コマースデザインでは、3ヶ月でEC事業にかかわる全般的なノウハウを学ぶオンライン研修「EC運営ステップアップコース」を開催しています。
今回のインタビュー企画は、この研修を受講いただいた株式会社澤井珈琲の澤井理憲さんが登場。実は、今春4月に開講する第3回には、澤井さんに続き、同社リーダー2名のご参加も決まっています。
「ネットで1番賞を獲ったコーヒー屋」として知られる澤井珈琲が、いまなぜ本研修を選んだのか、実際に受講してどんな手応えや将来性を感じたのか、コマースデザインの坂本と山本が伺いました。
※本研修で学ぶノウハウは、戦略、販促、分析、組織、効率化、AI活用など幅広いテーマをカバー。実際にご参加いただいた方々からも「独学では10年くらいかかりそうな内容を、たった3ヶ月で学べた」とご好評をいただいております。また、オンライン、オフラインでのディスカッションの機会も設けており、店舗同士の交流を通して学びの相乗効果も生まれています。>>EC運営ステップアップコース
「澤井珈琲 Beans & Leaf」の紹介
会社の始まりからEC開業まで
山本:本日は卒業生インタビューにご協力いただき、ありがとうございます!まず御社と澤井さんご自身について、ご紹介をお願いします。
澤井さん:弊社は鳥取県にあるコーヒー豆の専門店です。創業は41年前、両親が脱サラして「澤井珈琲」を立ち上げました。鳥取や島根の山陰両県には、それまで全国展開の店はほとんど進出してなかったのですが、2000年前後で全国のレストランやカフェが一気に進出してきました。澤井珈琲もその影響を受けて2000年ぐらいから売上が下がってまいりました。
それでECに助けを求めました。弊社の一番の転機は、2002年の2月に、ネットショップを出店したことです。
2002年、楽天に出店!でも「澤井珈琲」を名乗れない
澤井さん:ただ、出店したときから「お前が作るものは中途半端なものだから」ということで、ネットショップをオープンしても「澤井珈琲」を名乗らせてもらえませんでした。私自身が昔バカ息子だったもので信用がなく。。
坂本:え?どういうことでしょうか?
澤井さん:「澤井珈琲」の名を汚すものしか作れないと言われまして。
坂本:それは、誰から言われたんですか?
澤井さん:両親からです。出店当初は「Beans & Leaf」という名前でやってまして、月商1000万を超えた段階で初めて「澤井珈琲」を名乗っていいということになりまして、今の「澤井珈琲 Beans & Leaf」という名前になりました。
坂本:あーなるほど。月商1000万円達成で、澤井珈琲2代目を襲名したんですね。それで「澤井珈琲 Beans & Leaf」になったんだ。
澤井さん:実は、楽天市場についても(両親から)出店料だけ出してもらったんですよ。他は何も出資してもらえなくて、例えばパソコンも自分で用意しろと言われました。当時僕はバカ息子で貯金がなかったのですが、パチンコ中毒の友人がいて、彼に5万円を貸してたんですね。その彼がノートパソコンを持っていたので、出店が決まるとすぐに彼のところに行って、「今すぐ5万払うか、そのノートパソコンよこすか」と言って取り上げたのが、「Beans & Leaf」の始まりです。
坂本:(笑)
ブレイクのキッカケは「給料3ヶ月前借り」して出した広告
澤井さん:2005年頃までは自力で月商300万円くらいまでやっていたんですが、やっぱり伸び悩みました。その頃、他のお店から「広告出して売れた」という声をすごく聞いて。2005年9月に、初めてECCさんから「広告買いませんか」と言われ、その広告が60万円でした。社内では反対されましたが、僕の当時の給料は20万で「給料3ヶ月いらないから出させてください」ということで、広告を出したら大当たりしました。
ランキング100位にも入ったことのない澤井珈琲が、いきなり楽天1位になりました。そのランキングを見て、また第2弾、第3弾とご注文が来て、2005年の9月に初めて月商1000万円を超えました。
坂本:たくさん売れるようになった理由は、何だったんでしょう?
澤井さん:広告で売れるようになった後、メルマガの反応が変わりました。一気に既存客が増えたことによって(メルマガの)反応が上がったんです。それで広告を出して新規客を増やし、メルマガを出して常連さんを増やす、という方針にしました。澤井珈琲の今の体制が完成したのがその段階ですね。
坂本:なるほど、整理すると、(1)最初は売れない時期があったけどいろいろ工夫して、広告なしで何とか300万まで持っていった時代。次のフェーズで(2)3ヶ月分給料突っ込んでグルメニュースを出し、そこからメルマガの反応が良くなって、今は(3)体制ができて、毎月メルマガで何千万も売っている状態ですね。私、こんなにメルマガで売るお店を初めて見ました。
澤井さん:3年間売れなくて、「メルマガでどうにか知ってもらわねば」という習慣が身に染みついているので、未だに出し続けているのもあると思います。
坂本:やっぱり、ものすごい謙虚さと「マグマのような情念」が澤井さんの魅力ですね。すごく売れない時代とか広告費出すのが大変とか、苦労しているから、いろんなお店の方が師匠として仰いでいるんだろうなと思いました。そう考えると、ご両親が2代目襲名をなかなかさせてくれなかったり、広告費も給料で出させたりしたのは、多分創業期の体験をしてもらおうとしたんではないですか。
澤井さん:だと信じたいですけど(笑)
研修を受けたら「ボコボコになった」
受講までの経緯
山本:我々コマースデザインのことは、どのように知っていただけましたでしょうか?
澤井さん:実は10年ぐらい前からお名前は存じ上げてました。SOYTRIP(※)に行くといろんな店長さんのお友達ができるので、(自転車グッズ専門店キアーロの名物店長の)ヨナーイさんからも坂本さんのお話を聞いていましたし。
※SOY TRIP(ソイトリップ):Shop of the Year Tripの略称。楽天ショップオブザイヤーを受賞すると、楽天から招待される研修旅行。毎年楽天主催で開催されており、グループワークやチームビルティング研修などもあり、店舗同士が知り合ったり交流を深める場となっている。
澤井さん:でも僕、楽天ショップオブザイヤーは11年連続で取ったけど、3年落としてるんです。
坂本:そうなんですね。
澤井さん:もうSOYは卒業かなと思ってたんですけど、だんだんステージが上がってる人が羨ましくなって、その頃から「SOYTRIPに今から行ってきます」という投稿を見るたびに「飛行機が飛ばなければいいのに」って思い始めて(笑)
坂本:マグマの情念ですね(笑)
澤井さん:はい。でも「やれる限りは全てやってるのに、なぜ数字が伸びない?」ということを考えるようになって。良くも悪くも2005年の成功体験を引きずり続けて、広告を出して新規のお客さんを取って、というのをずっと繰り返して今までやって来たんですね。
坂本:時代がいろいろ変わっていく中で、澤井さんも「何か変えなきゃ」という気持ちがたまっていたと。
コマースデザインのEC研修を選んだ理由
坂本:他にもいろんな勉強会とか学ぶ機会はあったと思いますが、なぜ我々の研修を選んでいただいたんでしょうか?
澤井さん:本当に「ゼロから、他の研修生たちと一緒に学びたい」というのがメインだったので、それで入らせていただいた次第です。ゼロから学び直したいと。あとその前にChatGPTセミナーも受けて、「こんな劇的に変わる方法があるんだ」と感銘を受けたこともきっかけになりました。
坂本:ありがとうございます。「体系だてられたセオリーを学ぶ」というところが、澤井さんの問題意識にはまったんですね。
澤井さん:はい。
「いい意味でボコボコになった」
坂本:実際に研修を受けてみてどうでしたか?
澤井さん: いやぁ、もう本当に、いい意味で、、ボコボコになりました。
坂本:ボコボコにはしてないですけど(笑)ありがとうございます。
澤井さん: 本当にわからないこととか、基本的な考え方が抜けたまま、偏って成長した部分があることがわかりました。お客様がなぜうちの商品を選んだのかを理解する「ダレナゼ」も足りないし、「横フリックから先に作る」とか「仕事の移管」もそれまでは頭になかったです。
坂本:うんうん。
澤井さん:普通のお客さんがどんな行動をして、何を購入動機にするのか。セミナーであったレビュー分析や「お客様の買う動機と店舗が言いたいことを一致させる」というのも初めて知ったことです。毎回新しい発見しかなかったので、本当にありがたかったです。
坂本:ありがとうございます。受講生の皆さんは、研修の振り返りをリフレクションレポートを書いていただくわけですけど、澤井さんは「自分はここが足りない、ここが足りない」と文字量も多かったし、反省のレベルも深くて、自分を変えることにためらいがないという印象を受けました。
「忙しさから脱する道筋」が見えた!
澤井さん:最初に習ったのは「タスクとイシュー」の話でした。あれはキました。「1番疲れるのが、イシューしながらタスクすることだ」って言われて、「あ、今の僕だ」と思って。
坂本:少し補足すると、やらなきゃいけない作業がタスクで、けりをつけなきゃいけない・結論を出さなきゃいけないという考え事がイシューなんですね。イシューをしながらタスクを実行する。つまり、「あれをどうしようかな」と考えながら日々の作業をやろうとすると、「部屋を片付けながら置いてあった雑誌を読んでいる」みたいな感じになって進まなくなります。タスクとイシューの違いに注意しましょうという話ですね。
業務移管は、ベテランの店長ほど、自分がやらなくてもいい仕事を抱えっぱなしにしがちなんです。忙しくて身動きが取れなくなる。澤井さんもそうだったんですね。
業務の移管が進展して、時間ができた!
澤井さん:1回目の講義を受けた段階で、もう完全に「澤井珈琲の一番の短所は僕なんだな」ってすごく思いました。全部僕がすることによって、スタッフたちの成功体験であったり、心理的報酬もすべて取り上げて、自分だけが成功体験を感じ、彼ら彼女らのガッツポーズを見るチャンスをなくしてしまっていた。
でも、そうすることによって自分自身も苦しめて、家族も家で待ちぼうけして、毎日小言を言われるのがずっと続く。この状態を解決できる道筋が見えたことが嬉しかったです。
坂本:いや、本当に。僕もよく分かります。中小の社長って「ここは自分がやる!」みたいになっちゃいますよね。でもそれはメンバーが苦しんだり悩んだりする機会を奪ってることになる。本当はみんなやろうとしたらできるし、すぐにはできなかったとしてもできるようになるのに、ちょっとのつまずきとかが気になっちゃって「つまづく前に止めちゃう」みたいなことがありますね。
澤井さん:メンバーへ自分の業務を移管するときも、坂本さんが「仕事を頼む相手に、動画で自分の作業を撮ってもらう」という話をされましたけど、その方法でヤフーのメルマガスタッフに任せてみたら、僕への質問量が10分の1以下になって、すごくいいものを作ってくれるんですよね。
坂本:なるほど。動画を挟むことによって、澤井さんへ質問する量が減って、スムーズになったんですね。
澤井さん:あとマニュアル化も、僕が作るんじゃなくて「移管する相手側がマニュアル作る」ようにした方がいいと坂本さんから言われて、それですぐに本人たちが作ってくれたんですね。「アウトプットすることによって、より理解が深まるんだな」と思いました。
坂本:そのノウハウを実行するスピードが、澤井さんは本当に早かったと思います。研修を受けた後に、コンサルのご依頼もいただいて、さあ支援を開始しようと思ったら、もう既に業務移管も結構進んでいましたよね。
メンバーの育成ができるようになった!
山本:業務移管を進められて、澤井さんご自身は何か変化を感じられていることはありますか?
澤井さん: 1番の良い変化は、そうですね…(仕事を移管して)僕の仕事が減ったことによって、例えばセールのときにスタッフが「10%引きで」というのを「いや、これは50%でいこう」とか「件名変えようよ」とか、そういったアドバイスができるようになったのはすごく嬉しかった。
坂本:(全て自分でやるのではなく)まずメンバーがベースを作った上で、澤井さんがアドバイスをする形になると、最終的なコンテンツ品質を担保した上で、澤井さんの業務時間は減るし、「澤井さんからのアドバイスを聞きながら答え合わせができる」のでメンバーも育つ。
澤井さん:はい。まあ、やっぱりいきなり重要な所はちょっと怖くて、少しずつですが、ヤフーのメルマガなんかはもう、(スタッフが用意したものが)7~8割できた状態で来ますから。
坂本:うんうん。
澤井さん:すごく楽になったのは事実です。やっぱりゼロから作るのと、80%できてるのから作るのとでは全然違いますよ。
坂本:素晴らしいですね。澤井さんがリフレクションシートに書いていた、「メンバーがヒーローになるようにしていく」という話がすごく印象的でした。自分じゃなくて、メンバーが輝くようにしていきたいと。
澤井さん:うちのスタッフは本当にいい子たちばかりなんですけど、これまでは「地図」がない状態で仕事をさせていたなと。これからコマースデザインさんのお知恵をお借りして、いい感じにしていきたいなと思ってます。
コマースデザインの研修の特徴
研修の特徴は「売るための仕組み作り」
山本:澤井さんから見て、我々の今回の研修の特徴というか、他と違うなと感じるところがあれば教えていただけますか?「いわゆるECの販促に特化してるわけではない」というところなのかなと思っているのですが。
澤井さん: はい、それはすごく思いました。「広告いくら使って、いくら売ろう」というコンサルではないんだなと思いました。仕組み作りをしっかりやって、最大限の利益を目指して自分たちの思いを届ける。僕自身も楽天市場の見方が変わりました。いつもコーヒーで検索して何個あるかしか見てなかったのに、サジェストを見たり、自分がお買い物するときも同じような視点になりました。
「楽天市場でまだまだ伸びしろを見つけられる」と分かった
澤井さん:正直、僕は楽天NATIONSで何回か講師をやってるので、いろんなお店を見て「もうこの業界はレッドオーシャンなんだろうな」「もう救えないんだろうな」という思いもしょっちゅうしてきましたけれど、まだまだ楽天市場は伸びるし、もっと苦しまずにできるんじゃないかなと思いました。
坂本:感動のあまり言葉が…最前線で20年やってこられて、たくさんのお店のリーダーとしてアドバイスをしてきた澤井さんから、僕らが発信する考え方について、そういうフィードバックをいただけるのは、本当にこの仕事をやっていてよかったなと思います。
僕らは所詮黒子業というか、1番すごいのは出店者の皆さんだと思っているんですね。出店者の皆さんが共通して陥る課題とか、うまくいくパターンを整理してお伝えし直すのが僕らの役目で、花とミツバチでいうとミツバチ側ですね。
いろんな人がやってることを見て回って、そのノウハウの交配と進化を促せればと思っている立場なんです。そのつもりで、うちは16年目までやってきましたが、澤井さんの言葉を聞いて「やってきたことは正しかったな」と改めて思いました。ありがとうございます。
澤井さん:研修を受ける前までは、「ポイント、スーパーセール、ディール、マラソン、クーポン…あと何すればいいんだ!」と、逆ギレ状態までになってました。でも受けた瞬間に、基礎の基礎が全然できていないことが分かり、「当たり前のコーヒー屋として、お客様が欲しいものを売る」、それが一番大切だよねって思いました。
坂本:楽天の企画に乗るのも大事だけど、それ以外にも大事なことはありますよね。
「逃げようがない宿題」と「待ってる人」のおかげで集中できる
坂本:学び方として、なぜ「研修」が良かったんでしょうか?情報ってあふれているじゃないですか。検索すると何でも出てくるし、GPTに聞いてもいろいろ教えてもらえるし。こういう場で、わざわざ日時をあわせて、みんなで話して宿題書いてという体験は、澤井さんにとってどういう意味がありましたか?
澤井さん:確かに情報は探そうと思えばいつでも探せますが、「いつでも探せる」がまたネックで、結局後回しになっちゃうんですよ。逆に宿題が決まっていて、「この日にやる」としっかり定まってると逃げようがないので、集中できてすごくありがたかったです。
坂本:なるほど。いや~しかし、澤井さんよく宿題する時間がありましたね。
澤井さん:また宿題が難しかったので。
坂本:宿題を設計する側としては、「これも聞いとこう」とか「これも必要」と、どんどん宿題が大盛りになっちゃうんですよ。
澤井さん:宿題をしないと、FA(※)の味藤さんが悲しそうな顔をするので、そんな悲しい顔はさせてはいけないと(笑)。
※FA:ファシリテーターの略。研修受講者をチームに分けて、チームごとに弊社コンサルタントが付いて、議論や学びをサポートします。
坂本:なるほど、「待ってる人がいるから宿題する」というのはあるでしょうね。
澤井さん:そうなんですよ。これが怖そうなおっさんだったら、もう全然「ごめんなさい」って言えるんですけど(笑)。味藤さんだと「お顔を潰せない」となるので。
あと、坂本さんやコマースデザインさんをヨイショしてるわけじゃないんですけど、FAは皆さん膝を合わせてお話してくれます。例えば澤井珈琲で行くと結構恐縮されて誰も話してくれなかったり、ヨイショばかりのところもあるのに、坂本さんはじめ(研修のファシリテーターの)味藤さん、亀田さんも全員視座をあわせて話してくれるのは、すごく嬉しかったです。
坂本:ありがとうございます。他の皆さんとの交流はどうでしたか?
澤井さん:いろんな視座の方がいらっしゃって面白かったです。皆さん優秀でしたね。
坂本:そうですね。「3ヶ月勉強するぞ」っていう人ですから基本優秀な人ばかりですね。澤井さんのチームは、お互いにコメント書きあったり、すごく盛り上がってましたよね。
山本:なかなかご自身で強制的にするのは難しいと思うのですが、集中的に取り組んだことで、その先に何か得ていただけるものがあるといいですよね。
スタッフの育成について
スタッフには「学ぶ楽しさ」も体験してもらいたい
坂本:追加でおふたり、リーダーの小谷さんと原田さんを次回の研修に参加いただくことになりましたね。そこに込めた思いや展望があれば、教えていただけますか?
澤井さん:もう2人共、言ったことはすごくやってくれます。でもどうしても僕の指示や僕を見本にしてスタッフは頑張ってくれているので、逆を言ったらそれ以外の頑張り方がわからない。言葉は悪いんですけど、上司がポンコツなんで(笑)
坂本:いやいやいや。
澤井さん:講座にはいろんなテーマがあるので、小谷や原田が(僕とは)別な部分を習得してもいいし、僕以外の人から意見を聞くということは大事で。鳥取県民ってシャイなんですよね。いろんな人のところにどんどん行けないので、学ぶ楽しさも教わってくれたら、まだまだ本人たちが成長できるんじゃないかなと思って、「ぜひ勉強しておいで」と言いました。
僕の方から「行ってこい」じゃなくて、直接本人に電話して「こういった素敵なセミナーがあるんだけれどもやってみないか」「費用は全部会社が出すから」と話したときに、2人共声のトーンを上げて、「ぜひやらしてください」と言ってくれたのはやっぱり嬉しかったですね。
坂本:それは嬉しいですね。2人共リーダーだから、各チームのメンバーにも良い影響がありそうですね。
澤井さん:そうなんですよ。リーダー経験がうち以外ではない子たちなので、「どんなリーダーにならないといけないのか」、「どんな指示を出さないといけないのか」も坂本さんや(担当コンサルタントの)亀田さんから教えてやっていただけると、より強いチームができるんじゃないかなと期待してます。
他の会社の社長やマネージャーとの交流から得るものがたくさんある
澤井さん:澤井珈琲は先ほども言ったように、広告やってメルマガやってを22年間ずっとやり続けて特化できたんですけど、それ以外は何もできてないので、今回丁寧に教えていただきました。自分の場合も、それを仲間たちと宿題やったりすることで、「他の人はこう気づいたんだ!」っていう気づきがあったと思います。
坂本:社長さん同士はすごく交流するんだけど、マネージャーの人たちってあまり交流する機会がないと思います。他のマネージャーが何をしてるか、話す機会がなかなかないですよね。
澤井さん:そうですね。相談する相手とかお友達でもできるといいですよね。
坂本:先日、研修卒業生の同窓会を開催して、3次会までやりましたが、「マネージャークラスの人たちの交流の機会はすごく貴重だ」という話が出ました。社長と話すのもいいんだけど、社長は交流の場によく現れるので。マネージャーは社長の思いを汲んで、現場のメンバーを理解して、無理がないように全体のバランス取っている人で、そういう人たち同士の交流はすごく重要で貴重だって。
次も、きっとマネージャーやリーダークラスの人が来ると思います。社長も来ますし、新人さんも来ると思いますが、「社長はこんなこと考えてんだな」と、よその社長を見て澤井さんへのシンパシーが高まったり、他のマネージャーを見て「みんなこの辺が大変なんだなぁ」と思うと、多分すごく自立性とか能動性が上がると思うんですね。
澤井さん:はい、よろしくお願いします。
坂本:他の参加者の方からいただくコメントで面白いのが、「よその社長もこうなんだな」とか、「よそのマネージャーも同じようにこういうことで悩んでるんだな」という斜めの関係ですね。マネージャーの人がよその社長やメンバーを見たり、社長さんがよそのマネージャーやメンバー見たりするのがすごく面白いので、多分これから受けていただくお二人にも良い体験を提供できると思います。
澤井さん:はい。もう僕のようにコテンパンに、気持ちよくやられてもらえると嬉しいなと思ってます。
澤井珈琲の今後の展望
もっとくだらないことに情熱を注ぎたい
坂本:澤井さんの今後の展望についてお伺いしてもいいですか?
澤井さん:今後の展望は、できるかどうかはわからないですけど、よりメディア化を目指していきたいなと思っています。
坂本:YouTubeチャンネルをやられてますよね。
澤井さん:はい、ブログもまだ何もできてないですしね。御社から学んだ方法でいうと、商品紹介よりも、「こんな楽しみ方ありますよ」とか「これとこれのマリアージュで」とか、そういったよりコアなファンを作っていきたい。よなよなエールさんの乾杯の集まりじゃないですけれども、澤井珈琲もお客さんとの交流が好きなので。なんていうんでしょう、もっともっとくだらないことに情熱を注ぎたいですね。
坂本:あー、いいですね!
澤井さん:そんなこともできるなって思ってます。そうしていくしか生きる道ないなって思っていますし。
山本:ますます常連の方やファンが増えるような未来ですね。
坂本: やらなければいけないことをどんどん効率化し、チームのメンバーにやってもらえるようにする。そして何がしたいか。くだらないことに情熱を注ぐ。そうしないと生きていけない。いやぁ、本質ですね。
澤井さん:はい。近所の面白いコーヒー屋のおっちゃんになりたいです。「あのおっちゃん、今日も元気だな」と思ってもらえるような、地元の商店街の親父になりたいですね。全面リニューアルでも、僕は何のこだわりもないです。よりお客さんが喜んでくれるためだったら何でもやりたいですね。
坂本: あーいいですねぇ。そういったメルマガで発信する内容のご提案や調整も、コンサルの方でできるといいですね。
リアルでピンチになってECで成長した。次はリアルにリベンジしたい
山本:先ほど商店街のコーヒー屋さんというお話をされていましたが、実店舗でこういう風にしていきたいということはありますか?
澤井さん:僕が実店舗をやってる理由は、2002年ぐらいにピンチになってECに救われたというのがあるので、リアルにリベンジしたい派なんです。まだ日本のEC化率って10%いってない。食品で見ると、おそらく3%もいってないと思うんですね。なぜかというとやっぱり怖いと思われているじゃないかと。
「知らないとこから買うのが怖い」ので、知られている場所にお店があることによって安心感につながるんじゃないかなと思って、銀座やスカイツリーなど、有名なところに実店舗を出し続けています。
売れない時代が長かったからこそ、やっぱり僕はお客さんの顔を見るのが好きなんだと思います。ですからこれからも有名なところにはどんどん出店していきたいなと思ってます。あと、ある程度ベスト店長とかショップオブザイヤーを何年もとってると、後輩たちもできてくるので、頑張ったら銀座にお店が出せるとか、そういった前例を1個でも作っていきたいですね。
坂本:いいですね、そういう将来の展望も御社のチームのみんなに共有して、みんなで目指していけるようにしたいですね。
澤井さんの情熱はどこから来るのか?
山本:研修にお申し込みいただいたときに、メルマガもご自身で書いていることに、当社内でも驚いてざわついた記憶があります。こんなにたくさん出店もされていて、澤井さんは相当ご多忙なのだとお察しします。
坂本:研修の中で、仕事を洗い出してトータルの時間を見るというのがありましたが、澤井さんは1日の仕事量が2~3人分ぐらいの量で…..ちょっとまずいなという気がしましたね。
山本:マグマの部分ですよね。そのパッションはどこから来るのか、皆さん興味があるのではないでしょうか?
澤井さん:今はスケジュール帳は真っ黒です。でもスケジュール帳が真っ白な時代が何十年もあったんですよ。だから、黒い方が嬉しいんです。必要とされてるという感覚があります。
坂本:なるほど。もしかしたら、今が切り替え時期なのかもしれないですね。必要とされていない時期を埋め合わせるように、トッププレーヤーとしてメルマガを書き、成果を上げて、伝説のお店になった。
ただ、ふと後ろを振り返ると、メンバーを十分ケアできていなかった。「本当はメンバーももっと自分で考えて、活躍できるようになれたはず」と思い至って、自分が主役ではなくなる。「自分がヒーローの座から降りて、メンバーがヒーローになるようにしていく」という風に、パッションの持ち方が切り替わってる時期なのかもしれないですね。
澤井さん:はい、そうなりたいです。
澤井さんのメッセージ
坂本:最後に、澤井さんと似た状況にある人が何か勇気づけられるとか、ちょっと視界が開けるというか、少し楽になるようなお話がいただけるといいなと思うんですが、いかがでしょうか?
澤井さん: 僕はやっぱり、この研修を受けて、皆さんにおすすめしたいです。
ECで最初から全てそろってる環境の人はいないですよね。社長ひとりで、人生何かあったら終わりという状態で賭けてきて、10年、20年頑張ってきたという人も多い。でも、時代はアップデートされてるじゃないですか。ChatGPTもそうだし。
ですから、出店して5年ぐらいまでの人が研修を受けた方がいいのも当然なんですけど、出店10年以上の人にとっても「時代かどうアップデートされていて、どう頑張るのか」をもう1回棚卸しするチャンスだなと、僕は思いました。
坂本:おおお。ありがとうございます!
まとめ
今回は「EC運営ステップアップコース」を受講された、株式会社澤井珈琲の常務取締役、澤井理憲さんにお話を伺いました。
楽天で数々の賞を受賞し、熱いアドバイスで多くの店長さんから尊敬を集める澤井さんですが、業界大ベテランでありながら「ゼロから学び直したい」と当社の研修を3ヶ月受講いただきました。
一般的に研修が済んだ後は、誰しも忙しさにかまけてつい実践が遅れてしまうものですが、澤井さんは猛スピードと情熱で実践し、業務移管・時間捻出などの成果を出されています。いつでもゼロから学び直し、学んだことは徹底して実践するという姿勢・・「レジェンド」の仕事ぶりに接して、身の引き締まる思いがしました。
今後も私たちは、EC事業者のみなさんの「やりたい商売」が実現できるよう、黒子としてご支援したいと考えています。加速度的に変化していく時代の中でうまく舵を取りつつ、本質を忘れずにいられるよう、EC運営に役立つノウハウや情報も発信していきますので、どうぞよろしくお願いします。
P.S.
EC運営全般のノウハウを学ぶ研修「EC運営ステップアップコース」は、現在、2024年4月スタートの第3期の参加者を募集中です。毎回すぐ満席となる人気講座で、澤井珈琲さんのように社内のリーダー・スタッフの方が受講されるケースも増えていますね。
オンライン受講ですから、全国どこからでも参加できます。授業だけでなく交流や宿題もあります。宿題はちょっと大変ですが、澤井さんも言うように「(宿題の提出を)待っている人がいるから頑張れる」効果があります。頑張る人の背中を押してくれる研修です。
「研修の詳しい内容を知りたい」「受講しようか悩んでいる」、その他にも気になる点があれば、お気軽にお問い合わせください。先着順ですので、ご興味がある方は、ぜひお早めにお申込ください。
この記事を書いた人
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コマースデザインは、EC事業のコンサルティング会社として、ECのお役立ちツールやECコンサルティングを提供しています。全サービスの累計支援先企業は23,000社を突破しました。「色々な個性を持ったお店が数多くあり、お客さんに豊かな選択肢があるEC業界」を目指し、中小ネットショップ事業者の皆様の「強み」を引き出す支援を行っています。
詳しくは、コマースデザインについてをご覧ください。
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