この記事は、公開から1ヶ月以上経過しています。弊社では他にも記事を公開しています。このジャンルの最新記事はこちらのページからご覧ください。
メリークリスマス!コンサルタントの味藤です。
2019年も、もうすぐ終わりですね。今日のブログは、久々の楽天市場ネタです。
今年一番のトピックは、言わずもがな「全店舗での送料無料ライン統一化」でしたが、つい先日、来年2020年3月18日から施行されるとの発表がありました!楽天出店者の方は、この大きな変更へどう向き合っていくのか、いよいよ本腰を入れて対応しなければいけないですね。
とはいえ、日々の運営は続くもの。ショーだけでなく、商売も、「マストゴーオン」です。
こうした大きな出来事に振り回されながらも、毎日の店舗運営はできるだけ楽しく効率的に行いたいものですよね。
そこで、元楽天店長の私味藤が、
2019年にRMSでリリースされた新機能の中から「コアだけど実務に超便利」なものをピックアップしました!
既にリリースされているものなので、もう活用している方もいらっしゃると思いますが、見落としている機能がないかどうか、ぜひチェックしてみてください。現場の皆さんの店舗運営がちょっとでもラクになりますように。ささやかなクリスマスプレゼントになれば幸いです。
ネットショップの職種を(企画運営/オペレーション/商品管理)と分けてそれぞれご紹介します。
「企画運営担当者」向け!データ分析に使えるオススメ機能
まずは、経営者、店長さんをはじめ、販促企画を担当している方にオススメの、データ分析機能から。
企画を検討するには、まずデータを見ますよね。
「購買ファネルレポート」と「商品分析機能」のリリースで、「客層の全体感」と「商品ごとの詳細」が確認しやすくなりました。
それぞれの詳細とオススメの活用方法をご紹介します。
(A)お客さんが見える化できる「購買ファネルレポート」
店全体での客層分析ができるのが「購買ファネル※レポート」です。
※「購買ファネル」とは、マーケティング用語で、消費者が購入するまでの意識の変化の段階を示したものです。「ファネル」とは漏斗のことです。逆三角形の形をした器具なのでその形状に当てはめて使われています。
これまでRMSでは、「来店したのは何人で、そのうち購入したのは何人」といった『結果』しか確認できませんでしたが、「店に来ているお客さんが、どういう状態の人か?」が見えるようになりました。具体的には、以下のようにお客さんの「興味の度合い」毎に、4つのレベルに分けして人数を把握できます。
認知 :商品を1回クリック 興味 :商品を2回以上クリック、お気に入りに入れた、買い物かごに入れた 購入 :商品を購入 リピート :商品を2回以上購入
例えば、居酒屋さんをイメージして下さい。同じ「来客20人」だったとしても、偶然店に足を踏み入れたお客さんが多い場合と、常連さんで賑わっている場合とでは状況が違いますよね。
ご新規さんの多い場合は、店の説明や、「名物」を紹介して店を知ってもらうための接客が必要になりますが、常連さんには「今日は○○さんの好物のほやが入荷したけど、どう?」など、お客さんに対する既知の嗜好に合わせた接客をしたりするものです。このように、客層によって必要な接客は変わりますよね。
ネットショップの接客や販促施策も同じですから、
自店舗に来店したお客さんの「興味の度合いや状況」を確かめて、何をすべきかを考えましょう。
味藤オススメ。3つの活用方法
こんな感じで考えると、使いやすいよ、という3つの例をご紹介します。
1)「認知」のお客さんを「興味」に引き上げ、見込み客を増やす
「認知」レベルのお客さんが多い場合は、商品や店に興味を持ってもらえるまでに至っていません。
そこで、より店内の他の商品を見てもらったり、店を覚えて戻ってきてもらうような施策が必要です。
2)「興味」から「購入」に移動しない場合は、情報を追加し売上UP
「興味」から「購入」に移動しない場合は、あと一歩、購入を後押しするような情報を充実させてみましょう。
また、なにか不安があり購入に躊躇しているかもしれません。お客さんが安心して買い物できるような情報を整えておきましょう。
3)実施した施策の効果を測る指標とする
また、実施した販促施策によって、お客さんの興味レベルが変化したかどうかを検証することができます。
これまでのデータと違い、実施した施策によってどれだけ購入意欲が高まったかを確認できますから、施策の効果検証に使えます。蓄積しておけば、販促施策の効果を測る指標に使えそうですね。
(B)商品ごとの課題が見える「商品分析機能」
これまでのRMSのアクセス分析では、商品ごとの詳細データの把握は、やや手間でしたが、今回のリリースによって商品ごとのデータが楽に把握できるようになりました。
具体的には、以下の3つが見られます。
1.商品単位でのデバイス別アクセス/転換データ
(スマホは「楽天アプリ」を経由したユーザー数も、区別して確認できるように!)
2.商品単位での「新規」や「リピート」別の購入件数
3.商品ページの「訪問数」「未購入者数」
「各商品に適した対策」を実施しよう
商品によって売れ方が違いますから、「商品」単位でのデータを確認できると、各商品に適したな対策を打てるようになります。今まで、肌感覚でなんとなく感じていたことも実際の数字で見ることで精度が上がります。
例えば、その商品のアクセス数が少なければ、集客対策をしたり、もしくは取り扱いを減らす検討も必要でしょう。また、アクセスが良いのに転換率が悪い商品があれば、価格やページの見直しが必要ですよね。
商品ごとに細かくデータを見ることで、「売れる工夫」をしやすくなりますよ。
「オペレーション担当者」向け!受注周りの業務効率UP機能
続いて、受注を中心とした「オペレーション」を担当している方にオススメの「効率化」できる機能です。
これまでは店舗独自の工夫で対応していたことが、RMSの機能で補えるようになっているかもしれません。
例えば、このあたりを効率化できるかも。
・注文後の「配送情報変更」対応の手間
・お客さんの「確認漏れ」
活用できそうなものは取り入れ、よりシンプルなオペレーションを目指しましょう。
注文後の「配送情報変更」対応の手間をカット
RMSの「送料設定」でできることが増えています。この1年間で、このような変更がありました。
・商品ごとに地域別送料の設定が可能になった
(「本州は送料無料だが、その他地域は送料400円」などの設定が可能に)
・1つの配送方法に、複数の配送会社を設定出来るようになった
(例えば「宅急便」という配送方法に、「クロネコヤマト/佐川急便/日本郵政」など複数会社を登録できる)
・クール便の登録で「冷蔵」と「冷凍」を分けて扱えるようになった
(これまでは冷蔵も冷凍も一律「クール便」だった)
これらにより、お客さんへの注文後の確認や連絡を減らすことができるはずです。
また、商品ごとに地域別送料の設定が可能になったことで、送料設定の自由度が増し、利益管理がしやすくなったはずです。
来年の「3,980円の注文で送料無料に統一」の施行によって、送料や値付けを大きく見直すことになるでしょうが、その際もこうした設定ができる機能があることは、頭に置いておきましょう。
お客さんの「確認漏れ」を無くせる
また、リリース日程は未定ですが(※)、項目選択肢がバージョンアップし、「自由記入」機能と「選択必須設定」機能が加わります。
この機能があると、名入れなどオーダーメイド商品を扱っているショップや、「事前にお客さんに確認して欲しいこと」があるショップで助かるはず。
※12/17(火)にリリース予定だったのが、不具合により延期となってしまった・・・楽しみに待ちましょう。
例えば、これまで備考欄やメールで確認していた項目を、購入時に事前入力してもらえるようになります。
例)「名入れ」や「メッセージカード文言」、その他要望など
お客さんに選択して欲しい部分を注文前に「必須化」できれば、受注担当者にとっては大いに助かりますよね!
例)「注意事項の同意依頼」など
「商品管理担当者」向け!タグの見直しや経費管理にオススメの機能
最後に、商品の登録管理や、値決めを担当している方が、チェックしておくべき機能を2つご紹介します。
これにより、
・「タグID」の間違いチェックや抜け漏れ、が察知できる
・現在の「配送実績」を自動算出できる
といったことが可能なので、業務改善が期待できます。
「タグID」の間違いチェックや抜け漏れ、が察知できる
「商品別タグID情報リスト」が提供されました。
このリストでは、自店舗の商品に、今現在どのような種類のタグを登録しているかを一括で確認することが出来ます。
既存の商品情報CSVでは、「タグID(7桁の数字)」しかダウンロードできず、目視しただけでは、結局何のタグIDを登録しているのか、判別出来なかったんですよね^^;
それが、このリストでは、上図のように「タグ名」も確認できるようになりました。
これを活かし、タグIDの付け間違いチェックや、タグ登録の漏れがないかを見直せます。
タグID間違いをすぐに直せる
リストのタグ名を確認し、万が一タグ設定のミスがあるものは、すぐに修正しましょう。
重大なタグ設定間違いによって、楽天からの指摘を受けている店も多いです。
大概は注意喚起に留まるようですが、放置するなど悪質と認定されてしまうと、重いペナルティが課せられてしまうケースも。きちんと運営している方がまさかの落とし穴に填まらないために有益です。
タグ登録の抜け漏れを察知できる
また、リストを眺めている中で、「商品Aに登録しているタグが、商品Bには登録されていないではないか!」など、タグIDの抜け漏れを察知できるかもしれません。
タグIDの設置漏れがあると、集客に致命的な穴が空いてしまうので(※)、商品に該当するタグは出来る限り登録していってください。
※
近年の楽天モール内検索では、検索結果に「タグによる絞り込み」が紐づくシーンが増えてきています。
例えば、「あまおう」で検索した場合・・・
お客さんは「産地・福岡」「のし対応可能」などでの絞り込み検索が出来ますが、この検索結果に表示される商品は、これらのタグが設定されている商品のみ。
つまり裏返すと、タグIDを設置していないと、集客機会を逃してしまうことになるわけです。
現在の配送実績を自動算出できる
「都道府県×配送方法別 月次受注件数データ」が、RMSでダウンロードできるようになりました。
これまで手元で集計していた人にとっては、朗報です。
・どの地域からの注文が多いのか?
・どのぐらいの梱包サイズが多いのか?
といった、現在の自店舗の配送実績は、経費管理に重宝するはず。
また、来たる「送料無料ライン統一」に向け、商品価格や送料の見直しを行う際の情報としても役立ちます。
「送料無料ライン統一」施行後に、商品の売れ方が今とどう変わっていくかを想定し、売り方(※)を組み立てておきましょう。3月はすぐです。
※売り方について、考えておくべきこと
・商品の価格設定はどうする?
・送料が高くなる地域への発送をどうする?
・送料が高くなる商品の販売をどうする?
など
おわりに
いかがでしたか?
今の業務の改善に繋がるものが見つかったとしたら、何よりです。
なお、今回ブログで扱ったような機能追加の案内は、楽天出店者向けの「サポートニュース」で、毎週大量に通知されていますよね。ただ、今回初めて知った!という方も少なくないのではないでしょうか?日々の業務で忙殺され、こういったキャッチアップが間に合わないのはよくあることです。実際私自身、楽天店長時代はこうした情報は追いかけ切れていませんでした。
ニュースは分かりづらく読解が大変ですし、また玉石混交で「別に今見なくても良い」ような情報もあるからです。ですが時々、インパクトの大きいお知らせが紛れ込んでいたりするのですよね^^;
そのため、当時は「周りの店長人がザワつきだして初めて知る」という情報が多かったです。。でもそれだと、一歩出遅れてしまうんです。そして、いつも慌てて対応する羽目に・・・「忙しい→対応が後手になる→さらに忙しい」の悪循環でした。
例えば、こんな情報もお届けしています
当時の経験も活かし、当社のコンサルティングでは、こうした新着ニュースの中から「運営者が知っておくべき」重要度の高い情報をピックアップし、店が何をしたらよいのかを分かりやすく解説しています。
クライアントさんの中には「この情報が届くだけでも、かなり助かっている」という人もいるほどです。
解説付きで情報が届くことで、いちいち右往左往しなくなりますし、ヘビーなテーマの時には、担当コンサルタントがじっくりご相談に乗り、一緒に乗り越えますので安心です。
その他にも、当社がどんな支援をしているか、興味をお持ちいただいたら、こちらをご覧ください。
この記事を書いた人
- 有名EC企業にて、店舗の立ち上げから店長まで一連の運営業務を経験し、実績を重ねる。その後、食品メーカーに転職、衰退した人気店の建て直しに尽力。2年間でアクセス数4倍、転換率2倍とし、再成長させる。メーカー型、仕入れ型、大規模、小規模共に経験している守備範囲の広さが強み。ネットショッピングが大好きで、女性ならではの柔らかい物腰の中に、鋭いお客目線が光る。