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こんにちは、坂本です。前回の続きです!アツいです!
その後、facebook上の「Yahooショッピング無料化について語る会」グループは、メンバー535人になり、色々な方に情報を頂いています。皆さんありがとうございます。
生の声を読んでみたい方は、下記から参加申請して下さい(無料です)。
https://www.facebook.com/groups/423344711105234/
今回の話も、主観的で乱暴です。信じるか信じないかはあなた次第。都市伝説だと思って気軽に読んで下さい。
- 目次 -
続報
皆さんご存じかと思いますが、その後についてさらっと説明します。
出店希望が殺到の件
たった1日で出店が激増……ストア10,000件、個人16,000件
http://news.livedoor.com/article/detail/8141958/
予想通りの展開ですね。ただこれ、未審査の状態ですから、この記事にある「出店が激増」はさすがに誇張です。ヤフーが審査OKで契約に至っても、忙しいとか技術が無い等で、開店できない店も少なくありませんので。無料ってことで気軽に申し込んで、開店を放棄する人も多いでしょうしね。何年か前、無料化前のヤフーでも「開店出来ない状態」の店が沢山あって大変、との話を聞いたことがあります。
もちろん、ヤフー外で既にちゃんとECやってる会社(特に楽天店舗)については、慣れた作業ですから、問題なく開店できて、ヤフーの品揃え向上に寄与することでしょう。なので、ヤフーさんの上記発表は、中身の怪しい2.6万件だけでなく、「既にECやってる事業者からの出店希望者」も教えて欲しいです!そうすれば商品数UPの見当が付いて、楽天にどの程度近づけるかハッキリするわけですから。
ところで、大量出店に際して審査どうなるんだ、大丈夫なのか、という話が前回出ていましたが、どうも「楽天出店者は即審査が済むらしい」という情報が入っていますよ。
- ヤフーから「 【Yahoo!ショッピングストア】出店審査完了のご連絡 」のメールが届きました!!
- うちも発表当日の夜に申し込んで、昨晩来てました。
- たしかに楽天に出店していれば、OKっぽいですね
- 時間をかけずに大量の審査をこなすには一番効率的なやり方ですね
で、早速値引きのお願いが来ているとの声も。やっぱりw
- 早速Yショッピングの担当からロイヤリティ無料になった分でポイントつけるか、値引きしてーって、お願いされました。
Amazonが殴り込み!
ところでEC周りで、ヤフー以上に熱いニュースがありました。ご存じでしょうか。正直、こっちの動きの方がインパクト大きいはず!
「amazon決済が外部ネットショップで利用可能に」
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20131009_618706.html
アメリカの話ですけどね。日本にいつ来るかは分かりません。
なんでこれが大きいかというと・・って話を、これからします。
あの山本一郎氏も注目してますね。
ヤフーがECで手数料を捨て広告を取った時、AmazonとGoogleは何を選んだか
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamamotoichiro/20131009-00028783/
面白いので読んでみて下さい。
ECの「オープンプラットフォーム」化
黒船「Login and Pay with Amazon」
前回、「そもそもモールは何によって成り立っているか」という話をしました。
上記のアマゾン決済は、モールの土台を揺るがす存在だと思ってます。
以下、私の前回の記事から抜粋。
ユーザ側から見たときに、モールの利便性は「幅広い品数によるワンストップ購入」「統一された安心決済」「ポイントもらえる」「会員登録済みだから買いやすい」「店舗は出店審査済み」という5点に由来すると思っています。
で、前述のamazon決済は「Login and Pay with Amazon」という名前でして、決済と会員情報をまとめてカバーしてくれます。以下、InternetWatchの記事から抜粋。
利用者が使い慣れたAmazonログインとAmazon決済を同時に利用できる。Amazonはログインした顧客情報の一部(氏名、メールアドレス、郵便番号)をネットショップに提供。これにより、ネットショップは顧客に独自アカウントを発行・管理する必要なく、顧客の把握、購入履歴の提供、クーポンなどの特別割引の発行、荷物追跡サービスなど付加的なサービスを顧客に提供できる。
ネットショッピングで大きなシェアを占めているのは楽天とamazonですよね。ユーザはそこに個人情報とカード情報を登録している状態です。モール外のサイトで買うと住所とかカード番号とか入れるのがめんどくさい。だから慣れたモールで買う。(私自身もそうです)
ところが!
前述の通り「外部サイトでamazon決済が使える」となると・・・モールの手軽感のまま、独ドメ店で買えちゃうわけです。となるとモールの優位性(の一角)が崩れますよね。アマゾンはポイントシステムもありますし。※googleチェックアウトとかpaypalも似たようなもんですが、日本ではあまり浸透してない印象
前述の話を踏まえると、残るモールの強みは、「ワンストップ購入」「審査済みかどうか(与信)」だけになります。
まさに黒船!あやうし楽天。
楽天の対抗馬「あんしん支払い」
といいつつ実は結構前から、楽天も「外部サイトで楽天アカウントを使って決済可能、ポイントがもらえる」というサービスがあります。出店者の方は大体ご存じないようですけど。
楽天あんしん支払いサービス
http://checkout.rakuten.co.jp/
無印良品ネットストアでも使われているそうです。
前述のアマゾン「Login and Pay with Amazon」の目玉である個人情報を入れなくて済む機能については、楽天側もつい最近対応したようです。リリース出てます。
http://japan.cnet.com/news/service/35038433/
ヤフー無料化の発表は10/7、アマゾン決済の発表が10/8、楽天の上記発表は10/11です。うーん。ひりひりする~
amazonは何故わざわざ優位性を捨てるの?
こういうことです。
Amazon Payments担当副社長トム・テイラー氏はこのサービスについて「我々は2億1500万以上の顧客を持つ。企業は、Login and Pay with Amazonを導入することで何百万という我々の顧客を、自社の顧客として迎えられる」(抜粋)と述べた。
自社の「経済圏」を、自社サービスを超えて拡大させようという狙いなんじゃないかと。
楽天も同様でしょうね。楽天外でもポイントを発行していけば、楽天グループのユーザが増えるわけですから。既存のモール事業と若干食い合うのかもしれませんが、モールだけにこだわるよりは、時代の変化に対応できるようにしておいた方が良いのではと思います。
つまりこれ、一見モールが優位性を失っているようでいて、独ドメサイトが楽天やアマゾンの経済圏に絡め取られている、という側面もあるわけです。
また、ペイパルのシェアを取りに行っているという側面もあります。
アマゾン、オンライン決済で競合ペイパルを追撃 – WSJ.com
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702303836304579124581606165954.html
その共通決済の老舗ことペイパル、そういえばソフトバンクと提携しているのを思い出しました。これは関係するかな。。
ソフトバンクがPayPalと戦略的提携、「日本の決済を変える」新会社を設立へ
http://gigazine.net/news/20120509-softbank-paypal/
次の戦場は「横断検索」
で、こういう共通決済のシステムが浸透すると、繰り返しになりますが、
残るモールの強みは、「ワンストップ購入」「審査済みかどうか(与信)」になります。
これをモール外で代替するとどうなるか。「モールと独ドメ店をまたいだ横断検索サービス」でしょうね!要は「商品検索エンジン」。
たぶん売り文句は、「楽天とアマゾンがいっぺんに検索できますよ」だな。そこに、ユニクロとか無印みたいな、有力本店サイトも混ざる。その他の独ドメサイトも表示。当然、評価の高い店の方が上位表示されるでしょうから、与信の問題もいっぺんにクリアされる・・かも。多分。ここあまり自信ないですw
長らくgoogleショッピングがその座を狙っていると思ってたんですが、今年6月から有料化されて、ただの広告媒体になりました。「横断検索じゃなくなった」わけです。
じゃあ誰が横断検索やるんだ?
となると、もう1社しか無いですよね。ヤフーです。
前回、私こういう記事を書きましたよね。
yahoo商品検索っていうサービスがあるんですよ。「モール・独ドメ問わずの横断検索サービス」です。楽天にとっては天敵のモデル。いまどうなってるのかなと思ったら・・・9月末時点で終了してました。時期的に、この動きと関係あるかも。http://psearch.yahoo.co.jp/
前回書いたように、価格比較サイトも買収済みだし、ヤフーショッピング出店者には、アフィリエイト分は課金していいことになってるし。これですよこれ。何か仕掛けてくるんじゃないかと!正直、Yahooショッピングよりもこっちが全然気になります!
いま日本のヤフー検索はgoogleの仕組みで動いてますけど、昔つかってた独自システム(YST)を応用して買い物検索作るんじゃないかなーとか。想像ですけどね。で、自前で買い物検索を作っても、他社モールに誘導するのはつまらない。受け皿も自社にしたいよね!ってことでまず自前のモールを急拡大させたのかも・・・前回の記事で述べた「商品情報の共通規格」仮説も、これに関連したりして。
完全に妄想ですけど。
「モール後の時代」
そんなわけで、向こう10年とかの長い目で見ると、未来のEC市場は、楽天やamazon(やヤフー)の中だけで完結しない、様々な企業で構成される「プラットフォーム」に移っていく気がします。
というと「モールが無くなるのか!」と思われる方もいらっしゃるかもですが、さすがにそれは無いかなとw 状況は一朝一夕に変わるものではないので、時代の流れに沿って、モール各社はゆるやかにそのスタンスを変えて「『モール後の時代』においても主導権を握れるように振る舞う」のが自然かなと。
あと、これから共通決済サービスのシェア争いが始まりそうな気がします。
で、「発行されるポイントがいかに汎用的か」で共通決済のスタンダードが決まる・・と考えるならば、楽天がやっぱり強いかなと思ってます。
なので、分かりにくく幕末で例えると、黒船からの流れで、倒幕(=楽天終了)じゃなくて公武合体(=楽天/Amazonを中心とするプラットフォーム)に落ち着くんじゃないかと。分かりづらいかw
フランス革命みたいな、血なまぐさい王権打倒じゃなくて、絶対君主制から立憲君主制へと平和裏に移行していく感じかなと。要は、「このへんの勢力図はゆっくり変わっていくのでは」と思ってます。あとまあ、熾烈なパイの奪い合いではなく、「益々拡大していくEC市場を各社が分担して面倒見るような感じ」で、平和に変わっていくのではないかと。
まあ、巨大な妄想なので、余り気にしないで下さい。いまだにガラケーを使う人も多いように、ユーザの習慣はカンタンには変わらないので、各社がそこをどうするつもりなのかが気になりますね。
さて、ここからは、普通のネットショップのとって大切(だと私が思っている)話をします。
Yahooへの対応をどうするか
中小規模のEC事業者向けの話。前回とちょっとかぶります。
前提
前提として、楽天とヤフーの流通高は5倍違います。私の見聞きする範囲では、実際楽天店とヤフー店の売上は4~5倍違う印象。そんなヤフーなのに、店が何千件と増えるわけですから、ヤフーショッピング全体への強い誘導施策がない限り、1店舗あたりの売上げは益々落ちるはずです。
よって、
- 無料だから「やらない理由」は余りない
- でも「軸足をヤフーにする」判断も余りない
という感じかなと(私見ですからね)。
多店舗展開の準備OKなら出店
ヤフーで店長やってた方からナイスなご指摘を頂きました(石田さんありがとうございます)。
- 出店するか否かの決断よりも、在庫連動とか、商品の品番管理とか、データベースの管理とか、コンテンツ更新の仕組みとか、担当をどの比重で付けるかとか、そっちの方が問題になるはずです。会社内の仕組みの問題ってことですよね。
前回の記事で言うところの「コピペ出店」出来る体制があるかどうか、じゃないかと。
コピペ出店というのは俗語です。商品情報や在庫情報をデータ化してシステムでつなぐことで、1つのデータベースから複数店舗を動かせるようになります。こういうのを多モール展開とか複数店舗展開といいます。これが出来る人は、「ヤフー『も』やる」形なので、前向きでいいんじゃないかと。
出来るならやれば良い。
ただ、ヤフー自体は無料でも、体制作りにはお金や時間が掛かりますからね。そこで判断が必要ってわけです。
よく考えたほうが良い場合
- まだ多店舗展開できないけど、そろそろかな・・
単店舗でのブラッシュアップを一旦保留して、前述の多モール展開準備をするか。もうちょっと単店で伸ばすか。
いわば離陸タイミングの見極め・・かも。コレは判断が難しい。
型番的な、アッサリ目の商品情報を大量登録すればいいタイプの店は、多店舗展開を早めにやる傾向です。提案力なり商品ストーリーなり、なにがしかのオリジナリティを重視するタイプの店は、結構ギリギリまで磨いてから広げる方がいいのかなー、と個人的には思ってます。
私の考えは、1号店の販促に慣れて、伸びしろが大体無くなるまでは、店を育てた方が良いのでは?というものです。いわば多店舗展開って、自分のお店の動かし方をパターン化・システム化する作業ですから、日頃の動かし方が確立されてないと、ぐっちゃぐちゃになるんじゃないかと。。
こういう人は厳しいんじゃないか
- 別のモール出店中で売れてない人
売れないお店をコピペしても、売れませんよ!
「でも無料だからいいじゃん」
いやいや、売れてない人はアタマと時間を掛けるべきなのに、アタマ使わない方に逃げてませんか、という話です。ネットショップが不完全なままで、昔なんとなくブログも始めて、流されてX(旧Twitter)もやって、なぜかピンタレストやって、最近はfacebookやって、あとLINEにも手を出して、色んな勉強会にも出て、で次はヤフー、みたいな。その間、お店ページはたいして変わってない的な。そういう状態になってませんか。
まあ、出店申し込みだけして寝かしておく、とかでもいいかもしれませんけど。この先訪れる時代の変化を考えると、自店舗の強みを見つめ直す方がよほど大事だと思います。詳しくは後述。
「これからEC始めます」なら前向きに
これからECを始める&小さく試したい、なら、まずヤフーで試すのが良いかもしれません。
被災地の商品を売る(※)とか、小さい飲食店が「転勤になった常連さんのために小さく通販を始める」とか、ハンドメイド商品を無理なく売るとか、憧れの店を開く前にまずwebで試すとか、そういう「小さいEC」にとっては本当に良い仕組みです。
もし仮に「良いページが出来たのに売れない」って状態になっても、そのページをコピーしてヨソで売ってもいいわけだし。
商売をやるときって、もちろん売れるのは大切ですが、 「失敗したときのダメージが少ない」「再チャレンジできる」という条件も凄く大事だと思います。概して、新しい商品や企画はコケやすい(というか大抵コケる)ものですが、転んでも痛くないわけですから、チャレンジしたい方には是非使って頂きたいなと思います。
※告知:弊社のメンバーが、ECの観点から復興支援のお手伝いをしています。このプロジェクト「イノベーション東北」では、Google が中心となって、パートナー企業や個人と一緒に、ネットを通じて東北のビジネスやコミュニティの復興を支援しているとのこと。サポーター募集中らしいので、腕に覚えがある方は応募してみては。こちら → http://www.innovationtohoku.com/
ECの未来
ECの未来について想像します。
これからECのインフラはより進化して、色々なことがガラス張りになり、ユーザにとって比べやすく/選びやすく/買いやすくなっていくと思います。一方でそれは、「古いインフラの上で成立できていた商売」を脅かす可能性でもあります。
己を見つめて、地殻変動に備える必要があるように思います。
道路のせいで寂れる町
私の祖父母が高知のとある漁師町に住んでまして、2人とも既に他界していますが、学生の頃に祖母とこんな話をしたことがあります。
- ここにトンネルが出来て、隣の町と繋がるよ
- じゃあ町に来る人が増えるね
- いや、隣町で用が足りるから、こっちの病院がなくなるんだよ
ちなみに、その町、昔は鰹漁で儲かってましたが、物流が整ったことにより、そもそも町に鰹が水揚げされなくなって寂れた、という昔話があります。
若者は県外に就職しています。花市場の売れ筋は仏花です。
そんな感じで、「便利になることで、売れなくなる」場合があります。
何が言いたいかというと、色んな場所に散らばった商品情報がまとまって、カンタンに比較できるようになることで、苦しくなる店が増えてくるはずです。典型は価格競争。
変わり行く環境を見極めて、常に変化し続ける必要がありますね。
価格競争だけじゃない!
結局価格競争か、つって絶望する人が少なくないので言いますけど・・
価格は大事です。
でも価格だけじゃありません。
弊社書籍からの引用ですが、考え方としてはこうかなと。
自分が買い物する時を思い出せば、分かりますよね。
ユーザに任せてないで、店舗側はページでもっとこれらを訴求すべきなんです。たとえば、安さよりも「小さなお子さんが使うものだから徹底した安全管理」と主張するなど。そうすれば「価格だけじゃないよな。反省」と、お客さんが価値観を変えてくれたりします。
自店舗の立ち位置を冷静に見つけましょう。どういう判断基準によって、自分の店/商品は選ばれたのか。 露出できたとか、ページがキレイとか、そういう話じゃありません。お客の文脈は何か。その中で、自店舗はどう見られているか。つまり、立ち位置はどこにあるのか。それが見えれば、環境変化に振り回されにくくなる・・・はず。たぶん。
ヤフーとか周りを見るよりも足下を見つめた方がいいのでは。って話。
ローカルでの強み、全国区での強み
実店舗に例えます。
田舎の人気店。どんなイベントもそこで開催されます。結婚式の二次会も法事も同窓会も普段の飲み会もランチも。みんなのインフラ。じゃあその店、都会に進出して、戦っていけるのか。ECでやれるのか。大抵、難しいです。
逆に、田舎に「カメレオン専門店」があったとします。田舎では需要が少ないですね。変わり者扱いかも。でもECなら全国にもカメレオン専門店はあまりないから、手広く商売できる。前述の店より売れちゃったりする。
ECも全国大会です。ちょっと品揃えがいいだけじゃ勝てません。価格で勝負するなら、安さ日本一にお客が殺到します。
地元ではちょっと有名な選手だったとしても、全国区ではそうでもない。 全国区では、なにか自分が図抜けていられる強みを見つける必要があります。いま売れているからと言って、どこにでも通用するわけじゃない。
市場が拡大し、競争は激化します。いまよりも厳しい市場環境になっても通じる、自店舗の本当の強みは何か。半端なダンクじゃなくリバウンドで勝負すべきなんです(例え話)。※TPPの話にもちょっと似てるな・・
だから、いま何故売れているかの要因を謙虚に冷静に見つめる必要がある。自分を、過大評価しても過小評価してもいけない。
話逸れ気味ですけど。まー読んで下さい。
店とは「買い物を手伝う存在」
そんな感じで競争が激しくなっていくよねーという話題になると、決まって、「今後はメーカーECが有利」という話が出ますね。まあそうだと思います。仕入れ商品は価格競争が激化しますから。でも、話がそれで終わっちゃうと、ちょっとつまらない。打ち手はあるはず。
えーと、小売店を再定義すると(言い換えると)、「小売り店とは、特定のメーカーに偏らず、買い物を手伝ってあげられる存在」だと言えますよね。そう定義すると、世界が変わるように思います。
たとえば、自店舗で売っているのが「その辺にあるメイクアップ化粧品」だとします。価格競争が激しい分野です。でも!うまく選んで、「『男性が女性になれるメイク用品』を集めた福袋」に仕立てれば、定価でも売れるかもしれません。モノを売っているのではなく、変身体験を売っているからです。たぶん用途はパーティ需要とガチ需要です。※たとえ話です。
カタログハウス(通販生活の会社)の社長さんは、小売ジャーナリズムという言葉を使ってますね。実際、通販生活は、扱う商品を評価して、報道するかのごとく売っていますね。まさに買い物を手伝う存在、です。
というわけで、小売店は、単にモノを売るのではなくて、自分を介在することで、お客さんのために何ができるのか。売るとか買わせるとかじゃなくて、「手伝う」観点が大切だなあと思います。手伝い方も色々あるでしょうね。そういえば弊社のクライアントさんには手伝い上手な方がいて、コンサル開始から月商50倍くらいになっています。安売りはしてません。
「自分が貢献できる相手」は誰か
まあ、一見遠回りのようですけどね。。実際、こんなめんどくさい話しなくても、お手軽な売上げアップの方法論はあるわけですけども。
ただ、今も昔も、そういうワザを使って売上を伸ばした人が、そのワザに依存して独自の強みを作らないことで、しばらくして売上げ急落し、でも既に固定費がアップしていて、今更独自の強みなんて作れませんどうしよう、っていうケースが後を絶たないわけです。
同じ利益額でも、底堅い数字と、バブル的な数字があります。実際SEOが上手で独ドメで売上を伸ばした方複数から「『広げる』以外の特技がないので最近ヤバイ」「いまのやり方にリスクを感じているんだけど今更やめられない」というお話を伺いました。
お客さんへの接触面積だけ広くして売れても、実際に提供する価値がさほどでもなければ、地殻変動で一気に状況がひっくりかえる可能性があります。なので、大切なのは「買ってもらえる理由」を持っているかじゃないかな。。と思います。なので、弊社では日々そういう地味な提案をしています。
これから地殻変動が起こるかもしれませんので、集客も大事ですが、それ以前に自店舗の根本を見つけて欲しいと思います。
- 近所に似たような商品を売っているなら、お客さんにとって、わざわざあなたの店で買うべき理由は何か?
- 他に似たようなネットショップがあるなら、お客さんにとって、わざわざあなたの店でリピートする理由は何か?
これに答えられるなら、あとはその価値を伝えるべく、集客を頑張ればいいと思います。
まとめ
最後のあたりは、ニュースにかこつけて、単に自分が言いたいことを書いてみましたw
ECの地殻変動に耐えられるのは、大資本でしょうか。小回りでしょうか。私は、インターネット上の商売ですから、小さくてスマートな店が強いはずだ、と思っています。なので中小店舗に特化して支援を続けています。
まとめます。
- Yahoo!ショッピング気になるなら、無料だしやってみたらいいかも
- でも、実施順序は意識したほうがいいかも
- 選ばれる理由がない店が集客してもあれなので、振り返るのも大事かも
- ヤフーどころか、もっと大きな変化も起こっています
- 環境がどうなろうと、自店舗とお客さんを見つめる姿勢が大事
今回、具体的な施策については割愛しています。他の記事に色々書いてあるので、ぜひあわせてお読み下さい。
PS
こういった時代の変化を感じる度に、私がいつも考えていることがあります。弊社書籍の「あとがき」に書いてあります。以下に抜粋しました。
宜しければこちらもご一読下さい。長文お付き合い頂きありがとうございました。
PPS
弊社のコンサルタントなら、いまの時代に沿った戦略や将来像を提案できますよ。ウェブ会議を使って「考えをまとめるお手伝い」もできます。興味のある方は、以下のページをご覧ください。
カテゴリー: EC業界ニュース