楽天SEOのこれからは「お見合い」に学べ!最新アルゴリズム対応

今回は、楽天出店者向けにディープなネタを1つ。

楽天サーチの検索順位を日々追いかけている方が気にしているだろう、『楽天SEOのこれから』についてです。(本来クライアントさん向けなのですが、思うところあって、敢えてオープンにしてみました)

先に要旨をまとめておくと、「従来のテクニック施策だけではもう難しいので、もっと”本質的”なところから考えていきましょう」というお話です。

  • なぜ「テクニックだけではもう難しい」のか?
  • これからどうしたらいいのか?

気になるこのあたりを順番にお伝えしていきます。
ヒントは「お見合いの仲人」さんです。どういうことかは、最後まで読めばわかります。

最近のアルゴリズム変動ガイドライン施行に翻弄され、「どう対策したらいいかわからない!」とお悩みの方のヒントになれば幸いです。

なぜ楽天SEOは「テクニックだけではもう難しい」のか?

まずは、なぜテクニック系の施策だけではもう難しいのか?そこから話を始めます。

結論から述べると、楽天SEOも今後、Google同様に、「検索エンジンのロジックにあわせるテクニック」よりも「お客さんの検索の意図に沿うこと」のほうが重要になる(だろう)から…ということです。

一体どういうことなのか。これまでの楽天SEOの経緯から整理して見ていきましょう。

昔は、SEOのテク1つで楽天サーチ上位になれた

そもそも楽天SEOは、以下大きく3つの要素に分類ができます。

  1. いろんな検索にヒットさせる(ヒット率)
  2. 検索上位に表示させる(順位)
  3. 実際にクリックしてもらう(クリック率)

これまでの楽天SEOでは、このうち1と2が重視される傾向が強くありました。なぜなら、商品名やキャッチコピーなどを、特定のルールに沿って書き換えるだけで、「1:ヒット率」と「2:検索順位」を改善できてしまう時代があったからです。(長年、検索対策を追いかけてきた方はよくご存知と思います)

色々なキーワードで検索上位が取れれば、多くの人に見てもらえるので、売れやすくなりますよね。そんな嬉しい効果が、小手先のテクニックだけでラクに手に入る。

結果、お客さんからの見栄えも気にせず、とにかく商品名にキーワードを突っ込むことや、サジェストワードを説明文に羅列するといった、「書き方を調整する施策」が主流になっていったわけです。

手間のかかる「3:クリック率」の改善は、相対的に軽視されてきました。

今は、楽天SEOのテクニックだけでは難しくなってきた

しかし、2017年頃、いよいよ書き方のテクニックだけでは、順位がコントロールできなくなってきました。2018年は、さらに拍車がかかるはずです。

なぜなら、テクニックなどで人為操作ができない「お客さんの行動に基づいた評価値」のような、ユーザビリティ系ロジック(※)が登場し、その影響力を強めてきたからです。

(※)…詳しくはRMSの店舗運営Naviを参照ください。ただし、2018年1月時点では、まだまだ調整段階の様子ではあります。

楽天サーチ上位になっても、検索順位がすぐ落ちる時代へ

では、どうしてユーザビリティ系のロジックが影響力を強めると、書き方のテクニックが通用しなくなってしまうのか。

その理由は、『欲しい商品を楽天で検索しているとき』を振り返ればよくわかります。

想像してみてください。みなさん、いくら検索1位だろうが、あちこちの検索に出てこようが、それが「自分の検索の意図に沿わない商品」であれば、だいたいスルーしますよね。用事のない上位をすっ飛ばして、下位まで探しにいくケースなんて、いくらでもあるはずです。

テクニックで有利な書き方にしたとしても、検索の意図に沿わずお客さんにスルーされてしまう商品は、なかなか売れません。そして売れない商品は新ロジックによってマイナス査定され、すぐに順位が落ちてしまいます。そして順位が落ちれば、ますます売れにくくなり、以降悪循環です。

もうおわかりですね。検索エンジン向けのテクニックを磨くだけでなく、その先にいる「お客さん」が振り向いてくれるようにしなければ、SEOもうまくいかない時代になってきている…というわけです。(お客さんからすればとても健全な方向なんですけどね)

楽天出店者は、これからどうすればいいのか?

さて、テクニックだけで、どうにもならなくなってきた今。我々、楽天出店者はこれから何をどうすればいいのでしょうか?

「クリック率」を重視すればいいんです

その答えの1つが、これまで相対的に軽視されてきたSEOの第3の要素「クリック率」です。

今後はテクニックによる「ヒット率」や「検索順位」の改善だけでなく、検索ワードごとの「クリックのされやすさ」についても、いよいよ重視していかねばならないと見ています。

理由はさっきもお伝えしたとおり、「お客さん」が振り向いてくれないと、結局うまくいかないからです。(大事なことなので2回目です)

お客さんの「検索の意図」に沿おう

お客さんを振り向かせる(=クリック率をあげる)ためには、お客さんの「検索の意図に沿う」必要があります。

具体的にどういうことなのか。悪い例と良い例とでシミュレーションしつつ見て行きましょう。

悪い例

まずは「検索の意図」に沿わない状態から見ていきます。

シチュエーションは以下のとおりとしましょう。

  • あなたは『仕事や人付き合いに疲れ、癒やし時間を求める20代の女性』
  • 楽天カードでちょっとポイントが溜まったし、何か買おう
  • 冷えた心を温めようと、”ほっこりかわいい感じのまあるいスープカップ”を探す

さっそく楽天で「スープカップ ほっこり」で検索をかけてみたところ、以下のような結果が表示されました。(写真はイメージです)

繰り返しますが、動機は「癒やし」、検索キーワードは「スープカップ ほっこり」です。

以下の結果を見て、どれをクリックしますか?
それとも、もっと下にいきますか?ちょっと考えてみてください。

1位はティーポット、2位は登山対応のスープマグ、3位は姫系のスープマグ。

「これは違う」

まず1位はカップでさえありませんね。なぜこれがヒットするんだ…。
2位は、キーワードに「ほっこり」が入ってますけど、どちらかというとガッツリ。3位も「ほっこり」とは違う。ナチュラルじゃない。

「もう少し探してみよう…」

と、スルーします。

良い例

あなたは、「なんか違う」検索上位をスルーして、下位の商品までスクロールしました。すると、このような商品が出てきました。

丸みのあるデザインがそっと手になじむ、ほっこりあったかスープ用マグ。

まず商品画像に目が止まります。

「あ、これイイ…かも」

視線は右へとスライド。文字を見て、確認します。すると、丸みのあるデザイン、手になじむ・・という単語が目に入って、確信。

「あったあった!これこれ!」

商品写真で目星をつけ、文章による確認を経て、「いいかも」は「いい」に変わります。

要は「順位が高かろうがヒットしようが、意図に沿わないものはスルーされる」のです。

このように、検索者が興味を持っていること(=検索意図)に応えてくれる表現があれば、多少下位であったとしても、ただ単に上位ヒットしているだけの商品よりもずっと売れやすくなります

で、じりじりと売上が増えていけば、さっきの悪循環と真逆で、売上連動アルゴリズムにより、だんだんと順位も伸びてくると考えられます。

お客さんの「意図に沿う」には?

では、どうすればお客さんの「検索意図」に応えて、クリック率を高めることができるのか。

その答えは、「商品が潜在的に持つ属性」「その属性を求める人」の双方を見極めて、マッチングさせるイメージを持つことです。商品名から商品画像、ページ説明文まで一貫性を持って作り込むわけです。

話が長くなってきましたので、具体的な方法論については今回割愛しますが、以下、概念だけ説明します。

楽天SEOは「お見合いの仲人さん」に学ぼう

「お見合いの仲人さん」にたとえて説明してみます。

お見合いや結婚の場に「仲人」という役割がありますね。両家の間に入って、関係を取り持つ重要な存在です。
クリック率を上げ、SEOを成功に導くことは、まさにこの「仲人さん」の働きと近いところがあります。

その人の特徴と、相手のニーズをうまくマッチング

たとえば、お見合いの場。「家事や育児が大好き」な男性がいたとします。素直にこの属性をアピールしていけば、「夫婦差なく役割分担できる、フラットな家庭」を望む女性とぴったりマッチングできそうですよね。百戦錬磨の仲人さんであれば、そうした元来の属性を愛してくれる方との縁を取り持てるよう、働きかけをして、無事成就に導いていくはずです。

ズレたアピールは、相性不一致となり成就しにくい

しかし、もし仲人さんが、そうした特徴には目もくれず、『最近のお見合いでは”高収入”がキーワードだから』と、本質とは違ったアピールばかりを進言していたらどうなるでしょうか。「子供より自分が遊ぶお金が欲しい」みたいな、まったく別の目的を持った女性が集まってきて、話がまとまらない…なんてシーンが想像できますよね。これではうまくいくものも、うまくいかなくなってしまいます。

SEOで、商品とお客さんとの間を取り持とう

話をSEOに戻します。

どんな商品にだって、潜在的な属性(=強みや特徴)があるはずで、また同時に、それを求めるお客さんもきっといるはずです。

お客さんと商品のお見合いを取り持つ仲人のように、この両者の「縁」を結べるよう、商品を引き立ててあげること。この観点が、クリック率アップの本質だと考えます。

ガラスポットはガラスポットであって、スープマグではありません。スープマグのアクセスを集めたところで売れっこないのです。耐久性に強みがあるカップなら、ほっこりではなく、耐久性を求めるお客さんに伝わるように、商品画像なり、テキストなりを修正してあげればいい。どれだけ言葉で着飾ろうとも、違うものは違うのです。

その商品に似合わないキーワードで一生懸命、上位表示させようするのではなく、どう商品とお客さんとを繋げばみんなが幸せになれるのか。そこを徹底的に考えていきましょう。

本来の属性を素直にアピールできていれば、自然とそこに縁は生まれてくるはずです。

おわりに。今後の楽天SEOはどうなるのか?

ということで、今回は、これからの楽天SEOに必要になるだろう、テクニック以外の観点についてお話をしてみました。

もしかすると、「こんなの楽天SEOの話じゃないじゃん」と思われた方もいるかもしれませんね。…ですが、そのくらいSEOの概念が、変革期に入ってきている、ということは声高に主張をしておきたいと思います。

すでにGoogleがそうであるように、今後、検索やAI等のテクノロジーは、「利用者」も「送り手」も、双方を幸せにする方向に進化をしていくはずです。そうなれば、小手先のキーワード施策だけでない、もっと本質的な観点が求められるようになってくるでしょう。

我々ネット商人も、仕組みをハックして、テクノロジーに評価されることばかりを狙うのはこのあたりにして、そろそろテクノロジーの向こう側にいる利用者に対して、どんな価値を提供できるのか、初心に戻って考えていかないといけないのかもしれないですね。

SEOは、確実にテクニックから本質へと移り変わってきています。Googleは既にそうなっていますが、遅まきながら、楽天も(多分他のあれこれも)そうなっていくはずです。

P.S)キーワードも大事です

とはいえ、いまでも楽天では、キーワード調整による検索対策は、有効かつとても大切です。現に楽天の公式情報でも、検索で優遇される商品名・キャッチコピーの書き方が紹介されているくらいです。(弊社のコンサルティングでもご提案をしています)

そもそもキーワードを書いて検索にヒットさせられなければ、お客さんの意図に沿うもなにもあったものではありませんよね。決して「キーワードSEOはもう不要」という意味ではないのでご注意ください。(むしろ、「相性の良いキーワード探し」は、楽天SEOの第一歩です)

P.P.S)一緒に考えましょう

「商品の居場所を考えようと思ったけれど、具体的にどうしたら…?」とお悩みの方は、ぜひ当社こコンサルティングをご検討ください。商品だけでなく、お店自体の居場所についてもご一緒に考えます。

今後、楽天内外ふくめて、ECを取り巻く環境は、ますますドラスティック、かつダイナミックに変化していくと思います。今はまさに時代の変わり目、分かれ道だと思います。早めの対策が肝心ですから、悩んだその時に、ぜひお問い合わせください。

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この記事を書いた人

コマースデザインスタッフ
コマースデザインは、EC事業のコンサルティング会社として、ECのお役立ちツールECコンサルティングを提供しています。全サービスの累計支援先企業は23,000社を突破しました。「色々な個性を持ったお店が数多くあり、お客さんに豊かな選択肢があるEC業界」を目指し、中小ネットショップ事業者の皆様の「強み」を引き出す支援を行っています。
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