ここからは、「接客」について紹介します。
コツ1で説明した通り、無人店舗であるネットショップの接客は、店舗ページにかかっていると言っても過言ではありません。
店舗ページを磨いて接客力を高める
お客さんが気持ち良くスムーズに買い物ができるページを目指し、購入率と客単価を高め、売り上げを伸ばしていきましょう。
手間と費用をかけて「集客」した来店客が「購入客」となり、少しでも多く利益につながるよう、店舗ページを磨いていくといいでしょう。
「接客4要素」とは
このコラムでは、接客に欠かせない要素である「店舗コンセプト」「店構え」「品揃え」「看板商品」を、「接客4要素」と呼び、重視していきます。
接客の4要素 | 備考 |
---|---|
店舗コンセプト | 最も重要な要素 |
店構え | 商品数の多い鶴翼型の店にとって、特に重要 |
品揃え | 店舗コンセプトと関連して、戦略的に増やす |
看板商品 | 商品数が少ない魚鱗型の店にとって、特に重要 |
店舗ごとの特徴によって、優先すべき要素は異なります。
例えば商品数が多い鶴翼型の店は、わかりやすい「店構え」が優先で、商品数が少ない魚鱗型の店は「看板商品」が当然重要となります。
どのタイプも「店舗コンセプト」が最も重要
ただし、どちらの場合でも「店舗コンセプト」が最も重要です。店舗コンセプトについての詳細は、次のコツ22で説明します。
1.競合店に埋もれない「店舗コンセプト」
接客4要素の1つ目は、「店舗コンセプト」です。
多くのネットショップの中で、自店が存在感を発揮するためには、競合店に見劣りしないアピールポイント(店舗コンセプト)を決め、わかりやすく伝える必要があります。
自分にとってはオンリーワンの愛すべき店でも、ユーザーはいつも複数の店を見比べています。
他店との比較や、自店舗の客層を踏まえること
自分から打ち出したいアピールだけでなく、他店との比較や、自店の客層を踏まえて決めるのがコツです。
- 店舗コンセプトの例
- 「グルメ雑誌カレーランキングで、1位受賞のスープカレー店」
- 「問屋直販だから、できる他店圧倒の激安価格」
店舗コンセプトは、ひと言で説明できるほど、明確であるべきです。
自分から打ち出したいアピールだけでなく、自店舗の客層を踏まえて店舗コンセプトを決め、それを店舗ページ、品揃え、メルマガなど、店舗内のあらゆる場所で表現しましょう。
そうすれば、ユーザーの記憶に残りやすくなり、他店に埋もれにくくなるはずです。
2.指名買いと衝動買いを増やす「店構え」
2つ目は「店構え」です。
「店構え」は、ネットショップのページ構成のことで、商品のカテゴリ分けやナビゲーション、ついで買いの提案などユーザーの「使い勝手」を左右する要素になります。
例えば、目的買いユーザーのために、商品を探しやすくするためのナビゲーションを用意したり、何となくページを見ているユーザーの衝動買いを促進するために、企画ページを作成したり。
来店客の気持ちを想像しながら、店構えを買いやすく改善することが、売り上げアップにつながります。
3.さまざまなニーズに対応する「品揃え」
3つ目は「品揃え」です。
取り扱う商品自体の数はもちろんのこと、品数をあまり増やせない店舗の場合も、セット商品、お試し商品、ついで買い商品など切り口を変えることで、仕入れを増やさずに品揃えのバリエーションを広げることができます。
この品揃えを、適切な店構えと連動させると、客単価や利益率を伸ばせるはずです。
また、取り扱い商品数を拡大するときも、やみくもに増やすのではなく、店舗コンセプトと関連づけて、戦略的に考えてから増やしましょう。
4.無名商品の魅力を引き出す「看板商品」
接客4要素の最後は「看板商品」です。
対面での接客も、その場で試食をすることもできないネットショップでは、「誰も知らない逸品」を売るのは大変難しいもの。
しかし、商品の魅力を「じっくり語る」ことにより、定価販売の無名商品が、安売りの有名商品を超えることがあります。
無名商品を売れ筋にプロデュースする
近年、ネット販売から火がついた無名商品が、人気商品として物産展などで引っ張りだこになるケースも増えてきました。
これを実現するために、商品について詳しく語る「縦長商品ページ」(コツ34)を作りましょう。もちろん、ただ語るだけでなく、「買いたくなる」構成とアピールが前提となります。
このような無名商品を売れ筋商品へと育てるプロデュース力は、特にオリジナル商品を扱う店舗には必須です。
それ以外のタイプの店でも、利益率の向上や他店との差別化など、さまざまな利点があります。今後のネットショップ運営において、最も重要なスキルの1つとして、しっかり腕を磨きましょう。