自社ECの強化をしたい方に向けて、「自社ECサイトの基本対策」をお伝えするこのシリーズ。
全5回のうち、今回で4回目となりました。
今回は、まだ触れていなかった「商品ページ」について。
お客さんの動きを意識した設計の話なので、「そもそも前提となる観点」として、自社ECサイトの強化に限らず、モールECにも参考にしていただけると思います。着実に一歩ずつ、自社ECサイトの強化に取り組んでいきましょう。
ちなみに、「自社EC強化道場」の他の記事はこちらをどうぞ。
- 「自社EC強化道場」シリーズ
- 第1回 自社ECサイトで陥りやすいワナ、まず最低限やるべきことは?
- 第2回 モールではなく、自社ECサイトで買ってもらうための基本対策
- 第3回 モールと同じではだめ!?改善を優先すべき「お客さんに見られるページ」と必須項目とは?
- 第4回 本店の商品ページは、商品だけ紹介してもダメ?「この店で探そう」と思ってもらうには?
- 第5回 まず集客に活用したい、自社の「資源」と活かし方とは?
商品ページには、「回遊導線」と「買うべき理由」を搭載する
それなりにページ制作に力を入れている場合、モールの商品ページは、いわゆる「縦長ページ」になりますよね。皆さんの自社ECサイトの商品ページも、モール店の縦長ぺージをコピペした状態になっていませんか?
でも、実は、自社ECでは、商品ページは、モール店をコピペするだけではダメなんです。
それはなぜか?
一般的に、縦長ページの目的は、「商品」の魅力を存分にアピールすることですよね。
もちろん、商品自体の魅力を伝えるのは大切なのですが、自社ECサイトの場合、「それ以外」についても伝えなければいけないので、モール店のコピペでは正直片手落ちなんです。
自社ECサイトの特性として、モールと違い、一旦サイトから離脱されてしまうと、なかなか次に来てもらいづらいものですよね。また、モールだと「商品」で選ばれることが多いですが、自社ECは「店舗自体」を信用してくれないとせっかく商品を気に入ってもらっても、購入に至らない、ということもあるのです。
ですから、来店してくれたお客さんに「この店いいな、この店で探そう!買おう!」と思ってもらう必要があるのです。そのための「仕掛け」が必要です。
では商品ページには、「商品の魅力」以外に、何を追加すればよいのでしょうか?
具体的には、
- 「お客さんの気持ち」を先読みした回遊動線を用意する
- この「お店」で買うべき理由になる情報を書く
の2つです。以下、それぞれについて説明します。
「お客さんの気持ち」を先読みした回遊動線を用意する
お客さんが、たまたまやってきた商品ページの中に、他に興味のある商品や気になるコンテンツがあれば、その店にもっといる理由ができますよね。つまり、店内を回遊したくなり、離脱されづらくなります。
例えば、みなさんも経験があるかと思いますが、Amazonのおすすめ商品紹介や、YouTubeで掲載される関連動画のようなものがそれです。
たまたま1つの商品や動画を見ただけなのに、つい時間を忘れてダラダラ見続けてしまいますよね。その人が興味ありそうなコンテンツがほかにもあるということを示せれば、居続けられる。これが回遊動線の威力です。
通販でも同じで、回遊動線があることで、「この店なら自分がほしいと思う物がありそう」、「どんどん次を見たい」と思ってもらえる可能性が高まり、離脱が減るという流れですね。
例えば、
- 関連商品のレコメンド
- 特集への誘導
- 関連カテゴリページへの導線
などです。
具体例でいうと、仮に鍋の商品レコメンドであれば、以下のようなものが考えられますね。
「お客さんの気持ち」を先読みすると、上記例以外でも、「料理道具の特集」へリンクを貼ってあげるのも良いかもしれませんね。
「この商品を見ているお客さんは、どんなものに興味を持つか」という視点で考えると良い案が浮かぶと思います。
ただ、「お客さんの気持ち」になるのは、なかなか難しいものです。当社のコンサル現場でも、こういう話は相談しながら、一緒に考えることが多いです。なかなかアイデアが出ない場合は、ぜひ自分以外の第三者に聞いてみるのをお勧めします。
補足:とはいえ、むやみに追加してもだめ
いくら、「ほかのコンテンツも見せたほうがいい」からといって、これも、これも、とむやみに追加するのはNGです。
なぜならば、無理やりこじつけたようなコンテンツがあっても、それは興味の対象外。お客さんからすると邪魔なコンテンツとして、かえってうるさがられて離脱を招きます。
お客さんがどんな心境で来たのかを想像したり、データを見たりしながら検討し、適度に案内しましょう。
この「お店」で買うべき理由になる情報を書く
「お店」にまつわる情報って、商品ページにも必要なの?店舗概要があるんだけど…」
・・・と、思った方もいると思います。でも、「他のページに書いてあるから、商品ページに書かなくても既に伝わっているはず」というのは思い込みです。割と、あるあるですね。
商品を見に来たお客さんが皆、店舗概要や、想いの書かれたページを見に行くでしょうか?
答えは、否。お客さんはそこまでじっくりサイトを見ていないです。
ご自分がECで購入するときのことを思い出してみてほしいですのが、ページに書いてある内容を覚えていますか?正直私は、覚えていることは少ないです。
つまり、「サイトのどこかに書いてある情報」は読まれていない/読み飛ばされることが多いのです。なのでそういった観点で見て、商品ページにも情報を追加しましょう。
よくあるネタとしては例えば、
- ラッピング・名入れサービス可
- 即日・翌日出荷
- 電話対応可
- 領収書対応可
- 法人対応実績あり
などです。
お店・商品によって、書くべき情報はいろいろあると思いますので、ぜひ、自分のお店の商品を買うお客さんの気持ちになって検討してみてくださいね。
補足:必ずしも自社だけの特別なものでなくてもOK
とはいえ、「自店独自で、他のお店と絶対的に違うサービス」があるお店は少ないはず。でも、一般的な情報だからといって書かないと、できないものと認識されてしまい、競合に競り負けてしまう可能性があります。なのでちゃんと記載して、お客さんに「この店で買うべき」と思ってもらいましょう。
まとめ
このように、長年モール運営に慣れていると、「そもそも」の観点はなかなか忘れてしまうものです。簡単なようですが、自社ECの場合、改めてお客さんの気持ちや動きを想像し、いろいろな発見を追加していってみてください。
モール店の縦長商品ページをコピペするだけで済ませずに、回遊性と購入の理由になる情報を追加しましょう!
P.S.
自社ECサイトの本格的運営は、モール店での毎日やらなければならないルーティン業務もたくさんあり、中小ではなかなか手が回らないものです。
「自社ECサイトの強化の方法がわからない」「本店とモールの運営を両立したい」「自社ECサイトに割く時間を捻出したい」など、お困りの方は弊社コンサルティングをご検討ください。
この記事を書いた人
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コマースデザインは、EC事業のコンサルティング会社として、ECのお役立ちツールやECコンサルティングを提供しています。全サービスの累計支援先企業は23,000社を突破しました。「色々な個性を持ったお店が数多くあり、お客さんに豊かな選択肢があるEC業界」を目指し、中小ネットショップ事業者の皆様の「強み」を引き出す支援を行っています。
詳しくは、コマースデザインについてをご覧ください。
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