毎日、受注や出荷ばかりに追われていて、販促になかなか時間を取れません。
大変なので、右腕となってくれる社員を育てたい!でも、教育する時間がありません。安心して業務を任せられる人材を育て、店舗運営についての悩みや戦略も共有したいのですが、難しい話なのでしょうか?
スタッフを育てるのって大変ですよね。時間も労力もかかります。
また、折角右腕に育っても、辞めてしまい、新しい人一から教えないといけない事もしばしば。「手とり足取り教えなくても、自分1人で仕事を覚えてくれたら、なんて楽か…」と思いますよね。
そこでおすすめしたいのが、「社内マニュアルを作ること」です。最初は大変ですが、一旦マニュアルを作ると、教育・業務効率化・サービス向上に繋がり、飛躍的に便利になるものです。
仕組みがなければ人は育たない
忙しくて時間が取れない?
「アルバイトやパートさんが入るたび、社員がいつも同じことを教えている」
「自分の仕事をスタッフに振りたくても、教える時間がとれないので無理」
・・・よくある話ですね。
スタッフ教育は重要だから、時間をかけるべき。だけど、「今はちょっと時間がないから、後にしよう」。そんな状態が続いていませんか。
多くの会社には、こういう傾向があります。
- 人が育つ会社は、「育った人が次の新人を育ててくれる」ので、どんどん環境がよくなります
- 人が育たない会社は、「育てる人が増えない」ので、いつも忙しく教育時間を取れず、人が育ちません
忙しいから教えられない。教えられないから忙しい。でも、人を育てないままだと悪循環です。
確かに、多くの中小企業は忙しく、余剰時間がなく、教育に時間を割けません。ただ、時間がない中でもできることがあるんです。
「育つ仕組み」を作ろう
それは「仕組み」です。時間があってもなくても、「育つ仕組み」があれば、人は育ちやすくなります。また、残念ながら、人は「時間をかければかけた分だけ、成長する」わけではありません。
想像してみて下さい。もしも、あなたがすごく忙しくても、人に教えるための時間を捻出できなくても、「時間をかけずに人が育つ仕組み」を作れるとしたら。
色々仕事を頼めるようになるので、忙しさが緩和され、仕事が楽になります。そして、将来的には「育った人が育てる側に回る」ことで、会社が強くなります。この仕組み作りは、ひょっとしたら御社にとって一番大切なことかもしれません。
ちなみに、人を育てていない会社でも、たまたま「自主的にいろいろできる人」が入社することがあります。その人は自発的に成長し、一見状況がよくなります。しかし、しばらく時間がたつと、その人だけに過剰に負担が集中したり、何かの事情でその人が退職する等して、また元の状態に戻ります。
つまり、人に頼らず、会社としての「育つ仕組み」が必要です。
人数が少ない中小企業こそ、大切なことです。では、育つ仕組みは、どんな仕組みでしょうか。
マニュアルが、社内を救う
色々な方法はありますが、特にオススメしたい仕組みが「社内マニュアル」です。
マニュアルと聞いて、「うわ、面倒そう」と思った方。もう少しお付き合い下さい。実は、思っているよりもずっと簡単に作ることができます(作り方は後述します)。
しかも、一度作ってしまえば、後々、大きな効率化につながります。マニュアルには、こんなにたくさんのメリットがあるんです。
(1)新人教育の「セルフサービス化」
通常、新人教育といえば、つきっきりで指導するので、指導する人の時間が削られるものです。
でもマニュアルがあれば、新人1人でも業務を進められます。読みながら実践してもらえば、手順をいちいち説明しなくて済むので、その分まるまる時間が空きます。
実際に口頭で説明するのは、重要なことや、「マニュアルを見ても分からない時」だけ対応すればOK。教育にかける時間を、グッと短くできて、先輩社員の業務時間を確保することができるのです。
「新人教育をセルフサービス」というと、一見冷たい会社のようですが、そうではありません。自分で済ませられる部分はセルフサービスで済ませれば、対面での対話や交流機会を十分に作ることができます。 実際弊社では、新人が入ったら、毎日必ず、メンター(指導役)と1対1で相談する時間を設けています。これは、セルフサービス化で時間を作っているから、できることです。
新人教育にかかるコストが減らせるため、安心して新スタッフの募集・採用ができます。すると、会社の成長が早くなります。
(2)気軽に仕事を頼める
中小企業の仕事は、属人的になりがちです。
「この仕事は誰に頼めばいいんだっけ」
「○○さんしかできません」「今日は病欠です」「私は分かりません」
「あの仕事は?」
「たぶん△△さんがやってます」「出張中だそうです、私は知りません」
これでは身動きが取れません。でも、マニュアルがあれば、楽になります。
「この仕事やっておいて」
「どうやればいいのでしょうか?」
「社内マニュアルに載ってるから、○○で検索して探してみて。分からなければ聞いてみて」
「やってみます → できました!」
社内マニュアルがあれば、「誰かが誰かを補う」ことが、とても簡単になります。業務を依頼しやすくなりますし、共有しやすくもなります。急な病欠にも対応しやすいですね。
(3)業務効率がアップする
マニュアルは教育だけでなく、業務改善にも役立ちます。
マニュアルを作るには、まず手順を全て洗い出します。そこから「ムダな作業」が明らかになります。そのムダを省き、業務を効率化すると、時間に余裕ができます。つまり、業務の時短になり、空いた時間で新しい仕事ができる、一石二鳥なのです。
また、効率化した業務手順を、マニュアルに反映することで、以降の業務はすでに時短できていることになります。時間を捻出して、その時間を使って、更に業務改善します。
お金で考えてみましょう。貯金しないで全部使い切るのではなく、節約し、やりくりして、少しお金を残します。残したお金を、浪費しないで投資に回し、うまく運用して増やすわけです。
時間も同様です。まず、ムダに気づくことが大切なのです。そうすることで、ムダを省いて効率化し、時間の捻出ができるようになります。
マニュアル作りは、このムダに気が付くきっかけになります。
(4)ムラが減り、業務品質が安定する
マニュアルを作ることで、不明確で属人的な作業が明確になり、業務が「標準化」されます。
まず、サービスの質が上がります。
社内の業務負荷や配分だけでなく、標準化された手順により、サービスのレベルが保たれます。なので、中長期的には、サービスレベルの向上・顧客満足度の向上・売上UPも期待できます。
また、教育のムラも減ります。
教える人によって、手順や内容が異なることもありません。
スタッフが新人に仕事を教える場合、「人によってやり方が違う」「性格が合わない」など、厄介な話が混ざってしまい、指導のレベルが均一化できないことも、よくありますよね。
でも、マニュアルさえあれば、明確に同じ手順を共有できます。マニュアルに載っていることが正解ですから、個人によるやり方の違いや、教え方の上手下手による影響も、最小限で済みます。
業務改善も、自然と行われます。
なぜなら、「作業手順がおかしいかな」と思ったときは、マニュアルを見ればいいんです。現状の方針が文章になっているので、おかしいかどうか確認し、必要ならすぐに直せます。事前に「スタッフ全員でマニュアルをブラッシュアップしていく」という方針さえ共有できていれば、都度マニュアルを見直すようになり、生産的に取り組めます。
(5)ベテランの退職が怖くなくなる
マニュアル化されていないと、担当者しか分からない状態になりがちです。ベテランスタッフに頼りきりの状態というのも、よくあることです。
しかし、そんな状態を容認しておくと、個人への依存度が高くなります。その人が辞めたりしたら一大事。仕事が属人化された状態だと、ベテランスタッフの突然の病気や退職で業務が回らず、大混乱に陥る、ということは避けられないもの。
こんな実話があります。弊社メンバーが、とある社長さんにこの話をしました。
「確かにウチも属人的な状況だね。あの社員が退職することはないと思うけど、もしそうなったら大騒ぎだなあ」
・・・と笑っていた2ヶ月後。その方から退職の申し出があり、本当に大騒ぎになりました。
でも、手順を記したマニュアルさえ作っておけば、もしもの時も安心です。できる人に任せきりにするのではなく、基本的な業務はマニュアル化することが大切です。本当に大切です。
マニュアル化することで、仕事を割り振り、ベテランスタッフは、もっと難しい仕事で発揮できるようにもなります。そして、やり甲斐が増え、結果、退職の回避もできます。
(6)経営者の精神が安定する
ここまでご覧頂いたように、社内マニュアルは、あらゆる効率化になり、あらゆる安定につながります。経営者や管理職の、精神的な安定にもつながります。まず、イライラが減ります。社内でも機嫌よく振る舞うことができ、会社の空気がよくなります。皆が安心して働けるようになると、パフォーマンスが上がります。
「社内マニュアル化」が進めば、ただ仕事が楽になるだけではなく、会社全体のレベルアップまで可能です。
これは、大げさな話ではありません。本当なんです。弊社では常々実践し、効果を実感しています。Before/Afterを比べると、Beforeの状態には絶対に戻りたくありません。それほどの違いです。
マニュアルの簡単な作り方
マニュアルのメリットはご理解頂けたかと思います。
ただ、「あると便利」と分かっていても、「マニュアルの内容を考えるのも、作るのも面倒」と感じる人が多いもの。 そこで、マニュアルを簡単に作るコツを少し紹介します。
スタッフに作ってもらう
スタッフに教えたことをしっかりノートに取ってもらい、次にそのノートをマニュアルにしてもらいましょう。
「マニュアルは自分で書くものだ」という固定概念を取り払うと、途端に楽になりますよ。これでかなり楽になります。(弊社も活用しています)
最初から完璧なものを作る必要はありません。箇条書きで十分です。作業手順を箇条書きしたものを、後から少しずつ書き足していきます。このマニュアルの更新作業を、スタッフの方に自分でやってもらうんです。マニュアルを更新し、手順を全部文章にすることも、一つの仕事として定義するわけです。
まずは、よく新人さんに説明する業務や、間違いの多い業務がいいでしょう。コピーライティングや商品企画などの難しいものではなく、定型的で簡単な作業がいいですね。優先度順に作り、運用しながら増やしていきましょう。
慣れれば、より複雑な作業や頭の中での作業(抽象的な思考)も、マニュアル化できるようにもなります。
道具を使う
どうやってマニュアルを作るか。ノートに書いていると大変です。Wordに書くのも大変です。HTMLも大変です。
対策は色々あります。かなり便利なツールもあります。
一例として、動画が便利です。例えばピッキングや梱包などの流れ作業を、動画に撮影して、そのままマニュアルとして使ってしまうのです。実際に作業して、説明しながら、そのまま撮ればいいだけなので、とても簡単です。
また、言葉では伝えづらい細かい作業やニュアンスも、動画なら伝えることができます。今の時代、iPhoneなどのスマートフォンで簡単に撮影できます。1回撮影してしまえば、その後繰り返し使えます。
便利な道具は他にもいろいろあります。畑を耕すのに、手で耕すのか、トラクターを使うのか。効率が全然違いますよね。そのように強力な道具がいろいろあるんです。
でも具体的にはどうすれば?
とはいえ、具体的にはどんな手順で作るのか、どんな道具を使うのか、どんな書式で書くのか。悩みますよね。
弊社がお手伝いできます
ここまで読んで、「マニュアルを作ろう!」と、思って頂ければ幸いですが・・。やっぱりみなさん忙しいですよね。
ただ、マニュアルに限らず、業務改善は常に「前払い」なんです。改善すれば効果を得られますが、改善しはじめる段階は、普段よりもさらに忙しくなります。だから、マニュアルが完成した後は、素晴らしい世界が待っているわけですが、「最初」が大変なんですよね。
マニュアルを作ればいいことは分かったけど、忙しいから、マニュアル作成の時間が取れず、結局忙しいまま・・。もしそう感じているなら、私たちがお手伝いできるかもしれません。
私たちは販促だけではなく、業務改善や、このようなマニュアル化も得意分野です。弊社自身が実践して、大きな効果を得られていますし、コンサル先の皆さんにも案内して結果が出ています。
この「結果」とは、表層的なテクニックではなく、会社として、組織全体としての成長です。
弊社コンサルティングを受けるスタッフと、弊社コンサルタントが、「自律的にお店を改善」し、経営者はそのプロセスを見守って応援する・・・という、非常に健全な状態が何度も生まれました。
実際、あるお店では、ネットショップに不慣れな社員が、コンサルタントと一緒に努力することで、毎年ギネスを更新し、当初は歯が立たなかった競合を圧倒するまでになりました。
また、現場スタッフからの専門的な質問や相談は、弊社のコンサルタントがお受けします。なので、社長や上司の方が細かい話に首を突っ込んだり、指示し過ぎたり、といったことをせずに済み、大きな時短効果もあります。
忙しいのは、皆さん同じです。でも、やり方があります。
忙しい気持ちをそのままにしていないで、向かい合ってみませんか。実際、みなさん似たような状況で、解決のパターンも大体同じです。
一度、私たちに相談してみてください。おそらく解決の糸口があります。
※お問合せやお申込を頂く際には、「特にマニュアル化に注力したい」と書き添えておいてください。弊社コンサルタントがご案内します。