こんにちは、川村トモエです。
ネットショップで使う文章には、大きく2種類あります。商品のアピールや売り込みに使う「セールスライティング」と、お客さんとのやりとりに使う「コミュニケーションライティング」です。
前者は言わずもがな、販促全般に関わる文章。後者は問い合せ対応、サンクスメール、フォローメールなどメールでのやり取りから、同梱チラシやQ&Aなど、幅広く使う文章です。
同じネットショップ運営に使う文章とはいえ、この2つの性質は大きく違います。今回から2回に渡って「コミュニケーションライティングについて」ご説明します。
※この記事は、筆者が「ネットショップ担当者フォーラム」に寄稿した内容を加筆・修正したものです。
今こそコミュニケーションを見直そう
特にネットショップ運営歴10年以上のベテランの方は、ここらで自店舗のコミュニケーションを見直してみることをお勧めします。創業当時とは随分状況が変わっているからです。
昔と比べてネットショップの数が増え、楽天市場などのモールでも、以前よりもユーザー対応が重視され、対応の良し悪しが検索結果にも影響すると言われています。
品揃えや価格だけでなく、お客さんの満足度向上やトラブル回避など、サービス面でも他店と明確に比べられることが増え、買い物情報の伝わりやすさ、分かりやすさはとても重要になってきています。
「コミュニケーションを見直す」と言うと、おもてなしや心地よい接客など「お客さんのために(自分が)してあげたいこと」が出てきがちですが、今回の見直しの目的はそこではありません。
今の状態でお客さんにとって必要な情報が伝わっているかどうか。あくまでも伝え方に絞って見直していきます。
一番手っ取り早いのはメールです。以下、問い合わせなどへの返信メールを例に見ていきましょう。
良いメールは白と黒のバランスが良い
まず、メールで一番重要なのは「見やすさ」です。
見やすいメールは、白と黒のバランスが良いです。黒は文字、白は余白のことです。見にくいメールは一目でわかります。白か黒、どちらかに偏っています。どちらかに偏ったメールは、読みにくいものです。
こんな「黒」はありませんか? チェックしてみましょう
かつて(5年位前まで)は、書き込みすぎた黒いメールが多かったです。顔文字や、罫線など、メールの装飾も多かったですよね。それらを含め、本文となると、結構ガッツリ書き込んでいた方も少なくないはずです。当たり前ですが、文字が多いと、重要な情報が埋もれがちになり、見にくく、伝わりにくくなってしまいまうものです。
- (1)一文が長い……句読点で区切られないので文字が多く、黒い部分が増える。
- (2)改行が少ない……文字列が並んでいると、余白が少なくなり黒い部分が増える。
- (3)罫線などの文字修飾……内容と関係ない罫線での装飾は、親しみを込めたつもりでもメールを黒くするだけ。
- (4)過剰な敬語……お客さんへの敬意を示すにしても程度問題。「です」「ます」レベルの適切な丁寧語であれば失礼にはなりません。
これらはメールを黒くする元凶なので、できるだけ減らしましょう。減らすと見た目がすっきりするだけでなく、内容も伝わりやすくなるはずです。
逆に「白」すぎてもダメ!無駄な改行も読む気をなくす?
大丈夫!全然書き込まないで、メールの余白をばっちりとっているから!という方も少なくないと思います。
そうです。今は、購入率も、PCよりもスマホの方が圧倒的に高い(PC2:スマホ8という勢い)時代。メールも当然スマホで読みますから、既にスマホ対応済!ということも多いでしょう。スマホの場合、機種や文字サイズ設定にもよりますが、デフォルト文字サイズの場合は、だいたい一行19文字~20数文字程度。
こまめに改行して、読みやすくしています、という方にこそ気を付けてほしいのが、「白すぎるメール」です。
こんにちは! 川村園の、川村です。 もうすぐ夏! ですねーー! 実は、夏に合わせて、 今回、当店では、、、、 新商品が登場しました!
例えば、こんな感じで、
- 一行の文字を少なく
- 改行を多く
と、意識していると、結構「白い」画面になります。
黒いよりは読みやすいですが、改行の分、縦に長くなるので、読んでいる方としては、スクロールが面倒になってくるんですよね。なので、最後まで読まず、離脱してしまうことも少なくありません。
あらためて、「今」の見え方のチェックを!
古き良きメルマガ時代(署名欄に凝ったり、顔文字を多用したりしてコミュニケーションを計っていた)のメールテンプレをそのまま使っている方は、ぜひ、メールを自分のスマホに送って、表示を確認してみてくださいね。
PS
弊社コンサルティングでは、売上アップ施策の一部として、こうした「コミュニケーション・ライティング」コツなどもご提案しています。「相談相手がほしい」という方は、以下のページからぜひご連絡ください。
この記事を書いた人
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コマースデザイン株式会社 取締役 コピーライター/コンサルタント
ライターからEC業界に転身。商品コンセプト立案やキャッチコピーなど「売れないオリジナル商品」の立て直しを得意とし、ヒット商品を多数企画。中小規模の店に対してわかりやすいコンサルティングを提供しつつ、講演や寄稿も行う。黄色本・マンガ本の著者でもある。
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