純広告は潜在客に手堅く露出しよう|売れるネットショップ運営のコツ17

ショッピングモールや情報ポータルサイトなどの人気サイトには、数多くのユーザーが訪れます。それらのユーザーに対して露出するバナー広告などを、「純広告」(純広)と言います。

純広告で眠っている需要を呼び覚ます

楽天市場やYahoo!ショッピングなど、ショッピングモール内では、商品画像とテキストをセットにした「サムネイル広告」が一般的です。

純広告は潜在客に手堅く露出しよう

純広告は「攻めの集客」

純広告の最大の特徴は、眠っている需要を呼び覚ます「攻めの集客」であるという点です。

購入を検討して、商品について検索しているユーザーは、潜在客全体のごく一部にすぎません。ほとんどの潜在客は、漠然とした欲求を持ちながらも検索などせず、生活しているもの。

そこで、純広告を使って、このような潜在客に接触しましょう。

特に食品などは近所で買えるため、わざわざネットショップで買わねばならないわけではなく、切迫したニーズのない商品です。こうした商品は、自発的な検索回数が少ないので、このようなプッシュ型のアプローチが大切になるわけです。

純広告は慣れてから取り組む

とはいえ、費用対効果はリスティング広告に劣るため、開店当初の段階からコストをかけて純広告に力を入れるのは、あまり得策とは言えません。

まずは、ある程度リスティング広告に慣れたあと、適正なCPO金額について検討しながら、小さな(低コストな)純広告から徐々に取り組んでいくことをおすすめします

なお、型番商品を扱う店舗については、利益率が低いため、純広告は向かないケースが多いです。

ニッチ商品の店舗も、一般的には純広告向きではありませんが、例えば「ダーツ専門サイト」にダーツ用品の広告を載せるなど、「同一ジャンルの掲載先があり、潜在客が集まる媒体がある場合」は検討してもいいでしょう。

広告は「狭く」告げるべし

広告は「広く告げる」と書きますが、実際は「狭く告げる」方が効率がいいものです。

例えば、リスティング広告は「そのキーワードで検索した潜在客」だけにアプローチできるので、接触人数は少ないものの、費用対効果はいいわけです。

まず、自店舗のジャンルに特化した媒体を使う

このように、純広告を利用するときも、まずは、ショッピングモールやEC関連サイトの「ジャンル特化媒体」から試してみることをおすすめします

スイーツを売る店なら、スイーツ限定の企画ページやメルマガへ広告を掲載するのです。
その媒体を見ている時点で、リスティング広告ほどではないにせよ、スイーツに対する興味があるので、潜在的な購入の可能性が高いはずです。

ジャンルに特化しない媒体は、CPOが高くなりがち

ジャンルに特化した媒体に対して、ショッピングモールのトップページなど「ジャンルに特化していない媒体」は、一度に大勢に露出できますが、費用対効果は低くなりがちです。

例えば、新生児向けのおむつの広告を出しても、「そもそも購入対象にならない」ユーザーが多いので、効果は低いでしょうが、ターゲット層が広く、購入率が高い商品であれば、一度に大勢の購入客を獲得することができます。

関連して、ポータルサイトや大手コミュニティーサイトでの純広告や、テレビなどのマス広告など、大規模な広告は、世間に対して広く露出できる一方で、CPOが高くつく傾向があります。

「広告より狭告」を意識しよう

これらは、ちょうど、沿岸漁業と遠洋漁業の関係に似ています。

低コストで安定して儲けるなら近海での漁で十分ですが、より短期に大きな売上を挙げるためには、資金をかけて、遠洋まで出かけねばなりません。

ただし、周到な準備が必要なので、気安く手を出すと大赤字ということもあります。これはあくまで「傾向」なので、楽天市場のトップページより、リスティング広告が大勢の購入客を生み出すこともあります。

いずれにせよ、「広告より狭告」を意識しましょう。

広告は狭く告げる

CPCから効果を予測してCPOで検証する

広告枠の評価に使うのは、コツ11で述べたCPOですが、「CPC」(Cost PerClick:クリック単価)についても覚えておきましょう。

CPC=「1クリック換算での広告費」

CPCとは「1クリック換算での広告費」で、リスティング広告でよく使われる単位ですが、実は純広告の費用対効果を予測するのに便利な指標です。

広告営業の担当者に「うちが広告を出したときの予想CPO」を聞いてもわからないでしょうが、「その広告枠がどれくらいクリックされるか」なら教えてくれる可能性があります。

他店が広告出稿したときの大体のクリック数がわかれば、「広告費÷予想クリック数」で予想CPCが割り出せます。そのCPCと購入率を使えば、予測CPOが出せるので、採算が取れる広告かどうかの検討には使えますよね。

ただいずれの場合も、最終的な評価は「実施後のCPO」で検証するようにしましょう。

広告料とクリック数から、予想CPOを算出する

以下の手順で、予想CPOを算出することができます。

  • (1)広告料と、大体のクリック数を知る
    • 例:12万円、期間クリック数 1,200円
    • (200件/日(土日は半分)?1週間掲載=期間クリック数1,200件と予測)
  • (2)予想CPCを算出する
    • 例:12万円÷予想クリック数 1,200件=CPC 100円(1クリック100円)
  • (3)リンク先ページの購入率を確認する
    • 例:2%(50人に1人が購入)
  • (4)予想CPOを算出する
    • 例:CPC 100円÷購入率2%=想定CPO 5,000円
    • ※「50人に1人が購入」するので、CPO100円?50倍=CPO5,000円と同じ意味

広告料とクリック数から予想CPOを算出

関連記事

関連するコツ

用語