※これは2008年に書いたかなり古い記事ですが、今でも通用する「成熟してきた業界でどのように売り続けるか」という観点で書かれた内容です。ぜひお読みください。
こんにちは、坂本です。
半年前に、ECのデリバリー化っていう記事を書いたんですが先月、楽天も、翌日配送サービスのあす楽を始めましたね。思った通り。仮説ビンゴ(※)!嬉しい。(※立てた仮説が当たったという意味)
でも私は、物流スピード化はかなり気になるテーマですけど、自分が何者かを見極める(お店の立ち位置を考える)のが先だなーーーと思ってます。
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売上の伸びの鈍化は、果たして問題なのか
時代の流れの中で、売上の伸びが鈍化している店が少なくありません。割と売上がある店で、「ウチの店、伸び止まった!ヤバイ」っていう方。
でも、別に伸び止まっても良いんじゃないかと思ってます。下の図をご覧下さい。
※未来のお金は、現在価値に換算したら目減りするわけですが、それはさっぴいてください
一時的な売上より、お店の長続きの方が大事
今だけガツンと売れるより、将来にわたって売れた方がシアワセじゃないかと。
単月の売上ギネスを追求するよりも、利益を将来にわたって維持し続ける方が大事じゃないかと。
だから、ターゲット客にしっかり支持され、お店が長続きすることを目標にすべきじゃないかと。
そのためには、最初に書いた通り、お店の立ち位置をしっかり決めることが大切なはず。
私、最近そのように考えています。
店舗が目指すべきは、成長ではなく「成熟」
楽天のような上場企業は、「成長性が期待されてるから、実態よりも評価額が高くついている」ので、当然成長しつづけなきゃいけません。極端に言えば「将来成長すること」を担保に借金してるようなもんです。
だから、当然、必死に売上を伸ばし続けようとします。「伸び止まった」なんて絶対に言われたくない。
でも、普通のお店は、そうじゃない。売上が膨らんだら、何かしら設備投資が必要で、その後ヘコんだらリストラが必要です。
目指すべきは、膨らむことではなく、研ぎ澄ますこと。成長ではなく成熟じゃないでしょうか。
ネットショップにおける「成熟」とは?
では成熟とは何か。
私は未熟者なので色々考えている途中ですが、想像するに、
- 自分がお客さんに何を期待され、何を提供できるか知り尽くしている
- そのために切磋琢磨を怠らず、その一方で「やらないことはやらない」
- 接客や企画など、お客さんのための「無駄」を厭わない
- しかし、自分・自店の「無駄」は削り、生産性を高め続ける
こんなところじゃないかなと。。どうですかね。
特に、最後の「生産性」は中小企業にとって大事なポイントだと思います。
店舗運営を省エネしながら、高い付加価値を産む
理想家の人はついついこだわりすぎます。それがお客さんのためなら、まあいいと思うんですけど、効率の悪いやり方(自分の無駄)は見直すべきでしょうね。
変なこといいますが・・・私のイメージする成熟した商売って、なんか「エコ」っぽい印象があるんです。
「バケツに水を入れるよりまず穴を塞ぐ」
「システム化で効率化」
「安売り以外の、タイムリーな提案力やコンテンツ性で高い付加価値」
「『基本のやり残し』が無い」
ぜんぶ、省エネなのに高い付加価値を生んでいる。つまり儲かる。
売上が伸び止まっている店長さんへ
そんな感じで、売上が伸び止まったベテランの方は、売上の数字ではなく、「売上の中身」を追求するといいかもしれません。本当に売りたい商品の比率とか、リピーター比率とか、値下げせずに同じ売上を出すとか。そうやって店を研ぎ澄ませることは、やがて激しくなる大手企業との競争で生き残る道のような気がしています。
PS
とはいえ、ベテランの方でも「基本のやり残し」が結構あるのでコンサルティングしたら、ガンガン売上が伸びちゃったというケースもよくありますw
PPS
この記事、ちょっと関連します。
PPPS
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カテゴリー: EC戦略論