こんにちは、坂本です。
企業のポジショニングについて。華々しいポジションよりも、地味で目立たない「隅っこ」で力を付ける方がいいかもしれないなーという話をします。
地政学という学問があります。曰く、 国の運命とか行動は、「地理的条件」から結構決まってくるんだそうです。地理は最初から決まってますから、初期条件で先が見えるってこと。これ、企業と似ています。
地政学では、こんなことを言います。
・平野が広く、気候が丁度良いところで文明は起こりやすい。
・資源は取り合いになる。
・強国に隣接すると大変。
現代では世界の経済はフクザツに絡み合っているので一概に言えませんが、昔の歴史を理解するには、地政学は非常に便利みたいです。そういう地政学関係の資料を斜め読みした感想としては 「中央の争いを避け、辺境で力を蓄える」のが良いのではないかと考えました。妄想じみた話ですが、結構当たってると思うんですよね!
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端っこは「徐々に強くなって天下を取る」
・戦国時代の後、初めて中国を統一した始皇帝の国は、元々は中国の端っこにありました。そこで合理的な政治を導入して力を付け、疲弊した中央に攻めていった。
・豊臣政権の終わり頃、徳川家康のいる江戸はやっぱり端っこでした。その更に東には大国である上杉がいましたが、いろいろあって攻撃されずに済んで関ヶ原に突入して、勝って、江戸幕府誕生。端っこが首都になりました。
・江戸時代を終わらせたパワーの源泉は、西の端っこである薩摩でした。明治新政府に対して最後まで抵抗できたのは東の端っこである東北諸藩でした。
・そもそも幕末日本は、東の端っこ(極東)に位置していたために、アジアの国々に比べて欧米列強の干渉が遅かった。
・そういえば昔のアメリカは世界の端っこで孤立政策を取っていましたが、だんだん力を付けて今みたいになりました。
中央は「常に隅っこ勢力からのプレッシャーを受ける」
・日本の戦国時代では織田信長が頑張りましたが、いつも東の端と西の端に強国があり、いつも挟まれて大変苦労しました。弱い頃は勿論の頃、大きくなってからも包囲されっぱなし。各個撃破が大変。
・ドイツはヨーロッパの「真ん中」なので、結構大変な歴史で、そこから過激な地政学が生まれた…という説がwikipediaに書いてました。逆にイギリスは端っこ。
・中国も「真ん中」なので、常に端っこの民族や国と争う歴史ですね。中華思想なんていいますが、「端っこにナメられたらヤバイ」危機感があるようにも思います。異民族による王朝に支配された時期も長いから(元とか清とか)、日本と感覚が違うのかも。
オセロで強いのは「隅っこ」
という感じで、若干微妙な話題にも踏み込みつつ妄想してみたところ、
- 中央の激戦で疲弊しちゃダメ
- ちょっと引いたところで力を貯めてから中央に出るのが良い
- 力を貯められなくても、辺境なら長生きできる
という仮説を考えてみたわけです。
端っこほど美味しいんじゃないかと。名付けてオセロ理論。
ECど真ん中の売れ筋と言えば・・なんでしょうかね。海産物とか、レディースファッションとかですかね。売れ筋って競争大変じゃないですか?そうこうしている間に、 「ど真ん中じゃないジャンル」で大変なシェアを取った店が、儲けたお金で色んな事業展開を進めていたり。そういう動向を見ていて、前述の地政学を思い出した次第です。
※こういう話が好きな方は、この記事も読んでみて下さい。
というわけで、ど真ん中じゃなくてちょっとヒネった商品・客層選びが大事かもしれませんねーという話でした。
我々中小は、中央や大企業に憧れないで、激戦を尻目に、辺境に強固な根城を作っちゃいましょう!
PS
ランキング上位になって賞取って有名店になって成功者になりましょう!みたいな圧力が色んなところからあるでしょうけど、その反対にも進む道はあると思うんです。裏道にこそ花が咲いてるんじゃないかなあと。
PPS
あまりに端っこ過ぎて、シェアが小さすぎるとそれはそれで大変です。最適なポジションを考えましょう。
もし見極めで迷ったら、弊社の顧問コンサルタントがお手伝いできるかもしれません。興味のある方は、以下からお声かけください。
カテゴリー: EC戦略論