【いまさら聞けない】ECとは?概要から始め方まで初心者向けにざっくり解説

更新日:2023/9/4

日本国内の消費者向けEC市場は2022年に22.7兆円(※)に達し、ネットショッピングは日常的なものになりました。
近年は大手ブランドの直販店も続々とECに参入しており、販売手法も楽天市場のようなECサイトにとどまらず、SNSやライブコマースといった多彩なものへと進化しています。
(※参考:2023年経済産業省「令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)

こうした流れを受け、「うちもいい加減、ECをはじめたほうがいいのかな」と感じているメーカーや小売業の方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、これからECをはじめたい方へ向けて、ECの基礎知識からメリット・デメリット、実際のはじめ方までをざっくり解説します。
なるべく小難しい話は少なくし、要点だけを簡潔にお伝えします。ECを知る最初の一歩としてお役立てください。

- 目次 -

ECとは

はじめに、そもそもECとはどういう意味で、どのように発展してきたのかを整理します。

ECの定義

ECとは「E-Commerce(イー・コマース/電子商取引)」の略で、インターネット上で製品やサービスを買ったり、売ったりすることを指します。従来のリアル店舗・実在店舗とは異なり、オンラインで24時間いつでも気軽に買い物ができる利便性が特徴です。

厳密には、「企業同士(BtoB)」や「消費者同士(CtoC)」のインターネット商取引もECに含まれますが、一般には「企業や事業者が、消費者に商品を小売販売する」意味として使われることがほとんどです。

ざっくりわかる日本のECの歴史

日本で本格的にECが始まったのは、1990年代後半と言われています。
1997年に楽天の前身である株式会社エム・ディー・エムが「楽天市場」を立ち上げたのを皮切りに、90年代末までには「楽天スーパーオークション」「Yahoo!オークション(ヤフオク)」などが相次いでサービスイン。2000年には「Amazon.co.jp」が登場し、EC市場は急激に拡大していきました。

その後、2008年にiPhone3Gが発売されると、スマートフォンが普及しはじめ、ユーザーはどこでもいつでもネットショッピングが楽しめるようになりました。配送サービスの向上がはじまり、Amazonの「当日配送」や楽天市場の「あす楽」がスタートしたのもこの時期です。

2010年代に入る頃にはスマートフォンはさらにシェアを伸ばし、いわゆる「アプリ」を経由する形でモバイルでのEC利用が一般化。TwitterやFacebookなどSNSでの商品シェアや、メルカリのようなフリマアプリなど、今のECのビジネスモデルが形作られたほか、越境ECと呼ばれる、海外向けの通販も増えていきました。

そして2020年代。新型コロナウイルス「COVID-19」のパンデミックによってますますオンラインでの買い物が促進され、2021年にはECの市場規模は22.7兆円に達するに至ります。

近年は、SNSの浸透や通信技術の発達により、従来のショッピングサイト型とは異なるECが注目を集めています。たとえば、スマートフォンからリアルタイムでライブ配信を行って商品を販売する「ライブコマース」や、オンライン上のバーチャル空間に仮想店舗を持つ「メタバースEC」は、今後の新たなECの形として期待されています。

日本における主なECサイトの例とは

日本にはどういったECサイトがあるのでしょうか?以下、主要な2パターンに分けて、具体的なサイト例や特徴を紹介します。

  • モール型ECサイト
  • 自社サイト型ECサイト

※なお、上述した「ライブコマース」のような新しい形態も登場していますが、ここでは基本的な「ECサイト」に絞ってご紹介します。

モール型ECサイト(ECモール)

「モール型ECサイト(ECモール)」とは、1つのサイトに複数の出品者が集まって商品を販売するECサイトのことです。日本では以下が代表的サイトとして知られています。

モール型ECサイト最大の特徴は、1つのサイト上で複数の出品者の商品を購入できるところです。たとえば、楽天市場1つに会員登録をすれば、56,000を超える店舗が扱う3.6億点以上(※)の商品の中から、好きなものを選んで購入が可能です。この利便性の高さから、多くの消費者がECモールを利用しています。

また、出品者側としてもモール側が販売システムを準備してくれる上に、集客までしてくれるので、後述する自社サイトでやるよりもスタートしやすく、かつ売上が伸ばしやすいというメリットがあります。ただし、その分の手数料が発生します。

※参考:2022年「数字で見る「楽天市場」25年の歩み」

自社サイト型ECサイト(本店)

「自社サイト型ECサイト」とは、企業が自分で構築・運営するECサイトのことです。モールが「テナント」と呼ばれるのに対して、自社サイト型は「本店」や「独ドメ(独自ドメイン店舗)」と呼ばれます。主なサイト例は以下のとおりです。

自社サイトの特徴は、モール型ECサイトの固有ルールに縛られることなく、企業が自社ブランドのイメージをそのままサイトで表現できる点です。たとえばアップルやヴィレッジヴァンガードは、自社の魅力を最大限に伝えるため、楽天市場のようなモール型ECサイトには出店せず、自社サイトでの販売を徹底しています。

自社サイトはブランドイメージの表現に大きなメリットがある一方で、モール型のようなEC運営システムの用意も、お客さんが集まってくる仕組みもありません。システム導入からサイト運用、マーケティング、物流など、あらゆる業務を自分たちでこなす必要があります。

そのため、ECサイト運営のノウハウやリソース、そしてブランド認知が不足している企業の場合は、まずはモール型ECから入るのが一般的です。

ECで扱いやすい商品・扱いにくい商品とは

では、ECには商材によって向き・不向きはあるのでしょうか。
以下、「EC向きで扱いやすいとされるもの」と「ECでは扱いにくさがあるもの」の一例をそれぞれご紹介します。

※扱いにくいとされるものでも、ECの成功事例はたくさんあります。扱いにくい=売れない・実績が作れないという意味ではありません。
※どちらもあくまで一例です。ご認識の上、参考としてご覧ください。

ECで扱いやすいとされる商品

ジャンル・商材 ECで扱いやすい理由
家電製品 購入前に仕様や口コミの確認、価格の比較をする消費者が多いため
書籍・音楽・映像 リアル店舗の売場制限がなくマイナーな商品まで扱え、かつ重量とサイズが一定で、発送が容易なため
ファッション・アパレル リアル店舗の売場制限がなく、様々なサイズや色を扱えるため
ギフト あらゆる選択肢から選べるほか、注文すればそのまま相手に商品を届けられるため

ECで扱いにくいとされる商品

ジャンル・商材 ECで扱いにくい理由
超高額商品 宝石や車など。高額でリスクが高いため、商品を直接確認した上で購入するのが一般的
体験型商材 香水や楽器など。消費者が実際に好みに合うか確認してから購入したがる傾向が強いため
生鮮食品・生物 肉や魚、生花など。人気は高いですが、在庫管理や配送の難易度が高く、リスクがあります
カスタムメイド品 消費者との調整が大変で、かつすれ違いが起きやすい上に、返品交換もできないため

ECのメリットとは

ここからはECのメリットについて説明します。
事業者にとってのメリットと、消費者にとってのメリットをそれぞれ見ていきましょう。

事業者がECをはじめるメリット

365日24時間、ずっと開店できる

ECサイトは一度公開さえすれば、365日24時間いつでもお客さんをお迎えできます。なぜなら、商品ページが接客をしてくれるからです。

基本的に人の手が必要となるリアル店舗では、なかなか真似がしづらい特長です。当然、利益を生むチャンスは増えます。

売場の制限が少ない

ECサイトは、リアル店舗と違って売り場の制限が少ないのも大きな魅力です。

リアル店では、店の広さによって陳列できる商品数に制限があります。しかもお客さんが店内を移動できるように通路幅を確保したり、商品が売れるようにディスプレイに工夫を凝らしたりする必要もあるため、なおさら商品を置くスペースが取りづらいです。

しかし、ECサイトであれば、(よほどの特大店舗でもない限り)基本的には商品の陳列スペースに制約はありません。リアル店と比べて、自由にたくさんの商品を陳列することができます。

もちろん、倉庫の容量は考慮する必要があります。とはいえディスプレイなどを気にする必要がないので、より多くの在庫を保管できるはずです。

商圏にしばられず、全国・世界に向けて商売できる

リアル店と違って、ECには商圏がありません。そのため、国内外のありとあらゆるお客さんに対して商品を販売するチャンスがあります。

たとえば、北海道の小さなパティスリーが沖縄の人に焼き菓子を販売したり、青森の農家が山口県の人にリンゴを販売したり、山梨の富士山グッズを中国に届けたりといったことを、新聞や通販カタログなどでの告知もなしで、自由に気軽にできるようになるわけです。

販売データの収集と分析ができる

また、ECサイトでは、お客さんの行動をデータとして把握ができます。

たとえば「訪れた人数」「購入した人数」「購入者の性別や年齢」「どのページを訪問したか」「どのページを何秒閲覧したか」などの情報がわかります。これにより、お客さんの購買行動や好みを理解し、販売方針や商品改善に役立てることができます。

仮に同じことをリアル店舗でやる場合、大勢の調査員を配置し、訪問者の動きを追いかけて個々に記録するなどしなければなりません。当然、巨大な調査費用が発生します。ECサイトを持つのであれば、データは必ず活用したいところです。

消費者がECを使うメリット

地域の制約を超えて好きな商品が購入できる

ECサイトは、リアル店舗とは異なり「場所」の制約がありません。
全国どこからでも、好きなショップの商品を選んで注文できるので、たとえば、

  • 遠い地域の特産品をお取り寄せ
  • 近所の大型書店でも取り扱われないマイナーな雑誌
    といったものも簡単に手に入れることができます。

場所や距離にしばられず、地元では見つけられない珍しい商品を気軽に注文できるのはECの大きな魅力と言えるでしょう。

24時間いつでも注文できる

ECサイトなら、時間や場所を問わず、思い立った瞬間にいつでも買い物ができます。わざわざお店まで出掛ける必要もなく、スマホやPCから気軽に注文できるのも大きなメリットです。

比較がしやすい

特にモール型ECサイトを使う場合、複数の商品やサイトを同時に見比べてベストな選択ができるというメリットもあります。

たとえば家電商品を買う場合です。価格、納期、評判、商品の仕様など、確認・検討したい情報を簡単に並べて参照できるため、自身にとってベストな購入先をすぐに判断できます。

リアル店のように、複数の量販店をハシゴして値段をメモして…と調べる必要はありません。

ECのデメリットとは

ECのメリットについて理解できたところで、デメリットについても見ておきましょう。
こちらも事業者・消費者それぞれの観点で紹介していきます。

事業者が知っておきたいECのデメリット

やることが多く負荷が高い

ECサイトの運営はとにかくやることが多いです。

たとえば、商品ページ作成で画像作成や長文テキストを書かねばならないほか、検索エンジン最適化(SEO)による集客、在庫管理、注文と出荷、顧客対応、問い合わせ対応など、時間と手間がかかるタスクが数多くあります。とくに自社サイト型のECでは、より複雑なページ作成やシステム運営が求められることもあります。

一般にECは実店舗よりも少ない人数で運営することが多いので、スタッフ一人あたりの負担もさらに大きくなりがちです。

売上を伸ばすためにコストがかかる

ECは全国の消費者を対象に商売ができますが、逆に言えば、それは全国の競争相手と戦わなければならないということでもあります。

自分たちと似たような業種の店舗が多く存在するなかで、お客さんに選ばれ商品を買ってもらうためには、自社の差別化に向けた投資が欠かせません。本格的な独自の商品開発、マーケティング戦略、プロモーションなどが必要で、実行するためにはまとまった時間と費用が求められます。

自社の力だけでは対応できず、外部の専門業者を頼ることになった場合、さらに費用が増える懸念があります。

オンライン特有のトラブルに直面することがある

ECサイトを運営していると、リアル店舗では起こらないようなWEB特有の問題で営業が困難になることがあります。

たとえば、サーバーダウンが挙げられます。自社のECサイトだけの話かと思いきや、大手のECモールでもまれにサーバーがダウンし、一時的に営業ができなくなる場合があります。実際に楽天市場では、「スーパーSALE」においてしばしばサーバーダウンによって受注ができなくなるエラーがたびたび確認されています。

また、詐欺サイトに商品情報や商品ページを無許可転用され、罪をなすりつけられるといった、刑事問題に巻き込まれる可能性もあります。詐欺サイトへの対処については、以下の記事で詳しく説明していますので、興味がある方はぜひ一読してみてください。

消費者にとってのECのデメリット

商品の手触りや質感を確認できない

ECサイトでは、商品を直接手に取って感触やサイズを確かめられません。
商品の写真や説明文に依存するため、実際の商品との違いが出ることがよくあります。とくにファッションや家具など、実物の感触が大切な商品では傾向が顕著です。

近年では商品ページに動画を掲載したり、ライブコマースで商品の実演をしながら販売するなどの工夫も行われていますが、それでも実店舗で直接手に取るほどの情報は得られません。

商品の受け取りにリスクがある

ECサイトで購入した商品は、直接店舗で手渡しされるのではなく、販売店や配送業者など複数の人の手を経由して届けられます。この商品の受け取りプロセスの過程にいくつかのリスクがあります。

まず、販売店舗の信頼性に問題がある場合、適切な梱包がなされていない商品が送られてきたり、最悪の場合、商品が届かないという問題があります。

さらに、販売店舗が問題なかったとしても、配送過程での問題が発生する可能性があります。たとえば、天災や悪天候による配送の遅延、輸送中の商品の破損、誤配送などが考えられます。

店頭で自分で手に取って購入する場合と比べ、商品が予想通りの状態で手元に届かない可能性があることを認識しておく必要があります。

ECのはじめ方

ここまででECの概要から、主なメリット・デメリットまでをざっくり整理してきました。
ここからは「具体的にECをはじめるにはどうしたらいいのか」について、さわりとして流れだけを紹介します。
おおよそ流れを把握するのにお役立てください。

1. ECビジネスに必要な要素を理解する

まず最初に、ECビジネスに必要な基礎知識や概念を理解しましょう。

この記事ではおおよその全体像として、概要のみを紹介してきましたが、実際には「マーチャンダイジング」や「マーケティング」「デザインや製作」「接客」「経営」「経理」「法律」などあらゆるビジネス要素の知識が求められます。

すべてマスターする必要はありませんが、これらをまったく理解しないまま勇み足で出店しても、安定して稼ぐ店舗を作り上げるのは難しいです。
書籍を読んだり、出店セミナーに参加するなどして、基本的な知識をインプットしておくことをおすすめします。

2. ビジネスプラン(戦略)を作成する

次に具体的なビジネスプラン(戦略)を作成します。

  • 何のために出店するのか
  • どんなジャンルのどんな商品をいくらで販売するのか
  • いつまでにどのくらい利益をあげないといけないのか
  • 販促にいくら使えるのか
  • ターゲットとする顧客は誰か
  • 競争相手はどこか、差別化するために何が必要か
    など、具体的なプランを練り、実現可能性を検討しましょう。

たとえば、手作りアクセサリーを作ることができるとして、調査の結果、商品への需要があると分かった場合、手作りアクセサリーの販売を行うECショップを○○万円でオープンする、といった具体的な計画を立てます。

3. 具体的な商品を決める

ビジネスプランが固まったら、具体的な販売商品の選定を行います。
商品は自社製品を販売する場合もあれば、他社からの仕入れで販売する場合もあります。どちらの場合でも、利益を出せる仕入れ価格と販売価格を検討しましょう。

4. 出店方法を決める

具体的な戦略や商品が決まったら、いよいよ出店です。
自社サイトを作るのか、それともECモールに出店するのか、目的や状況に応じて判断しましょう。

ページ製作技術や、商品やブランドの知名度に不安がある場合は、サイト構築から集客までの仕組みが整っているECモール出店を優先する場合が多いです。一方で、すでに社内にサイト構築の技術があり、集客にも自信がある場合は、自社サイトから入るケースもあります。

5. ECサイトを出店し、構築する

出店方法が決まったら、実際に契約を行い、サイトを構築します。
出店方法にもよりますが、多くの場合、商品ページ以外にもいろいろなページを用意することになります。例えば、手作りアクセサリーのECサイトなら、お客さんをお迎えする「トップページ」のほか、「新商品」や「人気商品」のカテゴリーページ、アクセサリー作りへの熱意を伝える店舗紹介ページなどが必要です。

用意するものが多いので、モレがないようタスクリストを準備するなどしてひとつひとつ作っていくと良いでしょう。ちなみに技術的に自信がない場合は、デザイン製作会社に依頼して作ってもらうのもおすすめです。

6. 販売をはじめる

ECサイトが完成し、ひととおり問題なく取引ができることをテストして確認できたら、販売を開始します。ただ、販売を開始するだけではお客さんはやってきてくれません。マーケティングやプロモーションが必要です。

具体的にはSEO(検索エンジン最適化)による検索対策、広告出稿、SNSやメルマガ、ブログなどを通じて、消費者に自社のECサイトや商品の存在を知らせることが求められます。
ECビジネスは、業界全体では成長していますが、末端の店舗間競争は激化の一途で、成熟化がはじまっています。そのため抜きん出て優れた商品やコンセプトがない限り、一朝一夕で成果を上げるのは困難です。売上やアクセス数などのデータを随時分析し、改善点を見つけて修正を行う、という繰り返しの作業が求められます。

はじめてのECで成功するために

最後に、これからはじめてECにチャレンジしたい方へ向けて、成功するために知っておいてほしい観点を2つだけご紹介します。本当はここでは語り尽くせないほどいろいろあるのですが、最低限これだけは知っておいていただければ幸いです。

未経験者は、個人取引(CtoC)からはじめる

商売自体がはじめてなど、ECの知識がまったくない場合は、メルカリなどで「個人間の取引(CtoC)」から始めることを強くおすすめします。試しに家にある不用品を出品してみるだけでも、以下のような勉強ができます。

  • 何を売るか決める(=マーチャンダイジング)
  • どんな写真や説明文を準備すれば買ってもらえるかを考える(=マーケティングやデザイン)
  • 実際にお客さんと話をし、ルールを守って取引する(接客や法律)
  • お客さんを不快にさせないよう、期日と品質を守った配送を行う(接客)
  • 儲けを管理する(経理や経営)

意外と集客が難しいこと、見てもらえてもなかなか購買してもらえないこと、お客さんとのやりとりが大変なこと、梱包や配送に時間がかかることなど、擬似的にではありますが、ECをする上で直面する感覚を体験することができます。

もちろん簡単なサービスなので、表面的なことまでしか学べません。しかし、「まったくEC未経験で、そもそもうまくECでやっていけそうかもわからない」という場合には、まず最初の判断をするためのヒントにはなるはずです。

楽観視せず、シビアに見る

「ECは成長産業だから、出店すれば売れそう」と期待したくなりますが、あまり楽観視はしないようにしましょう。たしかに今もECは成長を続けていますが、実態は限りなく「成熟」に近づいてきています。

とくにここ数年は大手企業のEC参入が相次いでおり、ますます競争が厳しくなってきています。実際に楽天のショップ・オブ・ザ・イヤー(※)でも、誰もが知る大手企業ショップの受賞が目立つようになりました。

ジャンルにもよりますが、いまからEC参入にする場合、先行企業とあわせて数々の大手企業とも戦うことになります。いわゆる成功を掴むには、相応の商品や販促予算、コンセプトなどが求められる点は予め認識しておきましょう。

※参考:楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー特設サイト

ECでたくさんのお客さんへ商品を届けよう!

以上、この記事では、ECの定義から歴史、メリット・デメリット、実際のはじめ方まで幅広く解説をしてきました。

紹介してきたように、ECは外側から見るよりも競争が激しく、かつやることも多いです。もはや簡単に成功できるようなビジネスではなくなってきていると言えます。

ですが、ECはリアル店舗では接点が持てなかったようなお客さんにも商品を届けられる、魅力的な販売経路でもあります。自身の商品をよりたくさんのお客さんへ知ってもらい、ビジネスを成長させるためにも、ぜひ検討しておけると良いのではないでしょうか。

これから新たにECビジネスを始める方の参考になれば幸いです。

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    この記事を書いた人:コマースデザイン株式会社

    コマースデザインは、EC事業のコンサルティング会社として、ECのお役立ちツールECコンサルティングを提供しています。全サービスの累計支援先企業は23,000社を突破しました。
    「色々な個性を持ったお店が数多くあり、お客さんに豊かな選択肢があるEC業界」を目指し、中小ネットショップ事業者の皆様の「強み」を引き出す支援を行っています。詳しくは、コマースデザインについてをご覧ください。