こんにちは、坂本です。
お店を立ち上げて、ある程度売れてくると、分業したり採用したり外注したり、意思決定することが増えて悩んだり早合点したり。色々ありますよね。今日は、「思い込みによる判断ミス」を避ける方法について考えてみます(ダイジェスト版)。
人は往々にして一瞬で、反射的に、物事を解釈してしまいます。プライベートでやる分には、うっかりさんだね、って話で済みます。しかし、商売でこれをやると中々イタイことになります。なので、その構造と対策について。
かくいう私も日々悩んで、色んな人に相談したり、勉強をしています。昔そうして見つけてきた方法論のひとつを紹介します。
それは、「空雨傘」という考え方です。
- 目次 -
解釈(=思い込み)の存在を自覚する
あなたが、こんな事を考えたとします。
空を見上げると曇り空。あと数時間後には雨が降りそうだ。これから外出するから、傘を持っていこう。
これを分解すると・・
- 「空が曇ってるな」という「事実」
- 「傘を持って行こう」という「行動(結論)」
しかし、その「現象」と「結論」の間には、「雨が降りそうだな」という「解釈」が入っていますよね。
同じ事実でも、人によって解釈は異なる
同じ空でも、違う人が見れば「これくらいなら、大して降らないし濡れても平気」と解釈するかもしれません。その人は、「だから傘は要らない」という結論を出すはずです。
これ重要。
つまり、同じ事実からでも、人は違った解釈をします。
この「一瞬の判断」の背景には、現象(〇〇が起こった)→解釈(これは△△が背景に違いない)→結論(だから□□が必要)という判断が動いているんですが、「解釈」が無意識で行われているので、客観的に自己評価できないんですよねー。これはもう脳の構造だと思います。認知心理学やカウンセリングでも似たような話があります。
で、この思考のプロセスが「空雨傘」と呼ばれているわけです。
ポイントは雨(が振りそうという解釈)。思考プロセスにおける「解釈」の存在と、影響の大きさを自覚して下さい。
すると、思い込みに対して「ちょっと待てよ」と思いとどまることができるようになります。
以下、具体例です。
「無意識の解釈」が判断ミスの元凶
自分の「無意識の解釈」を見つけると、判断の精度があがります。
たとえば、ネットショップの運営者は「広告はお金がかかる。だから広告はやらないでおこう」と思いがちです。
でも、この話にも「無意識の解釈」が影響しています。
「広告はお金の無駄遣い」という思い込み
たとえば「広告はお金の無駄遣いになりやすい」などですね。下記の通りです。
- 空(事実)=広告を勧められた
- 雨(解釈)=広告は無駄遣いになる ←思い込み
- 傘(行動)=だからやらない
でも、本当に広告がお金の無駄遣いになりやすいのかというと、必ずしもそうではありません。広告を効果検証し、データを貯めたり検証ノウハウを磨いていけば、広告を無駄使いしにくくなります。
「セット商品はよく売れる」という思い込み
あるいは、こういう話もよくあります。
- 空(事実)=セット商品がよく売れる
- 雨(解釈)=ウチのお客はセットが好き ←思い込み
- 傘(行動)=セット商品を沢山作ろう!
そんな簡単なものではないですよね。色んな要因があるはずです(セットだけ送料込みだった等)。同じようなセットを増やしても、お客さんが分散するだけで売上げは変わらなかったりします。
「サイトリニューアルしたら売れる」という思い込み
これもよくあります。
- 空(事実)=リピーターが少ない
- 雨(解釈)=サイトが安っぽいからだ ←思い込み
- 傘(行動)=サイトリニューアルをしよう!
たしかにリニューアルは大事ではありますが。。そういう間違った経緯からのリニューアルは、大抵失敗しますね。
このように、「無意識の解釈」を明文化すると、誤った判断が発覚します。
※紙に書いて判断するのが理想ですね。「現象」「解釈」「結論」 の3つ、特に「解釈」を、文章で書いてみるのが大事。
自分の「解釈のクセ」を知ろう
実は、「無意識の解釈」には、自分の価値観が表れています。
たとえば、「サイトが安っぽいからリニューアル!」「商品が安っぽいからゴージャスな品揃えに!」などと解釈しがちな人は、高級なお店の店長になりたい願望が強い可能性があります。それまでの人生や、まわりの人々が影響を及ぼしていたりします。
解釈には、自分の思考の癖や願望が入りがち
そういった自分のクセや願望自体は、必ずしも悪いことではありません。否定しても仕方ないので、クセに振り回されないように注意しつつ、自覚して、うまく付き合っていきましょう。
とまあ、そんな感じです。
色々ご提案して売上げが伸びて、幅広いご相談を頂くことが増えてきました。日々勉強ですねー。ありがたい話です。他にも色んな話があるんですが、またいずれ。
PS
ひとりで考えるのは煮詰まりやすいので、誰か「壁打ち相手」を置いて、「話しながら頭を整理する」のもおすすめです。
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カテゴリー: 判断力と実行力