こんにちは、コンサルタントの小堤です。 今回は、ネットショップ初心者店長さん向けに「商品写真」の基本的なお話です。商品を手に取れないお客さんの視点で、「サイズがわかりにくい不便さ」を把握し、「どうすればサイズ感を伝えやすくなるのか」対策の事例をいくつかご紹介します。 初心者店長さんに限らず、 ・お客さんから購入後にサイズについてクレームをよく受ける ・サイズがわかりにくい自覚はあるが対処方法がわからない といった方にも、参考になる内容かもしれません。5分で読める内容ですので、ぜひご覧ください。
商品の単体写真から大きさはわからない?
まずは、お客さんが商品写真を見て感じる「サイズがわかりにくい不便さ」を把握していきましょう。以下、2つの問題に答えながら、お客さんの視点にたってみてください。
第1問 |
AとBのお皿、どちらが大きいでしょうか?
正解は…Bです。
Bの方が少し大きめの写真なので、正解した方が多いかもしれませんね。
第2問 |
第1問のAとBのお皿は、どれくらい大きさが違うでしょうか?
正解は…こちらをご覧ください。
「思ったとおり!」と、サイズ感がばっちりわかった方は少ないのではないでしょうか?私はこの写真を見た時、想像以上にAのお皿が小さく、びっくりしました。
これが、お客さんの感じる不便さ、「ネットショップはサイズがわかりにくい」あるあるなのです。
届いた商品を見て「思ってたサイズと違う・・」なんてことがよくありますよね。あるいは、「欲しいけどサイズ感が心配だから買わない」「他のページも見てみよう」という展開もよくあります。前者は満足度の低下、後者は購入率の低下に繋がります。
つまり、ネットショップやECサイトにとって「サイズがぱっと見て伝わらない」状態であることは、お客さんに不親切なだけでなく、ビジネスとしてものすごく不利なのです。
買うまでの手間がお客さんを逃す
気になった商品を手に取ったこともない場合、お客さんは商品サイズをどのように判断するでしょうか?頼りになるのは「商品写真」と「サイズ情報」しか無いですよね。
ですが、この数字のサイズ情報だけでは、欲しいお皿が「だいたい何センチ」か把握出来ていなければ、購入決断しづらいものです。そのため、お客さんは定規を手に取って大きさをイメージしたり、自宅のお皿を測ってみて「だいたいコレくらいか」と対比させるなど、「大きさを把握する手間」が必要になります。
やりますか?なかなか面倒ですよね。だから前述のように、勘で購入して「思ったのと違う」状態になったり、「よく分からないから買わない」という現象が起こるんです。
ではもし、手間をかけず直感的にサイズのわかるお店があったら…お客さんはどう感じるでしょうか?わざわざ調べる手間も無く、安心して商品を購入ができる!と流れっていってしまうかもしれません。
あなたのお店はどうですか?商品サイズがわかりにくいことで、お客さんを逃していませんか?
近年、ネットショップ数は増加し続け、日々競争は激化しています。その中で、あぐらをかいて「お客さんが自分で調べて判断してよ」と言っていては、ライバルにお客さんを持って行かれてしまいかねないのです。
あなたのお店で、こういった買い物の不便さが命取りにならないよう、しっかり対策をしていきましょう。
サイズ感を伝える4つの撮影ポイント
それでは、いよいよ本題です。買い物の不便さの1つ、「サイズ感」をわかりやすく伝えるためにはどうすれば良いか、事例にそって4つのポイントをご紹介します。どの方法も共通点は「対比の活用」です。あなたのお店では、何と対比させると商品サイズがわかりやすくなるか、イメージしながら読み進めてみてください。
ポイント1:体と対比する
体と商品の対比は、工夫がいらない、一番簡単な方法です。
「手に持ってみると」「座ってみると」というように、体と対比させると、容易に商品のサイズ感をイメージすることが出来ます。まずは、手に持った写真だけでも十分ですが、徐々に「どういったを伝えるために、どう対比させるか」工夫してみてください。
バッグのサイズ感を持って伝える
小型であることを手のひらで伝える
子供と比べて大きいことを伝える
ポイント2:みんなが知っている物と対比する
誰でも大きさがわかる対比物さえ決まれば、手軽に大きさを伝えられる方法です。「ペットボトルくらい」という対比は、よく目にすることも多いですよね。
ただ、この方法では対比物が商品イメージに影響をあたえるため注意が必要です。例えば、子供向け商品をタバコと対比させると、かえって商品やお店のイメージを損ねる可能性があるのです。「サイズがわかりやすい」と同時に「商品のイメージにあっているか」という観点を大事にしましょう。
容量を伝える
サイズを伝える
ポイント3:実際の利用シーンで対比する
利用シーンを見せる方法は、セッティングなど撮影に手間がかかります。一方で、商品サイズ感を伝えるだけでなく、「購入後のシーンがイメージしやすい」「コーディネートで商品を紹介できる」など、一石二鳥で商品をアピールできる方法です。
商品を買ったお客さんから画像をもらう
こういった利用シーンを撮影するのは、やはり手間やコストがかかりますよね。ですが、写真は自分たちで用意しないといけないわけではありません。商品を購入した・使っているお客さんに写真をもらうという手段もあるのです。レビュー投稿と合わせて写真をもらう、ハッシュタグをつけてInstagramに投稿してもらうなど、工夫次第なのです。
ポイント4:同シリーズの商品同士で対比する
ブログ冒頭のお皿のように、同シリーズ内でサイズ展開がある場合は、出来る限りラインナップを並べた写真を撮っておきましょう。同シリーズで対比しておくことで、お客さんを類似商品へ誘導したり、セット購入に繋がる可能性が高まります。
掛け合わせてさらにわかりやすく
同シリーズ商品を並べるだけでなく、さらに体を対比させると、お客さんは自分にあったサイズを把握しやすくなります。
番外編:写真だけとは限らない!イラストを活用
「写真を用意したくても出来ない」場合は、イラストを活用するだけでもサイズ感はグッとわかりやすくなりますよ。
手間をかけるのはお客さん?お店?
では、まとめます。
まず、お客さんが買い物する際の不便さの1つに「ネットショップはサイズがわかりにくいあるある」があります。
具体的には、
- 商品単体写真からはサイズを予測できない
- cmなど数字のサイズ情報だけでは判断できない
という傾向です。
そこで、サイズがわからないことで他店や実店舗にお客さんを逃さないため、サイズ感を直感的に伝わりやすくする4つ撮影ポイントをご紹介しました。
- 手に持つなど、体と対比させる
- ペットボトルなど、誰でも知っているものと対比させる
- 実際の利用シーンに置いて対比させる
- 同シリーズの商品同士で対比させる
皆さんのお店で、取り入れられそうな工夫は見つかりましたか?
どの撮影も決して特別ではなく、皆さんも目にしたことがあるごくごく当たり前の方法です。しかし、その当たり前の工夫を出来ていないお店が多いからこそ、意外と差がつくポイントなのです。
ちなみに今回の考え方は、サイズ感に限ったことではありません。店舗運営を行っていく上では、常にお客さんの視点で「不明な点や、不便な点はないか」と考えることを大切にしてみてください。
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この記事を書いた人
- 前職では、大手ファッション通販サイトにて、営業とコンサルティングを担当。メンズ・レディースファッションはもちろん、子供服、下着、インテリア、コスメの運営経験もあり。共感力が高く、ユーザーへの“伝わりやすさ”を重視しつつも、「店舗に寄り添った提案」を心がけている。海街育ちで、趣味はボディーボード。
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