リピーターの心理を把握しよう|売れるネットショップ運営のコツ45

ここでは、継続客(リピーター)の心理について、説明します。

アマゾンで買い物することはありますか?メルマガが来なくても、「アマゾン」と検索してサイトに行きますよね。「記憶されている大型店」なら、この形でもリピートされます。

小さな店ほど忘れ去られる

しかし、大型店と違い、一度買っただけの小さい店は、すぐに忘れられてしまいます。何もしないと、忘却の彼方です。

「新規購入客を増やせば、あとは勝手にリピートする」というのは、妄想。リピート率を調べてみれば、思った以上に少ない数字が出てきます。

お客さんにとって「覚えておきたい店」かどうか

だからメルマガなどによる追客が必要なんですが、店舗名を連呼しても覚えてはもらえません。

お客さんにとっては「覚える必要がない」からです。逆に、そのお客さんにとって「覚えておきたい店」になれば、覚えてもらえるわけです。

「記憶に残る店」になるには

商品を購入したあとのお客さんは、「自分はいい買い物をした」と思いたいもの。

例えば、あなたがいろいろな店を見比べ、野菜セットを買ったとします。

しばらくたって、購入したお店から「自然農法が評価されて、テレビで取り上げられました」などというお知らせが来たら、「やっぱり自分の判断は正しかった」「おいしかったし、またあそこで買おう」などと思うはずです。

商品の購入後も、継続した情報発信が大事

その後、メルマガなどで「元気に育っている野菜の写真」や「その店を褒めている『お客さんの声』」などが継続的に届けば、時間とともに「やっぱりすごくいい店だ」と確信が深まります。

つまり、コツ37で解説した「メルマガ農業」です。業界裏話(コツ40)やお客さんの声(コツ43)などを通して、店舗コンセプト(コツ12)を実感してもらえれば、次第にそのお客さんに「おいしい野菜セットといえばこの店」と覚えてもらえるはずです。

「リピートのきっかけ」を作ろう

飲食店などで「いい店だったけど、その後、何となく行ってないなあ」という店はありませんか?

「いい店」と思ってもらうのは大切ですが、それだけではリピートの売り上げにはつながりません。リピートする「きっかけ」が必要です。

ここからは、「2種類のリピート」と、それぞれを促進する「きっかけ作り」の手順について説明します。

定期購入につながる「商品リピート」

「商品リピート」とは、同じ店で、いつも同じ商品をリピートするパターンです。「商品そのもの」を気に入っているリピーターが該当します。

商品リピートの典型パターン

典型的な商品は、化粧品やサプリメントなどの健康食品、米や調味料など常備するタイプの食品など。EC4タイプ理論(コツ4)で言う、オリジナルタイプの店が多く該当します。

商品リピートの典型パターン 具体例
健康食品 化粧品、サプリメント
常備するタイプの食品 米、調味料

消耗品かつ生活必需品であれば、定期購入にもつながりやすく、うまくいけば安定した利益も見込めるはずです。

ただ、品質が似通っていて自店より安い店が登場すると、他店に乗り換えられてしまう可能性もあります。自分の店の「不満足要因」を洗い出し、継続的に改善するコツ52)のも大切です。

ちなみに、耐久消費財でも、「羽毛布団を買って気に入ったので、家族全員分購入」といった形で、商品リピートすることもあります。

商品リピートを増やすには

単価の安い商品が多いので、「きっかけ」さえあればリピートを増やせます。典型的な方法は「今リピートすれば割引」というアプローチ。

例えば、化粧水のトライアル商品を以前購入して、「気に入ったものの、日々の忙しさで本商品購入することを忘れていた」としましょう。

そんなときに、「トライアルをご利用いただいた方に、本商品20% OFFのご優待! 今月末まで」などと連絡が来れば、リピートのきっかけになります。詳しくは、コツ49の「商品セグメント配信」で解説しています。

お店を気に入る「店舗リピート」

もう1つの「店舗リピート」は、同じ店で「前とは別の商品」をリピートするパターンです。

店の品揃え、センス、値ごろ感などに好印象を持っているのが前提です。リピーターが増えると、お店からの提案でいろいろな商品を買ってくれるので、売り上げが安定します。

店舗リピートの典型パターン

食品は商品リピートの典型のように思えますが、スイーツのような嗜好品は、店舗リピートに該当します。「いろいろ食べ比べてみたい」という心理が働くからです。

また、洋服や家具などは「自分のセンスに合っていてコーディネートしやすい店」として覚えてもらえれば、「お気に入りの店」として認識してもらえるようになります。

背景として、「あの店なら、いいものがあるだろう」「ほかの商品も試してみたい」、あるいは「他店で失敗するのが怖いし、探すのも面倒」といったユーザー心理があります。

リピーターの中には、お店だけでなく「店長のファン」を公言するほど、愛着を持ってくれるケースもあります。こうなれば店長冥利に尽きますね。

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