日々の業務にすぐ役立つ!文章を分かりやすくまとめる方法(初心者向け)

こんにちは。コンサルタントの亀田です。
今回は、分かりやすく、伝わりやすい文章を書くための基本的な考え方を紹介。
お客さんに商品の魅力を伝える説明文や「よくある質問」の案内、社内や取引先とのコミュニケーションにおいても、役に立つ知識です。これを知っていると、文章を分かりやすくまとめることができるようになります!

初歩的な考え方ですけれど、会社ではちゃんと教えてくれないし、学校でも習わないので、知らない人は本当に知らないんですよね。だから「わかりやすくまとめられない」「文章を書くのは苦手」と思っていても、実はそもそもやり方を知らないし、習っていないからできないだけ、という方も多いんです。
ちょっと習えばできるようになるので(少しトレーニングは必要ですけど)、苦手意識のある方はぜひ取り組んでみてください。

はじめに

日々の生活においても仕事においても、情報の整理はとても重要です。

わかりやすい文章を書くには、コツがあります。
ポイントは「ラベル」という魔法の道具を使うこと。ラベルがあると、とても簡単に情報整理ができるようになります。今回は、基本として、以下の内容をお伝えします。

  • ラベルを使うと、誰でも簡単に文章が書ける
    • ややこしい情報や長い文章を整理するには、ラベルが必要です
  • 日々の業務ですぐ活用できる!おすすめのラベル
    • 実際に、業務ですぐに使えて効果的なラベルを紹介します

ちなみに、私達コンサルタントの研修では、この情報整理の仕方を徹底的にやります。「文章を書くのは苦手」といっていた新人さんも、この考え方を覚え、トレーニングすることで、驚くほど上達しています

このように実際に成果がでている方法ですので、参考になるかと思います。

ラベルを使うと、誰でも簡単に文章が書ける

あらかじめラベル(質問)を書いておく

仮に、文章を書くことが苦手な子供がいるとしましょう。
そんな作文が苦手な子が、「サクサク作文が書けるようになる魔法のテクニック」があります。

「どうすれば文章が苦手でも書けるようになるか?」というと、ラベルを使うと簡単に文章が書けるようになるんです。

では、ラベルとはなにか、というとQ&AにおけるQuestion(質問)、「見出し」のようなものです。
ラベルを使って以下の順番で書き進めるだけで、小学生でも簡単にスラスラと文章が書けるようになります。

  • 1:ラベル(見出し)をあらかじめ書いておく
  • 2:ラベルの場所に質問を書く
  • 3:質問に答えるように、文章を書く

どんなラベルを使えばいいか?

では、どんなラベル・質問・見出しを使えばいいのか。

例えば、まずは「何があったか」という見出しを書きます。
次に「その時、どう思ったか?」と過去を振り返り、未来に向けての質問「今後どうしていきたいか?」を作ったとします。

  • 1.何をしましたか?
  • 2.その時、どう思いましたか?
  • 3.今後、どうしたいですか?

では、このラベルを元に、具体的なやりとりを見てみましょう。

先生「〇月〇日、何をしましたか?」
小学生「僕は〇月〇日に学校の遠足で〇〇に行って、象を見てライオンを見て〇〇をした」
先生「どう思いましたか?」
小学生「象を見た時、象は〇〇だと思ってたけど、△△だったなあと思った」
先生「今後、どうしたいと思いますか?」
小学生「象はこういう形だと思ってたけど、実際はそうでじゃないって分かった。だから、色んなことをよく見ようと思った」

という感じですね。なんだか最後、やたら意識の高い小学生みたいになりましたが。

このようにQ&AのQ(質問)を、あらかじめ用意してあれば、文章を書きやすいんです。
これは子供の作文でも使えますし、家族や職場でも、文章の苦手な方がいたら一緒にやってみると面白いと思います。
実際、当社のメンバーも家で子供と一緒にやってみた所、効果が出たそうですよ。

日々の業務ですぐ活用できる!おすすめのラベル

ここからは、仕事の現場ですぐ使える、おススメのラベルを紹介します。

マニュアルを書く時に便利なラベル「What」「Why」「How」

まず、「What/Why/How」です。ご存じの方も多いかもしれません。社内マニュアルなど、業務の手順を説明する際に便利なラベルです。

  • What=これは何?
  • Why =なぜ必要?
  • How =どうやってやるの?

例えば、ラッピング業務のマニュアルを作るとしましょう。

  • この業務は何?(What)
    • これはラッピングの業務です。お客さんに商品を送る時に行う作業です。
  • なぜ必要?(Why)
    • ラッピングは、受け取るお客さんからすれば、商品の一部です。
    • ラッピングがよくないと価値が下がるし、ラッピングが素敵だったら、それだけで商品の魅力が何割か増します。
    • 私達のお店は商品が多いので、ラッピングのスピードも大事です。
    • だから、「ラッピングの品質」と「作業スピードをいかに早くするか」が、この業務の重要なポイントです。
  • どうやってやるの?(How)
    • 手順は3つあります。123の順番でやっていきましょう

ポイントは、きちんとWhatとWhyを書くこと。マニュアルは、「How」だけを書きがちなんです。
でも、「ラッピングはなぜ重要なのか」「スピードとクオリティと両方重要」という前振りがあってのHowの話なわけです。このように、マニュアルを書く時は「What/Why/How」と覚えておくと、手順を説明する際にモレがなくなります。

問題解決に便利なラベル「理想」「現実」「原因」「対策」

次に、問題解決の時に役立つ、「理想」「現実」「原因」「対策」という4つのラベルがあります。
例えば、

  • 理想:本来なら、昨対で〇〇売れる予定だった
  • 現実:しかし、△△で、XXマイナスだった
  • 原因:商品Aの売上が落ちているため。それは〇〇により価格が上がったから。しかし、競合は値上げをしていない。

つまり、去年の売れ筋だった商品が、「値上げにより、当初予定より売れなくなったこと」が原因なわけです。
「理想」「現実」「原因」は分かりました。では、対策はどうするか。

  • 対策
    • A:値段が高い状態でも売れるようにする
    • B:商品が売れるようにする
    • C:値下げする

など、いくつかの案が考えられますね。ABCどれかを1つだけを選ぶのではなく、「複数実行する」という選択肢もあります。
こんな感じでまとめると、とても分かりやすくなります。

問題解決に便利なラベル「状況」「目的」「方法」

他にも、「状況」「目的」「方法」というラベルがあります。
さきほどの「理想/現実/原因/対策」を少し簡略化すると、「状況」「目的」「方法」になります。

  • 状況:〇〇ということが起こった
  • 目的:〇〇したい
  • 方法:だから~をする

「理想」と「現実」だけを「状況」を説明するために、「理想=こういう状態になった」「こういうラインを目指していた」「現実=しかし、そうはならず、もくろみは違ってこんな状態になっている」。状況説明で、「現実」「現実」だけを抜き出して使ったりもします。

具体例1:ダイエット
  • 状況=太った。体重が〇キロになっちゃった
  • 目的=いい感じになりたい。今年の海で泳げる体になりたい

では、「考えられる方法は何か?」と言うと、色々ありますよね。

  • 方法
    • A:痩せる
    • B:体形を隠せるような水着を探す
具体例2:医師の診察

よく観察していると、分かりやすい文章は明確にラベルがあります。目には見えないけど、ラベルを意識して書いてる文章は、分かりやすい文章です。例えば、お医者さんに「咳が出るんですよ」と相談したとしましょう。するとお医者さんいわく、

「なるほど、今、どんな体調になってるか説明しますね。その後、治療方針を説明します。
今、なぜ咳が出るかと言うと、風邪だと思いきや、ノドがこうなっているから、〇〇ウィルスによって、△△という状況になっていると思うんですよ。そこで治療方針としてはABCがありまして、どれがいいですか?一般的にはBがいいので、Bをオススメします。」

まず最初に、「何が起こってるか?」(状況)を説明し、次に「どうしたらいいか?」(対応)を説明しています。

  • 状況:ノドがこうなっているから、〇〇ウィルスによって、△△という状況になっているので、咳が出る
  • 方法:治療方針としてABCの3つがある。一般的にはBがいいので、Bがオススメ

このように、分かりやすい説明は、暗黙のうちにあるいは意識してラベルが使われています。

「状況」「目的」「方法」のラベルを使って、「こういう状況だから、こういう対応をする」というように、情報を整えていきます。「〇〇が起こったので~をする」と書くより、「状況」「対応」を分けて整理した方が、いくらか分かりやすいと思います。ちなみに、ラベルを使って情報を整理していくことを「情報の構造化」と言います。

まとめ

今回お伝えしたのは、ものすごく基本の考え方です。
雑誌を読んでもネットの記事を見ても、全部見出しがついていますよね。あのように、「構造化したラベル」を見出しとしてつける習慣をつけましょう。
これは知識ではなくスキルなので、「日々の仕事の中で、ラベルをつけながら書くこと」を意識して頂くといいかと思います。

ラベルつけを習慣化すると、自然と分かりやすい文章が書けるようになります。
自分なりの使いやすいラベルを頭に入れておき、「ちょっと文章が長いな」「多い情報が多いな」といった際に、ラベルを使って情報整理しましょう。

最初は面倒くさいと思います。僕たちの研修でも、最初の2~3週間ぐらいは苦手な人は本当に苦手です。
でも、一旦慣れてしまえば、使わないことが考えられないくらい、仕事や情報整理の効率が上がっていきます。ぜひラベルを活用をしてみて下さい。

P.S.

弊社では、こういった日々の業務の効率化についても、サポートしています。
ECの販促・運用ノウハウだけでなく、「社員や個人が成長する」ためのお手伝いもしています。コンサルタントとウェブ会議で話しながら「御社ならではのスマートな体制」を作っていきましょう。興味のある方は、以下のページをご覧ください。

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この記事を書いた人

亀田 直人
大手印刷会社にて人事を経た後、営業として、店頭を中心とした様々な企業の販促支援に従事し、紙から鉄まで多様な企画・制作に携わる。色数や印刷方法など、「成果物の完成度」にズレがちなクライアントの要望をそもそもの目的に合わせ整理し直すなど、「成果とコストの見合った効果的な提案」を得意とする。趣味はサッカー(ポジションはGK)、二児の父。

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