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2017年後半は、ヤマト・佐川の大規模な運賃値上げが相次ぎましたね。
多くのネットショップや通販会社が、送料設定などコスト全般を見直したと思います。対応お疲れ様でした。ですが・・運賃値上げの波は、まだ止まりません(;_;)
3月1日からはゆうパックが値上げ。加えて、4月以降、佐川急便で、もう1段階の値上げがありそうです。(まだ確定ではないのですが、複数の筋から伺った話で、確度は高そうです)
契約運賃が上がると、利益が減ります。赤字に転落するケースもあるでしょう。なるべく早めに状況を確認し、対策を検討すべきです!
ということで、この記事では、(1)まず「2018年春の運賃値上げ」について解説します。(2)次に、「今後どうすべきか」を提案します。具体的には、今後の展望と、利益確保のために通販会社が取るべき「対策」です。
2018年春の運賃値上げ
3月以降、日本郵政(JP)と佐川急便で、運賃の値上がりが起こる見込みです。この値上げを受け、「利益確保のために何をすべきか」は、本記事後半で説明します。
以下、解説します。
3月に「ゆうパック」値上げ
3月1日から、ゆうパックの運賃が改定されます。
今回は、平均で12%ほどの値上げ。3月なので、すぐです。ゆうパックを利用している方は、確認を急ぎましょう。
ちなみにこれは、2017年の9月初頭に、日本郵政から正式に告知があったものです。下記URLをご覧下さい。大口契約の法人でも、契約運賃の見直しが打診されているはずです。
4月頃?佐川急便が再値上げ
佐川急便でも、4月頃に追加値上げする動きが出ています。
弊社の取引先やお付き合いのある会社複数から、情報をいただきました。現時点では、物量の多い企業に対して打診が始まっている段階なので、中小ネットショップにはまだ話が下りてきていないかもしれません。
対象となる範囲や運賃の値上げ率は掴めていませんが、今後正式な発表が出るかも。いずれにせよ、送料再値上げの可能性に備えておくに越したことはないでしょう。
運賃値上げに対し、EC・通販会社はどうすべきか
ここからは「続く運賃値上げ」に対して、ネットショップや通販会社はどうすべきかについて考えます。
配送料に限らず、コストアップは今後も続く
「人件費」が上がっていますから、今後、あらゆるコストが上がっていきます。物流業界でも例外ではありません。「送料値上げを中心としたコストアップ」の波は、今後も続いていきそうです。
つまり必要なのは「送料値上げ対応」ではなく「利益確保」です。
「利益確保」はどうすればいいか
送料設定をどうこうすれば済む問題ではありません。「12%値上げされるなら、その分だけ、お客さんが負担する送料実費を上乗せすれば良い」という話ではないわけです。
送料見直しはもちろん大切ですが、「それ以外」のコストダウンや「商品の値上げ」も、しっかり考えましょう。以前ご案内した記事が、参考になるはずです。
この記事では、商品の特性に応じた個別値上げ、品揃えの絞込、荷姿調整、コストダウンなど、あらゆる角度から利益確保する方法を詳しく紹介しています。
ぜひご覧下さい!
これを読んで、役立った・値上げに成功した・利益が増えた・・という声を多く頂いています。
継続的に「利益確保」に取り組みましょう
上記の「利益確保策」は、一旦設定したら完了、というものではありません。
実施後も、「利益は出ているか」「他に削れるコストはないか」「値上げできるところはないか」「商品の売れ方に変化がないか?」など、日頃から考えましょう。
ECの成長期においては「まず売上を拡大し、調整は後で」と考えていた方も多かったと思います。しかし、今は成熟期に入りましたよね。そろそろ時間を取って、足元の確認をしましょう。
なお、弊社では、利益確保や「低コストでの販促策」などについて、個別相談をお受けしています。ちょっと悩んでいるという方、相談相手が必要な方は、下記サービス案内をご覧の上、お声がけくださいね。
送料値上げに関する所感
最後に、目まぐるしい環境変化が起こる中で、私個人が感じていることを書かせてください。
「安い運賃」を追求しない
「運賃が上がるならば、一番安い契約先を探そう」と動かれるかもしれませんが、ちょっとお待ちください。私としては、契約運賃が「安すぎる場合もリスク」だと思います。
覚えてらっしゃるでしょうか?2016年の年末は佐川で、2017年の年末は郵政で、大規模な配達遅延が生じましたよね。これは、その年に、特定の1社の運賃が、他社と比べ明らかに安かったため、物量が一極集中したことが原因と言われています。
一般論として、「不均衡」は「不自然な状態」なので、トラブルを招くことがよくあります。そして、不均衡はいずれ是正されていくのが世の常。いっときは割が良くても、それは続かないはずです。
結局のところ、契約運賃について考えるのは程々にして、事業構造全体を考えたほうが効率的ではないでしょうか。(前述の「利益確保策」の記事を読んでいない方は、必ず併せてお読み下さい)
物流会社は、大切なパートナー
我々ネットショップの商売は、物流なくして成り立ちません。土日祝日や荒天に関わらず、ほとんど定刻通りに荷物を運んでくれるパートナーです。
利益に意識を向けるのはもちろん大事ですが、ネットショップの物流を担ってくれるパートナーとの関係性も大切ではありませんか。
こういった状況下では、運送会社の皆さんも色々気苦労があるでしょう。
私達としては、彼らの背景を理解し、ねぎらいつつ、コミュニケーションを取っていけるといいなと思います。密な関係性が出来ていれば、こうした値上げ時の情報交換も、早められるかもしれませんよね。
「送料値上げ問題」のまとめ
まとめます。
- この春、送料が上がります。早めに状況確認しましょう。
- 面倒でも、送料設定に限らない「利益確保」を考えましょう。(手順はこちら)
- 物流会社はパートナーなので、労いつつ対話しましょう。
以上です!お読みいただき、ありがとうございました。
弊社は、今後もこういった情報をメルマガで配信していきます。
PS
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この記事を書いた人
- 有名EC企業にて、店舗の立ち上げから店長まで一連の運営業務を経験し、実績を重ねる。その後、食品メーカーに転職、衰退した人気店の建て直しに尽力。2年間でアクセス数4倍、転換率2倍とし、再成長させる。メーカー型、仕入れ型、大規模、小規模共に経験している守備範囲の広さが強み。ネットショッピングが大好きで、女性ならではの柔らかい物腰の中に、鋭いお客目線が光る。