し、それが済んだら商品統合していきましょう、

次回は、守りの要確認事項についてご案内します。

P.S.

弊社は、「中小EC事業の経営全般を支援するコンサル会社」です。
特に「楽天を中心に、複数のネットショップを運営している会社」のお手伝いを得意としています。

楽天SKUプロジェクト対応についてお悩みの方が多く、現在、お問い合わせをたくさんいただいています。

「SKUの概要はわかったけど、うちの場合は具体的にどうしたらいいの?」
「〇〇や△△といった商材の場合はSKU統合すべき?統合しない方がいい?」

対応は大変ですが、お客さんは買いやすくなりますし、うまく活用すればチャンスになります。
個別にご相談したい方はサービス紹介ページをご覧いただき、お気軽にお問い合わせください。

カテゴリー: EC戦略論

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