【ECへのコロナの影響】服やセレモニー用品は売れない。では、どんな商品が売れる?需要がある?

コロナウイルスの影響で何もない棚

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弊社は日頃、中小規模のEC事業者・ネットショップのお手伝いをしているわけですが、お話ししていると、中小ECの仕事のいろんなところに「コロナウイルスの影響」が出ているなーと思います。

たとえば新入学・新生活のシーズンは、入学準備用品、セレモニー用の洋服(ママスーツなど)、送別ギフトなどが動く時期ですが、いまは売れないですよね。そこで今回は、こういうものが売れなくなった・・こういうものが売れてきているといったメモを書き出して、簡単にまとめてみました。

あくまで個人的な経験と観察に基づく話で、統計に基づいたことではありませんが、何かのご参考になれば幸いです。

現状の振り返り

皆さんよくよくご存知かと思いますが、まずは、新型コロナウイルスが商売に与えている影響をざっとおさらいしてみます。そのあと、各論へと入ります。

私の近所

私は千葉に住んでおります。こんな感じです。皆さんもお困りかと思います。

コロナウイルスの影響で何もない棚

マスク、消毒液、除菌商品の欠品。デマから広まったトイレットペーパーにティッシュペーパー、オムツ、生理用品など紙類の買い占め、備蓄、子どものお昼用のラーメンや冷食も品薄状態。楽天のランキングも様変わりしてますね。

何が起こっているのか?

いわずもがなですが・・新型コロナウイルスそのものから派生して、政治判断(一斉休校や外出自粛など)に展開。2月後半からのほんの数週間で、各種イベントの自粛、児童・生徒の自宅待機へ。ウイルスそのものよりも、外出・イベントの自粛が、影響として大きいように思います。

「屋形船やビュッフェなどを経路とした感染」というエピソードも相まって「外出」を避ける傾向が顕著になり、市場環境が、いわば「巣ごもり」の市場へと、急速にシフトしました。

また、中小事業者の業務環境としては、「子どもが休校で出勤できない」というスタッフさんがいたりすると、売上への影響のみならず、業務やシフト管理も大変ですね。

売れなくなりそうな商品

コロナの影響で落ちてきそうな商材について、思いついたものを書き出してみました。倒産も増えてきているようです・・。

冠婚葬祭(特にハレ)

結婚式やお祝いの席など、人を集めて行う、いわゆる「宴(うたげ)」は、すっかり敬遠、自粛ムードです。新型コロナウィルスの影響で卒業式・入学式の中止や延期を発表した大学なんていうニュースも見かけました。

卒入学、ブライダル、セレモニーなど。特に卒入学は、児童や生徒の自宅待機の影響で中止や変更が相次いでいます。「中止されるセレモニー・イベントで使われるはずだった商品」は売れなくなります。

  • フォーマルスーツ
  • フォーマルな服飾雑貨
  • お花
  • ギフト商材
  • パーティー用の食品
  • 装花

生ものはキャンセルされると対応に困りますよね。。

あとレンタル系・・大学の卒業式用の袴のレンタルもキャンセルする、した、といった話も聞いています。こういった、事前予約を取っている商品の場合は、キャンセルが相次いで、その対応に追われるケースも想定されます。

イベント

政府の自粛要請もあり、スポーツや文化などのイベントや興行の中止も相次いでいますね。
スポーツやコンサートは、無観客試合で応援に行かない。

  • イベントに使う飲食
  • 応援グッズ類
  • 百貨店などでの催事イベント

会社説明会、商品発表会、フーデックスのような商談イベント、展示会も軒並み中止。

  • 商談機会の減少

小さな個人間での飲み会やパーティも中止。お花見も中止。

  • イベントで使われるようなパーティグッズ類
  • お花見で食べるような飲食類、包装品
  • レストラン(仕入れてもらえなくなる

「人が集まる場で使われるはずだった商品」は売れなくなりますね。

旅行

卒業旅行や、出張のキャンセル、自粛も増えています。

旅行先での罹患を恐れたり、そもそも旅行先の施設が休業した等の影響で旅行中止がかなり増えているはず。たとえば東京旅行しようとしていても、スカイツリーもディズニーランドも上野動物園も休業という状態なのです(全国的に3月16日から営業再開する動きもあるようですが)。

また、国内のみならず海外渡航にも影響。渡航制限や、アジア人差別等の問題も発生していて、心配して中止という人も見かけます。

こうした動きが続くと、旅行グッズにも影響が出ていそうです。

  • 旅行を想定したスーツケース
  • バッグ・ポーチ
  • トラベル用品・・クッションなど
  • カー用品など?

惣菜系の食品

政府が自粛要請した影響で、取り分けやビュッフェスタイルの食事需要が落ちる見込み。

実際に街でも、パン屋やドーナツ屋が「トングでのセルフサービス」をやめて1つ1つ個包装で販売したり、お惣菜バイキングにフタがついたり、という動きもでてきています。個包装などの設備需要は増えるかもしれません。

この観点を広げてみると、通販でも、こうした動きを受けて、商品の発送方法や梱包方法の見直しがお客さんの安心につながるかも・・しれません。

身だしなみ用品、服など

巣ごもり・在宅で外に出なくなるので、外出用のアイテムにも影響がでそうですね。例えばテレワークや子守で外出頻度が減ると、休日の在宅スタイルでいる時間が長くなるはず。女性ならメイクが最低限になったり、男性でもひげを剃らない、ヘアスタイルを整えない、とか・・?

服だって、部屋着に毛が生えたくらいだったり、何ならWEB会議でも上半身だけちゃんと見えればよかったりしますしね。となると、当然スーツやシャツを着る機会が減るでしょうし。季節が変わっても、「新調する理由がないから、新たに買わない」とか。このへんは想像ですが、該当する人はちょっとアンテナ立てたほうがいいかもです。

伸びてくるもの

逆に、売れてきているものについてメモします。
が、後半になるに従って想像がメインです。信じるか信じないかはあなた次第です。

「リアルで買うはずだった商品」をECで買う

例えば、こんな記事があります。

詳しくはリンク先にあるとおりですが「実店舗に行かずにECで買っている」という動きですね。ECだけでなく実店舗もやっている、という方からは「ECはまだいいけど、実店舗の売上が激減」という話を聞きます。

免疫に良さげな食品

マスクや手洗いのような外側だけでなく、体の中からウィルス対策しようとするお客さんが多くいます。

  • 納豆や味噌やヨーグルトなど(発酵食品)
  • マヌカハニーに代表されるはちみつ

実際に私の近所のスーパーでは、キムチとか納豆がかなり売れてまして、何故かと言うと腸内環境を整えて免疫力を高めると「信じられている」からです。実際にSARSが流行った時も、納豆食べてた人が免れたみたいな話があったみたいですね。

個人的な経験則ではあるのですが、大体「60歳以上の人の言動」を観察しているとヒントになるかもなあという気がします。実際よくそんなお話をされているからです。

備蓄・防災用品

デマの影響もあり、トイレットペーパーやオムツ、生理用品が品薄になるほど売れています。もう品薄は解消されつつあるようですが、この一連の動きはウイルスそのものへの対策とは別に、「買えないことを不安視」しての動きだと言われていますね。

今後、こうした品薄経験を経て、備蓄を見直す動きが強まるかもしれません。ただでさえ自然災害も増えていますからね。紙類だけでなく、食品や防災用品などでも備蓄の見直しが進むかもしれません。(2019年の台風でも、カップ麺や水の欠品があいつぎましたよね)

テレワーク用品

時差勤務やテレワークが増えましたよね。私もいま、在宅で仕事をしています。現在、弊社は一部メンバーを除き在宅勤務中心にシフトしています。スムーズにシフトできたように思います。この話はまた追って書きますね。

テレワークが浸透したことで、自宅にミニオフィスを作る動きが加速するかも。ここまでテレワークが浸透してくると、一度試して便利だったら今後も使いますよね

  • PC周辺機器だと、WEBカメラやマイク、プリンター、ウイルスソフト
  • インテリア系でも、オフィスチェアやデスクなど大型家具
  • スリッパやクッション、デスク照明など小物家具も?

事実、弊社メンバーは「自宅の椅子が痛い、やばい」ということで、自宅用オフィスチェアの需要が急増しています。

派生して、想像ですけど、リラックスアイテムとして、アロマ系商品も需要が期待できるかもしれない。また、スーツやシャツの代わりに、「部屋着のようにリラックスして仕事ができる服」のニーズも伸びてくるかも・・

子供の留守番対策

学校の一斉休校により、子供の留守番が増加。子供の自宅自習から暇つぶし、食事、見守りまで需要が増えるかも。eラーニングや独習教材も、一度試して便利だったら今後も使いそうですよね。

  • 自学用のドリルや参考書
  • 通信教育やオンライン講座ビジネス
  • 室内監視カメラ、連絡用のスマートフォン
  • 火や刃物を使わずに作れる食事
    • 冷凍食品、カップ麺など。
    • 調理器具として自動調理器や、ヤカンの代わりの電子ケトルも

子供と一緒に過ごす需要

一斉休校の影響で、子供と一緒に家で過ごす人が増えますね。
お子さんと一緒に遊んだり、時間を潰したりするための需要が増えるかも。

  • ゲームや絵本などの娯楽品
  • 料理や製菓道具
  • ハンドメイド、裁縫や工作
    • 実際に親子でお菓子やご飯を一緒に作って、SNSにアップしたりという動きもみられる。

特に裁縫は、マスクの手作りニーズもあり、世の中的にガーゼやマスクゴムが品薄になっている状態。家電ランキングでも、ミシンをよく見かけるようになっています。こうした家で過ごす親子にどんな価値を提供できるのか、考えてみるとなにかヒントが見えてくるかも。

おわりに

一刻も早く日常に戻れるように祈りつつ、まとめます。

いつまで続く?

こうなってくると、「必要以外の消費」は冷え込んでくるものです。2011年の震災の時もそうでしたが、自粛ムードが蔓延してくると、本当にまずい。。

これまでに起こったこと、これからやるべきこと

これまでのモノとヒトの動きを、時系列で整理するとこんな感じかなと。

  • 1:ウイルス特需
    • ヒト:最初は「ウイルスこわい」。純粋なウイルスへの不安から、予防
    • モノ:マスク、除菌アイテム
  • 2:不安感からの買い占め
    • ヒト:感染者数の拡大に伴う不安や、正誤問わない情報の流布によるデマなどにより「ウイルスこわい」ではなく、「モノがなくなる不安」へ。また、「ウイルスこわい」も除菌や消毒ではなく、免疫力を高める、とかウイルスに強いと聞いた、あおさや健康食品の類にも手が伸びる。
    • モノ:トイレットペーパー、等紙類、あおさ、健康食品、サプリメント類
  • 3:新しいライフスタイルへの対応需要が発生
    • ヒト:イベントの中止、旅行のキャンセルで娯楽から遠ざかる。満員電車を避けたテレワークの開始、休校措置による子どもの自宅待機など新しいライフスタイルへの対応するためのものが動く。
    • モノ:WEBカメラ、子供と一緒に巣ごもりするための暇つぶし、子供が一人で留守番できるような準備、在宅ワーク準備とか?

個人的には、上記の3が要注目なのかな、と思っています。「テレワーク」や「自宅で楽しむ消費」は、コロナ収束後も続きそうな気がするからです。新しいライフスタイルですね。

このままテレワーク続ける企業とかも増えてくるかもしれないわけで、そうしたときに、「自分のお店は、どんな商品や価値を世の中に提供できるのか」を考え、行動に移すのがいいのではないでしょうか。

※2020/4/24追記:コロナ禍において、中小ECが「考えるべき・やるべきこと」を別記事にまとめました。こちらもご覧ください。

ショップは、お客さんに「安心」や「快適」を提案しよう

多くの人が外出しなくなっているので、ネットショップへの需要は確実に高まっています。扱う商材によっては、思わぬかき入れ時になっている方もいるでしょう。でも、こんな時に張り切って売っては、「不謹慎なのではないか?」とか「便乗商法って思われるかも…」と不安になるかもしれません。

転売ヤーのように、マスクやトイレットペーパーなど品薄品を高値で売りつけるようなことは明らかに間違いです。が、この記事を書いた意図は、「コロナが長続きしそうだからこれが売れるぜ!仕込みましょう」みたいな話では決してありません。

私たちが日頃から接している、良識と真心あるネットショップの皆さんは、もちろんそんなことはしないので、むしろ積極的に「安心」や「快適」を提案してあげていただきたいのです。

たとえば・・前述のテレワーク需要で言うと、こういうニーズに向けて、例えば家具屋さんが「リモートワークにお勧め!省スペースで作れるホームオフィス特集」と案内するなど。

広くない作業スペースで邪魔にならないような、それでいて腰に優しい作業用のワークチェアや、家具類を案内してくれるのは、消費者からするとありがたいことです。店からしても、喜ばれ、社会的意義のある大事なことだと思います。まずは弊社社員が喜びますw

世の中にある「お店」という存在は、世の中の動向や需要に合わせ、商品を意味づけて案内していくと言う役割を背負っていると思います。

がんばっていきましょう!

PS
商売とマーケティングに関わる身としては、まず「世の中がこういう風に動くとこういうものが売れるんだなぁ」と把握する・想像して考えることが大切だと考えています。なので、上記の話を会議室で力説をしていたら、坂本から記事化してと言われてこうなりました。

こんな感じで、困った状況の中でも打開策を考え、ご相談に応じられるよう、弊社メンバーは日々試行錯誤しております。いろんな状況に応じてご支援ができますので、ご興味があれば、以下のページをご覧ください!

この記事を書いた人

コマースデザインスタッフ
コマースデザインは、EC事業のコンサルティング会社として、ECのお役立ちツールECコンサルティングを提供しています。全サービスの累計支援先企業は23,000社を突破しました。「色々な個性を持ったお店が数多くあり、お客さんに豊かな選択肢があるEC業界」を目指し、中小ネットショップ事業者の皆様の「強み」を引き出す支援を行っています。
詳しくは、コマースデザインについてをご覧ください。

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