こんにちは。コンサルタントの石黒です。
アイデアやひらめきを形にしようとした時、相手に無秩序に伝え、実は混乱を招いていることがよくあります。
どんなにいいアイデアであっても、誰にも伝わらず、形にならなければ風化してしまうばかりです。もったいないですよね。
そこでこの記事では、アイデアやひらめきを形にするための、アイデア整理のコツをわかりやすくご紹介します。
アイデアには自信があるのに「伝えたいことがうまく伝えわらず、形にならない」とお悩みの方は、ぜひ試してみてください。
なぜアイデアやひらめきが形にならないのか
ネットショップを運営していると、「これをやったらうまくいくぞ」「これをやるといいなあ」と、さまざまなアイデアが思い浮かぶことがあるのではないでしょうか。
しかし、なかなかアイデアに共感してもらえなかったり、思い切って行動してみるも同僚やスタッフを戸惑わせてしまったりと、うまく形にならない場合があります。どうしてうまくいかないのか、まずはその主な理由を整理してみます。
アイデアの真意を理解してもらえない
アイデアが出てくるには、大抵の場合、その背景があるはずです。
たとえば、「◯◯が課題だと思っている」「お客様から指摘が届いた」「実はコストが上がっている」など、場合により様々でしょう。
ですが、そのような背景情報なく、「これをやるといいと思う」といった、アイデアのみを伝えてしまうと、それを聞かされた側はどうなるでしょう。
- 重要なことでも、軽々しく聞こえて真意が伝わらない
- 重要でないことが先に伝わってしまう
- ただの思いつきに聞こえてしまう
このような齟齬が生まれてしまいます。
重要度が分からず、様子見されてしまう
アイデアを実現するには順番があり、時間がかかります。
アイデアを実現しようと動いている途中で次のアイデアが来れば、実現しようと頑張っている側は「あれ?今これをやっているよね。先に次のものをやれということ?」などと考え、混乱してしまいます。
また、アイデアの前後にある「背景・困りごと・改善したいポイント」などを把握できないまま、アイデアだけどんどん伝えられると、全体像が見えなくなっていきます。
その結果、何をどうすればいいのか分からず固まってしまったり、「また違うことを言うかもしれない」と、様子見姿勢になったりするわけです。
あふれ出るアイデアを整理するための4つのコツ
アイデアを正しく理解してもらい、形にするためには、まず「アイデアを整理すること」をおすすめします。
そして、アイデアの整理の方法として、「書き出すこと」をおすすめします。
以下に、アイデアを整理する時の具体的なコツをご紹介します。意識しながらチャレンジしてみてください。
コツ1: アイデアとその前提を整理する
頭の中にあるアイデアがなぜ生まれたのか、を書き出してみます。
出てきたアイデアだけでなく、「どんな情報に触れて、どんな経験をしたから、そのアイデアになったのか」という、アイデアが生まれる前提となる話も交えて伝えれば、アイデアを伝える相手の理解も深まります。
そのために、まずは自分で前提情報も含めて書き出してみましょう。
もし、前提となる情報が間違っていたり、解釈が違っていたりしたら、そもそもの部分から議論ができ、現場の視点からアイデアをブラッシュアップすることもできるかもしれません。
コツ2: アイデアをタスクとイシューに分ける
タスクとは、ToDoと同じ意味で「あとは実行するだけ」の作業・行動のことです。
イシューとは「懸念していること」や「いいなあと思っていること」など、まだタスクにまで落ちていない、ちょっとモヤモヤしているような悩み事や課題などを指します。
アイデアをタスクとイシューに分けることも、アイデア整理のコツの一つです。
- このアイデアはタスクである →なので渡せば実行できる
- このアイデアはイシューである →誰かに共有する前にもっと自分で考えたほうが良さそうだ
といった感じです。
例えば、あなたが上司の立場であった場合、メンバーに実行してもらうにはタスクを渡すのがスムースです。
ですが、結論が出ていないイシューを伝えると、メンバーは「やればいいの?どうなの?」「考えろということ?」と混乱します。
そのため、タスクとイシューに分けてみることも、取り入れてみてください。
コツ3: アイデアに優先順位をつける
出てきたアイデアは、そのまま反射的に実行に移すのではなく、優先順位をつけて並べてみましょう。
よく行われる方法としては、「重要性と緊急性のマトリクス」で四象限にまとめることです。
- ①重要性と緊急性が高いもの
- ②重要だけど、緊急ではないもの
- ③重要でないけれど、緊急性が高いもの
- ④重要でも緊急でもないもの
そうすると、自ずと優先順位が見えてきます。
優先順位が見えると、どこから着手するべきかがわかり、相手に共有する際にも認識合わせができますよね。
この四象限、②と③の順番が悩ましいという場合があります。
この場合の優先度は、会社の状況で変わることが多いので、複数の関係者で相談されると良いでしょう。
コツ4: アイデアを記録して一覧化する&習慣化する
思いついたそばから伝えたくなるのは、「自分が忘れるから」という人もいます。
それならば、思いついたアイデアを記録する場所を決めて書き足していくことをおすすめします。
いろんなツールがありますが、Googleスプレットシートなど、スマホやパソコンからいつでもどこからでも書き込めて、なおかつ一覧にできるものがいいと思います。
左端にタイトル右側に本文、さらに「記入日」や「分類」を付けてもいいですし、この件を依頼する「相手」や「担当部署」などの欄を設けてもいいかもしれません。また、イシューとタスクを別シートに分けても書きやすいと思います。
記入日 | タイトル | 内容 | 分類 | 担当部署 | 依頼相手 |
---|---|---|---|---|---|
YYYY/MM/DD | ◯◯◯◯◯ | XXXXXX | ◯◯◯ | ◯◯◯◯部 | ◯◯さん |
: | |||||
: |
思いついたら自分のために一旦そのシートに書き留めておき、時間を見つけて前述したような視点で整理すると、効率的かつ定期的に頭の中を整理することができます。
「思いついたら都度書き込み、1週間ごとにふりかえる」を習慣化すると、書き込んだ時点では「すごく重要だ」と思ったとしても、1週間経ってみると「意外とそうでもないな」と思ったり、逆もあったりします。
習慣化するには少し根気がいるかもしれませんが、アイデアの整理には有効です。
まとめ
以上、アイデアには自信があるのに「伝えたいことがうまく伝えわらず、形にならない」とお悩みの方へ、「相手に伝え、風化せず形にしていく」ためのアイデア整理のコツをお伝えしてきました。
情報が整理されていないままの状態で渡されると、相手は混乱してしまいますから、まずアイデアを整理しましょう。
アイデアの整理の方法としては、「書き出すこと」が大切です。
書き出す際は、アイデアとその前提を整理してみましょう。
アイデアをタスクとイシューに分けることで、実行できることと、更に検討しなければならないことの分類ができるようになります。
アイデアに優先順位をつけること、また、アイデアを記録して一覧化し振り返る習慣を持つことも、アイデア整理に有効です。
せっかくのアイデアを風化させず、相手と共有しながらうまく形にできるよう、ぜひお試しいただければ幸いです。
P.S.
仕事に真剣で優秀な方は、常にいろんなことを考えています。考えていることは的を得ていて、非常に大事なことが多いのです。そういう方ほど「アイデアが風化してしまう・形にならない・相手に伝えてもなかなか対応してもらえない」と悩んでいます。
ですので、これまで紹介したように、いったん書き出して整理することをぜひ試していただきたいのですが、忙しい日々の業務に加え、アイデアを整理し、更には同僚やメンバーに伝えて実行していくという段階まで進めるのは、なかなか大変かもしれません。
私たちは、様々なネットショップの社長さんや店長さん、現場で日々試行錯誤される皆さんの支援を行ってきました。
その中で、まずは頭の中に思い浮かんだことを「人に話してしまいたい」「一緒に整理してほしい」というお声をいただくことも少なくありません。
「社内で伝えると混乱させてしまう」「一人店長で、社内には相談できる相手がいない」という方もいらっしゃいます。
その場合は、第三者として私たちが壁打ち役や情報整理のお手伝いとしてお役に立てると思います。
お困りのことがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人
- エクステリア通販会社にて、店長業務に加えて物流・ユーザサポート・システム開発まで幅広く担当。市場ニーズと競合度を見極めて自社オリジナル商品を企画、自ら販促全般まで行って人気商品を量産。楽天ショップオブザイヤーにてジャンル賞を受賞したが、独自ドメイン店にも明るい。休日はバンド活動中。