ウエディング用品や画材など、限られた人のみを対象とする店は、「ニッチタイプ」に分類されます。
限られた潜在客と多く接触する
ここでは、「どれだけ上手にすすめられても、買わない人はやっぱり買わない」商品を、ニッチ商品と定義づけています。
ライバルが少なく、そのほかのジャンルに比べて競争も少ないので、業界内での「安定1位」を目指しやすい傾向があります。
これは、ニッチ商品を販売する大きなメリットの1つです。
「実店舗が少ない」=「ネットで探す」
オリジナルブランド商品との違いは、「潜在客が多いか少ないか」で考えるとわかりやすいでしょう。
例)こども用のバレエ用品を買う場合
例えば、子供に「バレエをはじめたい」と言われたお母さんを想像してみてください。
彼女の頭の中には、普段使う野菜や靴を売る店は記憶されていても、バレエ用品をどこで買えばいいかは、わからないはずです。
しかも、バレエ教室で一式を揃えると、結構なお値段がするようです。そんなとき彼女は、インターネットを使って購入できる店を調べてみるのです。
子供用のバレエ用品を扱っているネットショップは、ほかの商材に比べれば、そう多くはありません。該当する店舗が見つかり、「お手ごろで品質も悪くないし、これなら買っても大丈夫」と思えるだけの安心材料が揃っていれば、その店で購入することになるでしょう。
検索などで露出しないと、まったく売れない
しかし、売れるようになるためには、クリアすべき条件があります。
老若男女誰にでもバレエ用品を売り込むことはできないので、その商品を欲しがって、「検索」してくる相手に露出しなければ、残念ながらまったく売れません。
このように、ニッチ商品を扱う店は、何よりも検索対策(SEO)が重要なのです。
お客さんとの「師弟関係」を築く
ニッチ商品を探している潜在客は、商品だけでなく、関連情報も含めて探していることが多いものです。
例えば、「ランドセル」を探している場合。
検索キーワードも、ランドセルなどの商品カテゴリ名だけでなく、「ランドセル 比較」や「ランドセル 人気」となどと入力して調べるケースが多いのです。
慣れないものを買うときは、誰でも「失敗したくない」と思うものですよね。
商品の選び方を、お客さんにレクチャーする
そのため、お客さんは「ほかの人はどういうものを買ったのか、それはどうだったのか」といった評判を気にしているので、商品そのものの魅力以前に、まず「どういう商品を選ぶと間違いがないか」「あなたの用途ではどの商品がちょうどいいか」などを教えてあげる必要があります。
実店舗で質問をしたら、「ベテラン店員さんがとても詳しく教えてくれたので、その人を信頼してその店で購入した」ということは意外と多いはずです。
このような信頼関係は、実店舗に限らず、インターネットでも大いに築くことができるのです。
例えば、登山用品を扱う店舗では、店員は商品だけでなく、山の情報や気候など登山の知識もあわせて提供することで、顧客との間は一種の「師弟関係」に近づきます。
モノだけでなく、お客さんが必要とする情報も提供する
「もの」だけでなく、自分に必要な「情報」も提供してくれる店と店員を信頼し、また次もここで買おうという気になります。
具体的には、「賢い女性のための○○の選び方」や「○○でありがちな問題・解決法」といったコンテンツ記事を用意するといいでしょう。
その記事をもとに特集ページを作成したり、メルマガで連載したりすることもできます。
また、無料相談コーナーを作り、積極的に問い合わせを受け付けることで、お客さんとの距離は一気に近づきます。
オリジナル商品とニッチ商品の区別
コツ4で説明した通り、このコラムでは、オリジナル商品とニッチ商品は、潜在客の多さで区別しています。
例えば、通販限定の「肌に優しい白髪染め」であれば、白髪染めを必要とする人、つまりかなりの人数が対象客になり得ます。ですから、マス媒体(※)を使って、衝動買いを促進することも可能です。よって、これはオリジナル商品に該当します。
一方、剣道用品や専門職向けの業務用品などは、マス媒体を使って集客したところで、ほとんどの読者や視聴者が対象客にならず、もちろん衝動買いしてもらうことも望めません。
しかし、目的を持った検索経由では、かなり売れているのです。このように、「マス媒体での販促に適さない商品」であれば、ニッチ商品タイプだと考えてください。
※マス媒体:テレビCMや新聞の折り込みチラシなど、不特定多数に接触する広告媒体
ニッチ商品を扱うショップの例
- ハイガー産業株式会社
- 除雪機や芝刈り機、ポンプなど、産業機械を専門に扱っている。
- 剣道防具コム
- 剣道用品の専門店。選び方やサイズのメニューが充実している。