前回に引き続き、今からでも、自社ECの強化をしたい方に向けて自社ECサイトの基本対策をお伝えします。
前回・前々回は、自社EC強化に向けて、まず最低限やるべきことのお話をしました。
※過去記事はこちら。
- 「自社EC強化道場」シリーズ
- 第1回 自社ECサイトで陥りやすいワナ、まず最低限やるべきことは?
- 第2回 モールではなく、自社ECサイトで買ってもらうための基本対策
- 第3回 モールと同じではだめ!?改善を優先すべき「お客さんに見られるページ」と必須項目とは?
- 第4回 本店の商品ページは、商品だけ紹介してもダメ?「この店で探そう」と思ってもらうには?
- 第5回 まず集客に活用したい、自社の「資源」と活かし方とは?
今回はその次、もう一歩先の、自社ECサイトとモールの違いを踏まえた、改善を優先すべきページと必須項目のお話です。
「そもそも前提となる観点」なので、自社ECサイトをこれから強化したい方も、モールEC運営のベテランの方にも参考になるかと思います。
「自社ECサイトを強化しないと!」という気持ちが焦る一方で、なかなか手がつかない、という方は、このブログを読んで少しずつでも自社ECサイトの強化に取り組んでみてください。
自社ECサイトはトップページとカテゴリページの改善が最優先
さて突然ですが、自社ECサイトを強化したいとお考えのみなさまに質問です。
自社ECを改善する時に、モールと同じ流れで、商品ページを優先して改善していませんか?
トップページやカテゴリページの改善を後回しにしていませんか?
実は、自社ECはトップページとカテゴリページを最優先で改善しなければならないんです。
なぜならば、モールと自社ECでは、お客さんの訪問経路が異なるからです。
具体的には、モールはほぼ100%商品ページから入ってきますが、自社ECは基本的に、トップページやカテゴリページから入ってきます。※
なのでお客さんの流入数が多い、トップページやカテゴリページから最優先で対処しましょう。
※自社ECサイトの構造や売り方によっては、商品ページや特集ページから流入する場合もあるので一概には言えない場合もあります。例えば、SNSから商品ページへの直流入が主の場合等は当てはまりません。
トップページにあるべき要素は2つ
トップページはいわゆるお店の顔です。
なのになんとなく商品のランキングを置いていたり、単に商品紹介をしているだけだったりしてませんか?
とても重要な場所なので、ぜひ以下の観点で改善検討しましょう。
ポイントは、大きく2つです。
- 1.「何をお探しですか?」の振り分けをする
- 2.お店の「自己紹介」をする
それぞれ詳しく解説していきます。
1.「何をお探しですか?」の振り分けをする
実店舗だと、希望の商品にたどり着くために、案内板を目指したり、店員さんに聞くなどができますよね。
ただ通販だと、その案内が不十分なことが多々あります。
また既に「◯◯が欲しい!」と明確に決まっているお客さんであれば、フリーワード検索でたどり着けるかもしれませんが、意外に1つに決まっている場合は多くありません。
なので通販でも、お客さんの求める商品の特徴を聞いて、目的の場所に連れて行ってあげましょう。
対応としては、お客さんのニーズにあった切り口で、該当のカテゴリページに振り分けてあげるイメージです。
具体的には、
- 包丁:自宅用ですか? プロ用ですか?ギフトですか?
- くつ:本体ですか? メンテナンスグッズですか?
- 食品:加工品ですか? 食材そのものですか?
- 雑貨:使う場所はキッチンですか? 寝室ですか? リビングですか?
など。
お客さんの目線になって見てみると、参考になるECサイトがたくさんあると思います。ぜひ探してみてくださいね。
ちなみに我々は普段からたくさんのECサイトを見ているので、良い例があれば社内メンバーで共有しあったり、クライアントさんとの話の中で出しながら、都度参考にしています。
2.お店の「自己紹介」をする
新規のお客さんは、あなたのECサイトのことを知らない場合がほとんどです。その状態でいきなり商品紹介・説明に入ってしまうと、安心感がなく、ここで買いたいと思えず、離脱されてしまう可能性があります。
ですので、お客さんにとってのメリット(安心感)になる、自社のアピールポイントをトップページに分かりやすく載せておきましょう。
例えば、
- 創業◯年、販売実績◯以上の〇〇です。
- 国内シェアNo.1! 業界最安値、簡単見積もり、最短当日出荷
- 実店舗で評価された◯◯! 芸能人御用達です。
- その道◯年の職人の◯◯。1点1点手作りです。
などです。
なお、これらの訴求文言を配置する位置は、商材やお客さんの動きに応じて変わります。奥が深い部分ですね。
具体的にはヘッダーに書く場合もありますし、ファーストビューで見える位置や、ページの中段~下段あたりで控えめにアピールすることもあります。
カテゴリページにあるべき要素は1つ
(モール店でも同じくですが)カテゴリページに、商品が単純に羅列されているだけだと、とても探しづらいですよね。
実店舗であれば、ちゃんと棚にラベルが付いていますし、俯瞰してみればどんな商品がありそうかもわかります。最悪、店員さんに聞けばいいですしね。
ただ通販だとそうはいかないので、ちゃんと対策しておく必要があります。
「ここは何のページで、どんな種類があるか?」をわかりやすくする
なぜならば、どんな商品がこのページ(お店)にあるのかがわからないと、探す気が起きづらく離脱されてしまうためです。
なので、何のページで、どんな種類があるのか?をわかるようにしておきましょう。
具体的には、
- ちゃんとカテゴリページの看板画像をつける
- 扱っている商品種類の絞り込み導線をつける
といったイメージです。
※例:
ソファーのカテゴリページ
引用:LOWYA(ロウヤ)
余談ですが、実はミソなのが、どんな切り口の絞り込み導線をつけるか?です。
というのも、お客さんから見てわかりやすい絞り込み導線でないと、逆に混乱させてしまい、離脱の原因になります。
ですので、『今来ているお客さんは、どんな切り口だとわかりやすいのか?』をぜひ考えてみてください。
もしかしたら、そもそものカテゴリ分けの見直しが必要になるかもしれません。
補足:場合によっては、「お店の自己紹介」も重要です
前述の通り、自社ECは初めての訪問がカテゴリページの場合も多い傾向にあります。つまり、実質カテゴリページが、トップページのような役割をすることもあるからです。
なので、カテゴリページからの新規流入が多い場合は、自己紹介を入れてあげるとより良いです。
まとめ
いかがでしたか? 自社ECサイトはお客さんの流れが違いますので、特に長年モール運営に慣れている方は気をつけてみてください。普段からご自分で、自社ECサイトで買い物をしてみるのも参考になりますよ。
もしトップページとカテゴリページが疎かになっている場合は、ぜひ改善を考えてみましょう!
P.S.
自社ECサイトの本格的運営は、モール店での毎日やらなければならないルーティン業務もたくさんあり、中小ではなかなか手が回らないものです
「自社ECサイトの強化の方法がわからない」「本店とモールの運営を両立したい」「自社ECサイトに割く時間を捻出したい」など、お困りの方はどうぞ弊社コンサルティングをご検討ください。
この記事を書いた人
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コマースデザインは、EC事業のコンサルティング会社として、ECのお役立ちツールやECコンサルティングを提供しています。全サービスの累計支援先企業は23,000社を突破しました。「色々な個性を持ったお店が数多くあり、お客さんに豊かな選択肢があるEC業界」を目指し、中小ネットショップ事業者の皆様の「強み」を引き出す支援を行っています。
詳しくは、コマースデザインについてをご覧ください。
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