こんにちは。坂本です。明けましておめでとうございます。
毎年恒例の年頭記事をお届けします。テーマは、「人の問題を減らして平和に経営しよう」。
なぜ、生成AIが話題になっている昨今、今年のテーマが「人の問題」なのか?
よく「経営者の悩みは人の問題が8割」と言われています。全くそうだと思います。EC業界では、昔よりも会社のメンバーが増えたり、部下に仕事を頼む場面が増えてきて、同時に「人の問題」で悩む経営者が増えているように感じます。
コンサルティングの現場でも、最近は、人間や組織についての相談を多く頂くようになりました。今年は、AI活用など「未来に向けて取り組むべきこと」は色々ありますが、足元の「人の問題」に引っ張られると、未来に進むことができません。このストレスや問題がなくなれば、未来に向けた新しい仕事ができるはず。
ということで、AI時代ではありますが、今年のテーマは「人の問題を減らして平和に経営しよう」となりました。
「人の問題」に興味がある方、悩んでいる方向けに、前後編でお伝えします。
- 目次 -
はじめに
2023年のおさらい
まず、去年の年頭記事で何を書いたかと、その結果のおさらいをします。
去年は「2023年は世界的に景気後退するんじゃないか」という話と、景気が悪い時期の経営や商品選択について思ったことを書きました。
幸い世界不況にはなりませんでしたが、円安や原価高騰、運賃値上げもありましたね。特にEC業界は、コロナが終わってギフトなど厳しかったり、ヤフーのポイント切り下げに続いて楽天のポイント還元率の切り下げもあり、全般的に厳しめな年ではありましたね。
詳しくは2023年の年頭記事をご覧ください。「景気が悪い時期に、どう商売していったらいいか」についての洞察については今読んでも参考になるかと思います。
組織のギスギスは、人柄ではなく構造のせいで起きる
本題に戻ります。
「経営者の悩みは人の問題が8割」です。
例えば、
- 社長が1人で一生懸命がんばって、他のメンバーが指示待ち状態になってる
- 社内や身内で、感情がギスギスしていて対立している
こういうとき、「なぜアイツは分かってくれないんだろう」「アイツはなぜこんなことをするんだろう」などと、「特定個人の性格」について想像を巡らせて、愚痴ったり、ブツブツ悩みがちですよね。
でも、弊社が支援しているEC企業では、さまざまな会社で「違う人々によって」全く同じ現象が起きています。
メンバーは別の人達なのに、同じような問題が起こるんです。
つまり、特定個人の人格による問題ではない。これらは、「構造」のせいで起こる問題です。
例えば、あまり電灯がついてない地域で事故が多い場合、「事故の原因は運転技術の不足だ」とはならないじゃないですか。暗いから事故が起きていますよね。個人のせいではない。このように、起こるべくして起こっているトラブルや対立を「構造問題」と私は呼んでいます。言い換えると「典型パターン」です。
人の問題を減らして平和に経営したいですよね。構造が分かれば対策ができます。
個人のせいにせず、構造を理解しましょう。
「人間関係問題」の典型的なパターンを3つ紹介
そういうわけで、これから「中小企業の組織で起きる、典型的なパターン」を解説していきます。大体が構造問題であり、多くの会社で同じことが起きています。
ここでは、典型的な「人間関係の構造問題」を3つ紹介します。
- 1.ゴリゴリ仕切るリーダーと指示待ちメンバー
- 2.組織内のギスギス
- 3.身内のギスギス
これらがいかに再現性が高く、「起こるべくして起こってるか」について説明します。
色々な会社で同じことが起きているので、パターンがわかれば対策できるはず。
なので、まずよくあるパターンを理解しましょう。
1.ゴリゴリ仕切るリーダーと指示待ちメンバー
1つ目は、ゴリゴリ仕切るリーダーと、指示待ちになってしまうメンバーの関係について。
- 有能なんだけど、1人でゴリゴリ進めてしまう社長やリーダー
- 自分の意見もあまりなく、「やれ」と言われたことをやるメンバー
社長/リーダーは、「もっと自分で考えて動けるようになってほしいなあ…」「結局自分がいないとだめなんだよなあ…」とよく言います。あるあるですね。この状況は、誰が悪いというわけではなく、構造として発生しています。
この構造は連鎖的に発生します。
Step1 有能なリーダーが、組織を大きくする
この問題構造の発端は、メンバーではなく「リーダー側」です。
指示待ち問題が起きる組織のリーダーは、有能です。
状況がよく見えていて、具体的な指示も出せます。業績への意識も高い。
売上も伸ばせるので、売上規模も組織規模も大きくなります。
メンバーが増えていきます。
しかし、規模が大きくなると、当然「リーダーから見えないところ」が増えていきます。
見えづらい!どうなっているんだ!
具体的な指示も出せるよう、ちゃんと把握しなければ…
メンバーも育ってないので、間違った行動を取ります。
ちゃんと監督せねば…
Step2 有能なリーダーが、リソースを使い切る
次に、リーダーはこう動きます。
- まず報告を求めます。「それは聞いていない」「自分は見ていない」「きちんと報告するように」
- しかし、報告が要領を得ないので、自分でデータを確認します。
- 状況がわかったので対策の検討を指示します。
- しかし、対策の内容も要領を得ないので、自分で方針を立てます。指示をします。
- 下手すると、実行まで自分でやります。大忙しです。
結果、リーダーは「状況を確認する」「自分で状況判断・指示する」ことに時間やリソースを使い切ります。
Step3 メンバーが参加できない
リーダーが、自分が手を動かしたり指示を出したりすることにリソースを使い切ると、「リーダーとして、メンバーへ状況説明をする時間」がなくなります。 会議が開催されない。会話すらままならない。つまり、リーダーとしての役割が果たせなくなります。
さらに、このリーダーは、元々「メンバーへの状況説明」が重要だとも思っていません。なぜなら、全部わかってるのは自分だから。「具体的にどうしたらいいか」が分かるのも自分だし、大体自分がやってるから、メンバーに細かい情報を共有する必要がないからですね。結果、まったく情報共有をしなくなる。
メンバーからすると、状況が全然わからないから、冴えないアイデアしか出しようがありませんし、自律的に動くこともできない。成長機会がないので、能力も伸びないまま。
- リーダーは「忙しい俺が業績を上げている。忙しいからメンバーに情報共有する時間はない(必要もない)」
- 部下は「情報がないから身動きが取れないし、どうしたらいいか一番わかってるのはリーダー」
状況がわからないからどうしたらいいか分からない。でも「どうしたらいいか」の指示は上から降りてくる状況です。
Step4 組織に「裏ルール」が発生
こういう状況では、メンバーが提案したアイデアがあまりよくなかった場合、リーダーは「ダメ、こうしろ」という具体的な指示を出します。指示を素早く実行すると「よくやった」と評価されます。
リーダーは頭では「メンバーが自ら判断・実行する」することを望んでいても、実際の行動がそうではない。
現場でこのような評価がされると、組織のメンバーは「裏のルール」を感じ取ります。「上司がすべて決定する」「メンバーは上司の指示を早く実行するのが仕事」。リーダーの発言・表のルールでは「みんな自発的に自律的に考えよう」。でも、組織を支配するのは、評価者であるリーダーの行動に基づいた「裏のルール」です。
メンバーはこう考えます。
- 自律判断するための情報も能力もない。提案にはダメ出しされる。
- 素早く実行するとホメられる。
- 自分になにができるのか。実行しかない。
結果的に「指示待ちこそが正解」になるわけです。
上からの指示を素早く実行しなければならないので、リソースを空けておく必要があります。合理的な判断の結果として、PKでシュートされるのを待つゴールキーパーのごとく、全身全霊での指示待ちとなります。
Step5 メンバーは発言を控え、リーダーはイライラする
たとえば、お店のトップページに問題があったとします。情報が古いとか。
メンバーは「あ、これ大丈夫かな?」と気づきます。
でもメンバーのメイン業務は「指示に備える・指示があったら実行する」ことなので、余計なことをするとメイン業務に差し支えます。なので、問題だったら上司が指示するだろう…ということで何も言いません。つまり、先回りして細部を拾うこともしなくなります。
一方、状況把握・判断・指示出し・実行でリソースを使い切ってるリーダーは、この状態に気づきません。
結果、問題はそのまま残ります。ある時、リーダーが気づきます。「なんで放置されてるんだ!」
こういうことが続くと、社長やリーダーは、「メンバーは誰も拾ってくれない、先回りもしない。だから、自分が全部先回りしないといけないんだ!」ということで、自らもっと細かく判断し、指示して、実行して、自分のリソースを更に使いきった上に、自分のプライベート時間をどんどん削っていきます。
Step6 不健全な「頑張った感」で、問題が続く
この大変な状況が続く原因としてリーダーの心理が挙げられます。
- 「メンバーは、俺が言ったことは素直に実行するが、大した能力はない」
- 「結局、自分がやらないと回らない。今日もがんばって何とか仕事をやりきった」
こういう心理は、「達成感」「自己重要感」が得られるし、周りは誰も否定しません、だから、この問題構造が維持されます。
こうなると、メンバーへの情報共有など、リーダー業務が全くできません。だから、メンバーはますます指示待ち。リーダーはますます独り相撲。いや、もうリーダー不在と言っていいですね。優秀なプレイヤーが1人。それ以外は指示待ちメンバー。という「リーダー不在の組織」になり、この状況が固定化されます。
リーダーは、この問題構造を抱えたまま、頑張り続けます。社長やリーダーが体調を崩したり、事業の成長が止まる・マイナスに転じるなどしてヤバくなってくると、構造の見直しが始まります。
※ただその時点では、このリーダーは「メンバーが自発的でないのが問題」という認識です。
これ、ループ構造になっているのが伝わるでしょうか。
以上が一つ目の構造問題です。具体的にどうしたらいいかについては、後編の記事でご紹介します。
2.組織内のギスギス
二つ目の構造問題を紹介します。組織内のギスギスした関係性。
このパターンでは、一部のメンバーが成長し、成果を出し、組織に貢献できる状態になったときに発生します。この「有能なメンバー」が、ギスギスを起こします。ただこれは個人のせいではなく「構造問題」です。
Step1 メンバーが成長する
起点は、有能なメンバーが発生することです。
その人は、組織の中で、重要な役割を果たします。
この人がいるからこそ売れている、という状態。
「自分がいなければこの事業は成り立たない」良いことですが、メンバーに「強すぎる自負心」が生まれる場合があります。この「高すぎる自負心」は、盲点を産みます。
※ちなみに、世間一般としてはスキルが高くなくても「他にやる人がいない」「組織内では自分が一番できる」状況であれば、「自分がいなければこの事業は成り立たない」自負心は発生します。本人からどう見えているか次第です。
Step2 「強すぎる自負心と責任感」が、視野を狭める
私の前職の話をします。楽天のECコンサルタントだったんですが、広告をたくさん売り、自分のアイデアと施策で売上を大きく伸ばしたんです。そこで「がんばってる俺」で止まればいいんですけど、
私は、
「他部署の人は、俺の貢献を理解し、俺が動きやすくなる配慮が必要ではないか」 ← ひどい
「俺がこれだけ売上を作ってるのに、十分評価されてない。わかっていれば配慮するはずだ」
などと思っていました。「成果を上げて社内で褒められる」なんてことは、それまでの人生でなかったので、天狗になって調子に乗っていたんです。で、当時の上司に怒られました。
- お前が売っている広告は、誰が作っているのか。システムや入金の管理は誰がしているのか
- 我々がいなければこの売上は立たないが、他部署がいなくても売上は立たない。
- 見えてないところが多すぎる。そんなに視野が狭いと社内で浮いて、仕事が回らなくなるぞ
というお叱りを受け、狭い了見で周りを見ていたことに気づき、その後はだいぶ改善したと思います。
恥を忍んで私の思い出話を例としてお伝えしました。
このように、自分の仕事に夢中になりすぎると「他の人の貢献」が見えにくくなり、盲点が広がります。
Step3 人とぶつかる
この「盲点」がそのままだと…「自己評価と他者評価のギャップ」を生み出しますよね。
「自分は社内で超重要な仕事をしている」「自分がいないとこの事業は回らない」「なのに、なぜ自分の仕事に協力してくれないのか」「がんばっているのに周りは評価してくれない」という不満がジワジワ蓄積されていきます。…それが、人への接し方に現れます。
現象としては、同僚への感謝を忘れ、言い方がキツくなったり、「自分都合での要求」が増えたりします。
周りの人からすると、ちょっと感じが悪くなってきます。
Step4 「自分の都合」のぶつけあいで、組織風土が悪化
そして、こういうことが起こります。
「俺の貢献をお前は分かってない。配慮しろ」
「お前こそ、俺の貢献を分かってない。配慮しろ」← コレが起こります
「自分都合の要求」は、組織内で連鎖します。
ヒトの群れは、みんなで狩ってきたマンモスの肉を分配するのと同じように、会社組織の中でも利益配分が行われています。その本能によって、相手が「こっちのほうが重要&大変だ」を主張するほど、「こっちのほうが重要&大変だ」と言い返したくなるわけです。
その結果、会社が「部署間・個人間の利害調整」の場になってしまい、全体最適が失われます。
組織というものは、そもそも役割分担ですから、どれか1つの部署がなくても事業は成立しないわけです。だから「自分がいなくてはこの事業は成立しないし、こんなに大変なんだ」「いや、自分がいなくてはこの事業は成立しないし、こっちのほうが大変だ」と言い合うのは簡単です。
でも、少し角度を変えれば「あなたがいなくてはこの事業は成立しない、ありがとう」とお互いに感謝し合うこともできるはず。 組織的分業という構造は同じですが、解釈によって、全く違う意味になりますね。
対策:自分の「盲点」を意識する(ルービックキューブ理論)
私が思いついた「ルービックキューブ理論」というものがあります。
これは、「組織における人間の盲点」を説明する話です。
ルービックキューブは、全ての面の色をそろえるゲームですよね。組織において、視野が狭くて盲点が大きい人は、例えば「赤色がそろえば正解」と思いがち。例えば赤だけそろえて達成感を感じます。が、その裏では…「青がそろってない」「黄色がそろってない」など、他の面はバラバラということが起きます。
「売上が伸びること=赤がそろうこと」だとすると、売上アップのみに焦点をあわせ、「バックヤードがぐちゃぐちゃ」「全然利益が取れてない」ということが起きてしまう。つまり、「自分こそが頑張っている」なんて言ってる人は、裏の面が見えていない状態なのです。
まあ、経営者なら、このような状況になれば経営が傾くのですぐ気づくと思いますが、「組織内の一部機能だけを担当している専門家」は、この全体像に気づきにくい構造です。 だから、ギスギスが蓄積されていきます。
ちなみに前提として、この問題は、リーダーからメンバーに対して「社内の全体状況がどうなっているか」「部署Aと部署Bはどのように関連しているか」といった全体状況を伝えられてない場合に起こりやすいです。さきほどの「リーダーなのに、リソース使い切って社内向けの情報共有ができない」話とつながってますよね。
※「ルービックキューブ理論」については、以下の記事で詳しく説明しているので、興味がある方はどうぞ。
※ここではメンバーの盲点に焦点を当てましたが、社長さん自身も同様の盲点を抱えることはよくあるので要注意。重要なのは「自分にもきっと盲点があるだろう」という謙虚な自覚です。
3.身内のギスギス
三つ目は、身内のギスギス問題、感情的な対立です。
これは、夫婦や親子などの身内の親しい関係でよくある問題です。社内の人間関係でも、似たような感情的なもつれが起きることは多くありますが、今回は身内で説明します。
Step1 人は大切にされたい。否定されたくない
起点は、「身内における意見の不一致」です。
身内で一緒に仕事をしていると、意見が違ったり、ミスを指摘されることがありますね。
あるいは、自分と違う捉え方に対して、それは違うんじゃないかと言いたくなったり。
これは当たり前の会話です。仕事ですから。
しかし、特に夫婦や親子などの身内関係では、「起こった出来事に対して、自分と同じように感じてほしい」「自分のあり方を理解してほしい」「否定されたくない」「がんばっていることを認めてほしい」といった潜在的な願望があります。
これは、身内であり、大切な相手だからこそ感じる願望です。その結果、仕事をしている際の「仕事では当たり前のコミュニケーション」が、身内の場合は「大切な人から否定されるというストレス」となります。
Step2 否定されて傷ついた → 悲しくて相手を否定してしまう
するとどうなるか。言い返します。
- 大切にしてほしい相手から、否定されて悲しい。だから、相手を否定する。
子供っぽい挙動かもしれません。ただ、意識の表には現れないのですが、人間の心の中には「小さな子供」がいます。その子の悲しみが、人を攻撃へと駆り立てます。
いわば「ギザギザハートの子守唄」。これ、ナイフみたいに人を傷つけてしまうギザギザハートの歌ですが、「子守唄」ですよね。悲しんでいる子供の歌なのかなと。この表現は言い得て妙だと思います。
Step3 身内だからこそ、否定が連鎖する→悪化
大切にしてほしい相手から、否定されて悲しい。だから、相手を否定してみた。
さて、どうなりますか?
その相手も身内ですよね。
相手の人だって、あなたから大切にされたいわけです。
だから、相手も同じように「大切にしてほしい相手から、否定されて悲しい。だから、相手を否定する」という挙動をとります。つまり、連鎖します。
大切な相手から、大切にしてほしくて、大切にされなかったショックで、相手を傷つけてしまう。それをお互いに繰り返す。本当は大切にしあうべき、肯定し合うべき間柄なのに、逆の方向に向かってしまうという悲劇。
これを毎日繰り返していくと、いつしかその人が「大切な相手」だったことを忘れ、憎しみが定着してしまうでしょう。。
そういうわけで、親子や夫婦などの同族経営が多い小規模な企業で、この問題が発生しやすいです。我が家も夫婦経営なので、たまに起きることがあります。幸いこの問題を理解しているので深刻化はしませんが、未だに起こるので書きながら耳が痛いですねw
ちなみに、「自分を認めてほしいあまり攻撃的になる」行動は、身内だけでなく仕事の人間関係でも見られます。なので、攻撃的な人は「心の中に泣いている子がいる可能性がある」と考えると理解しやすくなるかもしれません。
対策:相手から理解されなくても、相手を大切にする
反射的に、言い返したくなるわけです。
理解してくれない相手に、なんとか理解してほしくて、強い言葉を使う。
でも、やめておきましょう。
大切な相手ならば、仮に相手が理解してくれなくても、相手を大切にすることの方が、もっと大切です。
自分を理解してくれるなら大切にする、みたいに条件をつけるのをやめましょう。
相手が自分を理解してくれなくても、大切にする。
理想的には、お互いにそうなれば、ひとまず「子供」は落ち着きますから、落ち着いてゆっくり話すことができます。相手がそうしてくれるかどうか分かりませんが、まずは自分からです。損得は抜きで。
そう思っていても、つい言っちゃったりするんですけどね!w
常に自分に言い聞かせましょう。←自戒
まとめ
今年のテーマは「平和に経営して、未来に備える」です。
経営者の悩みの大部分は人間関係なので、組織の「構造問題」について考えてみました。
- 1.ゴリゴリのリーダーと指示待ちメンバー
- (プレイヤーとして)有能なリーダーが、業績を伸ばして、メンバーを増やします
- 「メンバーに任せられない」と思ったリーダーが、自分だけで仕事を進めて大忙しに
- 忙しくなった結果、リーダーがメンバーへの情報共有を怠って、メンバーは成長しないまま
- 結果として、メンバーは「指示待ちが正解」という裏ルールに従う
- リーダーが「俺がいないとダメだ!」と不健全な自己肯定感を得て、限界を超えて頑張る
- 実質「スーパープレイヤー1人と指示待ちメンバー」というリーダー不在組織で固定化
- 2.組織内のギスギス問題
- 貢献度の高いメンバーが生まれるが、自負心故に、視野が狭まってしまう
- 「自分こそが事業を支えている」と誤解し、自己評価と他者評価のギャップが広がる
- 「自分の都合」のぶつけあいで、組織風土が悪化して、全体最適が損なわれる
- その背景には、ルービックキューブ問題と「情報共有と相互理解の不足」がある
- 3.身内のギスギス問題
- 前提として、人は身内から大切にされたい。否定されたくない。
- 「仕事での当たり前の会話」が、身内関係の場合は大きなストレスになってしまう
- 否定されて傷ついたと感じ、悲しくて相手を否定してしまう。すると否定が連鎖する
- 大事な相手なら、「理解されなくても相手を大切にする」ことが大事
ということで、人間関係の構造問題でした。
誰が悪い、という個人の問題に帰結させず、「みんな頑張ってるけどこういう構造になっちゃってるよね」という認識のほうが解決しやすいはず。
今回の記事は、「こういう問題ってよくあるよね」という前半部分です。
とても長くなったので、後半は別の記事にします。
構造が分かれば手の打ちようが見えてきますよね。
これらの問題に対処するために具体的にどうすればいいか、「後編」で考え方や対策を紹介します。
P.S.
ちょっと宣伝です。
これらの問題の対策は、(1)社長が問題構造を捉えられるようになることと、(2)事業全体を考えられるメンバーの育成、の2つだと思います。
1つめのテーマをご支援するために、最近「マネジメントコンサルティング」をリリースしました。「込み入った組織の悩み」を解きほぐす支援をしています。
以前から一部の方を対象に、マネジメント支援を行ってきました。これを一般向けに公開した次第です。既に何社かサービス提供しており、ご好評いただいています。以下は事例です。
「社内がなんだか、うまく回ってない…」「退職が多く、いつも引継ぎに追われている」「仕事を人に任せられない」などのお悩みの方、ご興味がおありでしたら、お気軽にお問い合わせください。
カテゴリー: EC事業の組織論