自分の作った画像や文章が、別の誰かに真似されているのを見つけた経験はありますか?
1枚の商品画像・1つのキャッチコピーであっても、時間をかけてゼロから作ったものがパクられるのは、良い思いがしないですよね。本当に悲しいし、だんだんと憤慨が湧いてくるものだと思います。 とはいえ、事を大きくして面倒を抱えたくない気持ちもあり、泣き寝入りしている・・・という方も多いのではないでしょうか?
そこで、このブログでは、ネットショップ店長さんが盗作トラブル(著作権侵害問題)に直面した際の「対応策」をまとめました。 簡単にできるものから順番にご紹介します。
これが正解というものではありませんが、自店が取るべき対応を考える際の、参考にしていただけますように・・!
なお、画像や文章を盗作されたときの対応ついて、チェックリストをご用意しました。 まずダウンロードして、ご覧になりながら、記事本文を読み進めて下さい。
盗作の種類とは?
ネットショップで被害を受ける「盗作」には、どんな種類があるでしょうか。
万が一にも、自分が盗作者になってしまわないように、まず最初に、どういったものが違反に当たるのかを知っておきましょう。
ページの一部を真似される(文章・画像など)
本ブログで取り扱うのは、普通の商売をやっている競合他社に、「ページの一部を真似された」といった場合の話です。
以下のようなものが他人に無断使用された場合、著作権侵害にあたり、れっきとした犯罪です。
- 自分が撮影した写真
- 自分が作成&加工した画像
- キャッチコピーや説明文のライティング
- 自分が撮影&作成した写真や画像を「加工して」使用
もちろん、「写真や画像を加工し、無断で使うこと」もダメです。
(一部加工されていたとしても、本人から見るとすぐ気付くものですよね^^;)
楽天市場の規約でも、以下のように明確に禁止されています。
※引用:楽天市場 規約
WEB媒体の情報は、簡単にコピペができてしまうので、模倣トラブルは起こりやすく、何気なくライバル店のサイトを見ている中で、上記のような盗用を発見するケースも出てくるかと思います。
実際に盗作が発覚した際、的確に対処いただけるように、ネットショップ店長が取るべき対応を、段階を踏んでご紹介していきます。
サイト全体を模倣される(詐欺サイト)
尚、「サイト情報を丸ごとパクられる」被害については、別の記事に対策をまとめています。以下の「詐欺サイトトラブル」記事をご覧ください。
盗作発覚!その時店長がすべき対応
続いては、対応策を幾つかお伝えします。
盗作対策に先立ち知っておいてほしいのは、WEBサイトの盗作は、残念ながらゼロにするのは困難だということ。次々現れますし、対応にそれなりの手間もかかる上、事が上手く運ばないケースもあります。
また、盗作問題への対応の間、本来の仕事が止まってしまうことでしょう。
皆さん忙しい中での対応になりますから、現実問題どこまでやるか、判断しながら読み進めてください。
盗作対策チェックリスト
画像や文章を盗作されたときの対応ついて、チェックリストをご用意しています。
下記URLからダウンロードし、チェックを入れながら続きをお読み下さい。
1:盗作の証拠を抑える
「盗作」を見つけたら、まず証拠を押さえます。
各所に証拠を提示する場合に便利になるので、下記ツールを使ってページのキャプチャを撮っておき、「盗作の現場」を保存しておきましょう。
2:申し立てをする
次に、間接的な対応をすることをオススメします。
直接、盗作者とやり合わなくて済むため、精神的に楽です。
Googleへの申し立て
まずは、Googleに「著作権侵害の申請」を出しましょう。
申請が通ると、著作権違反サイトの情報は、Google検索にヒットしなくなります。
(対象はGoogle検索のみです。楽天市場内やYahoo!ショッピング内での検索までは規制されません。)
フォームに情報を記入する手間は掛かりますが、難しくありませんし、対応が早いと言われています。
各ショッピングモールへの通報
もし模倣サイトが「楽天」や「Yahoo!ショッピング」に出店している店の場合には、各モールの通報窓口から報告を挙げておきましょう。
楽天の場合だと、ECCに相談すると言う人が多いですが、対応してもらったという話をあまり聞きません。専用窓口に連絡する方が、専門部署に直通なので、通りがいいと思いますよ。
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3:盗作者に、直接取り下げ連絡する
上記の対応をしても取り下げられないとなれば、ここから先は、盗作者に対し直接取り下げの連絡をする方法になります。
ただし、平気で他人のコンテンツをパクるような、モラルのない相手とやり取りするのは、心労も伴うかと思います。ちゃんと対応してくれる可能性も低いですし。。どこまで対応すべきかはご自身で判断してくださいね。
Lv1:メールで取り下げ依頼
盗作者に対して、「著作権は弊社にあるので、取り下げてほしい」という内容を伝えます。
その際の「伝え方のコツ」を2つご紹介します。あくまで、私の個人的な考えですが、 ご参考になりましたら幸いです。
【コツ1:会社としての対応かを問う】
これは、盗作相手が経営者ではなく、いち担当者が運営している場合に、有効な切り口です。
担当者に「取り下げてください」と言うと、対応してくれないケースも多いと聞きます。
そういった場合には、「それは、株式会社〇〇としての判断でしょうか?」等、 個人ではなく、「相手の会社全体の問題」として定義することで、 事の大きさを認識してもらうことができます。
その結果、取り下げ対応が進む確実性が上がるかもしれません。
【コツ2:逃げ道を残す】
メール文面中で「著作権は当社にあります」 と書くのはもちろんなのですが、 それだけでは、追い詰められた相手が開きなおったり、逆切れする可能性もあるかもしれません。
そこで、「忙しくて、つい出来心でやられたものと思っています。当社としても、すぐに下げて頂けるのであれば、 事を荒立てるつもりはありません。」等の一文を入れることによって、 相手が素直に謝罪しやすい雰囲気をつくれるかと思います。
言わば、逃げ道を残してあげる感じです。
逃げ道がないほど追いつめると、 逆に、攻撃的になる可能性があるので、こういった出方の方が、スムーズに話が進むのでははないかと思います。
Lv2:「警告書」を「内容証明郵便」で送る
メールで注意喚起をしても、反応がない場合には、次の手段として、郵送で「警告書」を送る対応が一般的です。
警告書を送ること自体は、さほど法的拘束力はなく、 単に「送ったという事実」が証明される程度の意味だけですが、 「法的な対応の可能性がある」という雰囲気が出ている文書を相手に届けることができます。
「著作権 警告書」「警告書 内容証明」等で検索すると、 事例や文例などたくさん出てきます。
400~500円と費用も安く、手間もあまりかからないので、警告書を通知することで「意思表明」をするのがいいのではないでしょうか。
* * *
盗作が起きた際の対応策については、以上です。
行き過ぎた対応は逆効果
盗作を防ぎたい気持ちはすごく分かりますが、行き過ぎた対応をしてしまうケースもあるようです。
冷静な判や対応をしてほしいため、私がやり過ぎだと思う事例も書いておきます。
強調し過ぎの警告
サイト上に「デカデカと盗作禁止の警告を書く」ことは、オススメできません。
なぜなら、大多数の「普通にページを見ているユーザ」に「この店の運営者は怖そうだ」というよくない印象を与えかねないからです。
警告を書くとしても、悪目立ちしないように、控えめな書き方にするのがいいでしょう。
画像内への透かし文字入れ
画像内に透かし文字を入れるのも、よく見かけますが、お客さんにとって見づらくなるだけではないでしょうか?
パクられないように対策したいお気持ちは重々承知ですが、あなたのその作業時間がもったいない!
盗作対応に時間を使うのではなく、お客さんに商品の魅力を伝える作業にこそ、手をかけるべきではないでしょうか。
裁判まで持ち込む
相手に直接連絡をしても反応がなかった場合、次のステップは法的措置ということになります。
この問題は「著作権侵害」にあたるため、とことん戦おうと思えば、法的措置を取ることもできます。
でもそこまで行くと、凄く手間もかかるので、あまりオススメはしません。
一概にNGというわけではないですが、個人的にはやりすぎ感を覚えます。割に合わないのではないでしょうか?
とはいえ、それは承知で、盗作範囲が多岐に渡って被害が大きいなど、どうしても盗作を撲滅させたい場合もあるかと思います。
その場合は、専門家に相談してみてください。WEBで「著作権侵害 相談」などと検索すると、情報が色々出てきます。
行政書士や司法書士の無料相談会が開かれていたりするので、 まずはそういった所に問い合わせてみるのもいいかもしれません。
まとめ
WEBサイトは、コピペだけで手軽に盗まれてしまいます。
このブログでは、盗作への対処策を紹介しましたが、費用対効果(この場合の「費用」とは対応の手間コストのこと)を考え、自分のリソースをどこまで投じるか、判断をお願いします。
また、「真似されるぐらい素敵な表現だった」という評価の裏返しと思えば、モチベーションにもなるというものです。自分に自信を持ち、スキルをどんどん磨き上げ、上辺だけ真似をしても埋まらないぐらいの「差」をつけていきましょう。
そうは言っても時として、悩むことも対策が必要なこともあるでしょう。
弊社のコンサルティングでは、売上アップのご提案だけでなく、こういった、店舗運営にまつわるお悩みのよろず相談も随時お受けしています。
「ネットショップ運営の相談相手がほしいなぁ」と思われる際は、ぜひお声がけ下さいね。
この記事を書いた人
- 有名EC企業にて、店舗の立ち上げから店長まで一連の運営業務を経験し、実績を重ねる。その後、食品メーカーに転職、衰退した人気店の建て直しに尽力。2年間でアクセス数4倍、転換率2倍とし、再成長させる。メーカー型、仕入れ型、大規模、小規模共に経験している守備範囲の広さが強み。ネットショッピングが大好きで、女性ならではの柔らかい物腰の中に、鋭いお客目線が光る。