こんにちは。コンサルタントの石黒です。
先日、とあるネットショップで、「目当ての商品がおいてあるはず」なのに、 いくら探しても見つからず、他の店で購入するという事がありました。
とってももったいない話ですよね。しかし、本当の話です。
原因は、そのショップの「商品の探しづらさ」にありました。ユーザーの事を考えない、独自の店構えで探しづらくなっていたのです。
メーカー直営店で、その店の商品を買えなかった話
つい先日、実家に泊まることになりました。
そこで「肌掛け布団」(肌触りのよい、薄い掛け布団)を出してもらったのですが、その布団が、とても気持ち良かったんです。
肌触り、通気性、温度調整、全てがパーフェクト!!朝までぐっすり眠ることができました。
同じ商品を買おうと検索したけれど…
「これと全く同じ商品がほしい!」と思い、メーカー・素材を控え、早速自宅でネットで探す事にしました。そしたらなんと、そのメーカーの直営するネットショップが見つかりました。
「間違いなく買える!」と思いますよね?しかし、私は妻と2人がかりで30分かけても、その布団を見つけることができませんでした。。
結局、そのネットショップではなく、似た商品を別のお店で買いました。以下、その経緯をお話します。
とにかく探しづらい!不親切設計のネットショップ
とにかくそのお店は、ユーザーに対して不親切な設計になっていました。具体的には、大きく3つです。
その1:探している商品に「関係ない情報」が多い
私が探していたのは、「肌掛け布団」です。そこでまず、「掛け布団」というカテゴリページに入りました。
すると、「このメーカーの羽毛布団の品質について」の説明が最初に出てきました。そのメーカーの羽毛布団が、いかに良い品質かどうかが、とうとうと書かれてしました。
「うんうん、とても良い羽毛なんだね。いいねこのお店・・・」
じゃなーーーーーい!!!
私が欲しいのは「肌掛け布団」です。羽毛布団ではありません。羽毛布団の品質がどんなに良くても、いまの私には関係ありません・・。
肌掛け布団を求め、めげずにページをスクロールするも、そこにあるのは、オススメ商品のバナーばかり・・敷き布団、枕など、探していない商品ばかりでカオス状態。肌掛け布団が見つかりません。
これでは、肝心な情報が埋もれてしまいます。カテゴリページでの適度な商品説明や、バナーでのPRは効果的ですが、やりすぎは逆効果になります。
その2:カテゴリの分け方が大雑把
バナー地帯をくぐり抜け、次に見ようとしたのは「下層カテゴリ」です。
例えば、掛け布団であれば、その下に、
- 羽毛布団
- 肌掛け布団
- 夏用の掛け布団
- 毛布
といったような、細かく種類や用途で分けられたカテゴリがあると、探しやすいですよね。
しかし、このお店は、そういった下層カテゴリが無く、最上位の「掛け布団」しかなかったのです。
いろいろな掛け布団が一緒くたになった商品一覧の中から、目当ての品を探さないといけないハメに。
「めんどくさい・・・無理・・・」
最初は一つずつクリックしていましたが、途中で嫌になり、カテゴリページから探すことを諦めました。
その3:検索ボックスがない
次に、店内の検索ボックスを探しました。キーワード検索なら、すぐに見つかるはずです。(最初からこうすればよかった…)
しかし、・・・なんとこの店、検索ボックスがないのです。。
この店以外でも、意外と検索ボックスを忘れているケースは、結構多いです。これは本当にもったいないです。
最終的に、別のネットショップで購入
そうこうしているうちに、イライラはMAXに!!電話やメールで店に問い合わせることも考えましたが、その気力もなく・・・。
結局、このお店で買うことを断念して、別の探しやすい店で、その布団と近しい商品を買いました。
私(お客)はほしい商品が見つからず、お店は他店に売上を奪われて。。
こんな買い物、悲しいだけですよね(涙)
ネットショップの店構えは「普通」が一番
では、このお店はどうしたら良かったのでしょうか。
答えは簡単で、ユーザー目線を持って、「普通」を心がけた店構えにすることです。
お客さんの利便性>お店の見栄えやインパクト
今回のように、お店本位でお客さんの事を考えずに、
- 思うがままに、不要な情報やバナーを掲載する
- サイト上に検索ボックスを置かない
といった事をすると、商品が探しにくく、買いにくくなります。
また、見栄えやインパクトを求めるばかり、デザインに走りすぎるのも、あまりよくありません。変にひねらずに、「普通なレイアウトのお店」を真似るくらいの気持ちで、デザインすることをオススメします。
あなたのお店は、商品を探しやすい店構えですか?
お店の主張したい事を主張することも大事ですが、それ以上に、「お客さんが使いやすいお店」を意識すると、結果的に支持されるのです。皆さんも、自分のお店が「商品が探せないお店」になっていないか、これを機会にチェックしてみて下さい。
例えば、
- 検索ボックスが左上にあるか
- ヘッダーに、商品カテゴリのナビゲーションはあるか
- 送料・支払い方法、会社概要などへのリンクがあるか
- ヘッダーに、バナーを必要以上に載せすぎていないか
- 探しやすいカテゴリ階層になっているか
- 必要以上の演出や、派手なイメージになっていないか
などなど。
いかがでしたか?「探しにくいネットショップ」については、別の記事もありますので、こちらも合わせてご覧ください。
PS
「うちも店構えを改善しなきゃな…でも具体的に何をしたらいいか分からない」という方は、弊社コンサルティングがお役に立てるかもしれません。店ごとの課題はそれぞれで違うので、私たちは「1店舗1店舗に合わせた支援」を行っています。そして、優先順位を踏まえ、「極めて具体的に」考え方とやり方を案内します。ご興味のある方はぜひご連絡ください。
この記事を書いた人
- エクステリア通販会社にて、店長業務に加えて物流・ユーザサポート・システム開発まで幅広く担当。市場ニーズと競合度を見極めて自社オリジナル商品を企画、自ら販促全般まで行って人気商品を量産。楽天ショップオブザイヤーにてジャンル賞を受賞したが、独自ドメイン店にも明るい。休日はバンド活動中。