楽天EXPO2022、楽天出店者が「必ず抑えておくべき要点」を解説

楽天EXPO2022、楽天出店者が「必ず抑えておくべき要点」を解説

こんにちは、コマースデザインの味藤です。
私たちは、中小EC事業者に特化して、経営全般を支援するコンサルティング会社です。詳細はこちら。

今回は、楽天市場の運営方針が発表される「楽天EXPO2022」について、店舗の立場で重要な情報をじっくり解説していきます。今年の秋から来年に掛けて、重要な動きがいくつかありますよ。楽天出店者と、支援業の方は必見です!

特に重要なポイントは、商品情報の扱い方・見せ方が大きく変わっていく「SKUプロジェクト」です。ここを特に掘り下げてご紹介。そのあと、「ショップ向けの注目機能」をざざっと解説していきます。

最後に、弊社代表の坂本が、少し解説をします。曰く、今回の楽天の動きは、楽天に限らない「EC業界の1つの大きな潮流」を表しているんだそう。カンタンにいうと「ECのAI化」と「AIのためのデータ整備」ですね。この潮流に対して、我々中小はどのように向き合っていくべきか?持論をご紹介します。

(1)SKUプロジェクトについて

楽天にはアマゾンと比べて、ある「大きな弱点」があります。
「アイテム単位」管理のせいで、「SKUごとに最適な値付け設定ができない」んです。
そこで、楽天が今より使いやすいECモールになるために、「弱点を解消する大手術」。それが「SKUプロジェクト」です。

SKUプロジェクトとは?

今の状態

現在の楽天市場の商品登録単位は、「アイテム単位」。
「アイテム単位」管理のせいで、実現できないことが色々あります。

たとえば、ある商品に複数のサイズ・カラーバリエーションがあるとします。

  • 価格が1つしか登録できない!
    • 「この色とサイズは余っているから、安くしよう・・」という設定ができません
  • ちょっとした違いでも、買い物かごが別になる!
    • 同シリーズ商品のボリューム違いやちょっとした仕様違いであったとしても、価格が違えば同じ買い物かごに集約できません
    • 例)ビール「12本入」と「24本入」は、別々のかごにせざるを得ない

今の仕様だと、「SKUごとに最適な値付け設定ができない」わけです。

新しい状態

そこで、商品登録・管理の仕組みが「SKU単位」に切り替わります。 「SKU」とは、サイズやカラバリなど、アイテムの下にある小さなまとまりのこと。

「SKU単位」での商品管理になると、サイズ/カラバリや入数別に価格設定したり、訳アリを少し安くしたりなど、SKU単位で値付けを変えられるようになるため、柔軟な設定ができます

詳しくは後述しますが、お客さんにとって、見た目もスッキリわかりやすくなります。

いつから変わるの?

変更時期は、最短で2023年4月から。順次切り替えです。

  • 店ごとに、切り替えていきます
  • 事前に店舗側の合意を得た上で、切り替えます
  • 切り替え時期は、店舗ごとに異なります

※楽天が出店者向けに詳しい案内を出しているので、詳細はそちらをご覧ください。

どう変わるの?

SKU化で期待される効果について、紹介します。

「検索画面」での選びやすさがUP

サーチ画面の中で、「色」「サイズ」や「単位価格」が表示されて、買いやすくなります。



「商品ページ」のわかりやすさがUP

1つの商品情報の中に、関連するSKUがひとまとまりに表示されます。
すると、「商品の本数違い/スペック違い/色・サイズ違い」などが、同じ商品ページで表現できますね。お客さんは断然選びやすくなるはず。

その他のメリット

  • 定期購入しやすくなる
    • 1つの商品情報の中で、通常購入と定期購入をまとめて表示します(アマゾンと同じ)
    • お客さんは、その商品を通常購入にするか、定期購入するかを選べる!(LTV向上が期待できます)
    • 今後の楽天の方向性として「定期購入の強化」も要チェックなんです!後述する情報にも注目
  • ボリューム・ディスカウントしやすくなる
    • 2023年冬頃、「商品の購入数に応じた割引機能」(商品価格の自動変更機能)が搭載されます。これも客単価アップにつながりそう。
    • ※この機能のリリース前でも、「商品情報に複数のSKUを紐づける」機能を活用すれば、ボリューム・ディスカウントは簡単にできます

筆者所感

ここでは、私の所感を書いてみます。

これまで、楽天では「送料無料ラインの一律化」「商品画像1枚目のシンプル化」などの大きな変化がありました。「SKUプロジェクト」は、それに類する大きな変化だと感じます。

SKU化が実現されると、たとえば、ビール12本入りと24本入りなど、これまで「別のカートボタン(カゴ)に分けることしかできなかった」ものが、同じカートボタンで販売できるようになります。
ユーザーにとっては、「すっきりとシンプルに」「選びやすい」売り場になりますね。 「Amazonは選びやすいけど、楽天はノイズが多くてほしい商品を探しづらいよね」という、これまでの評判を覆していくはず。

一方で、店にとっては、それなりの対応工数が生じます。
特に「カートボタンをどこまでまとめるか」、判断に悩みますね。バリエーション毎に分けていくのか、1つの商品にまとめてしまうのか。。

周りの様子を見ながら、対応のヌケモレがないように、やることを整理して、がんばっていきましょうね。売上UPの観点でも、新しい打ち手が色々ありそうです!

さりげなく宣伝

こういった変化に端を発して、楽天の検索順位ロジックも変わっていくはずです。
店舗運営者が一番気になるのは、そこですよね。

そこで、弊社の「検索順位チェックツール」をオススメさせてください。
最近、機能を強化した有料版がでました(月額3,300円)。これを使うと、大事なキーワードの検索順位に変化があったら通知されるので、早期にリカバリーできますよ!
「検索ロジックの変化に振り回されなくなる」「検索順位が落ちなくなる」お守りとしてどうぞ。

(2)その他の「要注目情報」

次に、SKUプロジェクト以外の注目情報を説明していきますね。

ショップ向け新機能の紹介

見逃せない情報がいくつかあります!

「スマホ版トップページ」が新システムに移行

これは皆さんご存知かと思います。大きな変化ですね。

  • 従来のスマホ版トップページが使えなくなります。2022年末までに切り替えてください。
    • 重要なお話です。まだ詳しく知らない方は、以下の解説記事を「必ず」ご覧ください。
  • 今後の動き
    • 順次「追加パーツ」がリリースされる。パーツごとの分析ができるようになる。
    • 「PC版トップページ」もリリース準備が進んでいる。
    • データによると、切り替え済の店は「トップページに行く回遊率」が向上しているそう

まだ、過半数のショップは切り替えていない感じですけどね。
スマホ版の新トップページについては、以下の記事をご覧ください。「詳しいPDF資料」を無料で差し上げます。

「タグID」の仕様変更

SKUプロジェクトと関連した動きです。

今後は、以下の図のように「商品属性」入力に切り替わっていくようです。これまで数字で分かりにくかった「タグID」が、スッキリします。
こういった属性は検索対象になるし、検索順位にも影響があるはず。楽天SEO施策として対応必須です!

定期購入のパワーアップ

これも、前述のお話とつながっています。

楽天しか経験がない人はご存知ないと思いますが、定期購入には、ものすごいポテンシャルがあります。そこで楽天は、定期購入を活性化させるため、何年か掛けて定期購入の仕組みをリニューアルしていきます

  • まず、継続率UPのためのリニューアル
    • いまの定期購入は、お客さんが自分で延長処理しないといけない→無駄に解約が増える
    • そこで「クレジットカード情報の自動更新」と「契約の自動延長機能」を搭載します
  • その後
    • ポイント利用を可能にする(いま使えないのです・・)
    • 買い物かご画面のリニューアル
    • CSVで商品登録できるようになる(これまでは1商品づつ手動登録)

最後のCSV登録にも注目。定期購入に向く商品があれば、一度に登録できるようになります。 おそらくこれで、いわゆる単品通販っぽい商品だけでなく、アマゾンの定期購入のような「日用品の継続購入」ができるようになるわけです。

自動お届け日表示の精度アップ

また、「お届け日の表示」がより精緻になっていくようです。
リードタイムが自動計算され、エリア別の最短納期が表示されるようになっていく見込み。
いつ届くのかが正確に分かるのは、お客さんにとって助かる機能ですよね。

R-Karte「検索キーワード」で取得できる過去データ拡大

細かい話ですが、店長さんと我々のようなコンサルには重要な情報です。

  • 2022年3月にR-Karteがリニューアルされた際、「検索キーワード」のデータ取得期間が短くなってしまいました。
    • 私も、このリニューアルによって、来店キーワードの昨対比較ができず、不便で困ってました。
  • ‥が、「昨年同時期のデータが見られないと不便」という店舗の声が強かったようで、「13ヶ月分の過去データ」が見られるようになりました。今後も、2年前、3年前と、もっと遡れるように拡張を検討していくとのこと。

最初からそうしておいてくれれば、と思わなくもないですが、店舗の声を聞いて反映してくれるのはありがたいし、大切なことですね。

その他こまごま

こまごま情報を列挙します。

  • ROOM
    • インフルエンサーに商品紹介してもらうだけでなく、商品企画からインフルエンサーに関わってもらうケースが増加
  • ショピングチャンネル(ライブコマース)
    • 今年の後半から来年に向けて育てていきたい候補の1つ(こういうものです)
  • 広告の機能強化(TDA、RPP)
    • 広告のメニューも、店舗の様々なニーズに合っていくように機能強化していく
  • 運用型のポイント変倍
    • 店舗がポイント変倍したい時、「どういう設定にすると幾ら売れるか」を提案
  • JPの特別運賃プログラムが、「荷量に合わせたカスタマイズ料金」に
    • これまで一律だったが、今後は荷量に合わせたカスタマイズした料金になる
  • R-Messeへの導線強化
    • これまで:お問合せを経た人は購入につながりやすい。自動応答機能(事前に回答を登録)を活用してほしい
    • これから:購入履歴からも、R-Messeで連絡できるようになる。11月リリース見込

楽天全体の動向

これらは長期の方針ですね。一般のお店には関係しませんが、頭の片隅に置いておくと、長期の動向の想像がつくようになります。先を見て経営したい方には重要な情報です。

いろんなメディアでも紹介されているので、詳細は割愛しますね。以下は参考記事です。

楽天モバイルの効果

主に、三木谷さん講演で触れられた話です。

  • 「楽天モバイル」で獲得した新規ユーザーが、「楽天市場」へ流入している。
  • 楽天モバイルの契約がきっかけで、楽天経済圏に足を踏み入れるユーザーは多い!

たしかに、個人的にも、暮らしと楽天ポイントが切り離せなくなってきてますね。
町中で、「楽天ポイントがたまります」という、のぼりを見かける機会が増えたなぁと思います。西友(スーパー)もレジ周りで楽天ポイントのアピールが凄いですし、シェル石油(ガソリンスタンド)は以前はポンタポイントでしたが、今はポンタと楽天お買いものパンダが並んでます。

「SDGsなお買い物に、楽天ポイントを付与する」施策

これも、三木谷さんが頻繁に力説しているテーマですね。曰く「これは義務でもあるし、マーケティングでもある。」

その一環として、環境省の採択を受け、環境配慮行動に対して楽天ポイントを付与する「グリーンライフ・ポイント事業」を、2022年10月ごろから開始する予定。

  • 配送施策の省資源化商品の購入
  • ラベルレス商品の購入
  • 省エネ家電の購入
  • 再生可能エネルギー電力導入施設への宿泊
  • サステナブルファッション・リユース衣類の購入

などにポイントを付与する等々。

「レコメンド強化」の方針

今後、楽天市場がさらに成長していくには、「レコメンドを強化したい」とのこと。ここは重要です。

すでに、多くのお客さんがかなり買い物しているので、更に高めるためには、楽天からの提案力を強化し、より幅広いカテゴリでの商品購入(=買いまわり)を促進したい。スーパーセールのような売り方だけではなく、日常の生活の中に溶け込んだ買い物体験を作っていきたい。

たとえば、能動的に「検索をして探す」のではなく、AIのレコメンドで「ストックが切れそうな日用品を補充」できたり、「探しているものをAIに相談」したり。

特に、日用品・ちょっと素敵なもの・贈りものなど、ユーザーの”ほしい”にこたえるためには、提案が大切。機能としては、パーソナルなデータを使い、購入したことがないカテゴリでの買い物を促すべく、クーポンや電子マネーで提案していくようです。

さらなる「物流強化」

現在、楽天市場の注文の約20%は、「楽天フルフィルメントセンター(RFC)」から出荷しているそうです。増えましたね!

2023年中に、新たに3か所の物流施設を開設。効率化が進み、楽天スーパーセール時にも遅延なく発送できる体制が整ってきているとのこと。

また、「あす楽」を更に進めた「きょう楽」(当日配送)の実現についても、言及がありました。「中間業者を使わず、RFCから配達局まで直送する取組み」を現在、一部の拠点にてテスト運用中。

  • Before
    • RFC→引受局→配達区分局→配達局→ご家庭
  • After
    • RFC→(直接輸送)→配達局→ご家庭

郵便局のネットワークは、上記のように中間ステップが多いのですが、「途中を飛ばして直送する」という試み。これにより配送が高速化されます。おそらく、郵便局の仕組みはIT化される前に作られたものですから、いまの技術を使うと色々ショートカットできるんじゃないでしょうか(想像です)。

ラクマ連携強化(二次流通マーケットの推進)

過去7~8年、「二次流通マーケット」が非常に大きく成長しました。
つまり、(ユーザーが所有している)モノを売るという市場。そこで楽天でも、楽天市場で買ったものをラクマで売って、そこで得たお金を、また「楽天市場で買い物に使う」という循環を、もっともっと回していきたいと考えている。

既に起きている流れですが、楽天のサービスやシステムではこうした循環を推奨できていないので、この循環を更に回すことで、楽天市場の成長にもつなげたい、とのこと。

(3)対応方針を考えよう

こんにちは、坂本です。
ここからは、楽天EXPOの情報を踏まえて、「ECモール業界の今後の展開」について「大局的な妄想」を述べていきます。

坂本の見立て

まず、ざっくりした結論を述べて、そのあと、詳細を補足します。私の見立ては、以下のとおりです。

  • 「いま起こっている状況」への見立て
    • ECモールは、レコメンドやパーソナライズド施策を強化し、「AI化」を目指している
    • これに伴い、EC事業者は、ECモールに提出する商品情報が複雑化する(=仕事が増える)
  • EC事業者の対応方針
    • 短期的には、「モールの仕様変更」にいち早く乗ると業績を伸ばせる
      • ただし、楽天だけでなく本店と複数モールで運営しているなら、「全体バランス」が重要
    • 長期的には、お客さんの純粋想起を獲得することが最重要。モール活用は手段に過ぎない
      • ECモール最適化による売上増より、ECを中心とする「事業の本質的な成長」を考えたい

「ECモールのAI化」と「商品情報の複雑化」について

「AI化」のわかりやすい例としては、Googleです。AIが、検索キーワードに対して「複雑化した検索結果」を返すようになりました。

たとえば何か専門用語を調べたら、昔であれば、一番オススメの記事が上位表示されるだけでした。しかし、現在は、記事から勝手に説明文を抽出し、検索結果に表示します。他にも、検索キーワードに応じて乗換案内を出したり、画像を出したり、気の利いた回答をするようになりましたね。ECモールの商品検索もそんな感じで、「気の利いた進化」をしていくだろうと考えます。

すると、必然的に、「登録商品情報の複雑化」が起こります。どういうことかというと、ECモール側がAIっぽく商品検索や、その他のレコメンドをするためには「AIにとっての手がかり=詳しいデータ」が必要です。なので、モール事業者は、出店者に細かい情報を要求したり、細かい情報を登録するように要求してきます。

Googleなら自然文から勝手に情報を色々読み取ってくれますが、ECモールの商品登録では、商品にいろんなタグを紐づけることで、AIへの情報提供を行います。ということで、今回の「SKUプロジェクト」も、データの精緻化の一環といえそうです。

商品登録をする側の手間は増えますね。まあ、手間ではありますが、こういった動きにはキッチリ対応した方が売上は伸びます。何しろ、表示されやすくなりますからね。モールなどの仕様変更に早めに適応することも、広い意味での検索対策だと思います。

ヤフーよ、お前もか(;_;)

脱線です。ヤフーでもルール変更がありましたね。
楽天に寄せてるのに、微妙に独自性出してくるから・・大変・・。

「商品情報など各種ルールは、楽天と同じです」という方針にすれば、みんな助かると思うんですが。
なんなら、「ECモール業界の統一基準」を、両社で一緒に作ってほしい。そして、auとかもそれに合わせてほしい。お客さんもわかりやすくなるし。中小店舗は余力がないのです。誰か偉い人に伝えてください・・!

とはいえ、全体バランスを大切に

ただ・・現在は、楽天・Yahoo・Amazon・本店の全てをやっている方が普通ですよねえ。楽天だけやってるわけではない。

今や、1つのモール売上を最大化するのではなく、複数のモールを同時に効率的に運用しながら、「全体として業績が最大化するようバランスをとっていく」ことこそが重要です。
モール店長さんならともかく、経営者が「モール最適化」に夢中になっていると、大きな仕事をやり逃してしまう懸念がありますよ。

じゃあ、どうやってバランスを取るのか?
答えは簡単で「メリハリ」です。適宜手を抜いて、必要なところに注力する。

私の周りでは、こんな発言をよく見ます。

  • Q.全体のバランスはどうしてますか?
    • Aさん: まず楽天の要求に対応する。次に時間を作って本店に投資する。アマゾンは詳しいスタッフに任せる(場合により委託)。ヤフーは「営業担当者がオススメしてくれたことをやる」程度
    • Bさん:本店だけちゃんとやる。楽天は下がらない程度に。あとは適当。
    • Cさん:楽天スーパーセールへの積極参加を控えてます。イベントで山を作るより、底上げしたい。
    • Dさん:ECよりも、商品開発やリアルイベントに力を入れてますよ。
    • Eさん:いまは直販よりも、ふるさと納税を伸ばしています。
    • Fさん:dショッピングが意外と売れるんですよ!

ニッチ路線な人が一人いますがw人それぞれですね!

何にせよ、「事業全体」を意識して調整していきたいですね。

長期的には、ブランド確立こそが重要

先日、テレビ東京系のビジネス番組「カンブリア宮殿」にて、ヤッホーブルーイング社が大々的に紹介されました。村上龍さんのコメントでは、「商品紹介文が1mの長さになって、それが売れた」ことが印象深かった様子ですw

弊社でお手伝いしている会社なので、ビール片手に画面にへばりついて見ておりました。facebookでは、楽天界隈の皆さんが自分のことのように喜んで見ていて、一体感がありましたねー。

番組の中では、苦戦していたヤッホー社が、楽天で売れて注目を集め、キリンと提携してブレイクして今に至る、というストーリーが語られていました。そう、楽天で足がかりを作って、ブランドを確立するという成功パターンって本当に多いんですよね。アンファーとかボタニストとか、あさ開とかタマチャンショップとかとか・・。ふだん私がお付き合いしている人々の中にも、こういった例は無数にあります。

目先ちゃんと売る、という前提があってのブレイクですし、そのためにも、こういったルール変更にはきっちり対応しないといけないのですが。そういった作業の向こう側には、大きなチャンスが広がっているのです。

今回のようなルール変更は、足元につまづかないように注意したい。ただ、足元ばかり見ていると迷子になります。足元を見ながらも遠くを見ることを意識していただきたいなーと思っております。

まとめ

ざっとまとめます!

  • (1)SKUプロジェクトについて
    • 楽天の弱点「アイテム単位管理」を、「SKU単位管理」に切り替える大手術!
    • 移行は手間ですが、終われば、商品検索も商品ページもスッキリわかりやすくなります
    • これを上手に活用して、いろんな売上UP策が考えられます!
    • 検索ロジックが変わるので、検索順位チェックツール(有料版)を活用しましょう(宣伝)
  • (2)その他の「要注目情報」
    • 「スマホ版トップページ」が新システムに移行。詳細はこちらの記事をどうぞ
    • 「タグID」の仕様変更。記入しやすくなりそう。要チェック。
    • 「数年がかりの定期購入のパワーアップ」は、該当者には超重要!
  • (3)対応方針を考えよう
    • 「ECモールをAI化する」ために、モールは店子に「今より精緻な商品情報」を要求します
    • 対応すると売上は伸びます。とはいえ、複数店舗を運営しているなら、全体バランスを大切に。
    • 長期的には、ブランド確立こそが重要。足元を見ながら「遠く」も見てくださいね。

P.S.

弊社は「中小EC事業の経営全般を支援するコンサル会社」です。特に「楽天を中心に、複数のネットショップを運営している会社」のお手伝いが得意です!

複数モールの間でのバランスをどう取るのか?いま、ウチは何に力を入れればいいのか?
今回のような「足元に対応する」話も手伝えますし、「遠くを見る」ための方法や事例など、EC経営全般にも知見があります。

興味のある方は、サービス紹介をご覧ください!

この記事を書いた人

味藤絵美子
有名EC企業にて、店舗の立ち上げから店長まで一連の運営業務を経験し、実績を重ねる。その後、食品メーカーに転職、衰退した人気店の建て直しに尽力。2年間でアクセス数4倍、転換率2倍とし、再成長させる。メーカー型、仕入れ型、大規模、小規模共に経験している守備範囲の広さが強み。ネットショッピングが大好きで、女性ならではの柔らかい物腰の中に、鋭いお客目線が光る。

ECコンサルティング会社コマースデザインの社員ブログです。

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