こんにちは。コンサルタントの石黒です。
今回は、初心者の方向けに「ネットショップのSEOの基本」について解説します。
SEOというと、当社ブログをよく読んでいる方は、楽天などのモールのSEOのことかと思うかもしれませんが、Google向けのSEOの話です。
「Google SEO?自社EC向けの話でしょ。自分には関係ないや」
と思ったモール出店者の方。ちょっと待ってください。
実は「楽天などのモール店でも、Googleの検索経由でお客さんが来ている」ことがよくあります。ですから、Googleの検索対策は、本店だけでなく、楽天やYahoo!の出店者の方にも参考になるノウハウなんです。勉強しておいた方がいいですよ。
初心者向けにわかりやすく解説しますので、ぜひお読みください。
はじめに
各論の前に、まずは全体をつかもう
SEO(検索エンジン最適化)は、日々刻々と情報が変わっており、専門家の多い領域です。 ですから、SEOの仕様などの詳しいことは専門家に聞くといいのですが、いかんせん専門家の方ってものすごく詳しい分、話が細かすぎることがあります。
そして、はじめてSEOを学ぶ場合、いきなり詳しい情報から入ってしまうと、なんのことかよく分からず、迷子になりやすいんです。なので、まずは「SEOってこういうものなんだな」という全体観を頭に入れましょう。それから詳しい情報に接することで、スムーズに理解できます。
SEO初心者向けに「知っておきたいSEOの基本」を解説
そこで、まずは全体観をつかんでもらうべく、SEO初心者の方向けに「ネットショップのSEOは、大体この辺を意識しておくといいよ」ということをお伝えします。前編・後編に分けてお届けします。今回は前編です。
- 前編:2種類の検索を意識しよう
- 後編:SEOには3段階あることを知ろう
ちなみに、「ネットショップに閉じたGoogle SEO論」って、あまり見かけないんですよね。
SEOについてはたくさん情報があるんですが、「Webサイト全般の共通の話」であることが多いです(「ECサイトのSEO対策」という記事でも、中身は一般的なWebサイトの話だったりします)。
ですから、今回のネットショップ向けのGoogleSEO記事は、意外とレアな情報じゃないかと思います。
ネットショップが意識すべき「2種類の検索」
では早速、「2種類の検索とはなにか?」を解説します。
本当は、Googleの発表によると4種類(※)あるんですが、ネットショップが意識すべきは、今からお話する2種類だけでいいと思います。
1つは買い物をするための検索、もう1つは調べ物をするための検索です。「買い物検索」と「情報検索」と言えます。
※補足:4種類の検索について
Googleの公式サイトによれば、ユーザーの検索意図には以下の4種類があります。今回の記事では、ネットショップ向けとして、このうちBuyとKnowを取りあげています。
検索の種類 | ユーザーの検索意図 |
---|---|
Know | 知りたい |
Go | 行きたい |
Do | したい |
Buy | 買いたい |
(1)買い物検索:「◯◯を買いたい」
「買い物検索」とは、その名の通り「◯◯を買いたい」「◯◯がほしい」という意図で、お買い物するための検索のことです。具体的には、以下のような検索ワードです。
- 「毛ガニ 通販」
- 「毛ガニ 値段」
- 「カフスボタン 取り寄せ」
いかにも今すぐ買いそうなお客さんの検索です。こういったキーワードで、Google検索結果の1位になったら、さぞ売れそうな感じがしますよね。すぐ購入につながる検索、それが買い物検索です。
(2)情報検索:「◯◯を知りたい」
次に「情報検索」とは、「〇〇ってどういう意味?」「◯◯のやり方は?」など、なんらかの情報を「知りたい」という意図で、調べ物をする検索です。例えば、以下のような検索ワードです。
- 「毛ガニ 食べ方」
- 「毛ガニ 栄養」
- 「香箱ガニとは」
- 「カフスボタン つけ方」
- 「カフスボタン 選び方」
こういった検索をしていて買うかと言うと、これだけでは分からないですよね。検索しているユーザがほしいのは情報であって物ではないので、情報検索は購入に直結するわけではないです。
それぞれの検索に応じたSEOとは?
これらの2種類の検索に対し、それぞれの検索ニーズを想定したSEOがあります。
- すぐに売上につながる「買い物検索」を狙ったSEO
- すぐ売上につながらない「情報検索」を狙ったSEO(コンテンツSEO)
それぞれ、やり方がちょっと違います。検索の種類とやり方の違いを意識した上で理解していくと、SEOは分かりやすいですよ。
(1)「買い物検索」を狙ったSEO
買い物検索向けのSEOは、昔ながらの基本的なSEOです。お店のサイト全体を整えていきます。
1ページ1ページを意識して、バランスを取りながら、サイト全体をチューニングしていきます。イメージとしては、トランプのカードを組み立てて、三角形のタワーを作るような感じです。
例えば、以下の記事の検索ニーズを考慮したサイト構造は(※「テーマ性」の章を参照)、買い物検索の話です。
(2)「情報検索」を狙ったSEO
もう1つの情報検索向けのコンテンツSEOは、全体のチューニングというより、てまひまかけて素敵な記事を1つ作りあげます。そうすると、うまくいけばその記事が検索上位に表示され、サイトへの検索流入が増えます。
ただ、かなりの時間と労力がかかりますし、効果がすぐにでる訳ではありません。また、一度上位表示されたからといって、ずっと上位をキープできるとも限りません。最新情報を反映するなど、記事のアップデートも必要です。そのため、地道にコツコツと取り組むことになります。
こうして素敵な記事をたくさん作ってコンテンツがたまっていくと、サイト全体の評価も高まります。長期的にサイトを育てていくのが、コンテンツSEOです。ECサイトのコンテンツSEOのやり方は、以下の記事が詳しいです。
Googleの検索対策、ネットショップはどう攻略すればいい?
上記をふまえて、ネットショップがSEOをどう攻略していけばいいか、ざっくりご説明します。
まずは、「こんな感じなんだ」と概要を把握してもらえればと思います。
「買い物検索」は、売上にすぐつながるので競争が激しい
例えば、「毛ガニの食べ方」を調べている人は、おそらく毛ガニがすでに手元にあるんです(例:お歳暮でもらった)。だから、こういう情報検索系のキーワードで検索上位になっても、商品が売れるわけではないですよね。
「じゃあ情報検索のワードで、SEOをやる意味あるの?」と思うかもしれません。はい、やる意味はあります。なぜなら、「買い物検索」はすぐに売れるので、競争が激しく難しいんです。
「【毛ガニ 取り寄せ】で検索1位になったら、そりゃあ売れるよね」とみなさん思うわけですから。
多くのお店ががんばって検索上位を狙うので、激戦になります。検索界のレッドオーシャンです。なので、買い物検索では、なかなか検索上位になれません。
ちなみに、買い物検索のキーワード対策は、以下の記事でご紹介しています。「自分のお店で、商品購入につながるキーワードの調べ方は?」「キーワードを増やすには?」などを知りたい方は、ご参考にどうぞ。
「情報検索」で検索上位を取ると「買い物検索」にもプラスになる
一方、調べ物をする「情報検索」は、情報の種類が多いので、当然検索ワードも幅広いですよね。
例えば「毛ガニ ◯◯」というだけでも、いろいろな情報の種類があります。
こういった検索ニーズをすべて網羅するのは大変かつ面倒ですし、すぐ売れる訳でもないので、長い目でコツコツとページを作っていくことになります。最近コンテンツSEOはだいぶ一般的になってきましたけど、ここまでやらない人が多かったので「こっちの方が抜け道」ということですね。
仮に、上記のようなワードで、検索上位を取ることができたとします。
すると、「このサイトを運営している人は、本当に毛ガニに詳しい!」とGoogleに認識されます。専門家として認知されることで、「毛ガニ 取寄せ」のような「買い物検索」の検索ワードでも検索順位が上がります。これが、情報検索のSEOの効果です。
まとめ
まとめます。ネットショップのSEOには、以下の2種類の検索があります。
- 1:買い物検索(◯◯を買いたい)
- すぐ売れるが、ライバルも多い。難しく古典的なSEO。
- バランスを見ながら、サイト全体をチューニングしていく
- 2:情報検索(◯◯を知りたい)
- すぐ売れる訳ではないが、割とライバルが少ない。
- いわゆるコンテンツSEO。ページ作成の労力「大」。長期的にコツコツ続ける必要がある
- 検索上位をとれると、「買い物検索」にも好影響
今回は、ネットショップ担当者が把握すべき「SEOの基本」をお伝えしました。ユーザの検索意図によって、検索には2種類あることがおわかり頂けたかと思います。
次回は、ネットショップはSEOにどう取り組めばいいか、「3段階のSEO」について具体的な内容に踏み込んで解説します。お楽しみに!
P.S.
「今すぐSEOのやり方を知りたい」「うちは楽天店なんだけど、どう対応すればいい?」など、SEOのお悩みや集客の課題を抱えている方は、弊社コンサルティングがお役に立てるかもしれません。現在は他店舗展開していて、本店もモールも両方やっている方が多いですよね。弊社では、楽天やYahoo!などのモール店から自社ECまで、幅広くサポートしています。しかもモールも自社ECも対応OK。ご興味ある方は以下のページをご覧ください。
この記事を書いた人
- エクステリア通販会社にて、店長業務に加えて物流・ユーザサポート・システム開発まで幅広く担当。市場ニーズと競合度を見極めて自社オリジナル商品を企画、自ら販促全般まで行って人気商品を量産。楽天ショップオブザイヤーにてジャンル賞を受賞したが、独自ドメイン店にも明るい。休日はバンド活動中。