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今回は、楽天出店者さん向けのお話です。今年の1月から3月にかけて、楽天RMSで、いくつか「新システム」が登場しますので、まとめてご紹介します。
忙しい方は最初の「要点」だけお読み下さい。これらの動向の「背景」まで知りたい方は、最後までお付き合いください。これらの変化は「楽天内でのガラパゴスな変化」というよりも、楽天が「世の中の変化」に対応した結果だと考えます。なので、実際に新システムを使うかどうかはさておき、「どういう背景からこれらが出てきたのか」を知っておくことは、有益だと思います。できれば最後までお付き合いください。
はじめに
経緯
去年7月に、楽天が新方針を発表しました。今日ご紹介するツールは、この発表で紹介されたものです。
「新方針の発表って何?」という方は以下の記事をどうぞ。
要点
分かりやすくするため、弊社の推測を交えて、大胆に要約しています。正確な情報は、楽天からの公式発表をお読みください。
- R-Message開始(1月)
- 「一斉配信型」メルマガの代替となりうるツール。
- シナリオメールとレコメンドメールの2種類がある。
- 前者はおそらく店舗メルマガの代替。いわゆるステップメール。魅力的だが、高すぎる!
- 後者はおそらく楽天ニュース広告の代替。RPP広告のメール版みたいなもの?
- 楽天アフィリエイトの条件変更(2月)
- 「きちんと商品を紹介してくれるアフィリエイター」を優遇する。
- 特に店舗で対応することはない。アフィリ費用は下がるor同程度の見込み。
- 商品画像1枚目の違反加点開始(3月)
- 例の件です。要対応。詳しくは以前の記事を参照。
- 楽天「商品画像登録ガイドライン」対策まとめ
- R-Chatを会員IDと連携(上半期中にはリリースか?)
- チャットでやり取りするお客さんが会員IDと紐付く
- おそらく、自店舗での購入履歴等が分かります
- 仕様と背景だけ把握しておきましょう
2019年上半期の新システム&ルール
2018年の楽天EXPOで発表された施策が、次々とリリースされます。
R-Messageメール開始(1月)
この1月から「R-Message(アールメッセージ)」がはじまります。 旧来の「一斉配信型のメルマガ」とは違う、メール配信型の新しい販促機能です。
楽天の意向としては、リピート促進の主役を、R-Mail(いわゆるメルマガ)からR-Message(シナリオメール&レコメンドメール)へ移行したい様子。
旧来のR-Mail(いわゆるメルマガ)も存続しますし、有用ですが、楽天としては、配信条件を変更して、あまり使われない状態に持っていきたいようです。(後述)
R-Messageとは?
では、R-Messageとは何か。2種類あり、それぞれ違います。
(1)シナリオメール
『購入3日後に特定の商品を紹介』など、店舗が事前に設定した内容・タイミングにあわせて、メールを自動配信できる機能です。Webに明るい人には「ステップメール」と言ったほうがわかりやすいかもしれません。とても強力なツールです。Yahooショッピングではすでに実装されています。
(2)レコメンドメール(リターゲティングメール)
もう1つは、お客さんの購入履歴などに基づいて、楽天が個別に商品を提案してくれる「レコメンドメール」です。楽天市場が送信者になって、自店舗の商品を配信してくれるので、自店舗のメルマガ購読者以外にも商品を見てもらえます。(ただし、他店舗の商品と一緒に掲載されることになります)
ちなみに弊社(コマースデザイン)が、使えそうなツールとして期待していたのは前者の「シナリオメール」です。が、費用がちょっと高すぎますね。。後者は「メール版RPP広告」と捉えると、扱い方のイメージがつきやすいと思います。
R-mailの配信条件変更とは?
「週1回の無料配信」は今後も有効です。大規模の一斉配信はしづらくなりますね。
- 週一無料配信キャンペーンの変更(2019/3/1開始)
- 現状:開封12ヶ月以内 or 購読開始から6ヶ月以内の読者には週一回まで配信無料
- 今後:開封6ヶ月以内 or 購読開始から3ヶ月以内の読者には週一回まで配信無料
- 意味:「開封されるメルマガが書けない」人はメルマガを出しづらくなりそう
- R-mail配信料の値上げ(2019/3/1開始)
- 現状:0.75円/通
- 今後:1円/通
- 要点:「売れるメルマガが書けない」人は割に合わなくなりそう
「頻繁に開封されるメルマガ」を書ける人であれば、今後も週一の無料配信枠を有効に使えそうです。多分、売るための件名より、コンテンツ性のある「開封される件名」を意識する方が良いでしょうね。
余談ですが、郵送のDMは1通あたり、かなりの額が掛かっていますよね。メルマガも有料販促だと思って、毎回丁寧に書いた方が結果にも繋がりそうな気がします。
背景
メールを使った販促自体は今でも有効ですが、宣伝感満載の「一対多のばらまきメルマガ」が不評です。よくお客さんから「楽天で買い物すると宣伝メールが来る」という文句を聞きますよね(楽天本体のメルマガが多すぎるせいではありますが)。
一方で、「出荷しましたよメール」とか、「〇〇を購入した方限定での新商品モニター企画」のような、セグメントメルマガ(=特定条件を満たす読者だけに絞り込んだメルマガ)は不評ではありませんし、後者はよく売れます。ご存じない方も多いようですが、実は、全配信より「絞った方が売れる」んです。
要は、ばらまきメルマガが嫌われ、「文脈のあるメール販促」は許される・よく売れるというわけです(以前からですが)。ただ、こうしたセグメント配信は、いちいち絞り込みの設定が必要なので、手間が掛ります。
そこで、このシナリオメールの登場により、1件1件、手配信していたフォローメールや、顧客をセグメンテーションをしてのメール販促を大きく簡略化できるようにしよう、ということだと思います。セグメントの手間を削減しつつ、「セグメントと同じようにお客さんの反応が高まる」ことが期待されます。
店側のメリット・デメリット
まずシナリオメールについて書きます。
メリットとしては、「都度都度のセグメント配信」と比べるとラクな点です。いちど設定しただけで自動化されるのは嬉しいですよね。
デメリットとしては、まず慣れるのに手間がかかります。勉強しないといけません。そして、コストがかかります。現時点の発表によれば、掲載リンク1クリックにつき100円です。購入率10%だとすると、1注文あたりの費用は1000円かかります。自店舗のお客さんにリピートしてもらうのに追加費用が掛かるわけです!しかも高い。それでもチャレンジする価値はあるかもしれませんが、ステップメールの威力を知っている人はまだ少ないので、多分このままだと、あまり使われない気がします。せっかく実装したのに勿体ない…。
次にレコメンドメールについてですが、これは、要は広告なので、クリック単価とLTVとの対比でバランスが取れるかどうかです。帳尻が合うなら活用すると良いでしょう。
ちなみに、RPPでもシナリオメールでもレコメンドメールでも、楽天のクリック課金型販促で費用対効果を高めるには、(1)ムダクリックを防ぐ(2)儲かる商品を載せる、のが大切です。
1は、例えばメール文中に金額を明示し、リンクテキストを「続きを読む」ではなく「購入する」等に変えることで「購入する気持ちの高い人」だけクリックするように調整。2は、例えば「まとめ買いなどの高額商品」や「定期購入」だけを載せれば、多少経費が発生しても、売れたらペイ…という感じです。この方針は、RPPで実践している人も多いと思います。
楽天アフィリエイトの条件変更(2月)
次に、楽天アフィリエイトの条件変更です。2月から、アフィリエイターが「店舗にとって心強い味方」になりそうです。
この件については、店側の作業はありません。おそらくはコストアップもありません。ただ、面白い動きなので、内容を把握しておきましょう。
背景
弊社代表の坂本は、昔はアフィリエイターとしてかなり稼いでいたそうです。その経験を振り返って曰く、「楽天やアマゾンのアフィリエイトは『とにかくリンクをクリックさせる』のがコツ」だったのこと。なぜなら、ユーザーにアフィリエイトリンクをクリックさえさせれば、その先どこの店で買われようとも、アフィリエイト報酬を貰えたからです。
しかしこれが今回、大きく変わります。「特定の商品を挙げて、ちゃんと紹介してくれるアフィリエイターを優遇する」方向になります。これにより、「紹介したくなるような商品やお店」は有利になると期待されます。
楽天の意図としては、「消費者(個人ブロガーやインフルエンサー、有力なSNSアカウントなど)からレコメンドされる」ことを重視している模様。今回の調整により「アフィリエイターがきちんと楽天の商品を紹介する」ように持っていきたいようです。
何が変わる?
まず、アフィリエイター向けの報酬の発生条件が変わります。”これまで「リンクをクリック後、30日以内に『なんでもいいから楽天市場の何かの商品』を購入」したら報酬発生だったものが、「リンクのクリック後、24時間以内に、『紹介した商品が買い物カゴに商品が入り』『なおかつ89日以内に購入』」したら報酬発生、に変わります。
同時に、アフィリエイトの最低料率が1%→最大8%に引き上げられます。ここだけ見ると店舗にとっての値上げですが、前述のように「商品が24時間以内にカゴ投入」という条件がセットなので、コストは上がらないはずです。実際、楽天の予測では、96%の店では、アフィリ報酬は増えないor同程度になる見通しとのこと(あくまで見通しです)。
これらの変更により、アフィリエイター側は「何か仕掛けてアフィリエイトリンクをクリックさせれば、本人が何かしら楽天で買い物しさえすれば報酬ゲット」という行為がやりづらくなります。一方、「ちゃんと商品紹介した際の報酬」は格段に上がりますから、「きちんと商品を買い物カゴに入れてもらえるような商品紹介」が促進されるはずです。
ちなみに新料率は商品ジャンルごとに異なり、(利益率が低いであろう)家電やカー用品などの2%から、食品やアクセサリーの8%まで、細かく設定されています。(※2019年4月までは新料率で統一して走り、5月から再び店舗単位での料率変更も再開予定となる模様)
店側のメリット・デメリット
メリットとしては、アフィリエイト費用が減る、もしくは「無駄なアフィリエイト費用」が減ることが期待されます。デメリットはなさそうです。ただ、「本当に費用が増えないかどうか」は要確認ですね。
また、今後の展望としては、対アフィリエイター(というかインフルエンサー)のコミュニケーションが施策として大事になりそうです。「よく自店の紹介をしてくれるSNSアカウントやブログ」は把握できていますか?一度調べてみましょう。すごいヒントが得られる場合が結構あります。
※ただ、インフルエンサー側が、紹介をアフィリエイトリンクにしてしまうと、インフルエンサーの資産である信用が失われそうで。。ちょっと心配でもあります。
商品画像1枚目の違反加点開始(3月)
3月には、いよいよ「商品画像登録ガイドライン」の違反加点が開始されます。2019年2月末までに対応できないと、違反点数が5点加算され、累積点数に応じてペナルティが課されることになります。。
この件は弊社の別記事で、細かく説明済みなので、そちらをお読みください。
ガイドラインの内容から、具体的な対策まで詳しく解説をしています。便利な資料もダウンロードできます(印刷して読むのがおすすめです)。
R-Chatを会員IDと連携(上半期中か?)
2018年に全店導入されたR-Chat(アールチャット)も、機能拡充が色々と予定されているようです。
楽天としては「実店舗みたいな接客」を目指しているんでしょうね。たとえば「チャットに画像添付する機能」も、今後追加予定だそうです。
ただ、今回ご紹介するのは、「会員IDとチャットの連携」です。時期は明示されていませんが、2019年の早い段階で予定されているとのこと。
この機能が追加されると、例えば、チャットで質問してきたお客さんを過去の利用履歴と照合し、それにあわせてメッセージ内容を変えたりできるようになります。(「先日は●●を買っていただき、ありがとうございました、その後どうですか?」的な)
背景
「アマゾンと楽天の対比」を想像するとわかりやすいでしょう。
アマゾンは巨大な自動販売機ですし、直販比率が高いので、店舗(セラー)にチャット対応させることは考えづらいです。(※「お客さんが他のお客さんの疑問に答える」ための仕掛けはありますね。チャットではないですが)
一方、楽天のような「出店型のモール」は大勢の店長とスタッフを抱えているので「お客さんとの店舗との直接対話」の機会を作ることがしやすいです。この違いを差別化にすべく、楽天側としては、「リアル店舗のような顧客対応」を目標としているのではないかと思います。店舗は大変ですけどね。
実際、10年以上前の時代から「問合せを経由したお客さんは(値段に関わらず)購入が決まりやすい」という傾向はあるそうです。人情が影響しているんでしょうかね。
店側のメリット・デメリット
メリットとしてはまず、購入率が上がります。検索結果でのクリック率や、リピート率アップも期待できそうですね。
昨年の楽天EXPOでの発表や、下記の記事によると、テスト運用を行ったお店の約9割で転換率や客単価が上昇したことや、R-Chatを利用している店舗ではすでに効果がでていること、そしてリピーター獲得のチャンスになる可能性などが示唆されています。
楽天サーチの検索結果画面にも「チャット受付中」の表示が出るので、取組んでいる店は、検索結果でのクリック率が上がるかもしれません。そして「感じの良い応対」を経て購入した場合、「またあの店で買おう」と言う心理(人情)を促進し、リピートにつながる…かも。
一方でデメリットは「コスト」と「手間」ですね。コストは最大基本料5000円+会話数に応じた従量課金。
そしてそれ以上に手間がかかります。「チャット対応リソースの確保」が大きな壁だと見ています(組織でやってる店ならまだしも、1人店長は大変)。
いかにテンプレを作って効率化しつつ、好印象を残すか。一次対応する人で分からない質問を、どうやって他の人に移管するか。コールセンターの運用に似ていますね。
大きな背景
これらの動きを俯瞰すると、「ばらまき」から「個別化」へという流れが見えてきます。従来型のばらまき販促から、1to1的な、個別化された販促へと移行しようとしている感じです。
これらのツールを使うかどうかは別にして、本件の背景にある「重要な変化」については、ぜひご理解を頂きたいです。
お客さんの行動変化
この数年、消費者の行動や生活が劇的に変わりました。今回の楽天の新システムは、これらの変化を踏まえたものだと言えそうです。
ちょっと長いですが、「時代の変化」を頭に入れるために、ぜひご一読下さい。
「時短」が求められ「ばらまき」が嫌われる
スマホが普及して、誰もが常にインターネットに繋がっている。でも一番見ているのはSNS(=自分に向けられたメッセージや、知人や好きな人の情報を読んでいる)。スマホとSNSの影響で、人々の「可処分時間」がどんどん削られ、色んなメディアの接触時間が低下しています(=テレビも見ないし雑誌も読まない)。無料コンテンツもいくらでもありますよね。
結果、流れてくる情報量は増え続け、それら1つ1つに費やせる時間も相対的に短くなってきています。最近は余計な時間は掛けずに、パパッと必要なものを買いたい人が増えてきているように思いませんか。(ご自身のことを振り返ってみても、少なからず、こうした傾向があるのではないかと思います)
もちろん、検索を駆使して、じっくり調べて買ったりもします。あるいは、誰かがSNSで勧めているのを見て反射的に買ったりもします。ただ、これら2つ(検索リサーチやSNSを経由した購入)も、「誰かの経験を参考にして買っている」という点で、やっぱり時短型消費のような気がします。
こういう心理になっている消費者は、「相手を無視したばらまき販促」には拒否感が強まっていきます。昔からそうなんですが、最近はなおさら拍車が掛っているように思います。
「体験」と「繋がり」の価値が高い
情報が溢れかえると、相対的に「体験」の価値が上がる…というのはもはや当たり前の話ですが、この「体験」を拡大解釈すると、「自分と繋がっていることの価値が上がる」とも言えます。
たとえば、色んな人に「好きな都道府県ベスト10」を挙げてもらったとします。北海道や沖縄のようなブランドのある地域を除くと、大抵「自分の出身地」か「行ったことがある」「縁がある」地域ではありませんか。このように「繋がっている」ことが、価値の上げ下げに影響するわけです。
ちょっと拡大解釈かもしれませんが、「購入体験」や、チャットなどの直接接客を通した「個別化された対応」を体験することへの価値が高まっているのではないでしょうか。
また、SNSを通して「自分の知人や好きな人を通して商品や店に接触」したり、訪れたネットショップで、(チャットで)店員さんとやり取りする経験は、「広告や検索経由でのデジタルな接触」と比べると、「繋がり」を伴っている分、数字としては同じ1PVでも、全く違う重みになるのではないでしょうか。
道具をアップデートして、売り方を変える
上記の時代的な変化を踏まえ、出店型のモールがこれからの時代に対応するためには、「バラまき販促」から「個別化されたメッセージや体験」へとシフトする必要があるのではないかと考えました。
実際、この記事で紹介した楽天の各施策を「ばらまき→個別化」という軸で整理してみると、キレイにまとまります。
ばらまき(旧型) | 個別化(新型) | |
---|---|---|
メルマガ | 数撃ちゃ当たる「一斉配信」 | 「購入体験」を細かく設計する 「シナリオメール」 |
アフィリ | 数重視の「とにかくリンク型」 | 紹介者の信用を活かす「紹介型」 |
店内回遊 | 膨大な商品と情報を載せて 「無人セルフサービス」 |
対話しながら案内し、売上と信用を得る 「有人チャット接客」 |
商品画像 | 膨大な情報を画像に詰め込む 「大盛り型」 |
情報量を抑え最優先事項だけ伝える 「ひとくち型」 |
※旧型と新型の対比を分かりやすくするためにちょっと極端に表現しています
前述の説明を踏まえると、あきらかに1つの傾向がありますよね。なので多分、楽天側としては「今の時代に合わせて店舗の接客力を発揮して貰う」ためにツールを作ったのかなと。ただ、お金も欲しいから有料にする…のかなと思います。
ただ、シナリオメール機能は魅力的ですが、現状は高すぎますね。。残念です。
忙しい。どのように向き合えば良いか?
楽天としては、店舗の接客力を引き出して、アマゾンに対抗したいのではないかと思います。
ただ、店舗は忙しい。「"時代が変わった"と言われてもねえ…」という方に向けて、Q&A形式で説明します。
興味を持とう
Q. 楽天のためだけに細かい対応する気がしないんだけど?
A. これは「楽天の細かいマニアックな独自の工夫」ではありません。世の中全体の流れなので、ツールを使うかどうかは別として、「方向性や概要は把握しておく」と良いと思います。
チャット接客も、自動接客も、むしろWeb全体で見ると以前からある動きです。たまたま楽天がやっているから、つい色眼鏡で見てしまいますが、世の中全体の流れなんです。
ただ「全力投球でガッツリ取り組みましょう」とは言いません。楽天でこれらの施策に取組んだとして、実際に効果があるかはまだ分かりませんし。R-Chatは中々浸透してませんしね。。まずは「把握して、ほどほどに試してみる」のがいいかなと思います。
仕事を増やさずに「重点を変える」
Q.でも忙しいんだけど…
A. まず仕事を減らしてみませんか。その上で、試してはいかがですか。
手元の仕事を振り返ってみてください。忙しい方に対してこれを言うのは申し訳ないのですが、もしかしたら結構省けるところがあるかもしれません。以前より費用対効果・手間対効果の落ちた作業が色々あるはずです。まずそれらを削って、余力を作って、その上で触ってみるのが良いと思います。
たとえば「セールイベントに毎回律儀に乗っかる」人は減ってきています。「安売りと広告をやめて、利益率を上げたら、販売個数が減って利益が増えて、仕事の全体量はかなり減った」という話もよく聞きます。スマホ主体の時代ですから、商品ページももう少しシンプルに作れると思います。
これら新ツールへの対応とは関係なく、身軽になっておくことは必要だと思います。業務効率化については、以下の記事に、代表が色々書いていますので、効率化に興味がある方はあわせてどうぞ。
おわりに
一般論として、「戦略」はあまり変わりませんが、「いま有効な戦術は頻繁に変わる」ものです。つまり「従来型の戦術」は徐々に費用対効果が落ちていきます。
たとえば昔はライバルが少なかったら商品登録しまくれば売れたので、商品登録戦術が流行りました。しかし今では「単に商品登録しただけ」では、必ず先行する競合がいるので、登録するだけでは中々売れませんよね。どこかで見たような商品ページを作っても、似たような商品で似たようなページを作っている競合がいます。
つまり、商品登録やページ制作のスピードが早くても、その効率は、昔ほどには業績に結びつかなくなっています。
そこで、新しい戦術が登場するわけです。まだ効果があるかどうかは分かりませんが、「世の中の変化に対応しようとして楽天がひねり出してきた施策」なので、観察し、学んでおくことは有益だと思います。ただ、今のシナリオメールの料金設定は高すぎると思いますけどね…(しつこい)。
なので、楽天以外のモール対応も色々あると思いますが、世の中への対応と思って前向きに取り組んでいきましょう。
ということで以上、色々と理想を述べてしまいました。書きながら「実際に店をやってないから言えるんだよ」と思われてそうだなあ、と感じます。
でも弊社は、皆さんに理想だけ述べるのではなく、なんとかお手伝いをしたく考えています。私たちは、こうした変化に対応するためのアイデアや観点を、2019年も引き続き、発信し続けていきます。ネットショップ関係者の皆様のお役に立てるよう、スタッフ一同、頑張って更新していきます!
今年も宜しくお願いします。
P.S)相談相手が欲しい方へ
弊社のコンサルタントがお力になれるかもしれません。
私たちも明確な答えを持っているわけではありませんが、一緒に考えることはできます。色んなお店を見ていますから、成功パターン失敗パターンもある程度は知っています。ご興味ある方は以下のページをご覧頂き、お気軽にご連絡ください。
この記事を書いた人
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コマースデザインは、EC事業のコンサルティング会社として、ECのお役立ちツールやECコンサルティングを提供しています。全サービスの累計支援先企業は23,000社を突破しました。「色々な個性を持ったお店が数多くあり、お客さんに豊かな選択肢があるEC業界」を目指し、中小ネットショップ事業者の皆様の「強み」を引き出す支援を行っています。
詳しくは、コマースデザインについてをご覧ください。
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