「売上目標を達成しないと…」と悩むEC担当者必見!おすすめのアプローチ法3選

こんにちは、コンサルタントの亀田です。

今回のテーマは、『売上目標を達成するための考え方』についてです。
EC事業部のリーダーやメンバーのみなさん、「会社から与えられた売上目標を何とか達成しないといけない…」とお悩みの方は多いんじゃないでしょうか?
実現に向けて様々なロジックを立てて、「こうやって目標達成を目指します!」と説明しているかと思います。

そこで今回は、そんな現場のみなさんのヒントになるような、売上目標を達成するためのロジックを3つご紹介します。ぜひ「どの方法が自社にあっているだろうか」という視点で、読んでみてください。

はじめに

「売上目標を立てて、達成を目指す」という考え方は一般的ですし、私自身も目標は立てて行動するようにもしています。

ただ、未来の成果一辺倒で考えるのもまたバランスが悪いようにも思います。

売上目標達成も大事だが、足元の土台固めも大切

どちらかと言うと、未来をきちんと見据えるからこそ、「お客さんから支持される商品であること」「ライバルがいないこと」といった、足回りをきちんと固める視点が重要だと考えています。

実現可能性が高く、自社の特徴にあったアプローチで考えよう

とは言え、現場で働いているみなさんは、会社から目標を与えられて達成しないといけないですよね。今担当しているクライアントさんでも、そういった方が多くいらっしゃいます。

やってみないと分からないと思いながらも色々と仮説や理屈を立て、「こんなロジックで売上目標達成を目指します」と説明するわけです。せっかく考えるのであれば、実現可能性が高く、自社の特徴にあった考え方で目標達成へ向けたアプローチができるといいですよね。

売上目標達成のための3つのアプローチ

そこで、売上目標を達成するためのアプローチを3つご紹介します。

  • A.アクセス人数をベースに考える
  • B.商品別の売上をベースに考える
  • C.お客さんをベースに考える

それぞれの考え方と特徴を具体的にお伝えします。

A.アクセス人数をベースに考える

1つ目は、『アクセス人数×転換率(購入率)×客単価=売上』で計算をする方法です。

最もシンプルで分かりやすい考え方で、「100人のうち1%の顧客が、客単価1000円の商品を買ってくれたら売上は1000円になる」…こんな方程式を立てていきます。

例えば、「売上が2倍、転換率が2倍、客単価が2倍なら、2×2×2=8だから、売上は8倍だ!」という計算ができるので、売上達成のイメージがつきやすいですよね。「それぞれの数値を5割増にする」という目標を掲げれば、現実的な感じもします。特に広告業界の方は、この考え方をベースに提案することが多いです。

シンプルでわかりやすいが、具体的な施策と結びつきにくい

ただ、この観点には抜けもあります。それは「商品の在庫はどうするの?」という視点や、手持ちの商品が一律で同じ転換率になる訳ではないということです。

数字でイメージしやすい反面、「具体的な戦術・戦略をどう立てていくか」という話と結びつきにくいという欠点があります。

この欠点をカバーするには、それぞれの商品で「アクセス」「転換」「客単価」を考えることになりますが、そうすると細かすぎることも…。
商品数が少ない場合はまだ計算できるかもしれませんが、アクセス・転換はさておき、「商品ごとの売上ベース」で判断した方が現実的な場合もあるので、注意が必要です。

B.商品別の売上をベースに考える

2つ目は、商品ごとに売上を予想し、「各商品の合計」から目標の売上を目指す方法です。

はじめに自社商品を洗い出し、年間や月間の売上などの数字を記入して「昨対比はどうか?」を見比べます。そして、売上が伸びている商品と減っている商品を分析し、「このままいくと、これぐらいの着地になりそうだな」という販売予測を立てます。

「昨対比が120%で伸びているから、今後も伸びる可能性がある」
「ここに新商品を投入し、既存の商品は少しテコ入れをして、これくらいの売上を目指そう」

このように、商品を軸に売上を計算していくわけです。

商品ラインナップの多いネットショップにおすすめ

この方法は特に、商品の品ぞろえがある程度多いネットショップや、新商品の仕入や製造する頻度の高いネットショップにおすすめです。

このアプローチのいい点は、何と言っても販売予測を立てる=在庫管理に直結すること。「この商品は何個ぐらい売れるかな?じゃあ、いくら仕入れようか」といった販売予測に対して、思ったよりよく売れる場合は、「早めに追加発注・製造する」という行動を計画的にとることができます。

C.お客さんをベースに考える

最後は、お客さんを軸にしたアプローチ方法です。新規顧客とリピーター顧客に分けて、それぞれの購入頻度と金額をもとに計算していくやり方です。

単品通販でよくある考え方なんですけど、例えば「1億円売るぞ!」と目標を掲げた場合、商品が1万円だとしたら、何人が買えば1億円になるでしょうか?

「目標売上1億円=客単価1万円×購入客〇人」なので、1万人ですね。

リピート購入のない商品の場合はこの計算式になりますが、リピート購入される商品の場合は、違う計算式になります。

リピートの多い通販でよく使われるアプローチ

目標売上を客単価で割ると顧客の人数が出ますが、これは正確には「のべ人数」ですよね。

例えば、平均して年3回買ってもらえる商品であれば、「1万人÷3=3333人」という計算になります。「リピーターが平均年3回くらいは買ってくれるから、そうすると1億円が達成できるね」という計算方法になります。

新規顧客とリピーター顧客の売上を分けて考えるので、より実現性の高い目標を考えることができます

このアプローチは、「商品数が少なめでリピート購入が多い通販」の方にぴったりの方法です。

まとめ

今回は、「売上目標を達成しないといけない」というEC担当の方に向けて、3つの考え方をご紹介しました。

  • A.アクセス人数をベースに考える
    • 「アクセス人数×転換率×客単価=売上」。最もシンプルでわかりやすい
  • B.商品別の売上をベースに考える
    • 商品のグロスで売上を作っていく考え方。商品数が多い店や、仕入れ型のECにおすすめ
  • C.お客さんをベースに考える
    • 商品数が少なめで、リピートが多い単品通販におすすめ

イメージをつかむには、A案やC案で紹介した「売上目標を客単価で割る」のが分かりやすいでしょう。
ただ、これは数字のロジックとしては分かりやすいんですが、具体的な施策に結びつきづらく、時として「広告を買いましょう」という結論になりがちです。実際の仕事につなげていく場合は、リピート通販でない限り、B案の商品ベースでやるのが一番多いのではないかと思います。

大切なことは、何となく考えるのではなく、自社のショップにあった方法で、目標達成のために実現性の高いアプローチをすることです。ぜひ、今回の記事を参考に、自社にフィットしたやり方を見つけてください。

P.S.

とはいえ、一人で考えていては「これが本当にベストなのかな?」「具体的に何からやればいいのか…」とわからなくなることもありますよね。
自分の店や商品を客観的に見て分析し、戦略を考えることは、簡単なことではありません。

「どうしていいか分からない」「このやり方でいいのか不安…」そんな場合には、第三者から客観的な意見やアドバイスをもらうことで、意外な視点や突破口を得られることがあります。お困りの際はぜひ弊社にご相談ください。目標達成のイメージが湧き、日々の仕事にも前向きに取り組めるようになるかもしれません。お悩みの方は気軽にご連絡くださいね。

こちらの記事もおすすめ

この記事を書いた人

亀田 直人
大手印刷会社にて人事を経た後、営業として、店頭を中心とした様々な企業の販促支援に従事し、紙から鉄まで多様な企画・制作に携わる。色数や印刷方法など、「成果物の完成度」にズレがちなクライアントの要望をそもそもの目的に合わせ整理し直すなど、「成果とコストの見合った効果的な提案」を得意とする。趣味はサッカー(ポジションはGK)、二児の父。

ECコンサルティング会社コマースデザインの社員ブログです。

値引きや広告に頼らない販促施策を中心に、小さな会社や1人事業のための業務改善・組織運営術など、経営全般の支援をしています。

RSS登録メルマガ登録

当社について

Eコマースの運営ノウハウ本を出版し、16回以上増刷されて業界で1位のベストセラーとなりました。

弊社の知見や取り組みは、NHKなど多くのメディアでも紹介されています。

コマースデザイン社長ブログ「ECバカ一代」