こんにちは。坂本です。
今回は、楽天出店者の皆さん向けに、4月に始まった「スマホTOPページのリニューアル」について解説します。
楽天公式からニュースが流れているのでご存知の方も多いと思いますが、「楽天市場ユーザーの利便性向上」のため、スマホTOPページのデザインが統一されます。
楽天出店者の方にとっては、「楽天のスマホ版トップページについて、新しい機能が出るかわりに、今のトップページは年内に使えなくなるよ」(GOLDは来年前半まで)というお話です。全店舗に影響があるので、皆さんぜひ早めに把握しておいてほしい‥!
そこで今回は、「GOLDなどでスマホTOPページを作れなくなる」という仕様変更に対し、「店舗はどのように受け止め、どう対応していくといいか」について、「前提」「概要」と「対応方法」をお伝えしたいと思います。
※2022/7/26追記
「どんな情報を、どの部品を使って載せればいいのか」について、PDF資料にまとめました。ブログでは具体的な対応方法まで案内できなかったので、こちらも是非参考にどうぞ。無料で読めます。このPDFは、社内の方やお知り合いの方に配布してOKです。
・元々の〆切 :2022年12月中
・延長後の〆切:2023年2月10日(金)まで。※2/14に強制的に切替となります。
これって「楽天市場あるある」なんです
まず前提として、「これって昔あったことに似てるんですよ」という昔話をご紹介します。その昔話を踏まえて「お店としては、こういう風に振る舞うといいんじゃないかな」という話をします。
歴史は繰り返す。過去にもこんなことがありました
昔、私がまだ楽天社員だった頃だから、15~16年前かな。
楽天市場に「新R-Storefront」というものが出ました(今のR-Storefrontのことです)。
その前に「旧R-Storefront」というものがあり、これがすごい古くて。開発の人が、
いやー、これもうほんと古くてポンコツで、負荷がすごく高いんです。 だから、 早くみんなに「新R-Storefront」に移行してほしいんですよね。 でも、お店の方もみなさん忙しい中で対応するのは大変だし、なかなかすぐには動いてくれないですよね‥。なので、並行期間を用意します。
ということから「旧→新への移行の並行期間」が設けられ、当時、楽天社員にも店舗さんにもその案内がありました。このように、楽天市場では「なにか新しいサービスや機能をリリースする際、一定の並行期間を設ける」ということをよくやります。
今回もそうですし、過去の歴史もそれを表していますね。
3980円の件とかも、随分前から告知がありました。最近だと、商品画像の文字入れ制限の話も似たケースです。楽天としては、出店者の皆さんに「早く対応して」と言いたいわけですけど、一気に変えるとお店の人が困りますよね。
そして、お店の人が困って売れなくなると楽天も困るので、早めに告知を出し、「変えるよ、変えるよ」と言いながら、外堀から埋めていき、並行期間を設けて徐々に切り替えていきます。
一方で、「事情を分かってる店長さんはギリギリまで待つ」ということが、楽天の歴史上、繰り返されてきました。
店舗としては、あまり早く対応し過ぎる必要はない
こういった仕様変更は、実際の対応期限より随分前に告知されるので、中にはいち早く対応する真面目な人もいますね。
割りと売れているお店の人は、周囲の様子を見たり、ECCにヒアリングしたりして、しばらく「どうしようかなあ、どうしようかなあ」と考えて、「いよいよ変えなきゃいけない」というタイミングで、「マニュアルを用意して準備してやる」ということが多いようです。
情報を見逃していたりして出遅れた人は、「最後ギリギリで、やっつけで徹夜しながらやる」っていう感じですね。
つまり何が言いたいかというと、あまり早く対応し過ぎる必要はないのかなあと思うんです。特に今回は、商品画像の件などと違って影響は「トップページ1枚」ですから、何とかなるのではないでしょうか。
RMSスマホTOPページのリニューアルとは?
さて、本題に移ります。4/18[月]に、楽天のスマホ機能がリニューアルされました。
このリニューアルの目的は、全店舗のTOPページのレイアウトを統一し、ユーザーにとって見やすく使いやすいページにすることです。そのため、楽天としては出店者の皆さんにこの新機能を早く使ってほしい意向です。
リニューアルの要点
「具体的にどう変わるのか?」というと、新しいスマホ機能ではTOPページが以下のように変わります。
- ページのレイアウトが固定になる
- 共通エリア :全店舗共通のレイアウト。ヘッダーとナビが共通化される
- パーツ編集可能エリア:店舗固有。専用エディタでバナーなどを簡単に設置できる
- HTMLの編集ができなくなる
- iframeなどのHTMLタグも使えなくなる
- その代わり、HTMLスキルがない人でも、簡単にページ作成できる機能が提供される
いつまでに対応が必要?やらなきゃダメ?
・元々の〆切 :2022年12月中
・延長後の〆切:2023年2月10日(金)まで。※2/14に強制的に切替となります。
まだ具体的な日付は決まってませんが(後ろに伸びる可能性もあります)、早ければ今年中に切り替えが必要です。全店舗対象ですから、対応期限までに必ず「スマホTOPページの作り直し」をしなければなりません。
- 現在のスマホTOPページは、「2022年下期~2023年中」に使えなくなります
現在利用しているスマホ版TOPページ 切替期限 RMS 2022年 4Q(12月) GOLD 2023年 下半期(7-12月)
- 提供終了までに、新スマホTOPページへの切替が必要です
- 対象は「楽天市場に出店している全ての店舗」です
より詳しい情報を確認したい方は、下記ページをご覧ください。ページからダウンロードできる「プロジェクト概要資料」に、最も詳しい情報が載っています。
- スマートフォン用店舗トップページ改善プロジェクト(店舗運営Navi)
- ※要RMSログイン
店にとってどんな意味があるの?
メリット |
新機能では、スマホトップページ専用の「デザインエディタ」が提供されます。
用意されたパーツを設置するだけでページを作ることができるので、HTMLスキルがなくても、簡単に高品質なページを作ることができます。
また、以下のような便利機能が色々と提供されています。
- プレビュー機能で、画面の表示を確認しながらページをデザインできる
- 簡単にスライドショーを設置できる
- バナー追加などの更新予約ができる
- 日時指定で、トップページを切り替えられる
- アプリ/スマホのTOPページを一括反映できる
- 今後、「注目キーワード」「おすすめ商品」「クーポン」などのパーツもリリース予定
ページの制作を担当しているスタッフの方は、更新作業が楽になりそうですね。特にHTMLが苦手な方にとっては助かるかと思います。
デメリット |
逆にスキルがある人や複数モール展開している店舗にとっては、HTMLソースを自由に編集できず、ページを自由にデザインできなくなるため、楽天の独自仕様にあわせる手間が増えたり、ページの品質が落ちたりする可能性があります。
パソコン版TOPページはこれまで通り「HTML編集」ですが、スマホはRMSの専用エディタで更新することになります。これまでレスポンシブ・デザインで、PC/スマホ共通のHTMLを使っていた店舗も、今後は、PCとスマホそれぞれ更新作業が必要になり、手間が増えます。
ただ、今やほとんどの店でスマホ客が8割以上なので、注力の優先度は「スマホ」でいいと思いますけどね。
また、「HTMLソースをコピペし、他モール&自社ECに流用」することもできません。楽天独自のTOPページになるので、ソースの使い回しはできず、楽天スマホ専用の対応が必要となります。
楽天市場ユーザーにとっての意味は?
メリット |
これまでは、店ごとにデザインやナビゲーションがバラバラで、使いづらい状態でした。
今回の仕様統一により、どのお店もTOPページのレイアウトが同じになるので、見やすさや使い勝手がアップします。
ヘッダーのナビゲーションが統一されることで、例えば「店舗レビュー画面を見つけられない」などがなくなり、操作に迷うことが減ります。
デメリット |
統一デザインになるデメリットとして、店の個性を感じずらくなるかもしれません。
特に、これまで、店舗独自のレイアウトや凝ったデザインで、世界観や商品の魅力を伝えていた店は、ユーザーに魅力が伝わりにくくなる懸念があります。
楽天出店者はどう対応するべき?
以上を踏まえ、「どう対応するべきか」という話をします。
A:GOLDで、スマホTOPページを作っている場合
今売れてるお店の人は、大体GOLDでスマホのトップページを作ってますよね。GOLDの方は「2023年下半期までに対応すればいい」ので、まだ余裕があります。
ですから、楽天からのお知らせを見て動向を把握し、「いつ・どう対応するか」を考えつつ、社内の関係者にも情報共有しておくこと。
ページ制作を外注している場合、EC専門ではない制作屋さんは、楽天のこの辺の最新情報に疎いので、教えてあげた方がいいと思います(制作屋さんをご存知の方は、EC専門の制作屋さんに依頼してる方が多いと思いますが)。
期限ギリギリになってから、あわてることにならないよう、
楽天のスマホTOPページ、GOLDもうすぐ使えなくなるんだって。 TOPページの作り直しが必要だし、今後は楽天の専用エディタで更新してもらうことになるからね。
というふうに、スタッフの方やECに詳しくない業者さんが心積もりできるよう、予め伝えておきましょう。
余談ですが、SUMAOU!などのツールは、GOLDのトップページを継続利用できるように「新TOPページ→GOLDのTOPページ」に飛ばす対応を取るようです。これも一案ですね。
B:RMSで、スマホTOPページを作っている場合
今のRMSのトップページは、早ければ今年10月に使えなくなりますから、あと半年です。そろそろスケジュールを立てて、予定を組んでおきましょう。
ちなみに、もしも「GOLD化しようかな?」と思っている方。
ちょっと待ってください。今から業者さんに頼んだりツールを導入したりしてGOLD化しても、寿命は一年くらいですよね。なので、GOLD化に投資せず新機能を使ってページを作った方がいいです。
今すぐ対応した方がいいの?
前述のように、あまり早く対応し過ぎる必要はありませんから、慎重派の方はギリギリまで待ってもいいかと思います。
ただ、「今GOLDのトップページじゃない人」や、HTMLにあまり詳しくないなどの理由で「今のページ作成に疲れた‥」という人は、すでに新機能は使える状態ですから、さっさと乗り換えてもいいでしょう。
注意点として、一度、新スマホTOPページに移行したら、元に戻すことはできません。「やっぱり辞める」ということはできないので、切り替え判断は慎重に。
※GOLDの場合、ページ自体が消えるわけではないので、新RMSトップに「トップページはこちら」などのバナーを設置し、新から旧に誘導して、GOLDのトップページを表示することはできます。
2022/12/20追記:楽天から「移行ガイド」がでています(※要RMSログイン)。「具体的に何をすべきか」がまとまっていますから、移行する方はこちらのガイドを見ながら進めましょう。
まとめ
最後にまとめます。
前提として、影響はTOPページ1枚のみなので、今すぐ対応する必要はありません。ただ、すでに新機能は使える状態で、〆切もあることなので、計画的な対応をおすすめします。ご判断の参考になれば幸いです。
- A:GOLDで、スマホTOPページを作っている場合
- 〆切:来年なのでまだ余裕がある(2023年下半期〆)
- 対応:まずはスタッフや外注先に情報共有しておく。「いつ頃対応するか」検討
- B:RMSで、スマホTOPページを作っている場合
- :〆切:今年中に対応が必要(2022年12月〆)
- 対応:そろそろスケジュールを立てる。GOLD化はせず、新RMS移行する
今後も、新しい情報がどんどん出てくると思います。
もし「新機能では、どういったTOPページを作ればいいのか?」「店の個性や売りを、ページ上でどう表現していけばいい?」などお悩みの方は、弊社のコンサルティングをご検討ください。あなたのお店に応じた、ベストな対応方法を一緒に考えましょう。
この記事を書いた人
-
楽天株式会社にて、ECコンサルタントとマーケティング業務を長年担当。2008年に、 中小規模ECの支援に特化したコンサルティングを行う為にコマースデザインを設立。支援先が「コンサルが要らない自走出来る店」になってもらえるコンサルティングの提供と、後進のコンサルタントの育成に注力している。著書「eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則」は15回増刷され、ネットショップ運営ノウハウ本では業界1番のベストセラー。
»ブログ「ECバカ一代」はこちら
»Twitterはこちら