こんにちは。コンサルタントの石黒です。
今回は、失敗しないネットショップリニューアルの考え方をお伝えします。
ネットショップのリニューアルはなかなか厄介ですよね。お金も時間もかかる割にそこまでの「大きなメリット」があるわけではないですし、やってもすぐ売上が伸びるわけでもありません。でも再送りにしていると、明らかに古い感じのお店になってしまうので、やらない訳にもいかない悩ましい問題です。
リニューアルして効果があればいいのですが、「逆に売れなくなる」など失敗してしまうパターンもあります。さらに本店の場合には、「やり方を間違えると、検索順位が落ちてしまう」「検索上位がとれているページを失ってしまう」というリスクもあります。
でも、典型的な間違いを避けることができれば、大きな失敗は防げます。そこで押さえておくべき考え方をご紹介します。
リニューアルで押さえるべき大切な考え方とは?
リニューアルの際に、外してはいけない大切なことは、以下の3つです。
- 1.リニューアル前に、お客さんのことを考えましょう
- 2.お手本をたくさん集めましょう
- 3.見た目ではなく、骨組みから考えましょう
順番に詳しく説明していきますね。
1.お客さんのことを先に考えましょう
住宅のリフォームや建て替えなど、家を建てる時のことを想像してみてください。
注文住宅で自由にレイアウトが作れるとしたら、どんな家がいいでしょうか?
…と言われても、一人暮らしなのか、新婚夫婦なのか、核家族なのか、大家族なのか、何世帯いるか…など、「住む人が誰で、どのような生活をしているか」を先に考えるべきことですよね。
例えば、車が大好きな人の場合、車を3台ぐらい置ける駐車場があったら、「たまらない!」となるのではないでしょうか。駐車場の脇にガラス張りのスペースがあって、自分の車を眺めながらお茶を飲めるスペースがあって…こんな空間設計は車好きの方なら最高ですよね。
このように、「どんな人がその家に住むのか」「どんな生活をしているのか」によって、ベストな住宅のレイアウトは全く変わってきます。
そういった前提を想定しない住宅はどういうものかと言うと、建築士の趣味を押しつけた失敗パターンのような家か、もしくは万人受けする無難な家になります。言わば「超標準的な普通のマンション」ですね。
ネットショップのリニューアルもある程度自由にできるので(システムにもよりますが)、「せっかくリニューアルするなら、自分のお店にピッタリで売上が伸びるような形にしたい!」と思いますよね。そうなると、標準的な住宅より注文住宅に近い形になるので、「どんなお客さんがどういう買い物をするのか」を想定することが、とても大切です。
焦らずに「どんなお客さんが何を見て、何と何を見比べて、どんな感じで買っていくのか」をよく考えましょう。
- ギフトがメインなのか
- 買い回りが多いのか
- 5個〜6個をまとめて決済するのか
- 単品で買われているのか
- 品揃えは多いのか、少ないのか など
これらの要因によって、どんな店構えがいいかはガラッと変わってきます。ですから、まずはお客さんのことを考えて、こうした条件を全て洗い出すことが第一です。条件を洗い出すことができて初めて、次のステップに進むことができます。
2.お手本をたくさん集めましょう
ホームページやネットショップのリニューアルに限った話ではないですが、世の中を見渡せば、色々と上手にやっている人達がいますよね。
例えばチラシを作る場合、チラシをたくさん集めて、自分のイメージに近いチラシを選んでファイリングしておくのがおすすめです。
集めたチラシを見ながら、「自分はどんなチラシにしようかなぁ」と、考えてみてください。
お手本が1枚だとマネになってしまいますが、お手本が100枚あったらどうでしょうか?自分のイメージと近いお手本のチラシが100枚あったら、チラシを作る際に「ここはこのチラシから学ぼう!こっちはこのチラシから学べるな」という風に、いいとこ取りをしていくとオリジナルなチラシができ上がりますよね。
なので、サイトのリニューアルをする際も、自分のお店はお客さんがどんな動き方をするか、お店の特徴はどんなところなのか条件を書き出した上で、たくさん参考になるページを探してみてください。
その際、片っ端からブックマークすること、スマホでサイトを見ること。というのも、PCのサイトを見ても、お客さんはほとんどスマホで買うため、スマホのサイトをたくさん見ておくといいでしょう。
スクリーンショットを撮って印刷しておくと、さらにいいですね。「スクリーンショット」が初耳だという方は、「スクリーンショット拡張機能」で調べると、色々なツールが無料で使えますのでぜひ調べてみてください。
とにかくお手本をたくさんためていくことが大切です。ブラウザで見るのもいいですが、紙で印刷してワアーっと広げて眺めるのもいいですよ。
3.見た目ではなく、骨組みから考えましょう
サイトマップという言葉がありますよね。
トップページがあって、「初めての方へ」というページ、決済と配送のご案内のページ、カテゴリページ、特集ページにFAQ…といった、サイトの構成です。骨組みとは、あのレイアウトのことを指します。この骨組みから考えていきましょう。
既にお手本のサイトをたくさん見て、情報を蓄積している状態だと思うので、お手本のサイトを見ながら、骨組みを描いてみてください。
トップページがあって、トップページから一歩奥に入った第2階層にはどんなページがあるでしょうか。「初めての方へ」というページがありますか?FAQページなど、それぞれどんな感じになっているでしょうか?
こんな風に、「どんなページがあるのか?」の骨組みを先に考えてください。トップページやカテゴリなどの機能的なページは必須ですよね。それから、お客さんの買い物をお手伝いするページに加えます。場合によっては、店長のブログなどのコンテンツページもあるかもしれません。
「骨組みと見ための違いは何か」と言うと、住宅で例えるなら間取りと内装の違いです。「このタンスすてき」とか「フローリングがいいよね!」という話の前に、間取りの方が優先ですよね。「リビングはどれぐらいの広さか」が先で、「壁紙をどうするか」は後から決めます。
こうして住宅に例えるとイメージしやすいと思いますが、自分のネットショップのことになると、ついつい壁紙や見た目など、わかりやすい印象から先に考えてしまうので、注意しましょう。
よくあるQ&A
最後に、よくいただくご質問にお答えしていきます。
カートの移転を伴うリニューアルの時、気をつけることは?
カートの移転の際に気を付けることは、モールに新規出店する場合と同じで、「商品の登録を完了させる」「お店のたたずまいを整える」の二段階で考えることです。
見ためはシンプルだけど買い物ができる状態と、お店としても整っている状態がありますよね。ネットショップの引っ越しをする際には、「シンプルだけど一応は買える」という状態にしてから、その後作り込むという、2ステップに分けることをおすすめします。
せっかく新しいショッピングカートシステムに置き換えてリニューアルするので、「いっぺんにやろう!」と思われる方も多いのですが、そうするとどうしても大変になってしまいます。
システムの違いを踏まえた商品登録だけでも、それなりに手間がかかるので、先に済ませてしまうのがおすすめです。
ある程度のことは諦めて、商品ベースでの登録を完了させ、その後にサイトを磨き込んでいく段取りにしましょう。
まとめると、カートの移転を伴うリニューアルの場合、ステップを分けて2段階で考えること。
まず買い物ができる状態にしてから、その後に追って細かな作り込みを行いましょう。
コーポレートサイトとショップを一体化させる場合は?
こちらも答えは同じで、最初にお伝えした通りです。
「お客さんがどんな動き方をしているのか」「商品ラインナップどうなのか」ということを考えることが基本だと思います。
「お店のレイアウトはどんな形がいいのかな」
「スタンダードなレイアウトってどんな風だろう?」
「コンテンツページとショッピングのページを一体化させたい」
といったECサイトの設計に関するお悩みは、弊社のコンサルティングで各店の実情に沿ったご提案をしていますので、お悩みの方はぜひご相談ください。
まとめ
以上、「ネットショップのリニューアルで失敗しないための考え方」と、よくある質問をご紹介しました。
まず、客層理解を深めた上で、お手本サイトの情報収集を行いましょう。この際、お客さんはほとんどスマホで商品を買うため、スマホサイトをたくさん見ておくこと。また、デザインや見た目を考え出す前に、サイトの骨組みや機能的な要素を検討しましょう。
何事も原理原則を理解できていれば、大筋を外すことはありません。また、予め気を付けるべきポイントを押さえておけば、失敗を防ぐこともできます。
これからネットショップのリニューアルを検討されている方は、ぜひこの記事でお伝えしたポイントに沿って進めてみてくださいね。
P.S.
弊社はEC事業のコンサルティング会社です。ネットショップの販促や売上アップのご支援だけでなく、こうしたネットショップのサイト設計についてのサポートも行っています。「本店を新しくしたい」「カートを移転するので、サイトをリニューアルしたい」「うちの店はどのシステムがいいのか?」といったお悩みについても、ご相談に対応しています。
EC専門のコンサルタントとウェブ会議で話しながら、頭の中とやるべきことをクリアにし、御社の強みを活かしたネットショップを作っていきましょう。ご興味のある方は、以下のページをぜひご覧ください。
この記事を書いた人
- エクステリア通販会社にて、店長業務に加えて物流・ユーザサポート・システム開発まで幅広く担当。市場ニーズと競合度を見極めて自社オリジナル商品を企画、自ら販促全般まで行って人気商品を量産。楽天ショップオブザイヤーにてジャンル賞を受賞したが、独自ドメイン店にも明るい。休日はバンド活動中。