「メルマガを出してはいるけれど、実は出しっぱなし」という人も少なくないのではないでしょうか。お客さんへのお手紙や案内、という意味合いが強くなりがちなメルマガですが、ほかの施策と同じで、メルマガもきちんと数値管理する習慣をつけましょう。
メルマガも数値で管理する
「どこで脱落したか」を調べる
読者が、配信されたメルマガを読み、実際に商品を購入にするまでには「必ず通る道筋」があります。
まず、メルマガを開封します。内容を読み進め、文中のURLをクリックします。
次に店舗ページを見ます。そして、購入します。これらすべての段階をクリアしないと、商品を購入できませんよね。
だから、読者が「どこの段階で脱落したか」を数値化すると、最後の段階、つまり購入にまで至る読者を増やせるようになります。
例えば、「開封率が低い」なら、開封率を倍にできれば、理論上はメルマガ経由の購入客数も倍になります。これが、メルマガを数値管理するときの考え方です。
これは、コツ3で解説した「顧客すごろく理論」の数値管理の考え方と同じです。売り上げなどの目標数値を「構成要素に分解」して、要素ごとに数字を改善していけば、結果として売り上げが増えるわけです。
データが取れなくても考え方は同じ
なお、ショッピングモールなど運営システムによっては、開封率など必要なデータを取れないことも多いです。しかし、たとえデータが取れなくても、考え方を知っておけば、どこが問題なのかを「推測」できるので、改善をしやすくなるはずです。
ちなみに、メルマガを出しはじめたばかりの段階では、取れるデータが少ないので、細かいことは気にせず、「まずは定期的に出す習慣を身に付ける」ことを優先しましょう。
開封率の見方
メルマガの開封率が、突然跳ね上がっていたら、それは「その号のメルマガ件名」の効果によるもので、突発的なものと考えましょう。
一方、開封率が全体的にじりじりと上がってきた場合は、「習慣的にメルマガを開封するユーザーが増えた=継続的な読者が増えてきた」と言うことができます。
プロモーション後、開封率が下がった場合
なお、懸賞広告などのプロモーションを実施し、登録メールアドレス数が増えた場合、これらの登録者はメルマガの内容をまったく知らない「薄い」ユーザーのため、当然開封率は下がります。これは仕方ないことなので、あまり気にする必要はありませんが、その後開封率が上昇するかどうかのチェックは必須です。
クリック率の見方
メルマガの内容が読者の興味を刺激すれば、URLのクリック率は上がります。その読者心理としては、
- 「もともと欲しい商品が載っていたから」
- 「知らない商品だったけれど、興味を引かれて」
の2通りに分かれます。
後者の、知名度の低い商品で高いクリック率を出せれば、商品を魅力的に紹介できていたということになるので、メルマガ上手と言えるでしょう。
ただし、これはあくまでも目安なので、数字を上げることだけを目標にしてはいけません。
数字そのものを目標にしないこと
例えば、一切の説明もなしに「ここをクリックすると衝撃映像が!」と書けば、「何だ何だ?」と不思議に思われ、当然クリック率は上がります。しかし、その先にある商品に興味があって来たわけではないので、売り上げにはつながりません。
逆に、メルマガで、熱の込もった商品説明の長文のあとに商品URLがやっと登場する場合は、最後まで読んだ一部の読者しかクリックしませんよね。クリック率は低いでしょうが、商品に引かれたユーザーのみがページに来るので、ページ上での購入率は高くなるはずです。
このように、さまざまなケースによって、評価は変わりますから、数字はあくまでも目安です。
「メルマガのクリック率○%を目指す!」などと、数値を目標そのものにしないようしましょう。