販売サイクルを停滞させる「滞留在庫」を処分したい!でも安売りはしたくない…そんな時の秘策とは?

こんにちは、コンサルタントの槐です。

滞留在庫となった商品の処分は、なかなか悩ましいものですよね。
「現金化するにしても、なるべく高く売りたい」「でも、通常価格より安く売っているのをお客様には見られたくない」というのが、正直なところでしょう。

そこで提案したいのが、メルカリやヤフオクなど、CtoCサービスの活用です。
一つひとつお客さんとやり取りして販売するのは手間がかかりますが、お店のイメージを損なうことなく、滞留在庫を効率よく販売することができます。今回は、その際の依頼のコツや値付の仕方などについて紹介します。

滞留在庫の課題と、処分することの重要性

滞留在庫が増えてくると、様々な問題が生じます。
たとえば、売れ残り商品が山のようにあるせいで、在庫が滞留し、倉庫のスペースが足りなくなったり、商品管理に混乱が生まれたりします。

滞留在庫があることで、現場の業務に支障が出ている可能性も

普段倉庫にいないと気づきにくいかもしれませんが、実は現場では問題になっている可能性があります。実際、ある社長さんが滞留在庫について担当者に聞いてみたところ、様々な困り事が発生していることがわかったそうです。

  • 「売れ行きのいい新着商品が、倉庫に入りきれない」
  • 「別の場所に仮置きしていて、商品登録ができていない」
  • 「倉庫の中が荒れてしまい、ピッキングに苦労している」

つまり、高値での売却を優先するがあまり、在庫の滞留が増えてしまい、現場では様々な業務に支障がでているわけです。在庫が「血栓」となって動脈硬化のような状態になり、「商品を仕入れて販売する」という健全な販売サイクルを阻害しています。当然ながら、経営上のお金の巡りも悪くなる可能性があります。

損切りのための安売りは、顧客満足度を損ねることも

「そんな悪影響がでるくらいなら…」と考えると、値引きどころか、叩き売りや廃棄処分も頭に浮かんでくるでしょう。

しかし、「損切りしてしまおう」と決断するのは簡単でも、極端に安く販売することで生じる直接的・間接的な悪影響、副作用を考えると、それは決していい方法とは言えません

「売れ残り商品を同じお店で安く販売していること」をお客様が知ったら、決していい気はしないはずです。店舗側も「できれば、自分の店やサイトで表立って安売りしたくない」と思うのも当然でしょう。また、商品のジャンルや時期によっては、値下げ販売が、お店全体のイメージを大きく損なう危険性もあります。

では、そんな時にどのように滞留在庫を処分すればいいのでしょうか。

CtoCマーケットプレイスなら、イメージを損ねず販売できる

想像以上に既に多くの方が実施しているのが、メルカリやヤフオクなど「CtoC」のマーケットプレイスに出品することです。利用の際は、お店の実名で販売する必要はありません。個人名でも、アウトレットストアとして別名にしてもいいでしょう。

物によっては意外と高値がつくことも

今シーズンの売れ残りだけでなく、倉庫の奥の方から発見されたオフシーズンものや、随分前に販売終了した廃盤品なども、ビンテージ品やレアモノとして高く売れることも稀にあります。また一律に安く売るのではなく、他の出店者やユーザーの様子を見ながら値付けすると、意外に高く売れることもあります。

ただ、1点1点値付けし、写真を撮って出品し、さらにユーザーとやり取りして送付するまで、けっこう手間がかかります。日常業務に加えてそうした作業のための時間を取るのは、かなか難しいかもしれません。そこで、家族や親戚、友だちなどに、アルバイトとして販売を手伝ってもらうという手もあります。

滞留在庫を代行販売する業者もある

また、地方の事業者で、滞留在庫に困っている会社に声をかけ、余っている自社倉庫の在庫スペースに商品を集め、自社の名義で販売したり、CtoCマーケットプレイスに出品したりしている方もいます。
実際、個人向けのレンタル倉庫やトランクルームのサービスでは、「預けた荷物の中から、依頼したモノをメルカリやヤフオクで販売してもらえる」というプランがあります。その事業者版というわけですね。

倉庫事業者だけでなく、広大なスペースを確保できる地方では、滞留在庫を引き取って代行販売するビジネスも登場しており、今後は利用者も増えていくものと思われます。

まずはそうした事業者に頼まずに済むように、在庫を持ちすぎないように気をつけることが一番。そのためにもECで細やかにデータを取って販売予測を立て、効率的な販売を心がけましょう

その上で「滞留在庫になりそう」というものがあれば、早めにCtoCに出品して手放せば、お店のイメージを損ねることなく値引きでの販売ができます。そうした「別ルートでの販売方法がある」ということを覚えておいていただけばと思います。

P.S.

健全な売買サイクルのために滞留在庫の処理が大切とはいえ、「あまり安く処分したくない」「安売りする店と思われたくない」と考えるのも当然のこと。
その解決策の1つとして、CtoCマーケットプレイスへの出品を紹介しましたが、打ち手は商材やジャンル、状況によって様々なものがあります。滞留在庫や、店舗の「動脈硬化」にお困りの方は、弊社がお役に立てるかもしれません。

弊社のコンサルティングでは、売上アップだけでなく、市場開拓や在庫の健全化など、様々な場面で施策を共に考え、実行にも伴走しています。業界をまたいだ様々な事例からの知見は、きっとEC事業者のみなさんのお役に立つものと自負しております。ご興味のある方は、ぜひ下記からお問い合わせください。

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この記事を書いた人

槐 香子
槐 香子
槐と書いて「えんじ」。埼玉出身。10年以上EC業界に在籍し、アパレル/美容雑貨/ベビー用品など様々なジャンルを経験。某モールで講師も担当。店の個性を活かした支援、人が育つ環境づくりに興味を持ち、コマースデザインに入社した。中小ECの可能性を信じている。カメラ好きでcanon60D愛用中。スパイスカレーに目がない。

ECコンサルティング会社コマースデザインの社員ブログです。

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