楽天TDA広告の概要と4/15に起こる仕様変更とは?申込方法が変わります

楽天TDA広告の概要と4/15に起こる仕様変更とは?

こんにちは、コンサルタントの味藤です。

今回は、社内勉強会の様子をお届けします。当社では、ECモールの仕様の知識やノウハウのブラッシュアップのため、勉強会を開催しています。先日、3/15に配信された「楽天サポートニュース」について、プチ勉強会を行ったのでその内容をご紹介。

楽天にはTDA広告というものがあり、今回のニュースは「そのルールが4月15日から変わりますよ」という案内です。
新人さんでも分かりやすいよう、ニュース内容の案内だけではなく「そもそもTDA広告ってなに?」というところから説明します。

楽天のTDA広告とは?

TDA広告(ターゲティングディスプレイ広告)とはどんなものかというと、要はバナー広告です。

例えば、お子さんがいるユーザーに子供用ジュースのバナーが表示されたりするように、「セグメントを分けた相手に対し、バナーを表示させる」広告です。イメージとしては、こういうものです。


※出典:楽天市場のランキングページ

TDA広告の表示場所

楽天市場のいろいろな場所に、広告バナーが掲載されます。

  • 閲覧履歴
  • 購入履歴
  • ランキング
  • お買い物完了ページ
  • 商品レビューページ
  • 一部イベントページ など


※出典:楽天市場の閲覧履歴ページ

TDA広告の費用

広告の費用は、「表示1回でいくら」というインプレッション制です。

クリック数ではなく表示回数で課金が発生するので、おそらく楽天RPP広告より表示回数の母数は多いと思います。
入札単価制で、「0.75~10円」の間で好きな価格を設定して入札します。高い方から表示されるのは、他の広告と変わらない仕組みです。

広告を申請するときは、「最低5万の予算」を設定しないといけないんですけど、楽天RPP広告と同じく止めるのはいつでも大丈夫
「ちょっと予算の消化が早いな」と思ったらすぐ止められるので、大きな事故なく使える広告という印象です。

TDA広告の課金
  • ユーザーの閲覧画面に「1秒以上」表示されたら、課金対象
  • 入札単価は、「0.75~10円/Vimp」 の間で設定
  • 予算は「最低5万円」からの設定。途中休止も可能

TDA広告の特徴

特徴1:細かくセグメントを指定できる

TDA広告の大きな特徴が、広告を露出させる対象ユーザーのセグメントを、かなり細かく指定できる、というもの。

例えば、楽天の会員レベル・年齢でも分けられます。
ほかにも「自家用車は持ってますか」「子供いますか」「世帯年収はいくらですか」「どこに住んでますか」などの属性や、

  • 最近、このカテゴリ見ている人
  • 最近、うちの店に来た人
  • 最近、うちで買った人は除外

というように、かなりセグメンテーションを細かく設定できるので、ピンポイントで狙って、目的に合わせた運用ができる広告です。

セグメントの種類セグメントの概要
会員登録情報・年齢
・性別
・会員ランク
・居住地域(エリア)
・居住地域(都道府県)
閲覧履歴第一階層ジャンル別
┗第二階層ジャンル別
イベント興味・イベント
・大型イベントにおける最大買い回り数
購買履歴第一階層ジャンル別(38ジャンル)
3ヶ月以内3回以上購買主要9ジャンル
ライフステージ ※推定情報・既婚・子供有無
・居住形態
・借家
・自家用車
・世帯年収
自店舗来訪・購入履歴・新規・既存ユーザー
・Rakuten AIrisを用いた購買実績の拡張ターゲティング
 ※自店舗来訪・購入履歴とRakuten AIrisの併用不可

「このセグメントがターゲット」と決まっている場合、使いやすい広告という印象です。
ただ、セグメントの設定は無制限というわけではないので、完全にカスタマイズはできません。「どれを条件として設定する」というように設定できる感じです。 これが最大の特徴です。

特徴2:バナーのレギュレーションが細かく決まっている

もう1つは、オペレーションの特徴です。
バナー画像のレギュレーションがとても細かいので、デザイン不得手の人は多分できない感じですね。

  • 準備するバナーのサイズは、4パターン(全て必要)
  • 制作レギュレーションが驚くほど細かいので要注意
    • フォントサイズや背景色など、細かく指定されている
    • 「楽天のブランドカラー(#BF0000)は使用禁止」 なども。

<レギュレーション(※一部抜粋)>

項目ルール
サイズ1280px × 200px (PC / SP)
880px x 320px (SP)
400px × 800px (PC)
480px × 360px (PC)
ファイル形式jpg / gif / png
最大ファイルサイズ150KB
背景色2色まで。グラデーションの場合は制限なし
枠線枠線不要
テキストテキストはバナーの面積の「1/3以下」
フォントサイズ28-80px

背景は何色で、フォントはどれで、サイズは〇〇、などめちゃくちゃ細かく決まっています。
社内にデザインをちゃんとやれる人がいないと、おそらく審査を通すのがすごい大変だと思います。

ただ、楽天がサンプルPSDファイルを配布しているので、Photoshopユーザーの方は、このPSDをベースに作ると楽そうです。

ここまでざっくり、TDA広告についておさらいでした。

TDA広告の仕様変更の内容

ここからは本題です。
今回の仕様変更は、「申込方法が変わり、申し込みしやすくなった」というポジティブな内容です。

1.申込方法の変更

これまでは、翌月分の申込は、先着順で枠が埋まっていました。

例えば、「4月の申込枠」は、3月の特定の日に「30日分の枠」が全て開きました。
「さあ先着でどうぞ」という予約方法で、制限がなかったので早いもの勝ちでした。

それが4/15以降は、「翌日から31日後までの間」で1日ずつ、有効期限が伸びていく申込方法に変わります。

仕様の内容
これまで翌月分の申込受付を一斉に開始していた。よって、先着順で枠が埋まりがちだった
2023/4/15~「翌日から31日後」までの間で、好きな日付を希望開始日としてキャンペーン申込ができる

2.キャンペーン申込数の上限が設けられる

4/15以降は「1店舗あたり20件/月まで」という制限がかかるので、枠が埋まりやすい状況は少し緩和されます。

仕様の内容
これまで制限なし
2023/4/15~1店舗あたり「20キャンペーン/月」まで

また、申込の時、「今申し込むと審査にどのぐらいかかるか」が表示されます。

まとめ

今回の仕様変更により、より多くの店舗がTDA広告に申し込めるようになりそうです。

ただし「入稿順による審査」となるため、審査が間に合わない場合は、希望日に広告を配信できない可能性もあるとのこと。
もし、「キャンペーン合わせで広告を配信したい」などの場合は、ちゃんと1ヶ月前に申請できるように計画しておいた方がいいかもしれません。

余裕を持って、早め早めの計画を立てて動くのがよさそうですね。

P.S.

TDA広告の仕様変更について紹介しましたが、売上につながりやすいのはRPP広告です。広告の特性を把握してうまく使い分けたいですよね。
当社では、今回のような広告運用についてのご相談にものっていますし、楽天SKUなどの「モールの仕様変更や新機能に、どう対応していけばいいか」についても、豊富な知見を元に各店舗の実情に沿った提案をしています。

楽天店舗での運営でお悩みごとがありましたら、お手伝いできるかもしれませんので、気になった方はコンサルティングの詳細をご覧ください。

この記事を書いた人

味藤絵美子
有名EC企業にて、店舗の立ち上げから店長まで一連の運営業務を経験し、実績を重ねる。その後、食品メーカーに転職、衰退した人気店の建て直しに尽力。2年間でアクセス数4倍、転換率2倍とし、再成長させる。メーカー型、仕入れ型、大規模、小規模共に経験している守備範囲の広さが強み。ネットショッピングが大好きで、女性ならではの柔らかい物腰の中に、鋭いお客目線が光る。

ECコンサルティング会社コマースデザインの社員ブログです。

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