こんにちは。槐です。
今回は採用活動のノウハウをご紹介します。面接で話した時は、活躍してくれそうな感じのいい人だと思ったのに、
「いざ採用したら、面接の時とは全然違っていた」
「採用した人がすぐ辞めてしまい、なぜか長続きしない‥」
そのようなことはありませんか?せっかく採用したのに残念ですよね。採用活動のコストや時間はバカになりませんし、またイチから募集するのは大きな痛手です。
このような失敗をしないよう、応募者を見極めて、ミスマッチを防ぐにはどうすればいいのか?採用選考の考え方のポイントをご説明します。ちょっとしたコツを押さえるだけで、一緒に働きたい人と出会いやすくなりますよ。
「仕事ができるか」は面接では意外と分からない
今回、想定している職種は、パートさん・アルバイトさんなど、ネットショップの店舗運営全般や、ページ制作を担ってくれるような在宅スタッフ(SOHO)です。ただ、社員や業務委託先のパートナーなど、採用全般について参考になる考え方かと思います。
まずお伝えしたいことは、「いきなり面接をしない」ということ。
面接で分かるのは、その人の雰囲気や人当たりのよさであって、「仕事ができるかどうか」は面接ではあまり分かりません。
「話せば分かる」とおっしゃる方もいますけど、どこかの論文か研究でも「面接ではその人の有り無しは判断がつかない」という学術的なデータがあるそうです(出典は忘れてしまいました‥すみません)。弊社でもこれまでに数多く選考を行っており、支援先の採用活動のサポートもしていますが、面接だけでは分からないなあというのが正直な感想です。
面接する前に、筆記試験(一次選考)をしよう
ということで、「面接前に筆記試験を行うこと」をおすすめしています。
おすすめの選考フローは、「フォームを使って質問にいくつか答えてもらい、その上で面接する」というやり方です。
一次選考・二次選考という考え方ですね。
選考のポイント |
- 一次選考:フォームでどんな質問をするか
- 二次選考:どういう判断基準で面接するか
フォームの記載内容から「この人はちょっと違うな」という場合は、一次選考でふるいにかけられるので、面接する必要がないですよね。こうすることで、面接に割く時間を減らし、効率的に選考を進めることができます。
一次選考で確認すること
では、一次選考では、どういったことを確認すればいいのか?
面接でわからないことは、面接前に確認しましょう。履歴書はみなさん受け取っていると思いますが、履歴書は記入項目が決まっていて、当たり障りのないことしか書いていないので、履歴書に書いていないことも一次選考で聞きましょう。
まず一般的なことを確認する
汎用的に使えるのは、 「Googleフォームを使って答えてもらう」というやり方です。
このフォームに載せる質問は何かというと、面接で普段聞いているようなことでいいかと思います。
面接で聞くことといえば何でしょうか?就職活動をバリバリしていた人はよく知っていると思いますが、あまりそういう経験がない方は「面接でよくある質問」などで検索してみるといいと思います。
Q.なぜ転職するんですか
Q.自己紹介してください
Q.当社を希望した理由はなんですか
以下のようなことも確認するといいですね。
Q.前のお仕事でチャレンジしたこと、うまくいったことを教えてください
Q.他にも色々な会社がありますが、当社に応募いただいた、興味を持っていただいたポイントを教えてください
これまでの経験を確認する
例えば、ウェブ制作やネットショップのサイト全般を担うスタッフを募集する場合、経験者を雇用するケースもあれば、そうでないケースもあると思います。経験者に絞っていない場合は、
Q.パソコンを使った仕事の経験、文書を使った仕事の経験を教えてください
Q.得意な仕事と苦手な仕事を教えてください
といったことも聞くといいですね。
逆に、前職ネットショップとかウェブ関係の仕事をしていた経験者を採用する場合は、「他社での事例や経歴」を確認しましょう。具体的にはこういった質問です。
Q.他社でどのような仕事をしていましたか?
Q.何か実績として見せられるようなものありますか?
制作がメインの募集であれば、実際に作った過去の制作物を出してもらうこと。「制作にまつわる過去の経験を教えて下さい」「ポートフォリオを見せてください」なんてことを質問しますよね。これは割とみなさん確認しているかなと思います。そして応募してくれた人は、
A.こんなバナーを作ったことがあります
A.こういったランニングページを作りました
などを教えてくれるわけです。場合によっては、エクセルで「こういうものを作ってください」という宿題を出すケースもあります。
これを踏まえて、二次選考の面接で、その人の雰囲気や人当たりのよさを確認すればいいですよね。
会社が大事にしている価値観を盛り込む
会社によって、それぞれ「どういう人材を重視しているか」は違いますよね。一次選考のフォームでそれを表現してみるといいんじゃないかなと思います。
普段自分が面接で聞いていること(聞いていないことでもいいんですけど)をいろいろ洗い出して、重要だと思う質問をまとめましょう。
ちなみに私達は、能力ももちろん見ていますけれど、主体的にいろいろチャレンジをしていることや、周りの人とうまくやれることを比較的重視しています。
そのように、自分たちが大事にしている価値観も盛り込んでいけるといいでしょう。
仕事ができる人を採用するには
できる人は希少。応募をたくさん集めよう
人件費や給与について「なるべく安く抑えたい」という方が多いんですけど、時給をケチってしまうといい人が来ません。安くおさえるより、仕事ができる人の採用を優先した方がいいので、少し高めの賃金設定にし、応募者のメリットが伝わるような募集文面を作りましょう。そうするとたくさん応募がきます。
できるだけ安く抑えたいという気持ちはわかりますけど、多めにお給料を払ったとしても、仕事ができる人を採用する方に全振りした方が、遥かにコストパフォーマンスがいい結果になります。というのも、人間って生産性が倍違うということはよくあるんですね。
なのでコスパ重視な人も、賃金よりも能力の見極めに力点を置いて、選考された方がいいのではないかなと思います。
スタッフの人件費はケチらず、他社よりも若干多いぐらいを想定して出しましょう。
スキル VS 人柄、重視すべきは人柄
いくら有名な会社で素敵なページを作った経験があったとしても、面接で話してみて、あわない方はうまくいかないです。
一方で、「ページは全然作れないけどナイスな人」は、たぶん制作の仕事は向いていないですが、一緒に働く分にはやりやすいですよね。合う人を中心に組織を作っていくと仕事がはかどり、非常に快適に組織を運営することができます。
「スキルがイケてるけど、人となりがちょっと残念」という人とは結局うまくいかないので、スキルと人柄を天秤にかけた時は、どちらかと言うと人物重視で選んでいくといいと思います。
多数の応募がある中、大人な感じのいい人を選ぶと、仕事は非常にスムーズになりますよ。
まとめ
今回は、おすすめの選考方法をご紹介しました。
面接前に筆記試験を実施し、「一次選考→二次選考」というステップを踏むことで、仕事ができる人に絞り込んで面接することができ、効率的に選考を進めることができます。
また、スキルや実績も大事ですが、それよりも大事なのは「一緒に働きやすいか」「相手の気持ちを慮れる人か」です。こういったことが自然とできる人は、中小企業が仕事が頼みやすい人です。
「相手の気持ちを洞察し、相手の立場になって物を考えられる人」は、チームで働く際にとても有能だと言えます。これは年齢はあまり関係なくて、若い人でもできる人はできますし、年をとってもできない人はできません。
あとは応募がある程度ないと、素敵な人に巡り合えないので、人件費をケチらないのが大事。たくさん応募を集めて、その中で相手の気持ちを慮れる方を選び、そういう人と大切に付き合っていくと、良い組織ができていくと思います。
P.S.
ちなみに「地方なので、そもそも応募自体が少ないんです」というお声や、「応募が少ないから、賃金を上げなきゃいけないんでしょうか」というご相談をよくいただきます。確かに賃金はあげた方がよく集まるんですけど、それだけではなく、安心感のある写真や会社紹介があるだけで応募しやすくなりますし、実際に応募が増えます。
例えば、オフィスの風景や、メンバーが働いている写真、みんなが笑顔で話している写真などですね。中の様子が見えない会社って、人は警戒してしまいますから。実際、弊社で採用の写真を撮り直したときの記事があり、こちらも参考になるかと思います。
採用活動だけでなく、組織運営やチーム・ビルディングについて、弊社では他にも様々な知見や事例があります。
「仕事を人に頼むの苦手だなあ」「採用の面接ってどうやればいいの?」「新人さんに会社の文化に馴染んてもらうにはどうしたらいい?」とお悩みの方にも、方法論のご提案などが可能ですので、ご興味がおありでしたらお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人
- 槐と書いて「えんじ」。埼玉出身。10年以上EC業界に在籍し、アパレル/美容雑貨/ベビー用品など様々なジャンルを経験。某モールで講師も担当。店の個性を活かした支援、人が育つ環境づくりに興味を持ち、コマースデザインに入社した。中小ECの可能性を信じている。カメラ好きでcanon60D愛用中。スパイスカレーに目がない。