2020年 EC業界をふりかえってみる

2020年 EC業界をふりかえってみる

こんにちは、川村トモエです。
いやいや、大変だった今年がやっと終わりますね。
とはいえ、途中すごく早かったような。いろいろありすぎて割と前のことを忘れてしまっている。
そんな今年1年を、独断と偏見で振り返ってみたいと思います。

EC業界ふりかえり、と言っておきながらなんですが、先に言っておくと EC 業界というくくりの中で何かを語るということが正直難しいと思っています。
これは以前からも言っていたことですが、小売りの一手段としての EC なわけで、ネットもリアルも、もはや垣根なし、という状況において、今さら「EC業界」っていうくくりもなんだかなぁ、と思うのですが。ここはあえて目をつぶっていただければ。

ざっくり今年の流れ

さて、さっそく振り返ってみましょう。割といろいろ忘れてるので、思いだしコストが思いのほか高かったです。

まずは、楽天サンキュッパ問題からでした

年始はブログで、ダンコ三木谷、ダンコ豊田の話をしました。

これが1月末。
・・・からのコロナの流行によって、世の中は大きな不安の中に巻き込まれることになりましたね。

  • 一斉休校、
  • マスク、ティッシュペーパーの品薄
  • ECではマスク特需
  • 結婚式や卒入学式入社式等セレモニーイベントの中止
  • リモートワーク、リモート授業への緊急移行

と人の動きが激変しましたね。

そして7月、オリンピック延期。

インバウンドの増加を見越して設備投資をしたホテル、飲食店など。また東京に限らず各地への移動を想定して、ここに向けて生産・仕入れ増などの投資をして回収ができず、苦難に立たされているという方は多いと思います。これって本当に想定外の問題ですからね。つらい。

こういった苦境、苦難は当事者の方はもちろん、聞いている側もつらくなるので、どうしても社会全体がなかなか明るい方向に行きにくくなりますよね。

とりあえずEC、新規参入爆増と、プラットフォーム多様化

  • 外出自粛からの EC 参入の激増
  • 非接触による電子マネー決裁の浸透
  • 置き配の増加
  • 飲食店のデリバリー参入(Uber Eats、出前館など出店者増)
  • ネットスーパー大躍進

各大手スーパーのネットスーパー、oisixなどだけでなく、老舗の生協や、ヨシケイなど宅食サービスも軒並み契約数を増やしているはずです。
私は以前からネットスーパーを活用していますが、当社スタッフの中にも、リモートワーク化に伴う効率化の一環として、ミールキットを注文するようになった、というメンバーもいます。

そして、EC参入数の増加。「30分でショップができる」というBASEは、まず出店してしまうにはうってつけのようで、今月、開設数が130万ショップを突破したようです。昨年の今頃は、90万店舗、というリリースが出ていましたので、40万店舗以上増えたわけです。BASEの場合、個人商店、もっというと、1名運営の比率が72.1%※ということですから、個人レベルの小規模店が大多数なので、開店休業状態も少なくないはずです。とはいえ、数としてはとても多いですよね。かってのアメブロでのブログ開設ラッシュを思いだします。

また、Amazonの対立軸としてカナダから鳴り物入りでやってきたshopifyも、自由度の高いプラットフォームとして、主にD2C界隈の新規参入に人気ですね。

さらに、デジタルコンテンツプラットフォームのnoteにストア機能がついたりと、各サービスのEC連携も進んでいますよね。

※「BASE」オーナーズ調査2020より
https://binc.jp/press-room/news/press-release/pr_20201127

「BASE」のネットショップ開設数が12月8日に130万ショップを突破
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000058.000030814.html

ショッピファイ 日本の流通額増加率が最高
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ081OW0Y0A201C2000000

来年はどうなる?

毎年、当社では年明けは坂本の予言ブログ↓

が、恒例でありますので、来年また坂本からお伝えしたいと思いますが、今見えている流れから少しだけ。

物流を制す者は、ECを制す

はい、またスラムダンクです。(「リバウンドを制す者はゲームを制す」のもじり)

大手はどうしてもここにいきますよね。
人が動かず、しかし動かすモノは増え続ける、、というわけで、やはり運ぶ、動かす、というところが焦点になるのは非常にわかりやすいです。

今年は各社こんなニュースがありました。
プラットフォームは、独自の配送網を強化しつつも、やはり追い付かないので×配送会社の連携をして、強化を図っています。楽天と日本郵便の提携は、ついこの間発表されましたが、来年もこの動きは続くでしょう。

ヤマトとZホールディングス連携
https://www.yamato-hd.co.jp/news/2019/20200324.html
メルカリと日本郵便システム連携
https://jp-news.mercari.com/2019/10/16/release-yupacketplus/
楽天と日本郵便、物流DXで戦略提携
https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1297405.html

ただ、中小規模の事業者にとっては、「よいモノの流れ」に上手に乗れるように自らの商品やサービスを磨いていくしかないですよねー。

来年に向けて思うこと

当社は、今日28日で年内の営業を終了します。

メンバー全員へリサーチしたところ、忘年会はリモートで開催することになりました。(ちなみに、2月以降の月次の飲み会もすべてオンラインで開催してきました)

このサービスを使って、今日は忘年会の予定です。
サービスローンチから4か月で、1,000社が利用しているんですって。

「鬼滅の刃」の映画の興行収入が、「千と千尋の神隠し」を超え、歴代1位になったそうです(すごい)。確かに、作品の力があることは前提の上で、これは、状況としてアミューズメントが制限されていることにより、「より特定のコンテンツに人の行動が集中する」ということが起きたためでしょう。アメリカ大統領選も、なんとなく日本でも盛り上がって?いた気がします。

このように、沈むばかりでなく、状況に応じて浮かび上がるものは当然ありますから、常に状況を鑑みながら「どう動くべきか」を模索していきたいですね。これからはそんな「暗中模索力(と呼んでみる)」がより必要になる気がしますし、私たちも皆さんと一緒に「暗闇であっても、さぐり、潜る力」を共有しながら進んでいきたいと思っています。

断固たる意志を持って進めていくべき改革が、良くも悪くも加速せざるを得ない状況になったのが今年だったと言えます。来年はどんな一年になるでしょうか。ワクチンの効果や浸透により少しは往来が変わるといいですよね。会いたい人に少しでも会いやすくなったらいいですよね。

すでに東北を中心に、雪や寒さの便りを多く聞きます。
年末年始は寒波に見舞われるそうで、いよいよお籠り正月になりそうな気配ですね。皆さまどうぞ良いお年をお過ごしください。そしてお健やかに。

年末年始も働く、医療従事者の方や、エッセンシャルワーカーの方に心から感謝し、筆を置きます。

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この記事を書いた人

川村 トモエ
コマースデザイン株式会社 取締役 コピーライター/コンサルタント
ライターからEC業界に転身。商品コンセプト立案やキャッチコピーなど「売れないオリジナル商品」の立て直しを得意とし、ヒット商品を多数企画。中小規模の店に対してわかりやすいコンサルティングを提供しつつ、講演や寄稿も行う。黄色本・マンガ本の著者でもある。
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コマースデザイン社長ブログ「ECバカ一代」