楽天オプティミズム2023まとめ。楽天市場は堅調に成長中、OpenAIとの提携を発表

今回は、2023年8月2日~6日に開催された「楽天オプティミズム2023」について、楽天全体の動向や三木谷さんの話、戦略共有会(店舗向けの方針発表)などで、どのような話があったかを、要約して解説します。

ちょっと情報量が多いので前編・後編でお届けします。

  • 今回は前編として、主に戦略共有会に出た、楽天出店者のみなさんに大きな影響がある話を中心に解説。
  • 後編では、OpenAI(ChatGPTなどを開発している団体)と楽天の提携が発表されたことを踏まえ、「これからAIがECにどのような影響を及ぼすか」について、私なりの予測を解説。次回ご案内します。興味がある人はメルマガ登録をお願いします。

はじめに

今回の戦略共有会では、「楽天出店者が驚くような新ニュース」はありませんでした。主に、これまで発表のあったSKUや配送品質向上制度など、過去に楽天が発表した計画が粛々と進んでいる、という内容が中心でしたね。

もちろん、「出店者が必ず知っておくべき情報」は色々あります。
まず概要を説明するので、忙しい方はここだけ読んでください。詳細は次章で解説します。

楽天全体の動向

  • 楽天市場の流通額は、1月から3月の前年対比で「約12%」増加し、堅調に成長しています。
  • 前述の通り、 OpenAIと楽天の提携の話がありました。Amazonは独自のLLM(※)を開発に取り組んでおり、日本だとサイバーエージェント等が独自AIを開発していますが、楽天はOpenAIとの提携で対応するようです。
  • 楽天モバイルについては、がんばっている所、様々な報道がありますが、7月に「Rakuten最強プラン」という新しいプランが登場しましたね。個人的には「Rakuten最強プランは、申し込まない理由がない」と思っています。

※LLMとは?大量のテキストデータを処理し、文章を生成するAIを、LLM(Large Language Models。大規模言語モデル )と言います。ChatGPTやGoogleのBardはLLMの一種です。

2023年下期 戦略共有会の概要

販促系トピック
  • クーポン機能の有料化
    • 「本来は有料だけど、無料キャンペーン中」だったのが、有料になりました。機能強化もするそう。
    • クーポン機能の利用頻度が高い方については、有料になるので、頻度について見直しが必要です。
  • 店舗編集系の機能拡充
    • 「コンテンツページ機能」が登場。商品・カテゴリ・トップページ「以外」のページを編集します。重要。
    • その代わり、(予告通り)スマホのトップページ(GOLD版)は使えなくなります。2023年末で終了。
  • 定期購入のリニューアル
    • 前回のカンファレンスで案内されたことが進んでいます。
    • いろいろな機能が強化されていくので、楽しみなところです。
  • 楽天サーチの改善(実施時期は未発表)
    • 仕組みを変えていくので「細かいキーワード表記ゆれを網羅しなくて良くなる」見込み。
    • 以前もそういった動きがあったものの、あまり変わりませんでしたが、今回は変わる印象です。
  • SKUプロジェクト
    • 「ちゃんと進んでいます」という報告のみで、新しい情報はそんなになかったですね。
配送系トピック
  • 配送品質向上制度
    • 我々は「365配送」と呼んでいます。要は毎日出荷しないといけなくなるから365配送です。
    • 365配送に対応して「配送品質ラベル」をもらうと、検索順位が上がります、と明言されました。
    • つまり、配送品質ラベルをもらわないと、検索上不利になる、ということです。
  • 最短お届け日の自動表示
    • 商品ごとのお届け時間について、明確に表示されるよう進化します。
  • 楽天物流でメール便の翌日お届けに対応・特大サイズに対応
    • 楽天物流の対応範囲が広がっています。

楽天全体の動向は?2023年上半期のふりかえり

ここから詳しく掘り下げます。

三木谷さんと楽天モバイルの話は、いろいろなメディアが報道していますので、そちらの記事をご覧ください。アーカイブ動画も無料公開されています。

楽天モバイルは上昇気流に

逆風や様々な報道がありますが、楽天モバイルは現在「Rakuten最強プラン」によって(三木谷さんらしい命名ですね)、申し込まない理由がないサービスになったと思います。

つながらない場合は(料金内で無制限に)au回線に切り替わるので、エリアカバーの問題はほぼクリアされたのではないでしょうか。弊社の会社携帯も楽天モバイルを利用しています。楽天としても法人向けに注力しているようです。

楽天の財務状況が取り沙汰されていますが、シンプルに携帯プランだけ見ると強いので、今後巻き返してくるんじゃないでしょうか。回線数が増えている旨の報道が出てましたし。財務状況とか人事周りのニュースで溢れ返ってて、シンプルに「プランとして最強」の話が目立たないのが勿体ないところですねえ。

楽天市場は堅調に成長

コロナが落ち着いてリアル回帰しているので、ECで苦戦している方もいますね。そんな中での、楽天の国内EC流通総額は、2023年の1~3月の四半期で「前年同期比+12. 2%」。私達の支援先や知り合いの方では「楽天は横ばい」「ちょっと減ってきた」という方もいますが、楽天市場全体としては堅実に成長しているようです。ヤフーがダウントレンドなので、楽天にプラスに働いている面もありそう。

あと、スーパーセールやお買い物マラソンなどの「イベント経由の売上」が毎年20%の成長率との発表もありました。ただこれは裏返すと、「イベントがある日に売上が偏る」傾向が強まっている、ということです。売り手としては、土日にイベント日がかぶると大変ですよね。出荷の山と谷があるとドライバーさんも大変です。イベントをがんばっていること自体はいいのですが、世の中全体への影響も配慮いただきたいなと思いました。

戦略共有会の販売系トピック

次に、楽天市場の販売系のトピックについて、順次詳しくご紹介します。

ラ・クーポンのシステム利用料が有料化(2024年4月~)

これまでラクーポンは無料でしたが、2024年3月末をもって無料キャンペーンを終了し、有料化されることが発表されました。楽天は時々こういうアプローチをしますね。無料サービスではなく「有料サービスが無料キャンペーン中」という見せ方でサービス展開し、十分使われるようになったら課金する形です。

お店によってクーポンの利用状況は異なると思いますが、一部のお店では「常にクーポンを発行している」所もありますよね。そういう方は、今回のクーポン有料化に伴い、店舗の運営スタイルや「クーポンの発行頻度」を見直すことになるかと思います。現状を確認し、検討することをおすすめします。

さらに、有料化するだけでなく、新たな機能の追加や、ホットペッパーのようなクーポンメディアを通じて送客する施策も発表されました。

有料化というネガティブな話題だけでなく、プラスの情報をあわせて発表するのも、楽天の以前からのパターンですね。強化された新クーポン機能が、どれくらいの効果があるのか・料金に見合うのかは、有料化された後、EC事業者の皆さんの経験談が出回る中で、明らかになってくるかと思います。

店舗ページの編集機能が拡大(2024年~)

販促のトピック2つ目は、店舗ページの編集機能の拡大です。

楽天純正のページ編集機能が、拡充されていきます。
既にトップページの編集機能はリリースされましたが、今回紹介されたのは、コンテンツページの編集機能です。商品ページやカテゴリページやトップページ「以外」で汎用的に使う機能のようです。

セール・季節イベント・◯◯特集などのピックアップした商品を並べて売る「特集ページ」や、店舗紹介ページなどの各種の「記事」に使えるようです。つまり回遊性やブランディング。そしてお客さんに素敵な買い物体験を提供するためにも重要な機能なので、要チェックです。

コンテンツページの用途例(当社で想定)
  • (自店舗の)スーパーセール特集ページ
  • 処分品のワゴンセール
  • 初めての人のためのサッカー用品特集
  • 新入学お祝い特集
  • 父の日特集
  • 〇〇ブランドの詳しい紹介
  • 商品ブランドの詳細な紹介
  • 店舗の詳しい紹介
  • メディア紹介実績 など

今後、商品ページやカテゴリページもアップデートされる予定です。こちらのデザインはまだ検討中。分析の機能も増えていくようです。また弊社でもいろいろリサーチして、追ってご案内をしていきます。

スマホ版TOPページ(GOLD版)の終了(2023年12月)

以前から予告があった通り、楽天GOLDで、モバイルサイトのトップページを作る機能が使えなくなります。
トップページがなくなる話は、以前の記事で案内しましたね。発表時からの変更点として、終了時期が「2023年 下半期(7-12月)→2023年12月」と明確になりました。現在GOLDトップページを使用している方は、今後の対応方針を考えておきましょう。

定期購入の全面リニューアル(2024年度の予定)

次に、販促の4つ目のトピックは定期購入についてです。

定期購入は Amazonでは重要な機能で、 Amazonの定期購入で売上を作っている方もいます。ただ、楽天の定期購入は使いづらかったんですよね。そこで、楽天もAmazonのように、日用品などの繰り返し購入する商品の販売を強化すべく、以前から定期購入をリニューアルする方針を出していました。

これが具体的に進んでおり、2024年に全面リニューアルを予定しています。

すでに実施済の修正として、定期購入のプロセスが、最短で3クリックで完了するよう改善されました。画面遷移の回数が少ないほど、ユーザーが購入完了する確率(=転換率)は高まるので、転換率向上のための取り組みです。
楽天会員の場合、元々転換率が高い傾向がありますが、定期購入画面のリニューアルにより、更なる転換率の強化につながります。

また、これまで定期購入は月額5000円の固定費がかかっていましたが、これが廃止されます。定期購入の利用ハードルを下げ、出店者のみなさんもっと使ってね、ということですね。

現在固定費:月額5000円 + 売上に応じたシステム手数料
2024~売上に応じたシステム手数料のみになる

また、定期購入でクーポンも使えるようになる予定です。実施時期はまだ不明ですけど、リピート通販をやっている方、リピート系の商材を使っている方は要注意ですね。

検索ロジックの改善(※時期未定)

次のトピックは、検索ロジックの改善についてです。
今回の発表はあくまで方針段階で、具体的にいつどう変わるかはまだ分かりません。

楽天サーチでは、「スイーツ」と「お菓子」、「贈り物」「プレゼント」「ギフト」などが、同義語なのに異なる言葉として扱われています。※例えばGoogleは同義語を考慮してくれます。

そのため、皆さんご存知かと思いますが、楽天の商品検索できちんと引っかかるためには、類似語・類義語・表記ゆれも含めて、幅広いキーワードを書く必要があります。結果として、商品名が長くなりますよね。

こういう「キーワードの網羅」は、「楽天サーチで売るためのコツ」ではあるものの、お客さんからすると不審な見た目になるので、サービスとしては正直微妙です。

以前にも楽天はこの問題に対処しようとして、上手くいかなかった経緯があります。今回、改めて対応していくようです。

実際に検索ロジックが変わるまでは、引き続き表記ゆれの対処は必要ですが、将来的にはこの手間が減り、がんばらなくていい日が来るでしょう。例えば「プレゼント」と「ギフト」の両方のワードを書かなくてよくなり、類義語のカバーが不要になるはず。

とはいえ、「スイーツ」と「デザート」と「おやつ」って、ニュアンスが少し違う言葉じゃないですか。そういったキーワードについては、やはりカバーしないといけない気がしますけどね。とにかく今後の方向性は発表されたので、今後注意していきましょう。

RPP広告の進化(2023年4Q)

RPP広告(検索連動型広告)は、現在も露出先に合わせてクリック単価が自動調整されますが、今後の機能拡充の方向性として「ユーザーの購入意欲に応じて、クリック単価の自動調整がかかる」ようになるんだそうです。

「ダイヤモンド会員は購入意欲が高いので、積極的に広告を露出させよう(=クリック単価あげておこう)」といったイメージです。

会員ランクbeforeafter
ダイヤモンド会員全ユーザー同じ入札単価の対応入札単価「+25%」の間で自動最適
プラチナ会員※同上入札単価「+25%」の間で自動最適
ゴールド会員※同上入札単価「-80%」の間で自動最適
レギュラー会員※同上入札単価「-80%」の間で自動最適

楽天SKUプロジェクトは「50%」が移行済

SKUプロジェクトについては大きなニュースはなく、経過報告でした。

システム移行の進捗率は「50%」とのことです。つまり50%の店舗は移行を完了しており、来年2024年3月までに、全店舗移行する予定だそうです。実際の移行に際しては、RUxに動画や資料を載せてあるから観てね、とのこと。

日々いろんなお店の方をご支援していると、「新しいCSVのレイアウトがわかりづらい」「スタッフが不慣れなCSVを編集すると、事故が起こるんじゃないか心配」という声も聞きます。移行期なので、慣れるまで注意深くやっていきましょう。

複数モール運営者は「価格違いSKUの統合」に注意

価格違いのSKUを統合したページについては、1万ページ以上になったそうです。私も、以前の記事で、価格違いSKUの統合をおすすめしていました・・・が、実際に直面してみると、いくつかの課題が出てきました。

まず価格違いSKUを統合すると、論理的には売上が上がるはずですが、「SKU統合した後、一時的に売上が急落した」という事例がありました。一方で、上手に対処した事例もありました。まだ事例が少ないのですが、いずれにせよ注意深く進める必要がありそうです。

あと困っているのが、ヤフーでは価格違いSKUを統合できないんですよね。両方に出店している人は、同じ商品マスタから各モールに商品登録してると思うんですけど、楽天で価格違いSKUを総合すると、楽天とヤフーで商品データがずれてしまう。SKUが少ない店なら手動調整で済むでしょうけど、SKU がたくさんあるお店の場合はやりづらいなあ、という課題です。

「ヤフーショッピングも楽天に追随して、価格違いSKU統合に対応してくれるのでは!」と予測していたんですけど、今のヤフーはとにかくコストダウンを重視している感じなので、今後も対応しないかもしれません。そうすると楽天ががんばって進めているSKUプロジェクトですが、「ヤフーが対応していない」という原因で、価格違いSKU統合があまり進まない、という展開も考えられますね。

いまや複数店舗を運営している人が普通になってきました。楽天店だけを運営しているわけではないので、他のモールや本店なども配慮する必要があり、難しいところです。

また 、ECの一元管理システムは色々ありますが、「うちは価格違いSKU統合に対応していません」というケースもよくあります。使っているシステムの営業の方やサポートの方と、話しながら進めた方がいいと思います。なんにせよ、過渡期なので、慎重に様子を見るのが良さそうです。

戦略共有会の配送系トピック

販促・売上アップ周りの話は以上で、ここから配送系のトピックをご紹介します。

「配送認定ラベル」が検索順位の決定要素の1つに(2024/6~)

次に通称「365配送」、配送品質向上制度について話します。土日含めて毎日出荷しないと「配送認定ラベル」がつかないことは、以前カンファレンスで発表された通りです(以下のブログで詳しく説明しています)。

今回の戦略共有会で、この「配送認定ラベル」の有無が、「検索順位を決定する要素」の一つになる予定と発表されました。

つまり、ラベルがつくと、検索順位が上がって売上が伸びる。ラベルがないと、検索順位が下がって売上が落ちる・・という言い方はしてませんでしたが、そういう意味だと受けとれます。楽天出店者としては、ますます365配送対応を検討しなければいけなくなりました。

ただまあ、いろんな商品がありますので、「商品特性上、競合となる他店舗も全員ラベルを取れない」のなら、ラベルはそんなに気にしなくていいとも言えます(これは大事な観点です)。

楽天の意向を深読みしてみる

深読みすると「楽天物流に商品を預けてね」と言いたいのだと思いますが。ただRSLは温度管理がないし、規定上「預けられない商品」も多いですからねー。商品が特殊で物流代行に預けられない場合、競合も条件は同じですね。なので、楽天どうこうではなく、この件は「競合動向を観察しながら判断する」ことになります。

この件については、タウンミーティング(地域ごとに行われる楽天から出店者への説明会&議論)が交わされており、批判的な意見もでている様子です。モール間の競争の事情もわかりますが、2024年問題に逆行する動きでもありますしね。。

ところで、このように楽天のようなプラットフォーマーが、強い立場を生かしてテナントに対してゴリゴリ要望をしていくと「強い立場を使って出店者に要求しすぎてるんじゃないの?(独占的地位の濫用)」ということで公正取引委員会がまた出てくるかも。以前も楽天の「3980円送料無料」のときにニュースになりましたよね。

楽天としては毎日出荷を推し進めたいけれど、このようなリスクも考慮しながら進めているんだろうと思います。

「急がない便」(仮)の新設(2024年~)

ヤフーでもやっていますが、楽天でも「急がない便」(仮称)が生まれそうです。
「急がない便を選択すると、ポイントがついてお得になる」かも。

すぐにほしい商品もあれば、すぐ届かなくてもいい商品もありますよね。個人的には、急がない買い物も結構多いので、普通に使うだろうなと思います。

セールイベントの時など、負荷分散ができるので、助かります。運送会社のドライバーにも優しい仕組みですね。

「最短お届け日の自動表示」が全配送キャリアに展開予定(2024/3)

かご回りの機能について。2023年6月に、最短お届け日の自動表示の機能がリリースされましたね。

「商品ごとにどこから出荷するか」を登録しておくと、ヤマト・佐川・郵政の場合は、再短のお届け日が自動計算されて表示されます。2024年3月までには、この三社以外の全配送キャリアの配送日数も登録できるようになるとのこと。これは店舗さんが手動で登録する必要があるようです。

BOSSがAPI連携可能に(2024年1Q予定)

次にBOSSについて。名前がコーヒーみたいなBOSSですが、 RSL、つまり楽天物流と受注システムの連携のことですね。

来年BOSSが強化されて、API 連携が可能になります。これまでは、CSVファイルなどを経由して編集する必要がありましたが、API経由で動くようになるので、外部システムとBOSSが連携し、楽天物流に商品を預けると、BOSSが土日の手動対応もある程度カバーできます

「APIもカバーしたから、ぜひ楽天物流に預けてください」とは言っていませんでしたが、そういう意図かなと思います。今使っている方、注目してみてください。

メール便の翌日お届け・特大サイズの取り扱いが可能に(2023年)

楽天物流(RSL)のできることが広がっています。

メール便の翌日お届け対応が可能になる予定です。特大サイズの取り扱いも可能になる予定です。これら該当する方は、アンテナを立ててみてください。リリース済ですけど、熨斗などのギフト用のシール対応ができるようにもなりました。

なので、楽天としては「だから楽天物流を使ってください」ということですね!
配送系の話は以上です。

まとめ

まとめます。販促系と配送系、それぞれのトピックがありましたね。

販促系トピック
  • クーポン使いまくっている人は、有料になりますから気をつけましょう。
  • 編集機能が強化され、イベントやコンテンツページを管理する機能が登場。要チェック。
  • 定期購入も機能強化される予定なので、該当する人は要チェック。
  • 検索ロジックは、精度が向上する方向。当面は変わらないですが、アンテナは立てましょう。
  • 楽天SKUは粛々と進み、2024年3月までに完了見込。価格違いSKU統合は要注意。様子見が◎。
配送系トピック
  • 楽天から「ものすごく楽天物流を使ってほしい」空気が出ています。
  • 「365配送」は検索順位に影響することが明言されました。ただ「とにかく365配送対応」という解釈ではなく、商品特性とライバルを見ながらどうするか考えましょう。
  • 「お届け時間の自動表示」機能ができます。「急がない便」についても検討中です。
  • 楽天物流で、メール便や特大サイズの機能の拡充があったので、該当する方は要チェック。

次回予告

OpenAIと楽天が提携します。Amazonは自社のAI(LLM)の開発をはじめました。こういった、これからのECにおけるAIの影響、「AI によりECがどう変わっているか」について、次回の記事でご案内します。

これは、遠い未来ではなく、すぐの話です。私の周囲は、既に様変わりしていますよ。売り手側の「EC業務の変化」、お客さん側の「買い物行動の変化」、それぞれの観点で解説します。

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おわりに

最後に、私の個人的な意見を述べます。

楽天のトレンドを把握することは大事ですが、ほとんど皆さんは「楽天だけ」で商売しているわけではないですよね。

ヤフーはダウントレンドですが、LINEギフトは伸びていますよね。本店も売りやすくなりました。Amazonに関しては、成功している人とそうでない人、Amazonの特性によって分かれています。法人営業や卸売、実店舗といった別事業もありますよね。ECとリアルを対象とした「商品開発」という仕事も大切です。

つまり、楽天市場店は皆さんの事業全体の「一部」です。楽天をどの程度重視しているかも様々です。なので、楽天を含めた「事業全体のバランス」を見ていくことが大切。

弊社がEC支援をする現場でも、お店それぞれの特性によって「優先的にやるべき施策」は全く異なります(モール・本店、プレスリリース・SNS、利益管理や在庫管理、組織や運営体制の整備 etc)。

例えば、

  • この店は、お客さんからの相談が多く、お客さんに予備知識がないから、コンテンツで売れるだろう
  • この店は、どっぷり型番だから、まず商品マスタや管理体制の強化がまず重要だよな
  • この店は、原料を加工するタイプだから、魅力的な派生商品を色々作ってプレスリリースで売れそうだ
  • この店は、楽天がメインで、対応してない穴が沢山あるから、典型的楽天テコ入れ施策が優先だ

などなど。

つまり「楽天のアレコレへの対応で頭がいっぱい」だと、もっと大切な事業機会や要対応事項を見落とす可能性があります。 昔とは異なり、今の楽天運営には「全店舗一律の正解」はありませんから、自身の状況をよく考えて、周囲の状況を観察しながら進めていくことが重要です。

楽天市場は今後も国内トップECモールとして伸びていくと思いますが、我々にとってはそれが全てではないので、適度な距離感をもって付き合っていきましょう。

PS

楽天動向に対応しつつも、会社・事業全体のバランスも考えないとなあ、という方には、弊社のコンサルティングがお役に立つかもしれません。

前述のように、お店の特性や方向性を踏まえた戦略から支援し、戦略の実行にも伴走する、そういう支援をしています。今回ご紹介したように楽天の動向も把握していますし、楽天以外のこともいろいろ日々研究しています。

短期の問題解決もしますけど、お店の中長期の方向性を考えるサポーターとして、弊社にお手伝いさせていただく機会があると大変嬉しく思います。ぜひ一度ご検討ください。

カテゴリー: EC業界ニュース

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