更新日:2023/12/25
「ECサイトの運営をはじめたけれど、思ったよりもきつい……」
「ECサイトの運営って辛い……」
「ECサイトを楽に運営するにはどうしたらいいんだろう……」
このようなお悩みをお持ちではありませんか?
この記事では、ECサイトの運営が辛い・きついと感じる9つの理由と6つの解決策をわかりやすく徹底的に解説します。
ECサイトを運営の辛さから開放され、楽になりたい方は、ぜひ最後までお読みください。
ECサイトの運営が辛い、きついと感じる9つの理由
ECサイトの運営が辛い・きついと感じる要因には、下記のようなものが考えられます。
- 業務量が多い
- 内容が細かい
- 業務内容の専門性が高い
- 常に更新が必要で完結しない
- 在庫管理・利益管理の負荷が大きい
- カスタマーサポートが大変
- 周辺環境に振り回されやすい
- 人手不足になりがち
- 競争が激しく成果が出づらい
以下、詳しく見ていきましょう。
理由1:業務量が多い
ECサイトの運営が辛いと感じてしまう1つ目の理由は、ECサイト運営の業務量が多いことです。
ECサイトを運営するためには、商品の企画や仕入れ、商品の撮影や画像編集、ページ制作、受注・出荷、マーケティング、カスタマーサポート(CS)、セール対応など、幅広い業務に対応しなければなりません。
スタッフが多ければ各業務を分担することもできますが、規模が小さいショップの場合は、少人数もしくは自分ひとりで対応する必要があります。また、競合対策やお客さんの利便性のために、正確さや迅速さも追求せねばならないこともEC運営者の作業負荷をさらに増加させる要因です。
理由2:業務内容が細かい
2つ目の理由は、業務内容の細かさです。
ECサイトを運営していると、商品画像の撮影や加工、SEOのキーワード調整、商品ページのHTMLコーディングなどの細かな作業にも対応しなければなりません。
例えば、SEOのキーワード調整の場合、市場のトレンドやライバルサイトの動向を把握しつつ、検索エンジンのアルゴリズムにあわせた細かなキーワード記入作業が必要です。
理由1で説明したように、ただでさえ業務量が多くて忙しい中で、こうした細かな作業も回していくことになるため、なかなか頭の切り替えが追いつかず、辛さや苦しさを感じてしまう人も少なくありません。
理由3:業務内容の専門性が高い
業務量が多く、細かいことに加えて、業務内容の専門性が高いのもEC運営の辛さの原因です。
例えば、ECサイトを運営する上で欠かせない商品写真の撮影やページ制作、マーケティングなどの業務は、これら1つ1つに支援業者・代行業者が数多く存在するほど専門的で難しい業務です。
各業務を高い品質で実施しようと思うと、基本技術や基礎知識を学ぶのみならず、常に最新の技術やトレンドを追いかけてインプットし、かつそれを再現できるよう努力する必要があります。そのため、運営者にとって大きな負荷となってしまうのです。
理由4:常に更新が必要で完結しない
ECサイトの運営が辛いと感じる4つ目の理由は、常にサイトの更新や改善が必要で、業務が完結しないことです。
ECサイトは、市場の変動や競合他社の動きにあわせて、絶えず更新を続ける必要があります。具体的に実施し続けねばならない施策の例としては、以下のようなものが挙げられます。
- ECモールのキャンペーン対応、ポイント倍率の調整
- 季節や商機にあわせた品揃えの検討や、打ち出し商品の更新
- 顧客と継続的なコミュニケーションを取るためのSNS運用やメールマガジン発行
いずれもルーティーン性のタスクで、一度対応が済めば完結するタイプの業務ではありません。そのため、店舗の規模が大きくなり、上記のような施策を実施する機会が増えてくると、日々の業務量がさらに増えていくことになります。
そのため、ECサイトを運営していると日々ルーティーンをこなすだけの状態に陥りやすく、ECサイトの運営に対してモチベーションを保てなくなってしまうケースもあります。
理由5:在庫管理・売上管理の負荷が大きい
在庫管理や売上管理もECサイト運営をきついと思わせる、負担の大きな業務の1つです。
ECは、路面店とは異なり物理的な売場の制約がありません。しかも、ECモールやASPカートを頼れば簡単に出店ができるため、本来の事業規模よりも、大きな規模のお店を作れてしまいます。
そのため、在庫や利益の管理が行き届かない状態に陥りやすい傾向があります。具体的には、複数店舗間での在庫管理がうまくいかずに欠品を引き起こしたり、各店舗の売上や利益の管理まで手が回らず、適正な利益が判断できなくなってしまったりするイメージです。
結果として、首が回らず、辛く苦しい思いをされるEC事業者の方もいます。
理由6:カスタマーサポートが大変
理由の6つ目は、カスタマーサポート(CS)の大変さです。ECサイトにおいてカスタマーサポートは、顧客の満足度に直結する重要な業務ですが、同時に大きな労力を必要とします。
例えば、商品に関する問い合わせ対応です。ECサイトでは顧客が商品を実際に手に取って確認することができないので、購入前に不安を感じる人も少なくありません。そのため、商品の細かなスペックやディテールについて、電話やメールで事細かに説明を求められるケースもあります。
加えて、配送に関する問い合わせ対応も多いです。特にギフト商材を使う場合は、配送先の指定や納期の確認、領収書の扱い、梱包方法など、細かな相談や要求が多く寄せられます。また、配送トラブルへの対応も業務負荷を高める原因の1つでしょう。配送の遅れや輸送中の破損など、EC事業者の手を離れたあとのことで咎められるケースもあるため、辛さやきつさを感じる要因になりがちです。
理由7:周辺環境に振り回されやすい
7つ目に紹介するEC運営が辛いと感じる要因は、周辺環境に振り回されやすいことです。
EC事業は、ECモールや検索エンジンなど、いろいろなオンライン上のインフラ・プラットフォームと連動して成り立っています。そのため、ECモールの仕様やルールの変更、あるいは検索エンジンのアルゴリズムの変動などがあると、予定外の大きな影響を受ける可能性があります。
実際に、大手ECモールの楽天市場やYahoo!ショッピングでは「ガイドライン」と呼ばれる運営ルールが整備されており、頻繁に変更や改訂がおこなわれています。違反した店舗はペナルティとして検索画面で優遇されなくなったり、最悪の場合は退店させられるリスクもあります。そのため、ルールの変更にあわせて都度、店構えや商品紹介方法などを変更しなければなりません。
ECサイト運営はルーティンワークだけで忙しいのに、こうした外部要因の作業が割り込んでくるため、さらに時間が足りなくなってしまい、結果として辛さやきつさを感じてしまうのです。
理由8:人手不足になりがち
繰り返しお伝えしているように、ECサイトの運営では、事業の規模に対して必要な業務量が多い傾向があります。そのため慢性的に人手不足に陥りやすいという課題があります。
特に、受注や出荷などのいわゆるバックエンド業務は、大きな労力と時間を要するため、人員が不足すると業務遂行に支障をきたす可能性が高まります。また、繁忙期には売上が増える一方で、通常時にはそこまで売れない商材を扱う場合、人件費のバランスを取ることが難しく、忙しいときも必要な人員を確保できないという悩みも生じやすいです。
結果として、社員やスタッフひとりにかかる負荷が大きくなり、EC運営を難しく、辛いものだと感じさせてしまうのです。
理由9:競争が激しく成果が出づらい
最後に紹介する理由は、競争が激しく成果が出づらいことです。
国内のEC市場は成長を続けており、業界内の競争は年々激しさを増しています。特に近年は大手・有名メーカーのDtoC(=メーカー直販)が盛んで、誰もが知るブランドが続々とEC市場に参入し、大きな人気を集めています。
こうした競争激化の結果、マーケットを奪われてしまい、なかなか売上などの成果が出ない小規模EC事業者が増加しています。
やることも多く、かつ専門的で難しい業務を日々こなしているのにも関わらず、なかなか成果の芽が出ないため、ECサイトの運営に対して、辛く、きつい気持ちを感じている方も多いです。
ECサイトの運営が辛い、きついときの6つの対策
では、ECサイトの運営が辛い、きついと感じたときには、どのような対処をすると良いのでしょうか。
ここからは、以下の順番で、ECサイトの運営を少しでも楽にするための6つの対策を紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
対策1:外注・代行業者を活用する
ECサイトの運営の辛さを脱するために、まず考えられる対策が外注や代行業者の活用、つまりアウトソーシングです。
上述したように、ECサイトの運営で対応が必要な商品写真の撮影やページ制作、マーケティングなどの業務は、高度な専門知識やスキルを必要とします。少ないスタッフでこうした実務すべてに対応しようと思うと、業務時間(=精神衛生)かクオリティ(=お店の評判や売上)かのいずれかが犠牲になります。
そこでアウトソーシングを取り入れ、業務時間とクオリティの両立を可能にするわけです。
当然、外注や代行業者に依頼すると、まとまったコストがかかります。しかし、外注によって浮いた時間や、外注先が高めてくれたクオリティを活かした施策を推し進めることで、利益を伸ばすことも可能です。
「時間とクオリティさえあれば成長できるのに」とお悩みの方は、アウトソーシングを検討してみると良いでしょう。
なお、ECサイト運営の代行までは求めないけれど、改善についてアドバイスが欲しいという方は、ECコンサルティング業者の活用がおすすめです。ECコンサルティングとは、EC事業者が抱えるサイト運営やマーケティングなどの悩みをサポートする支援サービスのことです。ECコンサルタントの支援を受けることで、EC事業を着実に前進させられるようになります。
ECコンサルティング業者の選び方は、以下の記事で詳しくご説明しています。ぜひ、ご覧ください。
対策2:人員を確保する
2つ目の対策は、人員を確保して、ECサイト運営の体制を強化することです。外注に頼らずに、内製で自立したECサイト運営を目指す場合には、必然的にこの方法を検討することになります。
人員の確保の方法には、大きく以下の3つがあります。それぞれメリット、デメリットとあわせて確認してみましょう。
方法 | 特徴 |
---|---|
社員の雇用 | ・責任ある立場を任せられる。 ・作業だけでなく事業も任せられる。 ・ただし永続的な雇用が発生し、採用費・給与ともに高額 ・地域によっては採用が大変 |
アルバイトの雇用 派遣社員の登用 | ・作業が中心。短期から仕事を依頼できる。 ・出勤してくれるので梱包、出荷、在庫管理が依頼できる ・採用費、給与を抑えられる ・地域によっては採用が大変 |
クラウドワーカーや フリーランスの活用 | ・作業が中心・短期から仕事を依頼できる。 ・採用費・給与を抑えられる・全国の人材とマッチングできるので採用候補者が多い ・専門スキルを持っている人も多く見つかる ・梱包や出荷のような出勤が必要な仕事は依頼できない |
事業の規模的に人件費をかけるのが難しく、かつ採用も難しい場合は、クラウドワーカーやフリーランスの活用も検討してみましょう。スキルを持つ人材が見つかりやすいうえ、経済的に仕事を発注できるので、スムーズにECサイト運営の辛さやきつさを緩和することが可能です。自身のEC事業の抱える課題や状況にあわせて、適切な手段で人員を確保しましょう。
なお、採用に自信がなく、なかなかいい人に巡り会えないという方は、ぜひ以下の記事をご覧ください。応募者を見極めて、ミスマッチを防ぐにはどうすればいいのか、採用選考の考え方を詳しく解説しています。
対策3:不要な業務を止めて、負荷を下げる
不要な仕事を止めて業務負荷を下げるのも、ECサイト運営の辛さやきつさを緩和するうえで有効です。
例えばギフトラッピングです。ギフト需要獲得のためにラッピングに注力している場合は問題ありませんが、商品販売の延長サービスとして、複数バリエーションの包装紙やメッセージカード、のしなど細かくオーダーメイドで対応するのは過剰品質かもしれません。ラッピングの種類を1パターンに絞るだけで、応対の手間を大きく簡略化できる可能性があります。
ほかにもメールマガジンやブログの発信頻度、バナー画像の作り込みなどを必要以上の品質でおこなっているケースも考えられます。現在、おこなっている業務を書き出してみると「意外とそこまで対応する必要がない業務」が見つかるかもしれません。一度、立ち止まって整理をしてみることをおすすめします。
ただし、なんでもかんでも業務を削ってしまうと、必要なサービスまで止めてしまい、売上を落とす原因にもなりかねません。以下の記事を参考に、バランスを考慮しつつ業務の整理を進めるようにしましょう。
対策4:業務の効率を高めて、パフォーマンスを上げる
4つ目の対策が、業務の効率を高めて、実務のパフォーマンスを向上させることです。
とにかく業務量が多いECサイト運営において、生産性対策は必要不可欠です。個人のスキル向上に努めることはもちろん、ツールやシステムの導入やテンプレートの整備など、仕組み化を進めて生産性向上に努めるのが理想です。
ECサイト運営では、在庫管理システムや、サイト作成ツールなどが定番ですが、近年はこれに加えて、ChatGPTに代表される生成AIツールの活用が注目されています。生成AIツールを使うと、サイトのコーディングや、文章作成、データ分析、画像編集などの業務を半自動化できるため、より人にかかる業務負担を軽減することが可能です。
ツールは日進月歩で進化しており、日々いろいろなものが登場しています。日々、最新の情報にアンテナを立て、業務に取り入れることでEC業務を楽にしましょう。
なお、以下の記事では、EC事業の業務効率化に今すぐ使える無料ツールをまとめてご紹介しています。ぜひご覧ください。
対策5:仲間と一緒にEC事業に取り組む
5つ目の対策は、仲間と一緒にEC事業に取り組むことです。
ひとりでECサイトを運営している場合、どうしても孤独を感じることは多くなります。相談する相手もおらず、黙々と大量の業務に追われていると、気持ちの上でも滅入ってしまい、ECサイト運営をより辛く感じてしまうのではないでしょうか。
こうしたときに、同じEC業界の仲間と交流し、話を聞いてもらったりアドバイスを受けたりすることで、辛さを大幅に緩和できる可能性があります。
EC業界は、地域やモールでの集まりや勉強会がとても盛んです。例えば楽天市場では、定期的なカンファレンスが開催されているほか、NATIONS(ネーションズ)と呼ばれる店舗同士でEC運営の知識やスキルを学び合う機会が用意されています。またほかにも、J-FECやEBSなど、EC事業者による商工会も日本全国に多数あります。
ECサイト運営で孤独を感じている方は、参加してみると良いでしょう。
なお、コマースデザイン株式会社では、EC事業者の方向けに、仲間と一緒に販促施策やネットショップ運営のための時間捻出の方法などのノウハウを学べる研修会をオンライン開催しています。以下のページよりぜひ詳細をご覧ください。
対策6:話し相手を作る
最後に紹介する対策が、ECサイト運営の辛さを共有し、ともに解決してくれる話し相手を持つことです。ここでいう話し相手とは、対策5で紹介した仲間よりもさらに深く、人と人として腹を割って話せるビジネスの相談相手を指します。
事業の調子やアドバイスのみならず、利益や社内の不和の悩みといった深い話題まで話せるような相手を見つけることで、精神的な負担を大きく軽減させられます。
腹を割って話せる相手がなかなか見つからない場合には、ECコンサルタントの活用も1つの方法です。例えば、コマースデザインでは「壁打ち相手」として、EC事業や経営、人付き合いなど、さまざまな相談をお聞きすることが可能です。
ECサイト運営、ひいては経営やマネジメントのストレスを軽減できるとして好評を集めており、多くのEC事業者がより楽しくサイト運営できるよう支援しています。興味がある方は、ぜひ以下の記事をご覧ください。
ECサイト運営の辛さを乗り越え、幸せな商売を実現した事例
最後に、実際にECサイト運営の辛さやきつさを乗り越え、幸せな商売を実現したECショップの事例を紹介します。
手芸用のリボンやパーツをネットショップで販売するPONZ SHOP(ポンズショップ)様は、スタッフや売上、忙しさのことなどいろいろな悩みを抱えていました。あらゆる仕事を店長さん自身で進めてしまうことが常態化しており、ワークの比率が大きさから家族で過ごす時間も取りづらく、殺伐とした精神状態になっていたといいます。
そこで、ECサイト運営の相談相手として、ECコンサルティング会社のコマースデザインを選択。コンサルタントを壁打ち相手に業務整理を行い、EC業務を辛いものにしていた「仕事の割り振りがうまくできていない問題」を解決し、自身が楽になったのはもちろん、ご家族からもスタッフからも喜びの声をもらうほどの環境改善に成功しました。
具体的にどのような状況からスタートし、どういった施策を通じて改善していったのかは、こちらのインタビューをぜひお読みください。
ECサイト運営の辛さは克服できる
ECサイトの運営はやることも多く、専門性も高いため、ときには気を病んでしまうほどの辛さを感じてしまう場合もあります。しかし、紹介したような適切な対策を講じることで、克服も可能です。
ECサイトの運営が辛いと感じられている方は、ぜひこの記事を参考に、改善策を検討してみてはいかがでしょうか。
なお「ひとりではどうしたらいいかわからない」「なかなか辛い状況から脱することができない」とお悩みのEC事業者の方は、コマースデザインまでお気軽にご相談ください。腕利きのECコンサルタントが、あなたの悩みやモヤモヤに寄り添いつつ、幸せなECサイト運営ができるようになるようご支援いたします。
以下からぜひ詳細をご確認ください。
資料をダウンロードして読みたい方は、こちらのボタンから資料を無料でダウンロードいただけます。あわせてご覧ください。
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