こんにちは、坂本です。今回のテーマは、経営者の人生について。
私自身の経験から、「経営者の人生には、恐らくこういったパターンがある」ということを考えまして、ご紹介します。私自身を振り返って書きましたが、案外多くの方に共通するのかも?と思ってます。
- 目次 -
はじめに
この記事を書こうと思った経緯
実は2023年2月をもちまして、コマースデザインは創業15周年となりました。皆様のおかげでやってこれました。ありがとうございます。
そこで自分の「創業から15年間」の経営者人生を振り返ってみたところ、「もしかしたらこういうパターンがあって、他の経営者の方も、同じ感じで悩んだりつまずいたりしているかも」と思ったんです。
というのも、日頃よくお話させていただく経営者の方や、コンサルティングでご支援している方と、今回ご紹介する話と同じようなことをよく話すからなんですね。
「これって自分だけじゃないかも」と思い、みなさんの参考になればと私の仮説「経営者の人生パターン」をご紹介します。
経営者の人生のパターンとは?
経営者の人生は、4つのステージがあります。
ステージ1から4まで、「こんな感じで経営者人生が進んでいく」というパターンをご説明します。
※このあとステージ2に戻って繰り返すのかも
ステージ1「得意と苦手が育まれる時期」(創業前)
ステージ 1は、創業する前の段階です。
後継者として社長になるケースも、自分自身が創業するケースもあると思いますが、私は創業した方なので、創業者の場合で説明しますね。
だれしも、得意分野や苦手分野がありますよね。学生時代や社会人になってからの経験をもって、「これは得意」「これは苦手」という風に、得意分野を育んだり、苦手意識を自覚したりしていきます。この過程で、
- なんらかの達成感、得意感、快適さ
- なんらかの物足りなさ、喪失感、不快感
を覚え、好き嫌いの意識が強まっていくように思います。
人によっては、「自分が得られなかったものへの不足感や怒り」のようなものが発生することもあるのではないでしょうか。私はそんなに強い怒りみたいなものはないですが、今振り返ってみると少しあったかもしれません。
創業前の経験から、得意と苦手が育まれていきます。
原体験のようなものもあったりします。
ステージ2「得意分野で成功する時期」
次に、ステージ2は、創業期です。あるいはブレイク期?
社会に出て最初の就職先でうまくいった経験があり、そこから創業したり、あるいは創業してからうまくいった、というそういう経験の時期です。
これは大抵、自分の得意分野を使って成功しているはずです。
そしてステージ1で感じていた「物足りなさ・不足感・欠落感・欠乏感・寂しさなど」が「報われる」経験を経たあとに、「調子に乗る」という現象が発生しますw 多分。
ステージ3「苦手分野に逆襲される時期」
ステージ3は、苦手から逆襲されるみたいな感じですね。
組織がある程度大きくなるとか、自分の創業した後の仕事がうまくいき、得意分野で伸ばしてきたんですけど、苦手分野でつまずくということがあります。足を取られるような感じですかね。
たとえば、メンバーが増えてくると、「自分のようにみんな売れるようになろう」とやるんですけど、みんな違う人間ですから「ついてこない」といったことが起こるわけです。
私の場合も、組織や人間関係が元々得意ではないので、そこでつまずきました。でも、つまずいても「自分はこれまで得意分野を使ってうまくいったのだから、不得意分野も克服できるはず」と思ってがんばっちゃうんですね。あがくような感じです。
でも、自分で克服できるなら、それは苦手分野じゃないんです。うまくいっていた時期を経た後の「谷の時期」の本質は、苦手の逆襲。
ということで、「ジタバタしてなかなか解決しない」のが、ステージ3です。
ステージ4「苦手と折り合いをつける時期」
ステージ4は、自分の苦手や不得意に折り合いをつける時期です。
苦手分野との距離感や付き合い方がわかって、「適度に諦めて次に進む」感じです。
商売の土台に「過去うまくいった経験」があるので、苦手分野についても、「自分の得意スキルでなんとかしようとがんばってしまう」んですね。
たとえば、話を聞くのが大事なシチュエーションで「発信スキル」でなんとかしようとする。地道に磨くべきタイミングで「斬新なアイデア」でなんとかしようとする。でも、テーマとスキルが噛み合ってないのでうまくいかない。
ステージ4は、そんな、空回りを繰り返すような時期がしばらく続きます。
大体、組織問題の形をとって現れることが多く、私の場合も典型的に現れました(次回紹介します)。
そのあと、私の場合はずいぶんかかりましたけど、自分の感覚だけで経営しないことが大切、だと気づきました。以前なら「これはこうやればいいんだ!ズバッ」と解決していたことを、違う角度からも考えてみる。
自分の直感や感覚に対して「そうとは限らないな。ちょっと待てよ」と、一旦立ち止まる。なぜ自分がそういうふうに思ったのか自問する。多面的に観察することで、空回りを回避できるようになりました。
こういった時期がいつ起きるのか、中盤なのか後半なのかはよく分かりませんけど、大切なのは「自分の苦手とどうつきあっていくか」ということだと思います。
また、「ステージ4まで来たら上がり」ということはなく、またステージ2に戻って、3になって4になって…ということを繰り返すものと思います。私もこの先、またいろいろ失敗したり、うまくいかなったりあがいたりするだろうなー。。
苦手分野の乗り越え方
じゃあどうやって「苦手」を自覚して、乗り越えるのか。
苦手=盲点、だと理解すると分かりやすいと思うんです。
「志村うしろ」と同じで、自分では問題に気づけない
苦手分野というものは、「単にスキルがない」とか「うっかり間違える」とかそういうレベルの話ではなく、盲点や感覚の欠落に近いと思います。
苦手とは、感覚の欠落。やることが苦手なのではなく、感じ取れない。感覚がないので、スキルの習得が困難です。土壌がないので、種の蒔きようがないんですよね。多分これが苦手の本質で、力説したいポイントです。
「苦手分野は盲点レベル」ということは、「苦手に起因するトラブル」は、「透明人間に襲われる」ような感覚になります。
全く自覚がないところに突然問題が起こって超ビックリ。
自分では、その問題を感知することができない。「何の問題もない」と思っている。
「よかれ」でやっている。
でも見えている人から見ると、「全く逆効果になっているんだけど、本人は感知していない」ので、当事者からすると「透明人間に襲われる」「後ろから突然殴られる」という感じになるわけです。
ドリフのネタで、「志村、うしろ」というネタがありますね(世代的に分からない人はすみません。「志村うしろ」でググってみてください)。観客席からは見えるので声が上がるんですけど、自分の背後で起きていることなので、志村本人からは何がおきているか見えないわけです。こういったことが、経営者人生がしばらく経ってから襲いかかってくるテーマのような感じがします。
健全な諦めで、「苦手の逆襲」から解放される
私はコンサルタントなので、支援先の社長さん店長さんにあれこれ意見することがあります。「この観点が抜けてますよね」「ここは優先順位が違うんじゃないですか」etc。傍から見ると「ここはもうちょっとこうした方が」ということがよく見えるわけですね。当事者からはよく見えません。
たとえるなら、サッカーのテレビ中継などは上から見ることになるので、全体像がよく分かりますよね。一方、実際にフィールドに立って、当事者になると状況がよく分からないものです。
私も当事者として、「盲点を感知できない」という問題を散々感じてきました。コンサルタントとしての私は、支援先の盲点をズバズバ指摘するのですが、当事者としての私は、支援してくれている外部の方々によく盲点を指摘されますw 自分の感覚の欠落、見えないことに打ちのめされる。そして足掻く。
この問題を解決するには?
自分がこれまで使ってきた「得意なやり方」を手放すことで、苦手の逆襲から解放される感覚があります。新しい問題に対しては「得意な解き方」を一旦封印したほうがいいのかもしれません。これまでの問題と同じ感覚で取り組むと、ずっと空回りで、あがいてる状態になるかも。
あと、自分と違う意見の人は、どんな感覚や経験に基づいて意見しているのかを問うこと。つまり、自分の苦手さへの対処として、「自分以外の感覚」を理解し、活かしていくことが大切だと思います。
そこで、自分の成功体験を手放して「できないことはできない」で認めていく。経営者人生として自分の15年間をふりかえると、この階段を乗り越えることが、大きな変化だったかと思います。時間はかかりましたが。
今回はパターンの紹介でしたが、次回は、(若干恥ずかしいんですが)これらの法則を私自身にあてはめて解説してみます!
まとめ
ポイントを押さえておさらいします。
- ステージ1「得意と苦手が育まれる時期」(創業前)
- 創業前の段階の話です。
- 得意分野・苦手分野、好き嫌いの意識が育つ時期です。
- ステージ2「得意分野で成功する時期」(ブレイク期)
- 創業後や起業後の最初の成長段階です。
- 自らの得意分野で成功します。報われる経験があったりします。
- ステージ3「苦手分野の逆襲時期」
- 一転し、「苦手の逆襲」が起こります。組織問題の形をとって現れることが多いです。
- その背景には、自分では感知できない「盲点」があります。
- ステージ4「苦手と折り合いをつける時期」
- 自らの成功体験を手放し、苦手分野との折り合いをつける時期です。
- 「盲点の存在」を認めて、他社の目線を理解しようとすることで、解決の糸口が見えます。
コンサルティングのご支援先の方、社長さんともよくこんな話をします。本当に、みんな似たような話になるんですよね。ということで、経営者の人生パターンのお話でした。
ということで次回は、このパターンを踏まえて、「私こと坂本の15年」について語ってみます!
P.S.
弊社では、第三者視点で「ご自分では感知できない盲点」や「苦手分野」への向き合い方をサポートし、問題解決を提案できます。
典型的な例としては、「売上をあげることは得意だけどマネジメントは不得意」とか「色々アイデアがありすぎて何からやったらいいのか悩む」という方々ですね。多いです。こんなこともできない自分、空回ってしまう自分・・と自分を責めてしまう「当事者としての苦しみ」も、よくお見かけします。
ただ、第三者のほうが「状況がよく見える」とはいえ、当事者からしか見えないこともありますよね。だから私達は、客観視点だけを振りかざすことなく、当事者目線を大切に、次のステージに進むお手伝いをしています。
- 自分が今まさにこのステージでこんなことで悩んでいる。
- 次のステージが見えてきそうなので準備をしておきたい。
- 坂本の体験をもっと詳しく聞いて参考にしたい。
第三者視点で「ご自分では感知できない盲点」や「苦手分野」への向き合い方をサポートし、問題解決のお手伝いをします。
カテゴリー: EC事業の組織論