こんにちは、川村トモエです。
ネットショップの文章は、接客してくれる販売員さんの役割を担っています。
実店舗で凄腕の販売員さんが売上をグングン伸ばすように、あなたのネットショップも上手に接客できる文章にしておけば、おのずと売上が上がるのです。
もちろん、最近ではデバイスの変化により、より端的に案内できる「画像」の重要性も高くなってきていますよね。チャットで応対もできるようになってきました。
しかし、気の利いた文章はお客さんにとって必要なものです。上手な接客のコツは「先回り」することです。
※この記事は、筆者が「ネットショップ担当者フォーラム」に寄稿した内容を加筆・修正したものです。
基本は、ネットもリアルも同じ
まず、ネットではなく、リアルな買い物を思い出してください。店員さんとの距離感は、どのくらいが心地よいでしょうか。
本当に上手な接客をする店員さんてすごいですよね。話す分量も、内容も、タイミングも、ちょうどいい! このちょうど良さを、ネットショップでも実現したいところです。
でも、良い店員さんが印象に残る一方で、残念ながら、あまり感じの良い買い物をできない接客もありますよね。
例えば、無口な店員さんの場合、せっかく来店したのに「いらっしゃいませ」も言うか言わないか、「ご覧ください」と言われるだけ。最悪無視されたり。そんな場合は、歓迎されていないムードを感じてお店を出たくなります。
逆に、饒舌な店員さんならどうでしょう? 話しかけられすぎても引いてしまうものです。商品を見たいのに遮るように一方的に話されたら、「ゆっくり見たいから放っておいてほしい」と、これもまた困惑してお店を出たくなります。
放っておいてほしい派、話しかけてほしい派、客としての個人の好みはあるでしょうが、上の例はどちらも良くありませんよね。ネットショップでも同じです。
これらの問題点は2つに分類できます。「情報不足」と、「情報過多」です。
前者は、単純にお客さんが買い物するために必要な説明が不足しているケース。後者は、逆に情報が多すぎるケース。
購入に必要な情報が足りなければ、当然買い物はできませんから、情報不足が問題外なのはご理解いただけると思いますが、情報が多すぎるのもまた問題なのです。
なぜなら、重要な情報がその他の不要な情報の中に埋もれてしまい、気づかれなくなってしまうためです。
これでは言わないのと同じことです。書いてあっても、伝わらなければ意味がありません。
お客さんを先回りするのがネットショップの「ちょうど良い接客」
実店舗では、たとえはじの接客がイマイチでも、質問されたり、お客さんの反応を見て言葉をかけたりすることで修正できますが、ネットショップではそれができません。
そのため、お客さんが「聞きたいと思うこと」が先回りして書かれている状態が、「ちょうど良い接客」ができている状態と言えます。
先回りして書くべき良い接客文には、3パターンあります。
①要望との適合
多くのお客さんは「何か」を探していて、検索経由でお店にやって来ますから、まず、その探している「何か」が、ページ内にあることに真っ先に気付いてもらわなければなりません。気付かないと、お客さんはすぐ引き返して行ってしまいます。
②疑問の解決
次に、疑問に答えます。他の商品と比べてどう違うのか、商品の色は? 形は? 素材は? 大きさは? どんな時に使えるのか……など、お客さんが知りたいことを前もって書いておかなければなりません。この時点で疑問が解決しないと、せっかく興味を持ってくれても、離脱されてしまいます。
③不安の払拭
疑問を解消できたらあと一歩です。買う手前の不安を解消して、背中を押してあげます。「すぐ壊れないか」「長く使えるか」といった「これを買っても大丈夫だろうか?」という不安に応え、安心してもらえれば、購入してもらえる可能性は高いです。
文章に限らず、ネットショップの「接客改善」の考え方ってコツがあるんです。
それは、「ページ修正」とか、「デザイン変更」と思わないことです。「商品ページの文章を書く」という観点から始めると、どうしても、そのページ内に、書きたい・書いておかなければいけない、という情報を載せてしまいます。
しかし、それでは、ページを見て買い物をする側の視点が抜けてしまいがちなので、一方的なメッセージを書いてしまうことが多いのです。
この店を見に来たお客さんにとって、何がどこに書かれているべきか。どこで声をかけられると心地よいか。それを実現するためには、「実際に接客している場面」を想像することです。すると、自然とお客さんが知りたい情報に先回りした、行き届いた接客をすることができますよ。
PS
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この記事を書いた人
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コマースデザイン株式会社 取締役 コピーライター/コンサルタント
ライターからEC業界に転身。商品コンセプト立案やキャッチコピーなど「売れないオリジナル商品」の立て直しを得意とし、ヒット商品を多数企画。中小規模の店に対してわかりやすいコンサルティングを提供しつつ、講演や寄稿も行う。黄色本・マンガ本の著者でもある。
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