コツ34でページ構成がわかったところで、実際に「縦長ページ」の作り方を紹介します。
文章が苦手なら「しゃべりながら書く」
ただ、文章を書くことにあまり慣れていない人は、どうも「書く」という行為自体に萎縮してしまい、何を書いていいかわからなくなる人も多いのです。
まずは、文章の書き方について、少し触れておきます。
対面販売しているつもりで、まずはしゃべってみよう
「文章を書く」と考えずに、商品を対面販売しているつもりで、試しに口に出してしゃべってみましょう。
本ページの図解のように、まず本当に誰かと会話をします。次に、会話に出た言葉をメモします。そのあとで「メモを並べ替え、文章にする」のがコツです。慣れれば、驚くほど短い時間で書けます。
ただし、肩ひじを張りすぎて、「プロっぽい文章」を書こうとすると、わかりづらくて逆効果。素人っぽい文章でも大丈夫です。
商品を「売る」のではなく、良さを「伝える」という意識で書けば、ちゃんと伝わります。「文章が苦手」と目をつぶらずに、ぜひ取り組んでください。
「お客さんの声」を引用するのも手
また、お客さんの声(商品レビューや感想)を引用するのも手堅い方法です。
高評価レビューは、商品購入の後押しをしてくれる
ネットショップのユーザーは、価格.comや楽天レビューなどのクチコミ情報もかなりチェックしているものなので、商品に満足したユーザーによる「高評価レビュー」は、商品購入を迷っているユーザーの背中を強力にプッシュしてくれます。
ぜひ積極的にチェックし、転載しましょう。お客さんの声があることで、店の賑わいぶりも演出できます。
縦長ページの作り方とポイント
縦長ページを作るには、BEAFそれぞれを書き出し、順番に並べていきます。ここでは、それぞれの間違いやすいポイントを案内します。
コマースデザイン株式会社サイト内の「商品ページ制作サービス」に、縦長商品ページの事例集がありますので、あわせて参考にしてください。
「枝葉の話」を、ページ冒頭に置かない
例えば、化粧水の商品ページの冒頭で、「高知県特産の海洋深層水で作った化粧水」などとうたってしまっているケースは、典型的な失敗例です。
化粧水を購入するユーザーが求めているのは、「いい化粧水」であって「高知特産の海洋深層水」ではないからです。ユーザーにとって、それは「枝葉の話」なのです。
この場合、
- Benefit( 購入メリット)を、「30代のお肌のための化粧」
- Evidence(論拠)を、「人気コスメ雑誌でも紹介」
- Advantage(競合優位性)を、「海の豊かなミネラルと浸透力」「大手メーカーの半額以下」
などと構成し、Feature(さまざまな特徴)の時点で「その秘密は海洋深層水」「安心の高知県産」と記入するのが望ましいです。
お客さん目線で、商品を紹介しよう
どんなに「いい商品」だとしても、ユーザー目線ありきなので、ただの商品自慢になってしまわないように気を付けましょう。
同様に、「安い」「量が多い」というのも、それだけでは購入メリットにはなりません。「価格が安いから毎日使える」「内容量が多いから家族で使える」などと、具体的なシーン描写まで落とし込まないと、メリットにはなりません。
ランキング受賞自慢だけでは売れない
商品ページ冒頭で、「とにかく売れてます!」と、でかでかとランキング実績をアピールする店は結構多いですよね。受賞自慢がモニター2画面分くらい続き、それからようやく何を売っているかがわかるというあれです。
「売れてる」アピールより、商品紹介が先
筆者としては、この構成はおすすめできません。ユーザーは、自店舗だけではなく、複数の商品ページを見比べているので、長すぎる受賞自慢は、冗長すぎて、端的に「その商品の情報」を知りたい人の邪魔にすらなります。「何の商品かわからないけど、売れているなら何でも買う」という人はいませんよね。
その商品に興味を持った上で、「たくさん売れているから大丈夫」と安心し、購入するのが普通のユーザー心理です。ランキング受賞はうれしいでしょうが、商品の話を優先してください。
「安さ」や「人気」だけの差別化は行わない
ユーザーは、単に「安い」というだけでは商品を購入しません。「欲しいものが安い」から買うのです。「300個完売」などの販売実績もランキングと同様です。
欲しくないし必要でもない商品は、どんなに人気があっても、安くても、購買対象にはなりません。
安さや人気の理由も、きちんと説明しよう
Advantage(競合優位性)で、「大手メーカーより安いから安心してガンガン使えます」という安さの意義や「クチコミだけで300個完売の実力」のような人気の理由も同時に説明するようにしましょう。
情報の記載漏れは致命的
ユーザーの最終検討に応えられるよう、商品ページには漏れなく情報を掲載しましょう。
実店舗であれば、商品を見ればわかることや店員に聞けば済むような簡単なことでも、ネットショップでは「確認が取れなければ不安だから買わない」となってしまい、せっかくこれまで作り込んだ縦長商品ページも無駄になってしまいかねません。
漏れている情報がないかのチェックは徹底しましょう。